葬儀の受付は誰に頼むのか?仕事の流れや返礼品の渡し方など解説
公開日 : 2020/10/16
更新日 : 2020/10/16
葬儀を行うときは受付係が必要です。誰に頼むべきなのか初めての方は悩みやすいものです。また、主催者側からお願いされて受付を行っているため、基本的な挨拶やマナーも把握しておかなければいけません。そこで、葬儀の受付の基本についてまとめてみました。
公開日 : 2020/10/16
更新日 : 2020/10/16
目次
葬儀の受付は誰に頼むべきか
葬儀の受付を誰に頼むべきか悩む方もいますが、基本的にはルールがないため、誰でも行うことができます。一般的には従兄弟や遠い親戚にお願いすることが多く、喪主の友人や会社関係の方にお願いすることもあります。亡くなった故人と関係性が近い方は受付を行いません。
葬儀の受付をお願いする人数は最低3人が必要であり、お願いする方がどうしてもいない場合は代行を頼むこともできます。葬儀社に相談をすれば、葬儀社のスタッフが受付を行ってもらえるケースもあるため、葬儀の準備の際に確認してみましょう。
葬儀の受付をする方は代行でない限り、遺族に寄り添う主催者側であり、遺族の方に失礼の内容に受付を行わないといけません。そのため、挨拶やマナーについても不安がある方は事前に確認し、受付を行う3人で情報を共有することが大切です。
葬儀の受付係の準備や流れについて
葬儀の受付係を行うときは、準備からタイムスケジュールの把握など、様々なことに気を使いながら動かなければいけません。そこで、葬儀の受付係の基本的な仕事についてまとめてみました。
受付の準備
葬儀の受付を頼まれたら、まずは受付を作るところから始めないといけません。遺族の方は葬儀の準備で忙しいため、受付係は自分たちが仕事をする場所の環境を整えるようにしましょう。基本的に準備しなければいけないものは、参列者の名前を書いてもらう芳名帳です。
記帳する時に必要な筆記用具である黒のボールペンやサインペンを準備してください。さらに、香典うけも準備して葬儀が始まる30分前にはセッティングを完了させておくようにしましょう。受付の準備が遅れてしまうと、参列者の方が先に会場に来てしまいます。
そのため、何時に葬儀が始まるのかタイムスケジュールを事前に把握して置き、受付の開始時間に間に合うように準備を進めていきましょう。一般的に、葬儀が始まる1時間前から準備を始め30分でセッティングをして、葬儀が始まる30分前から受付を開始します。
受付係の仕事
受付係の仕事は主に芳名帳を願いして、香典を受け取り、返礼品を渡す作業です。それぞれ気を付けなければいけないポイントがあるため、解説していきます。
芳名帳に名前を書いてもらう
芳名帳に名前を記帳してもらう際には、フルネームと住所をしっかりと書いてもらうようにしましょう。香典袋にも名前や住所が記載されていますが、中には名字しか書いていない方もいるため、香典袋を受け取るときに名前をしっかりと確認しておくことが大切です。
葬儀が始まる前に受付を済ませるため、弔問客に対して一言、挨拶をしなくてはいけません。遺族の代わりに受付を行っているため、失礼のないように言葉遣いには注意してください。自信がない方は受付を一緒に行う方と事前に、どのように言うか打ち合わせをしておきましょう。
香典を受け取る
葬儀の受付係は弔問客から香典を受け取るのも仕事の一つです。香典袋の中にはお金が入っているため、慎重に取り扱わないといけません。受付係は最低3人で行いますが、その中で会計係を一人だけ決めておくようにしましょう。
喪主の方から香典袋の中のお金を集計することを任されている方であれば、弔問客がいなくなったら封筒を開けて中の金額をチェックします。そして、会計係は名前と金額の一覧を作り、喪主の方に渡すという大切な役割があります。
そのため、会計係になった受付の方は電卓やメモ帳・封筒など集計するのに必要なものも一緒に準備しておくことが大切です。しかし、喪主からお金の集計などを頼まれていないのであれば、香典を受け取るだけでよいため、お願いされたことを行うようにしましょう。
返礼品を渡す
受付で渡す返礼品とは、香典返しのことを指します。香典の金額の2分の1~3分の1くらいの品物を返すのが一般的ですが、最近では即日返しを行っている方が多いです。そのため、香典を受け取った時点で、返礼品を渡します。
返礼品の金額が頂いた香典の金額にマッチしない場合は、後日改めてお返しをするため、芳名帳の名前と住所が重要になってきます。また、誰がいくら香典を包んだのかも確認しないといけないため、喪主は葬儀が終わってからも行わなければいけない作業が多いです。
地域によっては、香典返しの渡し方を即日返しにすると会葬お礼品と勘違いされるケースもあるため、渡すときは「香典返しです」と一言添えることが必要です。そのため、受付の方は挨拶や言葉遣いなどに気を付けながら行わないといけません。
葬儀の受付係は会場の案内役
葬儀の受付係を行う際は、案内役も含まれています。初めて会場に訪れる方も多いため、スムーズに会場に弔問客がいけるように、芳名帳の記入が終わり、香典を受け取って、返礼品を渡したら次に進む場所を案内できるように事前に会場内を把握しておくことが大切です。
葬儀場の入り口やトイレの場所、喫煙場所などをチェックしておくことで、弔問客に聞かれてもすぐに対応することができます。葬儀会場によっては、1階と2階で別々の家族が葬儀を行っていることもあるため、迷わないために受付係は複数で行うことが鉄則です。
葬儀をスムーズに開始するためにも、案内役が必要であり、遺族側は弔問客の対応で忙しいため、受付係が重要です。特にトイレの場所はよく聞かれるため、どこにあるのか説明しやすいように事前にイメージトレーニングしておくと慌てずに案内することができます。
葬儀の受付での挨拶や言葉遣い
葬儀の受付を初めて行う方は多く、普段使いなれない挨拶や言葉遣いに戸惑う方もいます。受付で使う挨拶や言葉遣いを把握しておけば、失礼のないように対応することができます。受付に弔問客がきたら「お忙しい中、お越し下さいましてありがとうございます」と言います。
もし雨や雪の中での葬儀の場合は「お足元の悪い中、お越しくださりありがとうございます」と挨拶をしましょう。芳名帳に記帳をお願いするときは、「お名前とご住所を、ご記入いただけますでしょうか」と伝えてください。
香典を受け取ったときは「お預かりします」と伝え、返礼品を渡すときは「こちら、香典返しです」と伝えましょう。基本的にこちらの挨拶や言葉遣いをすればマナー違反とはならないため、相手に失礼のないように対応することができます。
受付係の服装マナーについて
葬儀の受付係を行う場合は、服装マナーを守らないといけません。男性や女性・学生の場合の注意点をまとめてみました。こちらを参考にして、失礼のない服装で受付係を行うようにしましょう。
男性の服装マナー
葬儀の受付を行う男性は、ブラックのスーツに白のワイシャツが基本です。葬儀に参列する服装にするのが適しています。よって、ネクタイや靴下・靴もブラックで統一するようにしましょう。ここで気を付けるポイントは、スーツの種類です。
ブラックであってもビジネススーツは着用してはいけません。生地の色の濃さが異なり、葬儀には適しておらず、喪服を着用しなければいけません。正しい服装マナーで受付を行わないと喪主の方に迷惑をかけてしまいますから、スーツの種類に気を付けてください。
また、靴に関しても素材に気を付けるべきです。エナメル素材の靴は安く購入することができますが光沢があるため、葬儀には適した素材の靴ではありません。また、装飾があるのもマナー違反なデザインで、適した靴であるか一度チェックしてみてください。
女性の服装マナー
葬儀の受付をする女性は男性と同様、ブラックのワンピースやスーツを着用しましょう。夏場であれば、半袖のデザインは避け、七分のワンピースやアンサンブルを着用するようにしてください。男性よりも喪服のデザインが多いですが、正しい服装マナーを守りましょう。
女性であれば、ブラックのストッキングを着用しなければいけなく、生足やタイツなどはマナー違反です。アクセサリーに関してはハーフエタニティ以外の結婚指輪は身につけてよく、真珠だけは黒・白いずれもアクセサリーとして着用することが可能です。
受付をする女性は礼をすることも多いため、髪が長い方はすっきりとまとめるのがポイントです。そして、葬儀の受付に適したメイクはナチュラルメイクが適しています。ノーメイクや派手なメイクはマナー違反であり、普段よりも薄めに行うようにしましょう。
学生の服装マナー
学生が葬儀の受付を行う場合の服装は、学生服で問題はありません。学生服がない場合は、大人のようにブラックのフォーマルな落ち着いた服装を取り入れるのがおすすめです。受付を任せられる学生なら、大人に近い年齢になってきていますから、服装マナーは必ず守りましょう。
女子学生が受付をするケースもありますが、大人の女性のようにメイクをする必要は特にありません。あくまでも学生であり大人ではないため、メイクは必要なく学生らしい姿で受付を行うのがポイントです。葬儀の場はおしゃれをするところではありません。
また、学生はスニーカーを履いていることが多いですが、葬儀の場であればローファーが適しています。大人のような靴を取り入れる必要は特にありませんので、ローファーを準備して受付に適した服装になるように準備してください。
葬儀で受付係をするときの注意点
葬儀で受付係をする際は、葬儀の始めから参列することが難しく、事前に行っておくべきポイントがあります。そこで、注意点をまとめてみましたので、受付係を行う方は事前にチェックしておきましょう。
焼香を先に行う
葬儀の受付係は始めから葬儀に参列することは難しく、さらに焼香をするタイミングを逃してしまう可能性が高いです。そのため、葬儀が始まる前に焼香を済ませておくのがポイントです。受付の準備をするために、会場に先に入ることができるため、焼香をしておきましょう。
喪主も受付を頼んでいることは把握しているため、「お先に焼香をあげさせてもらいます」と伝えてから行えば問題はありません。逆に葬儀に来ているのに焼香をあげていなかったと後悔することがないように、受付係は先に焼香を済ませておく必要があります。
ただし、喪主の了承がないと焼香をすることが難しいため、いつ行ってよいのか確認しておくことが大切です。「ほかの参列者の方々に続いてご焼香ください」と案内しているケースもあるので、葬儀の流れは事前に喪主に確認してください。
届け物の対応を確認しておく
葬儀の受付をしていると弔問客以外に、弔電や供花などの届け物を受け取るケースもあります。届け物を受け取った際は、必ず名前を確認して会場に運ぶようにしてください。喪主に届け物を伝えて、どのように行えばよいか指示をもらうようにしましょう。
主な届け物は弔電や供花であり、葬儀に使うものですから、ここでも会場の案内役を行わないといけません。そのため、受付係も最低3人必要です。芳名帳の記帳や香典を受け取り、返礼品を渡す以外にも仕事はあります。柔軟に対応できるように仕事内容を理解しておきましょう。
葬儀会場の届け物に関しては随時対応する必要です。届け物も名前を記帳することが必要で、受付係が行い受付係以外の進行係や世話係にお願いすることもできます。事前に打ち合わせをしておくとどこに何を案内すればよいか焦らずに済みます。
冬の場合は防寒も大切
冬の葬儀の受付は防寒対策も欠かせません。会場の入り口で行うことが多いため、冬場はとても寒いことが想定されます。そのため、カイロなどを体に貼って寒さ対策が必要です。葬儀の服装マナーはしっかりと守らないといけないため、コートなどは着ることができません。
また、女性も防寒対策としてストッキングからタイツにすることもマナー違反となるため、できる限りの範囲でインナーを厚手にしたり、見えないところで防寒対策をするようにしてください。
遅刻は厳禁
葬儀の受付係を任されたら、遅刻は絶対に厳禁です。葬儀は故人との最後の別れであり、多くの方が時間を厳守して受付30分以上前から足を運ぶことも多いです。そのため、受付を任された方は準備もあるため、絶対に遅刻をしてはいけません。
社会人として遅刻は絶対にすることはできません。信頼を失うことにもつながってしまいます。受付係は最低3人いますから、やむを得ない事情で遅れてしまうことを想定して、一緒に受付係を行う方と事前に連絡先を確認しておくのがおすすめです。
葬儀の受付を行うときはマナーを守ろう
葬儀の受付係をするときは、服装マナーや挨拶・言葉遣いに気を付ける必要があります。不安な方は事前に確認して置き、一緒に受付係をする方と打ち合わせをしておきましょう。案内役もあるため、誰がどの仕事をメインとするか決めておくようにしてください。
いつどこで葬儀の受付を頼まれるかわかりませんので、基本的な知識を頭の中に入れておくようにしましょう。少し緊張するかもしれませんが、マナーを守ってしっかりと仕事を果たすようにしてください。
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