遺骨の処分に困ったらどうする?正しく遺骨を処分する方法は?
公開日 : 2020/9/18
更新日 : 2020/9/18
さまざまな事情で遺骨の処分に困るケースがありますが、遺骨はどのように処分すればよいのでしょうか。今回は処分に困るケースの具体例と、正しい遺骨の処分方法をご紹介します。遺骨の遺棄は犯罪なので、ルールを守って処分してください。
公開日 : 2020/9/18
更新日 : 2020/9/18
目次
遺骨の処分に困るケース
遺骨は通常、故人を供養するために、お墓へ納められるか散骨されることが多いです。しかし場合によってはお墓に納めることができず、遺骨の処分に困るケースがあります。具体的にどんなケースがあるのか、みていきましょう。
お墓に入りきらない
先祖代々のお墓があっても、納骨室がいっぱいで新しい遺骨を入れるスペースがない場合があります。過去に納骨したものを移動させるか、新しい遺骨を違う場所へ納めるか、方法を考えなくてはなりません。
墓じまいをしたい
お墓の継承者がおらず、墓じまいを考えている場合は遺骨の処分に困るでしょう。お墓の管理料を払わなくなると、墓地の管理者によりお墓は処分されます。その前に墓じまいをして、納骨室にある遺骨を移動させなければならないのです。
埋葬場所がない
そもそもお墓を所有していない場合も、遺骨の処分に困ります。経済的な理由でお墓を作ることができなかったり、故人がお墓に入ることを拒否していたり、事情はさまざまです。お墓がなくても遺骨はどうにかしなければいけないため、頭を悩ませる人は多いでしょう。
身近な人の遺骨ではない
身近な人の遺骨ではない場合、処分の仕方には困るでしょう。例えば、引き取り手のない親戚の遺骨を引き取らざるを得ない状況が挙げられます。会ったことすらないような人ならば、お墓を準備するのは抵抗があるはず。
故人と会ったことがある場合でも、そりが合わない人や仲が悪かった人のためにお墓を用意する気にはなりませんよね。遺骨を自分のお墓に入れたいとも思わないでしょう。
遺骨の遺棄は犯罪
遺骨の処分に困ったとしても、どこかへ遺棄することは法律で禁じられているので注意してください。刑法190条には「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する」とあります。
遺棄だけでなく、墓地以外の場所に埋めることも犯罪に当たります。遺骨の処分は、法律を犯さないようにおこなう必要があるのです。
ペットの遺骨とは処分方法が異なるので注意
墓地以外の場所への埋蔵が禁止と聞いて、「ペットの遺骨は庭に埋めたのに」と考えた人は多いのではないでしょうか。人の遺骨とペットの遺骨は、扱われ方が異なります。ペットの遺骨は産業廃棄物に該当するため、自身が所有する土地への埋蔵は問題ないのです。
ただし公有地やほかの人が所有する土地への埋蔵は、罪に問われる可能性があります。近年はペット霊園に遺骨を納めるケースが増えていますが、必ずしも墓地へ入れる必要はありません。
火葬をして手元に残しておく人も多いです。もしも手放したくなったときは、ゴミに出すこともできます。人の遺骨とは勝手が異なるので、注意しましょう。
遺骨を処分する方法
お墓に納めずに、遺骨を処分する方法はいくつかあります。自分に合う処分方法をみつけて、遺骨の対処をしてください。処分方法をご紹介します。
海や陸へ散骨する
ルールを守れば、遺骨は海や陸へ撒くことができます。遺骨は粉末状にし、観光施設や浄水場付近を避けるなどいくつかの決まりがあるので注意してください。不安な場合は、専門業者へ依頼することをおすすめします。
散骨にはいくつか種類があり、費用は5~30万円ほど。しかしルールを守らずに散骨して、漁業関係者とトラブルになる悪徳業者も存在します。ほかに散骨代は安く設定しておいて、高額な供養品を無理やり売りつける業者も。
信頼できる業者を見極めて利用しましょう。
海洋散骨
海洋散骨では海に遺骨を撒きます。陸から2キロ以上離れて撒く決まりがあり、場所によっては散骨が禁止されている区域もあるので注意が必要です。信頼できる専門業者に依頼すると、船を出して適切なエリアで散骨をおこなってくれます。
散骨をしたという証明書を出してもらえるため安心です。船だけ出してもらい、散骨は自分ですることもできます。
海外散骨
海外散骨とは、海外で遺骨を撒くものです。旅行会社のオプショナルツアーで申し込むことができます。大切な人の遺骨を撒くのであれば、故人が好きだった国を選ぶとよいでしょう。
遺骨を郵送して、散骨までを完全にお任せできるサービスもあります。故人の思いを叶えてあげたいけれど、海外へ行く余裕はないという場合に最適です。
山林散骨
山林散骨では、山林へ遺骨を撒きます。ただし、山林ならどこにでも撒いていいわけではありません。自身が所有する土地ならば構いませんが、ほかに所有者がいる場合はきちんと確認を取りましょう。
火葬場へ引き取りを依頼
火葬場には、供養塔を併設しているところがあります。身寄りがない人の遺骨など、行政が処理する必要がある場合に利用されますが、申請をすれば一般の人も使えることがあるのです。
ただし、遺骨の処分を依頼すると粉砕しやすいように通常よりも高温で焼かれるため、費用がプラスされる可能性が高いです。まずは火葬場に供養塔が併設されているか、確認してみましょう。
納骨堂で永代供養
納骨堂で永代供養してもらうのもひとつの手です。納骨堂により費用は異なりますが、10~100万円ほどが相場となります。最初に料金を払えば永代供養してくれるため、安心できるでしょう。
納骨堂で一定期間保管された遺骨は、基本的に合祀墓へ移されます。納骨堂での永代供養は、墓じまいをするときに選ばれることが多いです。墓じまいをして遺骨を移す際には、改葬許可書が必要になります。
墓石を撤去する石材店を決めたり、墓地の永代使用権を返納したりといった手続きもおこないます。手順を守って墓じまいをしましょう。
専門業者に依頼
身近な人の遺骨ではない場合は、遺骨の処分をおこなってくれる専門業者に依頼するとスムーズです。業者に任せるためには捺印した依頼書を渡すだけでよく、難しい手続きは必要ありません。
どのような方法で処分するかは、業者によって異なります。合祀墓へ埋葬されるケースや散骨されるケースが多いです。
遺骨がお墓に入りきらない場合の対処法
単に納骨室がいっぱいで遺骨が入りきらない場合は、納骨室の底が土になっていれば遺骨をどこかへ移動して処分する必要はありません。骨壺から遺骨を取り出して細かく砕き、土に埋めればよいからです。
納骨室にスペースができれば、新たな遺骨を入れることができます。土ではなくコンクリートの場合は、骨壺から遺骨を出して細かく砕き、ひとつの骨壺に遺骨をまとめましょう。
無縁仏の場合はどう処分されるのか
無縁仏の場合、遺骨はどう処分されるのでしょうか。無縁仏の一般的な遺骨処分方法をみていきましょう。
無縁仏とは
無縁仏とは身元のわからない人や、供養してくれる人がいない人が埋葬されているお墓のことです。少子高齢化により無縁仏は増加しており、孤独死も無縁仏の増加を後押ししています。
無縁仏の遺骨処分方法
無縁仏の遺骨は各自治体が引き取り、霊園や寺院に埋葬されることが多いです。無縁墓地や無縁塚と呼ばれることが多く、霊園や寺院が供養をおこないます。継承者が途絶えて無縁仏になった場合は、墓地の管理者が手続きを踏んでお墓を更地にすることが可能です。
お墓に納められていた遺骨は無縁墓地や無縁塚に移されますが、埋葬されるのは遺骨の一部だけで、残りは産業廃棄物になることもあります。理由は、スペースに限りがあるからです。
なるべくなら故人が穏やかに眠れるように、無縁仏にせずきちんと処分してあげたほうがよいでしょう。
きちんとした手段で遺骨を処分しよう
少子高齢化に伴い、遺骨の処分に困るケースが増えています。散骨や火葬場への引き取り依頼など遺骨の処分方法はいくつかあるので、しっかりと処分をおこないましょう。無縁仏となったお墓は、遺骨が無縁墓地や無縁塚へ移動させられてしまいます。
故人が安心して眠れるよう、きちんとした手段で遺骨を処分してくださいね。
ご相談・お問い合わせください