新聞の死亡広告とは?死亡記事との違いや掲載方法など疑問点を解決

公開日 : 2020/9/18

更新日 : 2020/9/18

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死亡広告をご存知でしょうか?新聞社が独自の判断で著名人の逝去を伝える死亡記事とは異なり、一般の方が、故人の逝去やお葬式の日程をお知らせするための手段です。本記事では、死亡広告を出す理由や出し方、料金設定などを紹介します。

公開日 : 2020/9/18

更新日 : 2020/9/18

目次

死亡広告とはそもそも何か

死亡広告とは、個人の訃報やお葬式の日程を新聞等に載せることで、一度に様々な方に知っていただく手段のことです。訃報広告、黒枠広告とも呼ばれています。

 

ご高齢の方ならば、インターネットを活用していないことも珍しくないため、訃報やお葬式の日程を知らせる有効な手段となります。

 

また、そのような事情がなくとも、故人の関係者全員に一度にお葬式に関する情報を伝えられるという点で、死亡広告はご遺族の負担を減らす役割があります。

 

しかし、普段の生活から死亡広告に馴染みがある方はそう多くはありません。ましてや掲載方法や料金設定についてはほとんどの方がご存知ないのではないでしょうか。

 

本記事では、死亡広告に関する基本的な疑問の答えや掲載手続き、料金設定などを順に紹介して行きます。

死亡広告を出す一般的な理由

死亡広告では、お葬式の日程や故人の死、家族のみでお葬式を終了したことなど、様々な形の訃報を伝えることができます。現在、死亡広告の使用はやや下火になっていますが、ご遺族の負担を軽減する様々な利点があります。

 

最大の利点は、新聞を購読している親戚や関係者に均一に訃報やお葬式の情報が行き渡ることです。ご遺族がお葬式の準備で忙しい時期に、誰に連絡するか考える手間や連絡を個別に送る手間を省き、素早く情報を届けることができます。

 

また、均一に情報を届けられる、というのも大きな利点です。お葬式の日程に関する情報の行き違いや誤解を防ぐことができます。

一般人も出すのか

死亡広告を掲載するのは、非常に多くの関係者がいらっしゃった故人や大企業の会長が、大規模な社葬を開く場合が多いようですが、もちろん一般の方が死亡広告を出すこともできます。

 

しかし、今日の首都圏での死亡広告の需要は社葬の場合が多いため、一般の方の葬儀でもある程度大規模で参列者が多いことが、死亡広告を出す主な動機となっているようです。

地方での特別な役割

地域によっては、死亡広告は大変重要なものになります。特に北海道や沖縄県です。

 

死亡広告の存在は地域の住民に広く周知され、特に沖縄県では、電話で訃報を伝えるよりも「琉球日報」や「沖縄タイムス」等新聞に死亡広告を掲載して、一度に親戚に葬儀を告知する方法がよく取られます。

掲載手続き

死亡広告の場合、原則として広告代理店を仲介して紙面に載せます。そのため、まず死亡した故人の遺志を確認した後、広告代理店に連絡して掲載日、サイズ、料金等を明らかにしましょう。

 

お葬式の準備でご遺族がお忙しい場合、これらの連絡は葬儀社が代行してくれる場合もあります。納得の行く内容であれば、次に広告代理店、あるいは新聞社の提示する掲載内容の確認を行います。

 

この際、文章のフォーマットはある程度決定しているため、修正箇所はほぼないはずですが、一部の個人情報を隠したい、などの要望がある場合はここで交渉します。以上のプロセスを踏まえて、掲載希望日に指定された紙面上に死亡広告が載ります。

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死亡記事との違いは何か

類似したものに「死亡記事」があります。死亡広告とは何が違うのでしょうか「死亡記事」は新聞社が独自の判断で書く記事で、故人の訃報が掲載されても料金は取られません。

 

役所や葬儀社に「死亡記事」の掲載を依頼することもできますが、新聞社が載せない判断を下すこともあります。もし「死亡記事」として掲載される場合は、お悔やみ欄に載ることになります。

 

一般的に「死亡記事」を利用するのは、政界、経済界、スポーツ、芸能などの要人が死亡した際です。

 

一方、死亡広告はご遺族がお金を出して新聞に掲載する広告になります。お金を出して依頼する広告ですので、期日にさえ間に合えば新聞社に掲載を拒否されることはありません。

新聞以外の媒体で訃報を見る、伝える

新聞以外ではインターネット上でごく一部の訃報を見ることができます。かつては役場やインターネット上に死亡記事や訃報が掲載されていましたが、個人情報が悪用されてしまったり、ご遺族に迷惑がかかったりしたため、現在ではほとんど閲覧することができません。

死亡広告を新聞に載せたくない場合

死亡広告やお悔やみ欄を新聞に載せたくない理由には、故人や喪主の名前を新聞に載せたくない、家族葬をあげる予定なのであまり広く遠い親戚や同僚に周知されたくない、といったものがあるようです。

 

どうしても死亡広告やお悔やみ欄を掲載したくない場合は、葬儀会社に訃報を載せるかどうか確認された際にはっきりと断るようにしましょう。

 

死亡広告やお悔やみ欄には故人や喪主のお名前、お葬式の日程、喪主の住所が載るため、プライバシーの観点である程度の危険性を伴います。もし不安ならば葬儀社に相談することで、完全に訃報を載せない、あるいは一部の情報を隠すといったことができるようです。

 

家族葬をあげる予定の場合は死亡広告を載せないご遺族が多いようです。ただし、家族葬の式後には当日の参列をご遠慮いただいた故人の関係者の方に、故人の死亡と家族葬を行った旨をお知らせする必要があります。

 

その場合の連絡手段として、死亡広告を利用することがあるようです。新聞の死亡広告で家族葬を行った旨をお知らせした時には、その後故人の関係者がご遺族宅へ弔問に訪れることも想定しておきましょう。

死亡広告はいくらなのか

死亡広告の料金は、紙面上での大きさと新聞の展開地域の大きさによって異なります。例えば、全国紙で大きな死亡広告を出せば200万円近く、地方紙で小さな死亡広告を出せば2万円程度、といった金額になります。

 

これらの金額は条件によって差が大きいですが、幸いオンラインで簡単に参照できるようになっています。ネット上で公開されている死亡広告に興味がある人は、死亡広告などのワードで検索すれば幾つかヒットするはずです。是非ご覧になってみてください。

死亡広告には何を載せるのか

死亡広告には個人葬、社葬、逝去のお知らせのみなどに合わせて定形文があり、おおよその定形文の大きさに合わせて広告の価格が決まっています。

 

ではそれぞれのお知らせにはどのようなことを載せる必要があるのでしょうか。なお、死亡広告では句読点を用いない特徴があります。

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故人の逝去のお知らせのみ

亡くなった事実のみをお知らせする場合、故人のお名前、死亡年月日(まれに時刻も)、死因、享年等を掲載します。喪主の名前や住所は載せる必要がありません。家族葬後の挨拶にかえる場合、この広告の場で弔問客やお香典を断ることもあるようです。

個人葬のお知らせ

個人葬の場合は、故人の逝去のお知らせの内容に加えて、故人のお葬式や告別式の日時、お葬式を執り行う斎場、喪主のお名前、住所を掲載します。通夜、お葬式、告別式の時間を記すことでスケジュールを告知する役割もあるようです。

社葬のお知らせ

社葬の場合は、まず死亡広告中で社葬であることを明示します。その上で、お葬式と告別式のスケジュール、場所、会社名、所在地、葬儀委員長の氏名も掲載します。大きな広告になるため、値段とスペースに注意して記事を作成する必要があります。

逝去をお知らせするということ

先述したように、死亡広告は現在一部の地域を除いて下火になりつつあります。これは個人情報保護の風潮や、葬儀の規模自体の縮小の影響を受けているためです。

 

一方で、大切な方が亡くなったこと、お葬式をあげたことを、生前お世話になった方にしっかりとお知らせする重要性は変わっていません。

 

葬儀社や広告代理店との交渉次第で個人情報の保護は可能になり、迅速かつ均一に関係者の方に情報を届ける新聞の利点を最大限に活かすことができます。

 

電話や葉書で訃報をお知らせするのも当然有効なのですが、この際に新聞の死亡広告を用いる選択肢があっても良いのではないでしょうか。