遺族にかける言葉とは|メール上での基本的なマナーから文例まで紹介
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2022/6/10
ご遺族にかける言葉には、タイミングや相手によって内容が異なります。例えば、受付のとき・ご遺族に対面したとき・ご遺族の親戚と対面したとき・ご遺族の友人や知人とあいさつするときなど、さまざまなケースがあります。ここでは、大切な人を亡くした方へ最適な言葉のかけ方を紹介します。
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2022/6/10
目次
遺族にかける言葉について
お葬式に参列した際に、受付でかける言葉やご遺族にかける言葉、ご遺族の親戚にかける言葉、ご遺族の友人や知人とあいさつする時の言葉を含め、遺族に言葉をかけるタイミングは多数存在します。
そのため、経験がない方はどのタイミングでどのような言葉をかけるべきなのか、戸惑うことも多いでしょう。なぜなら、間違った言葉をかけてしまうと、大変失礼にあたるからです。
葬式の会場で失敗しないために、自分がご遺族の方にどんな言葉をかけるべきなのか、以下を参考にしっかりと把握しましょう。
葬式の場で遺族にかける言葉とは
葬式の会場の受付で遺族にかける言葉について、以下で3つの場合に分けて紹介します。1つ目が「ご遺族の親族の場合」、2つ目が「ご遺族の部下、上司にあたる場合」、3つ目が「ご遺族の友人、同僚の場合」です。
ご遺族の親族の場合
お葬式でご遺族に対してかける言葉は、「この度はご愁傷様でございます」や「お悔やみ申し上げます」があります。他には、「誠にご愁傷様です」、「心中お察しいたします」が一般的な表現とされています。「こんにちは」「おはようございます」等の挨拶から始めるのはNGですので、注意しましょう。
ご遺族の部下・上司にあたる場合
ご遺族の部下・上司の方の場合は、節度を持って「この度は、誠にご愁傷様です」と丁寧な言葉をかけてください。なお、葬式の会場では親族以外に声をかける機会が少ないかもしれません。声をかけるタイミングがなければ、目と目があった時に頭を下げて礼儀を尽くすことで想いを伝えましょう。
ご遺族の友人・同僚の場合
仮に、遺族の方と顔見知りであれば、交わす言葉は「誠にご愁傷様です」です。しかし、基本的にお葬式の会場では、むやみに言葉をかけに行く必要はありません。上記の場合と同様に、目と目が合った時に頭を下げて礼儀を尽くすだけでも十分です。これは、故人の友人でも同じことです。
お通夜や葬儀に参列しない場合にかける言葉
お通夜や葬儀に参列しない場合に、遺族やその親族に言葉をかける状況は次の2つです。1つ目が、「ご遺族の友達等にかける言葉」です。2つ目が、「ご遺族のご近所等にかける言葉」です。以下で詳細を紹介します。
ご遺族の友達等にかける言葉
もし、故人とあまり面識が無くご遺族の友達や恋人関係の場合、お通夜や葬式に参列することはありません。この場合、突然の訃報を聞いてかける言葉が思い付かないということがあるでしょう。
かける言葉の例としては、「淋しくなったね、私にできることがあればいつでも声をかけて。」といった言葉をかけるのが一番ふさわしいとされています。
ご遺族のご近所等にかける言葉
近年は、葬儀場でお葬式が営まれることもあるため、ご近所の方が助け合いながら葬儀をすることが少なくなっています。その結果、誰がお亡くなりになったかを近隣の方が知らない場合もあります。
もしお亡くなりになったことを知った場合は、上記と同様に「淋しくなりましたね」と言葉を交わしてください。
遺族にかける言葉をメールで行ってもOK?
近年ではスマートフォンの普及により、メールでの連絡が盛んになっています。そのため、携帯等で遺族に言葉をかけることも問題ないとされています。ここでは、メールで遺族に言葉をかける際のマナーや例文等を紹介します。
メールで言葉をかける際のマナー
遺族からメールで訃報が届いた場合は、できるだけ早く言葉をかけましょう。この時、遺族以外の知人から届いた場合は、メールでない方法でお悔やみを伝えてください。この場合、メールの件名には「(氏名・会社名)より、お悔やみ申し上げます」と書いてください。
メールで言葉をかけても問題がないケース
メールで遺族に言葉をかけても問題がないケースをいくつか紹介します。例えば、メール・ラインで訃報が届いたので返信する・過去に訃報のメールが送られてきた親しい相手である・海外に住んでいる相手に時差の関係で直接言葉をかけられない場合などがあります。
メールで言葉をかけるメリット
メールでお悔やみの言葉をかける際のメリットは、すぐに言葉を伝えることができる・相手が好きなタイミングでメールを読める・じっくり文面を考えてから送ることができるなどがあります。なお、相手やタイミングによってはマナー違反ととらえられることもあるので、注意しましょう。
メールで遺族に言葉をかける際の文例
ここでは、遺族にお悔やみを伝える場合の文例を紹介します。以下が例文です。 この度は、●様のご逝去の報に接し、驚いております。ご家族の皆様のご傷心を拝察いたし、心よりお悔やみを申し上げます。略儀となりますが、メールにて失礼いたします。 ここまでが、例文です。
遺族の親族にかける言葉とは
ここでは、遺族の親族等にかける言葉を紹介します。注意点として、ご遺族とは違うので「ご愁傷様」は失礼にあたります。以下で、かける言葉や取るべき態度を説明します。「かける言葉が見つからない」という方は、参考にしてください。
親族同士の場合にかける言葉
前提として、お葬式の時に「こんにちは」「こんばんは」などの挨拶で始めることはいけません。まずは、頭を下げる挨拶を静かに行います。その後に「淋しくなりましたね」、「突然で驚きました」などが交わす言葉となります。この時、ご愁傷様という言葉は使ってはいけません。
故人の友人・同僚の場合にかける言葉
ご親族の方と顔見知りではなければ、あえて挨拶を交わす必要はありません。仮に、ご親族の方と知り合いの場合、お葬式の時には挨拶を交わすことはあまりしないのが基本です。もし、偶然会った時には「淋しくなりましたね」と話すか、頭を下げて礼をすると良いでしょう。
お葬式の場で遺族にかけてはいけない言葉
ここでは、お葬式の場・遺族・不幸があった方への声かけでかけてはいけない言葉を紹介します。代表的なものは次の3つです。1つ目が「忌み言葉」、2つ目が「直接的な表現の言葉」、3つ目が「宗教に関わる言葉」です。以下で、詳細を紹介します。
忌み言葉
忌み言葉とは、葬儀場で使うことがためらわれる言葉のことです。葬儀の場での忌み言葉として挙げられるものは、不幸が重なる事を連想させる「重ね言葉」があります。この重ね言葉には以下の2種類があります。
1つ目が、「1つの言葉を重ねて言う言葉」です。例えば、たびたび、いよいよ、重ね重ね、などがあります。他には、またまた、ますます等が挙げられます。2つ目が、「繰り返しや次を連想させる言葉」です。
例えば、「なお」、「再び」、「再三」です。その他には、「追って」、「引き続き」、「繰り返し」等が挙げられます。以上で挙げた言葉をうっかり使用してしまわない様に注意してください。
直接的な表現
重ね言葉の他には、生死に関する直接的な表現の言葉も遺族にかけてはいけない言葉とされています。具体的には、次の言葉は避けなければなりません。「死ぬ」「死亡」「生きる」「生存」「事故死」「急死」や「生きているころ」です。
これらを遺族にかける言葉として使う場合は、次のような柔らかい表現に言い換える必要があります。まず「死ぬ」や「死亡」は「ご逝去」または「他界される」に言い換えましょう。
次に、「生きる」や「生存」は「ご生前」または「お元気なころ」に言い換えましょう。そして、「事故死」や「急死」は「突然のご不幸」または「急なことで」に言い換えてください。最後の、「生きている頃」は「お元気な頃」に言い換えましょう。
宗教に関わる言葉
宗教や宗派によっても、避けるべき言葉があります。例えば、良く知られている「冥福を祈る」という言葉には、「死後の幸福」という意味があります。この言葉は、キリスト教の一部では、死後は必ず天国に行けるという教えがあるため、冥福を祈る必要はありません。
そのため、キリスト教の一部では「冥福を祈る」という言葉は不適切にあたります。そして、浄土真宗では阿弥陀如来によって極楽浄土に導かれるという教えがあります。故に、「冥福を祈る」という言葉は、浄土真宗に対する信仰心の不足や迷いを表す不適切な表現にあたるので、不適切です。
ここで紹介したことはほんの一部です。死に対する考え方はその宗教の教義によって異なります。そのため、葬儀に参列する際はその宗教にあった配慮や言葉づかいを心がけましょう。間違っても自身が所属する宗教の考え方だけで進めることはしないでください。
マナーに則り、失礼のないように言葉をかけましょう
ここまで、遺族に言葉をかける際の基本的なマナーや遺族の親族にかける言葉をはじめ、知っておくべき基本的なマナーを多数紹介しました。上記で挙げたマナーに則り、遺族に失礼がないように言葉をかけることを心掛けてください。
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