喪服として半袖はマナー違反|夏場のお通夜や法事の服装について解説
公開日 : 2020/9/22
更新日 : 2020/9/22
最近は猛暑が続いている日本の夏。喪服がフォーマルスーツだと知っていても、この暑さの中ではツラく感じてしまうのが正直な気持ちです。喪服を半袖にすることはマナー違反なのでしょうか?この記事では、半袖の喪服や夏の葬儀の服装についてを男性女性にわけてご紹介します。
公開日 : 2020/9/22
更新日 : 2020/9/22
目次
喪服のマナーについて
喪服にはマナーがあり、外れてしまうと故人やご遺族に失礼になってしまう上、偲ぶ気持ちが伝わりにくくなってしまいます。まずは、喪服のマナーについて簡単におさらいしましょう。
男性のマナー
男性の喪服は、どのような立場でも基本敵に準喪服と呼ばれるブラックスーツがほとんどです。ブラックスーツの生地は光沢感のない深い黒となり、ビジネススーツの黒と違いがあります。
遠目でわりにくくても、明るい場所では生地の違いが明確にわかるため、喪服用のブラックスーツを着ましょう。シャツは白無地、ネクタイやソックス、靴は黒を使用します。
女性のマナー
女性の喪服は、どのような立場でも準喪服であるブラックフォーマルスーツを選ぶのがほとんどです。肌が露出するのを避け、スカート丈も膝が隠れるくらいがベストです。
胸元も大きく開いているデザインは避けます。また、女性特有のストッキングですが、夏でもヌードカラーや素足は避け、ブラックを着用します。また、男性とは違い女性のブラウスは黒が基本です。
喪服で半袖を着ることについて
猛暑の夏が続いているので、体調管理としても喪服に半袖を着ていきたいですね。葬儀のマナーとしては、半袖は着ていくのはどうなのでしょうか。
男性の場合
男性は、仕事の後ですぐに参列するケースも多くあります。オフィスで着用していたクールビズのような服装でも良いのでしょうか?
喪服の半袖はNG
男性はブラックスーツで参列することが多く、ジャケットを着用しているので猛暑の夏には許されそうですが、基本的には半袖はNGです。きちんとジャケットとネクタイをつけてブラックスーツで参列しましょう。
また、夏用のブラックスーツも販売されています。軽量生地で風通しも良く、裏地も薄いのでジャケットでも着心地が良くつくられているので試してみるのもおすすめです。
半袖ワイシャツかろうじてOK
男性の半袖シャツでの参列は基本的にマナー違反です。しかし、するのはかろうじてOKという意見もあります。その理由としては、会場にいる間中はジャケットを着用しているのがマナーのため、ワイシャツを半袖にしていてもわからないからです。
親族のみの葬儀であっても、半袖のワイシャツを着ていることが周囲にわからないようにうっかりジャケットを脱いだりしないように最善の注意を払いましょう。また、会場は空調や冷房が入れており、快適な温度を保ってくれているので安心です。
女性の場合
女性の場合は、ワンピーススタイルの喪服もありますのでOKのような気がしますが、実際、半袖の喪服はOKなのでしょうか?
ワンピースは五分袖や七分袖ならOK
女性は、ワンピースの喪服の場合は五分袖や七分袖OKです。しかし、やはりお通夜や葬儀なら会場内ではジャケットを着用して参列するのがベストです。ワンピースとジャケットがセットになった喪服が販売されているので合わせて購入するといいでしょう。
カーディガンやレース、オーガンジーの羽織物などはマナー違反になるので気をつけます。長袖シャツとジャケットで参列している人も多いため、会場内は空調や冷房がきいています。女性は冷えやすいのでジャケットを着用するのがおすすめです。
ブラックスーツでの半袖はNG
訃報を受けてからお通夜までの時間がない場合、女性もスーツで参列する場合もあるでしょう。その場合には、男性と同じように基本的に半袖シャツはNGとですが、かろうじてジャケットを脱がないので半袖でもOKです。
男性と異なり、女性の場合は黒のカットソーやブラウスを着用します。白はNGとなるので気をつけましょう。パンツスーツの場合は、ヌードカラーのストッキングでもマナー違反にはなりません。
肌の露出はNG
女性は全体的に肌を露出しすぎてはいけません。そのため、猛暑だからといって黒のストッキングをはかずに素足で参列するのはマナー違反です。また、スカート丈が膝より上で短めだったり、デコルテが大きく開くようなデザインもNGです。
おしゃれをする場ではなく、故人を偲ぶ場ということを忘れずに、シンプルな喪服でマナーを守りながら控えめに参列しましょう。
子供の場合
お通夜や葬儀などに子供を連れていくこともあるでしょう。子供になら半袖はOKなのでしょうか。子供に喪服マナーはあるのでしょうか。
乳児の場合
乳幼児を連れて参列する場合は、黒やグレーがベストです。しかし、ベビー服ではあまり見かけない色なので、代わりに派手でない落ち着いたカラーであるネイビーなどがおすすめです。赤ちゃんでもかわいらしいカラーや華やかなカラーを着せるのは避けましょう。
幼児・小学生の場合
子供にも喪服があり、販売されていますが、必ず必要というわけではありません。基本的に幼稚園や学校に制服があるのであれば、正式礼服とされる制服を着せるのがベストです。
制服がない場合には、白いシャツや黒、ネイビー、グレーなどの暗いトーンのスカートやパンツ、セーターなどを着せます。子供の喪服には格式はないので半袖でもOKです。
法事で着る半袖について
夏の法事でも長袖のジャケットを着用するのがマナーです。暑いからといって半袖のみ着ていくのはやめましょう。
法事が始まるまでの待ち時間や法事が終わった後の食事の時間ならジャケットを脱いで半袖になっても問題はありません。男性のシャツは、白い半袖ワイシャツにしましょう。女性のインナーは黒のみです。
喪服の身だしなみでの注意点について
基本的に葬儀やお通夜、法事と身だしなみのマナーは変わりません。失礼のないように細かいところまでチェックしてから参列しましょう。
男性の場合
男性は女性と比較すると気をつける点が少ないですが、油断は禁物です。特にお通夜の場合は平服でも良いという考え方もありますが、喪服に準じた服装を心掛けるのが基本です。チェックして、失礼のないよう参列しましょう。
喪服のシャツボタン
おしゃれなデザインが豊富にある現在の白シャツには細かいですがボタンにも注意が必要です。ワイシャツのカラーが白でもボタンに柄が入っていたり、ボタンを縫い付けている糸に色が付いているとカジュアル感を周囲に与えてしまいます。
シンプルにすべてが白で統一されているシャツを選びましょう。法事で着る半袖シャツも同様です。
喪服のシャツの襟
喪服として着用できるシャツの襟は3つです。
- レギュラーカラー
- ワイドカラー
- セミワイドカラー
襟が大きく開いたホリゾンタルカラーやカッタウェイ、エレガントさが魅力のイタリアンカラーのようなおしゃれなデザインは喪服としてはふさわしくないので避けます。おしゃれが好きな人でも喪服では、偲ぶ心を忘れず装うように意識しましょう。
ノータイシャツのためのボタンダウンはカジュアルなのでNGです。他、襟先が丸くなったラウンドカラーも遊び心があるので避けましょう。法事で着る半袖シャツも同じくシンプルな襟を選びます。
アクセサリー類
喪服としての腕時計ですが、基本的には付けてもOKです。しかし、光沢があったり、華やかなデザイン、ベルトに革を使用している腕時計はNGなので気をつけましょう。黒でマットなベルトの腕時計のみ許されるので、それ以外は受付前に外します。
また、結婚指輪以外のアクセサリー類はすべて外しましょう。ネクタイピンも原則として葬儀用のタイピン以外はNGです。
ヘアスタイル
最近は、ビジネスでも服装のルールが緩くなってきたのでヘアスタイルもおしゃれをしている人たちも多いでしょう。しかし、お通夜に参列するのであれば、故人を弔うのにふさわしいヘアスタイルにします。
明るいカラーは一時的に暗く染まるようカラートリートメントなどを使用し、落ち着いたトーンにしましょう。ヘアサロンへ行くのもいいですね。
また、ロングヘアの人は、お辞儀の際に顔に髪がかからないようきっちりと結びます。ワックスなどのスタイリング剤をたっぷり付けるのもNGです。おしゃれをする場所ではないということを意識した清潔感のあるヘアスタイルで参列しましょう。
女性の場合
女性の喪服では、気をつける点が男性よりも多くなります。故人やご遺族に失礼のないように厳しくチェックしてから参列しましょう。
アクセサリー類
女性は日常でアクセサリー類を付けることが多いですが、喪服では基本的にアクセサリー類は結婚指輪以外は原則NGです。
もし、アクセサリーをする場合は、涙を意味するホワイトパールやブラックパールのみ。イアリングは小さめで、ネックレスは40cm程度までの長さを1連にしましょう。アクセサリー類を何も付けずに参列するのがベストです。
メイク
オフィスでのナチュラルメイクと葬儀でのナチュラルメイクは異なります。オフィスから駆け付けるときは、そのままのメイクで参列しないようにメイク直しをしましょう。
アイシャドウやチークなど、華やかな印象のメイクはすべてオフします。アイシャドウを付けるならパール感やシアー感などがないマットなベージュやブラウンを使用します。
マスカラは涙でも落ちないタイプを選び、地味につけましょう。透明マスカラでもOKです。リップはナチュラルカラーで少々色味が出る程度に押さえます。逆にノーメイクはマナー違反になるので、地味めなメイクで参列しましょう。
ネイル
ネイルはブームですが、葬儀では地味にするのが基本です。ジェルネイルなどはベージュ系のマニキュアを上から塗り、隠しましょう。
また、ラインストーンなどきらびやかなデザインのネイルをしている場合は、葬儀用の手袋で隠すのも1つですが、焼香や食事では外さなくてはいけないので、できれば落とすのがベストです。何もつけないシンプルな爪で参列しましょう。
ヘアスタイル
男性と同じようにトーンが明るい髪は、一時的にダークトーンになるようにカラートリートメントやカラースプレーなどで暗くします。長い髪の人は、きっちりとまとめて清潔感を重視したヘアスタイルにしましょう。
マナーとして、耳よりも上でまとめると華やかになり慶事、耳より下でまとめると弔事と言われているので下でまとめます。バレッタなどを使用する際には、光沢感のないマットな黒のデザインを使用しましょう。
喪服はマナーに沿って着るのがベスト
基本的に喪服としての半袖はマナー違反です。式場はクーラーも効いているので安心してマナーに沿った喪服で参列し、個人の願望よりも故人を偲ぶ気持ちを大切にしていきましょう。
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