余命宣告された時、家族はどうすべきか?治療方針、相続や葬儀の準備について

公開日 : 2020/9/19

更新日 : 2020/9/19

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余命宣告された時、患者の家族はどうするべきなのでしょうか。余命宣告の正しい意味、治療方針の選択肢から、家族がどう接するかや相続や葬儀の準備について解説します。さらに、セカンドオピニオンについてや、リビングニーズ特約についても見ていきます。

公開日 : 2020/9/19

更新日 : 2020/9/19

目次

余命宣告とは

余命宣告された時、本人と家族はどのように行動すべきでしょうか。まずは「余命宣告」という言葉の正しい意味を知ることが重要です。さらに、セカンドオピニオンの重要性についても理解しましょう。 正しい知識を得ることで、現在の状況が正しく理解でき、今後どうすべきかが見えてきます。

余命宣告の正しい意味

まずは、「余命宣告」の正しい意味を理解することが大切です。余命とは、過去のデータから算出された予測値であり、この傾向の患者さんは大体〇か月後に亡くなったという傾向にすぎません。 例えば余命3か月と宣告された場合、余命宣告から3か月くらいで亡くなる患者さんが多かったという意味であって、3か月未満の生存を保証するわけでも、3か月以上は生きられないと断定するわけでもありません。余命は寿命ではないということが重要です。 余命宣告の際に余命として宣言される期間は、その病気の患者の半数が亡くなるまでの期間である「生存期間中央値」が用いられることが多いようです。平均値を使わない理由は、平均値の場合、その値が実情とかい離してしまうことがあるためです。

セカンド・オピニオンも重要

余命宣告をうけた後、納得して今後の治療を行うために、セカンド・オピニオンを受けるのも考え方の一つです。セカンドオピニオンとは担当医とは別の病院で違う医師に診断してもらうことです。 担当医に申し訳ないと考える人がいるかもしれませんが、今やセカンドオピニオンは当たり前の時代です。治療の選択肢が広がったり、現在の治療方針が正しいことの裏付けになったりもするので、検討する価値はありそうです。 セカンドオピニオンを受ける際は担当医から検査結果などのデータをもらい、別の病院に提出します。同じ検査を繰り返す負担を避けることができます。

残された時間との向き合い方

残された時間をどう過ごすかを考えた時に重要なのが、治療方針の決定です。この項では、主な治療方法について見ていきます。積極的な治療の他、患者本人のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)を重視した選択肢についても確認します。また、治療に必要なお金を用意できるリビング・ニーズ特約についても確認します。

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治療方針の決定

ここでは、治療方針のうち、代表的な三つの選択肢について確認します。患者本人の病状と、何を優先したいか等を考慮して、方針を決めることが大切です。

完治を目標に

完治を目指す場合、様々な方法で病気の原因を取り除くことになります。手術、投薬のほか、がんの場合は放射線治療など、あらゆる方法を試します。 手術による身体への負担、投薬による副作用、医療に必要な費用などを考慮すると、身体的にも経済的にも厳しい道になることもあります。また、余命の多くの時間を病院で過ごす可能性もあります。

延命治療という選択肢

延命治療は病気の完治を目指すのではなく、寿命を延ばすことを目指した治療です。「数か月後に生まれてくる孫の顔が見たい」などの理由で延命治療を選ぶ人もいるようです。 延命治療の場合も、手術や投薬の副作用があるかもしれませんし、病院で過ごす時間が長くなる可能性があります。それ相応のモチベーションが必要かもしれません。

緩和ケアという治療

緩和ケアとは、病気の完治や延命を目指すのではなく、病気による苦痛を少なくして穏やかな死に向かうよう努める治療です。 治療の苦しみから解放されるので、生活が楽になり、入院せずに自宅で余生を過ごせる可能性もあります。残された時間を穏やかに過ごすという点を重視した治療法です。

リビングニーズ特約を利用

治療に必要なお金をねん出するのに役立つのが「リビング・ニーズ特約」です。リビング・ニーズ特約とは、被保険者が医師から余命半年以内と診断された際に、死亡保険金の一部または全額が生前給付されるというものです。 亡くなった後の死亡保険金はその分減額されますが、闘病中にまとまったお金が入ることで、より高度な治療を受けたり、思い出作りをしたりと、本人が悔いなく最期を迎えるための選択肢が広がります。 指定代理請求特約を付加すれば、本人以外でも受け取りが可能ですが、本人に余命宣告をしていない場合、気付かれてしまう危険性があるので、注意が必要です。

家族にできること

余命宣告された患者の家族は、本人にどう接すれば良いのでしょうか。この項では、家族がどうすべきかについて見ていきます。また、家族が自分自身の健康を維持することの大切さについても確認します。さらに、余命宣告されたことを家族に内緒にしているケースについても見ていきます。

共感しつつ聞き役に

余命宣告された場合、家族は慌てず、本人が落ち着くのを待つことが大切です。そして、自然体で接し、共感しつつ聞き役になり、無理に言葉をかけないようにします。安易に「がんばれ」と言うのは良くありません。 本人の不安な気持ちに寄り添い、サポートをしていくのが家族のつとめです。今後についての本人の希望を引き出し、一緒に検討していくべきです。本人が落ち着いてきたら、家族自身の希望も伝えましょう。 本人の精神状態、性格等を考慮して接することが大切です。

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家族の健康も大事

余命宣告された患者の家族は、自分自身の健康状態を維持することも大事です。つらい本人のために悩み過ぎてしまい、家族が「第二の患者」にならないように注意が必要です。 余命宣告された患者をサポートするには、精神的、肉体的にも経済的にも余裕が必要です。家族が健康を損なってしまっては、サポートどころではなくなってしまいます。患者のためにも、家族のためにも、健康状態に留意することが重要です。

家族に内緒

余命宣告された事実を家族に内緒にするケースもあります。その場合、本人の心理としては、これまで通り接して欲しい、同情されたくないというものではないでしょうか。 その場合の対応は、まずは本人がこれまで通り振る舞う、というのが基本であると言えます。その上で、残り時間が少ないことを知らない家族に配慮しなければなりません。本人がこの世を去った後に、家族の心残りを作らないように注意が必要です。 自分自身の事を考えるだけでなく、家族の気持ちも大事にしなくてはならないので負担が大きいです。しかし、家族の立場に立てば、そのような配慮も必要なのではないでしょうか。

準備すべき事

この項では、本人が臨終を迎えるまでに準備すべきことを見ていきます。特に、相続と葬儀について、どのような事に注意して準備を進めるべきかについて確認します。

相続の意向を確認

まずは、財産がどのくらいあるのかを確認する必要があります。もちろん、借金やローンなどの負債の把握も必要です。そして、相続人となる人を確認します。 さらに、相続税の申告に使うために、「財産目録」を作成します。これらの作業は、行政書士などの専門家に依頼することもできます。 そして、遺言書を作成します。代筆やパソコンなどで作成したものは無効であり、自分で記す「自筆証書遺言」でなければならない点に注意です。遺言書は破棄されたり、隠されたりする恐れもあるため、公正証書遺言を作成しておくと安心です。

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葬儀の希望を聞く

お葬式をどのようにするかを検討します。葬儀の形式、規模、コストなどを考えて、複数の葬儀社から見積もりをとって比較検討するのが理想的です。 葬儀社を決めたり、檀家に連絡しておくとその時の行動がスムーズになります。また、臨終時に連絡したい人のリストを作るのも大事です。本人が臨終を迎えた時の家族の負担が減ります。 できるだけ早い準備をすることが重要です。そうすることで、本人の希望に近い葬儀が実現できます。準備なしだと、バタバタしているうちに葬儀の形が決まってしまい、その結果、満足度の低い葬儀になってしまいます。

余命宣告された時の家族、まとめ

余命宣告された時に、患者の家族はどうすべきかについて見てきました。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。本人の気持ちに寄り添いつつ、残された時間と死後のことを一緒に考えていく事が大事なのではないでしょうか。