先勝にお葬式をあげるのはダメ?六曜と弔事の関係について解説

公開日 : 2020/9/12

更新日 : 2020/9/12

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六曜の1つ先勝。先勝の日にお葬式をあげることはできるのでしょうか。実は答えは是ですが、風習上、先勝の日にお葬式をあげるにはいくつかの注意点があります。以下では、先勝の日のお葬式の考え方や、そのほかの六曜と弔事の関係についてご紹介しています。

公開日 : 2020/9/12

更新日 : 2020/9/12

目次

先勝とは?

先勝とは「せんしょう」「さきがち」と読み、六曜の1つです。六曜とは古代中国発祥の考え方で、その日の吉凶を占うものです。六曜が日本に伝えられたのは室町時代ごろといわれており、江戸時代には広く定着しました。

 

先勝には「先んずれば勝ち」という意味があり、六曜の中では3番目に縁起のいい日です。先勝は名前の通り、何事も早めに行うほうが良い日であり、転じて、午前中は吉、午後は凶と考えられています。そのため、先勝に行う行事は午前中に済ませるほうがよいと言われています。

 

とくに先勝は勝負ごとに縁起のいい日と考えられています。「勝つ」という文字がある通り、勝ち負けが決まるような行事があるときは、先勝の午前中に行うのがよいでしょう。たとえばスポーツの試合や、仕事や買い物などで大きな契約をするときは先勝の午前中がおすすめです。

先勝の日に葬式をあげてもいいの?

よく「友引に葬式はよくない」といわれますが、先勝はどうなのでしょうか。結論をいうと、先勝の日に葬式をあげても問題はありません。その理由は3つあります。1つには、六曜はそもそも仏教に関係ない点が挙げられます。

 

先にもご紹介したとおり、六曜とは古代中国に生まれた占いの方法です。よく仏教の教えと混同されますが、本来、六曜と仏教にはなんの関わりもありません。そのため、仏式のお葬式をあげるときに、六曜を気にする必要はまったくないのです。しかし六曜は日本の暦に深く浸透しており、葬式に六曜を気にする人が多いのが現状です。

 

その場合は、以下の2つ目と3つ目の理由を根拠として、お葬式あげてもよいと考えることができます。2つ目の理由は、先勝は勝負ごとに関わる日であるという点です。これは先にご紹介したとおりですね。葬式は勝負事ではありませんので、先勝の日にお葬式をあげても問題はありません。

 

3つ目は、先勝の午前中は縁起がよいという理由があります。こちらも前述のとおりで、先勝の日の葬式は午前中なら滞りなく終えられると考えることができます。そもそも六曜と仏式の葬式に関係はありませんが、もし気になる場合は、この2つの理由を根拠にすれば、お葬式をあげるのに問題はありません。

お通夜はダメといわれる理由とは?

お葬式はいいけれどお通夜はよくない、といわれることがあります。これは、先勝の次の日が友引に当たるためです。先勝の日にお通夜を行うと、自動的に、翌日の友引に告別式を行うことになります。友引の日に葬式をするのはよくないと考えられているため、お通夜が先勝に当たる場合は日程を変更するケースが多いです。

 

しかし、六曜と仏教は本来なんのかかわりもありません。そのため、友引にお通夜やお葬式を避ける必要はなく、先勝にお通夜をしても問題はありません

葬式の日取りに六曜を気にする理由

六曜と葬式にはなんの関連もないにもかかわらず、日本人は日取りを決めるのに六曜を用います。この理由として、日本人は縁起を大切にする傾向が強い、という点が挙げられます。六曜が日本に伝わったのは室町時代ごろですが、広く定着したのは江戸時代です。

 

はっきりした理由は分かっていませんが、縁起を大切にする江戸っ子の気質に合っていたためではないか、と考えらえます。また、六曜は明治時代に一度政府から追放された、という経緯もご紹介しておきましょう。

 

暦が太陰暦から太陽暦に改められるにあたり、政府は六曜を「迷信」として禁止するようになりました。しかし民衆がこれに強く反発したため、禁止されたにも関わらず、六曜はさらに大切にされるようになったといわれています。

 

六曜はなんの根拠もない占いであるにもかかわらず、現在でも日本人の暮らしに広く浸透しています。最近は六曜を気にしない人や、そもそも知らないという若者も増えていますが、慶弔の日取りを決める際に、周囲から六曜を持ち出されたので、なんとなくそれに従っている、というケースは多々あります。

そのほかの六曜と弔事の考え方

先勝以外の六曜について軽くご紹介します。六曜は先勝からスタートして以下の順番で回ります。

友引

「ともびき」と読み、勝負に決着がつかない日とされています。そのため縁起が良くも悪くもない日といえます。「友を引く」日であるため、お通夜やお葬式といった弔事は避けられる一方、結婚式などの慶事を行うには良いとされています。

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先負

先勝と対になる日で、「さきまけ」「せんぷ」と読みます。先勝と反対に、午前中は縁起が悪く、毎は縁起がよい日とされています。お葬式をするのに問題はありませんが、縁起が気になるなら、午後にするとよいでしょう。

仏滅

「ぶつめつ」と読み、六曜の中でもっとも縁起の悪い日です。慶事は避けられる傾向が強いのですが、お葬式をあげるのは問題ないと考えられています。仏滅はもともと「空亡」と呼ばれており、これは「無」や「0」を意味します。

 

この「無」は死と再生を意味しており、この日に葬式をあげることで、新しい生活がスタートするというイメージにつながります。

大安

六曜の中でもっとも縁起のいい日が「たいあん」です。結婚式などの慶事を行う人してとくに好まれます。「なにをしても上手くいく日」であるため、葬式をあげるのも問題ないとされる一方、縁起のいい日にお葬式をするのは不謹慎だ、という意見も見られます。

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赤口

「しゃっこう」と読み、正午の前後1時間ずつを除いて凶の日であり、六曜の中では仏滅に次いで縁起が悪いです。「赤」という色が血や炎を連想させるため、「死」というイメージが強い日でもあります。不吉な日であることから、慶事は避けられますが、お葬式をあげることはとくに問題ないと考えられています。

お葬式以外の弔事は?

先勝の日にお葬式をあげるのは問題ありませんが、そのほかの弔事との関係はどうなのでしょうか。前述のように、先勝の日にお通夜をするのは避けられる傾向があります。

墓参り

お葬式と同じく、先勝の日にお墓参りをしても問題ありません。先勝は勝負事に関する日であり、お墓参りは勝負事ではないためです。しかし、先勝にお墓参りをするなら午前中に足を運ぶのがおすすめです。

 

もともとお墓参りは、「ご先祖様は何事にも優先されるべき」という考えから、午前中におこなうのが一般的です。最近は午後にお墓参りを行う人も増えていて、時間帯に決まりはありませんが、なるべく早いほうがいいという風潮は残っています。

 

先勝は午前中が縁起の良い日ですので、もし縁起を担ぎたいのなら、午前中に墓所を訪れるとよいでしょう。

法事・法要

同様に、先勝は法事・法要も行うことができます。できれば午前中の方が縁起が良い点も同じくです。また、法事や法要は墓参りと異なり、多くの親族が集まることもあります。中には六曜の縁起を大切にする方もいますですので、無用なトラブルを避けるためにも、午前中に行うのが無難です。

神道における先勝の葬式

神道も六曜との関連性はありません。そのため、先勝にかかわらず、お葬式をあげるのに六曜を気にする必要はありません。どうしても縁起が気になる場合は、先にご紹介した「先勝にお葬式をしていい3つの理由」を根拠にしてください。また、お葬式に六曜を気にするかどうかは、神職によっても異なります。

キリスト教における先勝の葬式

キリスト教も六曜と関連性はありません。そのため、仏教や神道の場合と同じく、先勝や他の六曜の日であっても、葬式の日取りを気にする必要はありません。

気がかりなら避けるのが無難

ご紹介したように、先勝にお葬式をあげてもかまいません。しかし日本人は縁起を大切にしますので、自分は気にならなくても、他の参列者が気にすることもあるでしょう。先勝は本来勝負ごとに関する日ですので、お葬式をあげる時間帯に決まりはありませんが、もし気になるなら午前中に執り行うのが無難です。