盛籠とは?お葬式で供える中身や誰が供えるべきなのかを解説します

公開日 : 2020/10/14

更新日 : 2020/10/14

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盛籠はお葬式でよく使う言葉ですが、供花ほどなじみがありません。しかし盛籠もお葬式に故人のために供える大切なものです。今回は盛籠とはどういったものなのか、その中身と誰が供えるべきものなのかについて詳しく解説をしていきます。

公開日 : 2020/10/14

更新日 : 2020/10/14

目次

盛籠とは

盛籠とは、大分県を発祥として全国に広まったお供えです。主にお葬式や法事などで取り扱われます。形は様々ですが、中身が見えるように大きな籠いっぱいにお供えをいれてその周りを華やかな造花で彩ってお葬式の広い場所でも目立つように作られます。

 

中身は様々で、線香・缶詰・果物などが定番ですがオーダーメイドで作ることも可能です。元々お葬式でのお供えは故人への弔意を示すためと、遺族への支援が始まりであり、お供えの一部は使い勝手のいい現金、つまり香典へと姿を変えましたが、盛籠として物のお供え物の意識もまだ残っています。

 

地域によって盛籠の中身は異なります。その地域によっての考え方や風習に寄りますので盛籠で悩んだ場合には地域性に強い地元の葬儀社や、親族を取りまとめるような人に相談するとよいでしょう。

盛籠は誰が出すべき?

盛籠はお花についでメジャーなお供え物です。誰が出すべきものなのかを見ていきましょう。

親族

盛籠を一番多く出すのは親族です。親族の中でも故人から見て血の濃い近しい親族が出す場合が多いです。ただ決まりはありませんので盛籠を出すべきかは喪主と相談したり、他の親族と相談するとよいでしょう。

 

親族では誰が供花をだすべきか、盛籠を出すべきか一族の知られざるルールが存在している場合もあります。親族同士のルールを知らないと「あそこの家は盛籠を出さなかった」「あそこの家が盛籠を出すから私も出す羽目になった」などと後々の関係までトラブルになりかねません。

 

親族の取り決めだけではなく、地域によっても供花だけを出す地域や、供花と盛籠を出す地域など異なります。また盛籠は花と同じくお葬式が終わった後に、分けて親族やお手伝いをしてくれた人へ渡す風習がある時には、喪主に供花がよいのか盛籠がよいのかを訪ねても良いでしょう。

 

喪主は持ち帰ってもらう盛籠の量などを考えていますので、もし盛籠が足らない場合は自分で出す必要もあります。喪主に伺いを立てることで喪主の負担を減らすこともできるのです。

会社関係・友人関係など

盛籠は親族以外の会社関係や友人関係の人が出しても構いません。供花だけでは物足りないと感じたり、会社のルールで決まっていたり、分けて持ち帰ることのできる盛籠の方がよいと考える場合、親族に限らず盛籠をお供えしましょう。

盛籠の中身

盛籠の中身は様々です。ただ何を入れてもよいというものではありません。特に宗教によっては入れてはいけないものもありますので、専門業者が用意するもの以外は避けるのがよいでしょう。

 

ここでは宗教によって異なる盛籠の中身を見ていきます。なお、盛籠の中身は地域によって大きく異なります。盛籠に入れてもよいものでも地域の風習で、缶詰しか盛籠としてお供えできなかったり、逆に生の果物のみで盛籠としてお供えしたりと様々です。

 

なお宗教と関係なく、盛籠の中身はビールやお米、コーヒーや調味料などの嗜好品でも構いませんが、日持ちするものを選びましょう。

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仏式のお葬式や法要

仏式のお葬式や法要での盛籠の中身は、主に線香・ろうそく・生の果物・果物の缶詰・果物ジュース、和菓子などです。仏教は殺生を嫌うので肉・魚とそれらの加工品はお供えはしません。

 

盛籠はお葬式であればお通夜の前から丸2日間、お葬式の式場で飾られます。そのため生の果物や和菓子などで日持ちのしないものは、傷む可能性があり、どうしようもできません。

 

盛籠での生の果物はできるかぎり傷みにくく、見栄えのするりんごや大きなオレンジ、メロンなどが使用されていますが、それでも絶対傷まないという保証はないので、傷みが気になるのであれば線香やろうそく、缶詰などを贈りましょう。

神式のお葬式

神式の盛籠の中身は、主に果物・和菓子・加工された肉や魚・酒などです。仏教と違い、線香やろうそくは使わないので盛籠の中身に相応しくありません。合わせて仏教では向かない肉や魚のお供えも神式では大丈夫ですが、生のものは傷む可能性があるため避けた方が無難です。

キリスト教のお葬式

キリスト教での盛籠は出すことができません。もともとキリスト教では供物という考えがないためです。お供えできるのは花束やアレンジメントタイプの花のみが基本です。

盛籠の手配の仕方

お葬式で弔意を示すものとして盛籠を出したい場合どうしたらいいでしょうか。お葬式は急に発生することですので盛籠を手配できる方法を知っておくといざという時にスムーズに手配することが可能です。

 

また盛籠を供物としてお供えする場合に気を付けなければいけないこともあります。合わせてご紹介していきます。

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注文可能な場所

注文できる場所は主に下記の二つです。盛籠は地域性が強いので場を乱したくないという人はお葬式を執り行う葬儀社に、故人の好きな物を供えたいなど中身をこだわりたい場合には仏具屋や果物屋などがよいでしょう。

葬儀社

お葬式を取り扱っている葬儀社は、地域性に合わせた盛籠を用意していますので最も確実に盛籠を手配できます。また葬儀社に盛籠を注文する人も比較的多く、盛籠の見目も揃っていますので式場の見目が良く仕上がります。

 

なお葬儀社は決められた盛籠しか置いていないので、中身の種類はあまり豊富ではありません。また生の果物をメインとする地方では、果物が傷むのを防ぐために式場にはサンプルで飾ることもあります。

 

葬儀社への注文は電話やFAXで行うことが可能です。盛籠には出した人の名札を付けますので、漢字の間違いが無いようにしっかりとやり取りをしましょう。

仏具店や果物店など

仏具店では線香やろうそくの盛籠が、果物店では生の果物や缶詰などの盛籠を用意することができ、式場へ持ち込むことができます。ただ地方によっては、線香や果物などを盛籠にする風習がないと取り扱っていない場所もありますので確認が必要です。

 

仏具店や果物店へは来店したり、電話をすることで注文できます。中身にこだわりがある場合は来店しその場で相談したほうが良いでしょう。盛籠の中身の並べ方は、見栄えを良くする必要があるので、慣れているお店の人にお任せするのが無難です。

通夜の2時間前には届くように手配する

盛籠はお通夜とお葬儀まで基本的には飾られます。地方によっては初七日法要が終わるまで飾ります。盛籠はお葬式の式場を彩るお供えの一つですので、お通夜の2時間前には届くように手配しましょう。

 

お通夜への準備で式場には供花を始め様々なお供え物が運び込まれます。供花や盛籠には名札が付き、その名札は基本的には故人関係、喪主の関係、遺族の関係といった順に並べられます。

 

最終的な並べ方は喪主が決定し、その後式場へお供え物が並べられますので、もし注文した盛籠がお通夜ぎりぎりに届いてしまうと、喪主はお通夜の段取りで忙しい中で順番を決め直さなければいけませんし、葬儀社側も並べ直さなくてはいけません。

 

お通夜の始まる時間は決まっていますので、開始する時間が迫っていると並べ直すことができない場合も有ります。そうした場合は名札によってはお供えを出した側への失礼に当たってしまうため、盛籠だけでなくお供え物全般はお通夜の始まる2時間前には、式場に納められるようにしましょう。

盛籠の相場

盛籠の相場は一基で1万円から2万円程度です。一つを一基と呼び、二つを一対(いっつい)と呼びます。一基で飾るか、一対で飾るかは地方によって基準が異なりますので、先方や葬儀社に確認をするとよいでしょう。

 

一対で盛籠を出す風習の強い地域でも絶対に一対で出さなくてはいけないわけではなく、一基で出しても構いませんし、逆も同じです。ただ他の人が一対で出しているところに一基となったり、逆に一基で揃えているところに一対になると目立ちます。

 

バランスや人の目が気になる場合には風習に合わせた方が無難です。

 

盛籠はいつまで供える?

盛籠は果物や和菓子を除くと日持ちするもので作られます。そのため地方によっていつまで飾るか違いがありますので、ここでは大きく二つに分けてご説明します。

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お葬式後に分ける

盛籠の中身がどのようなものであれ、お葬式が終わった後に分けて、親族や手伝っていただいた方、近所の方へのお礼として渡します。盛籠を分けるのは葬儀社のスタッフが手伝ってもらえますので、いくつに分けたいかを伝えておくとよいでしょう。

 

中身が一種類の場合はどのように分けても不公平は出ませんが、果物の盛り合わせなどであった場合は平等に分けることが難しくなります。葬儀社のスタッフは心得ていて見た目や金額が平等になるように分けますが、高級なものを寺院に分けたい場合など、遺族の意向があれば先に相談しておきます。

3日から1週間飾る

お葬式後に盛籠のまま持ち帰り、後祭壇と仏壇に飾る場合も有ります。後祭壇はお葬式後に家で位牌やお骨を安置するためのもので、忌が明けるまでは後祭壇で故人を祀ります。後祭壇と仏壇は比較的近くに置きますので、合わせてのお供え物として盛籠のまま飾るのです。

 

このような場合は3日から初七日までの1週間を目安に飾り、その後盛籠の中身を取り出してありがたく頂戴します。盛籠の造花や台が不要になった暁には、葬儀社に相談すると引き取ってもらえます。

盛籠以外の供物

お葬式には盛籠以外の供物もお供えされます。どのお供えが相応しいかは地域性や、自らの考え方、喪主の意向などがありますので一概には言えません。しかしお供え物の種類を知っておくと選ぶ幅が広がりますよね。

供花

供花は「きょうか」または「くげ」と読み、生花のお供え物です。お葬式のお供えとしては最も一般的なもので、一基1万円か5万円程度まで種類も多く用意されている場合が多いです。

 

親族などはアレンジメントタイプで祭壇近くに置く供花、会社関係などはスタンドタイプの供花が一般的ですが決まりはありません。また盛籠と同様に一基でお供えすることが一般的な地域と、一対でお供えすることが一般的な地域があります。

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樒(しきみ・しきび)

樒は仏教で大切にされる木です。常緑な木であり匂いが強いことから仏教では魔除けの木とされてきました。今でも死者を守る魔除けとして仏教のお葬式ではお供えされることが多いです。

 

また関西では供花よりも樒を供える傾向があり、仏式のお葬式の大切なお供えの一つです。

霊前灯

霊前灯はその名の通り、故人の霊の前を灯す明かりであり、死出の旅路に出る故人の足元を照らすものとしてのお供え物です。通常一対で供えられ、道に迷わないようにという願いがこめられます。

 

霊前灯は仏教のみに供えられ、その中でも宗派によっては不要とされていますので、お供えを考えている時には喪主に伺いを立てた方がよいでしょう。

御淋見舞い

御淋見舞いは、「御寂見舞い」とも書き、地域特有のお供え物です。東海地方の一部に残り、お通夜などに熨斗を付けて故人の前に供えられます。御淋見舞いは、饅頭の他、銘菓や線香・ろうそくなどです。

 

中身は盛籠と似ていますが、御淋見舞いは盛り付けず、また造花の飾りつけはせずに熨斗を付けた箱で遺族に渡され、祭壇近くへとお供えされます。この時、熨斗は祭壇側から読めるように、つまり故人から読めるように置かれます。お葬式後には盛籠と一緒で分けて親族などに配られます。

盛籠を辞退している場合

遺族によっては盛籠を受け取ることを辞退している場合があります。盛籠だけ辞退しているか、供花や他の供物も含めてすべて辞退しているかは遺族の判断ですが、辞退している場合には無理に盛籠をお供えしないように心がけます。

 

盛籠を辞退している理由は、家族葬が増え小さな式場でお葬式を行うため盛籠を置く場所がない、親族が少ないので盛籠の中身を分けて持って帰る量が多く負担が大きい、盛籠を頂くことが偲びないなど様々です。

 

遺族には遺族の考えがあって盛籠を辞退していますので、遺族の考えを尊重しましょう。どうしても盛籠を供えたいという場合や、会社や近所の規則で盛籠を出すと決まっている場合には遺族に直接相談をすることをおすすめします。

盛籠について

盛籠は、線香・ろうそく・和菓子・果物・缶詰などを盛り付け造花で飾ったお供え物の一つです。仏教では故人への供養としてお供え物が大切にされていますので、その風習が現在にも残り、盛籠の中身は昔ながらのものから、コーヒーや調味料など新しいものまで多種多様になってきました。

 

盛籠の中身は地域の風習が残っている場所が多く、生の果物だけ取り扱っていたり、缶詰だけを取り扱っていたりと様々です。そのため盛籠はお葬式を執り行う葬儀社へ注文することが最も安全です。

 

なお神式でもお供えはしますが、仏教とは中身が異なります。キリスト教ではお供えの概念がありませんので盛籠をお供えすることはできません。