喪中はがきは郵便局では買えないってホント? 喪中はがきを徹底調査
公開日 : 2020/9/20
更新日 : 2021/1/14
不幸は突然やってきます。悲しい永のお別れの後で、送る相手のリスト作りからはがきの発送などをするのは心身ともにつらい、という方もいらっしゃるでしょう。各印刷サービスや書き損じの喪中はがきについてなど、役立つ情報を集めてみました。参考にしてみてください。
公開日 : 2020/9/20
更新日 : 2021/1/14
目次
喪中はがきとは
毎年11月ごろになると、「喪中はがき」が1~2枚、配達されてきます。受け取ったら先方に年賀状が届かないように対処しますが、いざ自分が出す方になった時、段取りがわからず慌ててしまう人も少なくないでしょう。まずは、喪中はがきにどんな意味があるのか見ていきましょう。
喪中はがきの意味
「喪中はがき」というのは正式名称ではありません。正式には「年賀欠礼の挨拶状」と言います。2親等以内の親族に不幸があった場合、1年間は喪に服すことになり、新年を寿ぐ年賀状は出せません。
喪中はがきは、「お祝い事はできないため、新しい年を迎える喜びをお伝えできず、失礼致します」というお詫びの気持ちを伝えるものです。先方は届いた喪中はがきを見て、こちらに年賀状を送らないよう配慮してくださいます。
いつおくるの?
喪中はがきは、年内に身内に不幸があった場合に出します。喪中のため、翌年明けに送る新年の挨拶を載せた年賀状を、出さないこということを相手に知らせるために送ります。
喪中は、近親者が亡くなったことを哀悼し、正月というお祝い事に関わらない期間のことを言います。喪中はがきは、相手が年賀状を用意し始める前に届くのが良いでしょう。ですから、11月か12月上旬くらいには先方に届くように手配するようにしましょう。
はがきの種類
はがきには大きく分けて2種類あります。官製はがきと私製はがきです。大きな違いは、切手を貼るか貼らないかという点です。官製はがきは切手を貼らなくても配達してもらえますが、私製はがきは切手を貼らないと配達してもらえません。
表も裏も無地の官製はがき
郵便局には「喪中はがき」という名目のはがきはありません。切手が胡蝶蘭柄の官製はがきが、弔事用のはがきとしてよく使われているようです。通常のはがきと同じように、表面も裏面も無地です。
胡蝶蘭柄のはがきには、インクジェット対応タイプもあるので、時間が取れる方なら自宅で表裏ともに印刷できます。切手を貼る必要はありません。
私製はがき【私製はがきには切手が必要】
私製はがきには切手が必要です。郵便局で弔事用の切手として販売されている「弔事用63円普通切手・花模様」を使いましょう。華美な印象を与えない落ち着いた雰囲気の花が描かれている切手で、弔事に適したデザインです。
郵便局は喪中はがきを販売している?
年賀状と同じように喪中はがきも郵便局で販売しているのでしょうか。はがきを販売しているのだから、喪中はがきも販売しているはずですが、そうではないようです。
郵便局
先ほども触れましたが、意外にも郵便局には喪中はがき専用のはがきは販売されていません。郵便局は年賀状を販売しているので、喪中はがきだって郵便局にあるはず、と思ってしまいますが、喪中はがきという名目での販売はしていません。
その代わり、郵便局で販売している官製はがきの中に、喪中はがきに適しているものがあります。それは切手部分に胡蝶蘭が描かれている官製はがきです。裏面に挨拶の文面とイラストなどを印刷して、宛名を書いて郵送します。
ところで、なぜ胡蝶蘭が使われるのでしょうか。胡蝶蘭は白1色の花です。控えめで楚々とした佇まいが上品で、悲しみの気持ちを厳かに表す花、として捉えられているからです。郵便局の「総合印刷サービス」を利用すると、裏面に挨拶の文面とイラストを印刷してもらえます。
コンビニ
各コンビニの一部の店舗のみで販売しています。年賀状はコンビニで販売しているのはご承知のとおりですが、喪中はがきを販売している店舗はあまりありません。
販売している店舗を探して近所のコンビニを片っ端から探して歩くのも大変です。販売しているか電話で確認してから行くことをおすすめします。
ショッピングモール
ショッピングモールでは喪中はがきの印刷を受け付けています。競合しないためか、官製はがきを販売している店舗はなかなかありません。裏面に挨拶文とイラストが入った私製はがきならテナントの文房具店などで販売している可能性があります。
楽天などネット通販
実店舗では郵便局以外となると、なかなか買えない喪中はがきですが、ネットには喪中はがきを販売している店舗がたくさんあります。ただし、官製はがきのように無地のものはあまり販売されていないようです。
官製はがきを使うと後から切手を貼る手間が省けるのでおすすめです。裏面に挨拶文とイラストが印刷されたもの、裏面にイラストだけが印刷してあり挨拶文などの文面は自分で入れるもの、または選んだデザインのはがきに文面を印刷してもらうサービスを使う方法もあります。
宛名や差出人を印刷してくれる店舗もありますが、宛名は個人情報です。万が一漏れた場合に先方に迷惑をかけることになります。宛名は自宅のPCとプリンターで印刷するか、手書きで書くことをおすすめします。
郵便局の印刷済み喪中はがきを利用する
郵便局では、毎年10月初旬より、挨拶文(裏面)が印刷済みの喪中はがき(郵便はがき)を販売します。「一般的な喪中はがき」、「箔押し喪中はがき」の2種類が販売されています。
「箔押し喪中はがき」のほうが高級となっており、蓮の花のふちどりがされており、銀色の箔が施されています。これらは、2つは、郵便局の一般的な営業日で購入可能です。この喪中はがきのセットは、どの郵便局のカウンターでも特製ラックで展示されています。
注意していただきたいのは、この印刷済みの喪中ハガキにはデメリットもあります。差し出す枚数が少なければ問題は小さいかもしれません。差し出す枚数が多かったり、また文面や見た目にこだわるならばハガキ専門の印刷業者を使ったほうがいい場合もあります。
喪中はがきを自作
デザイン・文面・宛名はすべてPCで作業できます。時間のある方は、官製はがきを使い、自分好みのイラストや挨拶文などを入れて、喪中はがきを作ってみましょう。印刷をたのむよりは経費が抑えられます。
デザイン【ネットのテンプレートを活用】
「喪中はがき テンプレート」で検索するとイラストと文面つきの無料テンプレートが多くヒットします。イラストだけダウンロードできるサイトもあります。その中から好きなデザイン、書体を選び、レイアウトを整えたら先に裏面を印刷して、後から表面の宛名を印刷しましょう。
自分で作る場合、切手に胡蝶蘭があしらわれている官製はがきは通常タイプとインクジェットタイプがありますので、インクジェットタイプを選ぶと良いでしょう。
喪中はがきの文面の書き方
喪中はがきの文面をマナーに反することなく書くには、どのようにすればよいのでしょうか。いくつかポイントをあげますので、参考にしてください。
喪中はがきでやってはいけないこと
喪中はがきでは頭語や結語(「拝啓」や「敬具」など)は使いません。また、文章内の句読点や段落落とし(新しい段落の頭を1字下げる)もしません。喪中はがきだけでなく、年賀状など挨拶状に共通するルールです。覚えておくと良いでしょう。
句読点はつい使ってしまうので書いた後に見直すようにした方が良さそうです。喪中はがきの場合は「お慶び」や「年賀」などおめでたい言葉は書かないようにします。
喪中はがき文面の構成
まず挨拶文を書き、次に、故人について紹介をします。名前、亡くなった日付、数え年、差出人との続柄を書きます。存命中にお世話になったお礼を述べ、結びの挨拶と差出人の住所氏名を書けば完成です。
印刷を頼むとしたら
時間がない人やPCはいまひとつ苦手、という人は印刷サービスを利用しましょう。早く出せば割引もあるようなので、早めに注文する方が割引を適用してもらえます。郵便局の総合印刷サービスや、ネット通販を利用しますが、気を付けたいこともあります。
郵便局の総合印刷サービスを利用する
郵便局の総合印刷サービスを利用するとよいでしょう。官製はがき・私製はがきの裏面にイラストと挨拶文、表面に宛名も印刷してくれます。出来上がった年賀状は自宅に送ってもらうこともできますし、登録無料の会員限定サービスとして、無料で投函までお任せにもできます。
ネット通販
郵便局と同じように、ネット通販でも宛名を印刷してもらえます。郵便局にしろ、ネット通販にしろ、注文する宛名の住所録として個人情報を渡すので、まさかの時のセキュリティが心配な面もあります。裏面は印刷に出し、宛名はなるべく自分で印刷することをおすすめします。
コンビニ
コンビニにも印刷を頼めます。裏面のイラストや文面の印刷が基本ですが、オプションで宛名を印刷してくれるサービスもあります。料金はネット通販、郵便局よりも割高です。
カラー印刷を50枚注文すると、裏面のイラストや文面だけの印刷で4450円です。官製はがき代込みだと6021円、さらに宛名も注文すると、基本料金1017円に加えて1枚27円の上乗せが必要になります。
コンビニは徒歩圏内に必ずありますし、ネットからでも申し込めます。また、店舗に受け取りに行くなら送料は無料です。便利なようですが、ネット通販や郵便局よりもかなり割高に料金設定されています。他の手段と料金やサービスをよく比較してみましょう。
料金の例
ネット通販では、A社の場合、私製はがき50枚が3828円、B社は私製はがき50枚が3300円です。各社何かしら割引を適用して、だいたい3000円台で印刷してもらえるようです。
郵便局の総合印刷サービスだと、官製はがき50枚が4180円と、少し割高になります。自分で作製した場合、官製はがき63円×50枚の3150円と、インク代を含めてもネットや郵便局より安く仕上げられます。
喪中はがきのルール
喪中はがきには気を付けるべき点があります。失敗したとしても救済措置はありますので、落ち着いて対処しましょう。
送る時期
喪中はがきは先方が年賀状の準備を始める11月~12月上旬には届くようにしましょう。先方が年賀状を投函した後でこちらからの喪中はがきが届く、といった事態にならないように気を付けましょう。
喪中はがきにまつわる失敗
喪中はがきを出すのが遅くて先方から年賀状が届いてしまうことはよくあります。また、喪中なのを知らずに年賀状を出してしまうなど、喪中はがきや年賀状に関する失敗はみなさん1度くらいはあるのではないでしょうか。
喪中はがきを送る側
喪中はがきを出していなかった場合は、無理をせず、年始が過ぎた1月8日から2月3日の立春までに送る寒中見舞いで年賀欠礼のご挨拶をするようにしましょう。喪中はがきを出し忘れた方にも同じように寒中見舞いで欠礼のご挨拶をします。
出すつもりでカバンにいれておいたら、投函するのを忘れたままお正月になってしまった、といったケースも考えられます。スケジュールを前倒しにして、必ず先方が年賀状を投函する前に届くように手配するようにしましょう。
喪中はがきを受け取る側
喪中を知らずに年賀状を出してしまった場合、寒中見舞いでお詫びをします。その際、喪中であることを知らずに年賀状を出してしまった失礼をお詫びし、親族を喪った悲しみを思いやる気持ちを述べましょう。
喪中はがきは誰に出す?
裏面・表面の印刷が終わるとあとは投函するばかりですが、喪中はがきを誰に送るか送り先を決めるのも、結構なストレスになります。誰に送って誰に送らなくてもよいのでしょうか。
年賀状をやり取りしている人に出す
喪中はがきも「挨拶状」になるので、毎年年賀状をやりとりしている人に出すとよいでしょう。年賀状をやりとりしているのは仕事関係の人だけでなく、親しい人や、親戚など遠慮のいらない人もいるでしょうが、「親しき中にも礼儀あり」なので、「年賀欠礼の挨拶状」である喪中はがきをきちんと出しましょう。
勘違いされるのが、自分の親族の誰々が亡くなった、ということを報告する書状だと思っている人が多いことです。「誰々が亡くなり、新年を祝えないほど悲しみに打ちひしがれています。新しい年を迎える年賀の書状は控えさせていただきます」というお詫びの意味で送るのが「喪中はがき」なのです。
親族で同じように喪に服している人にも出せる
先ほども触れたように、喪中はがきは年賀状のやり取りをしている人に出しても差し支えありません。さらに、自分と同じように喪に服している親族にも喪中はがきを出しても構いません。
喪中は2親等以内の親族
では、故人の喪に服している親族の中で誰が喪に服しているかを把握するにはどうすればよいでしょうか。これは親等を数えればわかります。
故人から数えて2親等以内の親族が服喪することになります。1親等にあたるのは、故人と配偶者の両親と子どもです。故人と配偶者の父母、義父母、娘、息子が1親等になります。2親等にあたるのは故人と配偶者から見た祖父母、義祖父母と兄弟姉妹です。
喪中はがきは2親等までの人が出す挨拶状なので、故人から見た祖父母・義祖父母、両親、兄弟姉妹までが対象になります。
余ったはがきは交換可能
書き損じなどを見込んで喪中はがきを多めに作る方も多いのではないでしょうか。余った分の喪中はがきは、郵便局に持って行って切手やはがき、年賀はがきに交換できるはずですが、そうではない場合もあるようです。
喪中はがきを通常はがき・切手に交換
喪中はがきは通常のはがきや切手に交換できます。交換する時、喪中はがき1枚につき5円の手数料がかかります。例えば1枚63円の喪中はがき10枚を交換すると5円×10枚で50円の手数料を支払います。63円はがきが10枚あるので、63円×10枚で630円分の切手や通常はがきと交換できます。
喪中はがきは年賀状には交換できない
喪中はがきは年賀状と交換できません。年賀はがきはくじ付きのはがきなので、「63円の一般はがきに、くじ分がプラスアルファされたはがき」と考えます。喪中はがきは通常のはがきなのでくじ分のプラスアルファがないため、喪中はがきを年賀状に交換することはできません。
年賀状は喪中はがきと交換できる
年賀状は喪中はがきと交換できます。プラスアルファの分だけ年賀状の価値が高いため、郵便局は損をしないからです。例えば年賀状を買った後に不幸があり、喪中はがきに交換したいといった場合です。
交換は手数無料ですが、交換できるのはその年の年賀状販売期間だけです。年賀状を喪中はがきに交換する時は喪中の旨を伝え、備え付けの請求書に必要事項を記入する必要があります。
準備は早めに
喪中はがきと郵便局についてお伝えしました。喪中はがきを作る余裕がなければ業者に頼めますし、時間があるなら自作にチャレンジできます。ごく近い親族を亡くしたばかりで手続きなどに追われておられる方は印刷サービスを上手に利用して早めに準備をしましょう。
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