不祝儀袋の書き方は?名前や金額の書き方と表書きの選び方を徹底解説

公開日 : 2020/9/19

更新日 : 2020/9/19

不祝儀袋の書き方は?名前や金額の書き方と表書きの選び方を徹底解説のサムネイル画像

不祝儀袋は渡す相手に不幸があった際に用意するものです。そのため相手の心を思いやる必要から書き方が定められています。書き方や用意する不祝儀袋を間違えると相手に失礼になってしまうので、ここでしっかりと覚えておくとよいでしょう。

公開日 : 2020/9/19

更新日 : 2020/9/19

目次

不祝儀袋とは?

不祝儀袋とは、不祝儀、つまり弔事の際に用いる封筒です。具体的には通夜・葬儀・法要などで金品を包む袋として、香典袋とも呼ばれます。不祝儀袋はいくつかの種類があり、昨今ではコンビニなどでも簡単に手に入ります。

 

不祝儀袋は、香典を包みます。香典は亡くなった人へのお悔やみ気持ちであり、葬式を執り行う遺族への負担を軽減するための相互扶助の心から日本文化に根付いてきました。香典は昔は線香などの物品でしたが、時代が下るにつれて現金と変わってきました。

 

これは物品よりも金銭の方が遺族の使い勝手がよいからです。このように不祝儀袋は、大切な葬式に渡されるものですので、不祝儀袋の選び方や書き方にマナーがあります。例えば不祝儀袋が赤インクですべて書かれていたら遺族はどう思うでしょうか。

 

赤インクは血を連想させてしまい葬式では不吉と思う人もいますし、マナー違反だと気分を害してしまう人もいることでしょう。黒インクで不祝儀袋に字を書くことは相手へのマナーである証です。

不祝儀袋の書き方

それでは不祝儀袋の書き方について解説をしていきます。まず不祝儀袋には中袋がついているものとついていないものがあります。中袋があるか無いかによって書き方が異なります。

 

なお住所を記載する際には、郵便物が届くようにしっかりと郵便番号や番地、マンション名を記載しましょう。これは遺族が香典返しを送るために必要です。住所が不適切に書かれていると遺族に調べ直しなどの負担をかけてしまいます。

 

そして縦書きで金額を記載する際には、旧漢字で書きます。これは数字よりも漢数字であることで金額の改ざんが難しくなるためです。合わせて「円」は「圓」、「千」は「阡」、「万」は「萬」と書きます。

 

不祝儀袋は基本的に薄墨のペンで記入をします。これは「故人の死を悼み流した涙で墨がにじんでしまった」という意味合いから使われており、故人の死を偲ぶ心を遺族に伝えてくれます。

 

ただし薄墨のペンを用いるのは表袋のみで、中袋では濃いペンやボールペンで記載しても構いません。住所と名前は読みやすさが重要だからです。

中袋がある場合

不祝儀袋についている中袋は内袋とも呼ばれ、大切なお金をより厳重に包むためにあります。そのため中袋がついている不祝儀袋のほうが、ついていない不祝儀袋よりも格が上です。

 

しかし、地域や人によって外袋と中袋とで封筒を重ねることが、不幸を重ねることに通じて縁起が悪いと考えられていて、使用を控える場合もあります。このように地域によってもマナーは異なります。

 

心配な場合は信頼できる年嵩の人に相談することが最も良い方法です。

 

 

中袋の書き方

中袋の表面には、中央に金額を大きめに書きます。この時に縦書きで漢数字で書きます。金額の最後に「也」はつけても、つけなくてもどちらでも構いません。

 

中袋の裏面には住所と名前を記載します。封筒の左下にはっきりと書きましょう。連名で封筒に書ききれない場合には、すべての人の住所と名前を別紙に記入して中袋と一緒に入れておきます。

 

なお中袋に金額や名前などを記入するための枠が記載されている場合には、その枠に合わせて書き入れましょう。

外袋の書き方

外袋の表面には表書きと名前を書きます。表書きは後述いたしますが、宗教によって異なります。表書きは中央の上側、水引の上に書き、名前はその下に書きます。どちらも縦書きです。

 

外袋の裏面には何も書きません

中袋が無い場合

中袋がついていない不祝儀袋では、表側に表書きと名前を書き、裏面の左下に住所と金額を書きます。すべて縦書きで書くことが一般的ですが、不祝儀袋に枠がある場合はその枠に従って書きましょう。

 

不祝儀袋には封筒タイプのものと一枚の紙を折り包むタイプのものがあります。一枚の紙で折り包む場合には、左右を折ってから上下に折って完成です。しかし、ここで間違えてはいけないことがあります。

 

それは最後の上下を順番を間違えないことです。不祝儀袋では下を折ってから上を折ります。こうすることで上が被さる形となり、悲しいことは流れて早く消えていくようにという意味となります。

 

祝儀袋では上下が逆になり、幸せが逃げていかないように受け止めるという意味合いですので、間違えてはいけないのです。

 

 

不祝儀袋の選び方

不祝儀袋はコンビニや百円均一などでも簡単に手に入りますが、種類があって迷うこともあるでしょう。表書き一つ、絵柄一つにも理由がありますのでできる限り正しいものを選んでいただきたいところです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

表書き

表書きは、その名の通り不祝儀袋の表面に書く言葉です。今では不祝儀袋にすでに印刷されてあるものも多く、先方の宗教に合わせて準備するものであるので迷いやすいものです。しかし表書きは無しで渡すわけには行きませんので、是非覚えていただきたいです。

仏式

仏式での表書きは「御霊前」「御香料」「御香典」などを使います。ただし、仏式の中でも浄土真宗という宗派では、「御霊前」を使いません。浄土真宗では「御仏前」「御香料」「御香典」の表書きを使います。

 

浄土真宗で「御霊前」を使わず「御仏前」を使う理由は、浄土真宗の教義が理由です。浄土真宗以外の仏式では、亡くなった人は霊となり、四十九日の旅を経て仏になると考えられていますが、浄土真宗では亡くなった人は、旅をせずすぐに仏となると考えます。

 

そのため浄土真宗以外ではお葬式で「霊」となって故人に供える「御霊前」としますが、浄土真宗では「霊」の状態がなく故人はすでに「仏」になっているため「御仏前」を使うのです。

 

なお浄土真宗以外でも法要の表書きには、「御霊前」を使わず「御仏前」とします。四十九日の法要で故人が霊から仏になると考えるためです。

神式

神式の表書きは、「御霊前」「玉串料」「御榊料」などを使います。神式では「御香典」の表書きは使いません。香典は、香を供えることであり、香とは線香の意味です。神式では線香を使わず、榊を使うため表書きも異なるのです。

キリスト教

日本のキリスト教は主にカトリックとプロテスタントです。カトリックとプロテスタントでは神父や牧師など呼び名が異なるものが多く、表書きも異なります。カトリックでは、「御霊前」「御ミサ料」「献花料」「御花料」を使い、プロテスタントでは「御花料」「忌慰料」を使います。

 

 

わからない場合

最も多くの宗教で使える表書きは「御霊前」です。先方の宗教がわからない場合には、「御霊前」の表書きを使うのが無難でしょう。ただ、仏式とだけわかっている場合は、「御香典」としておくと間違いがありません。

 

またキリスト教とだけわかっている場合は、カトリックでもプロテスタントでも両方で使っている「御花料」としておくとよいでしょう。

水引

水引は贈答品に用いられる飾り紐です。祝儀には紅白など暖色系の色合いで華やかに飾られ、不祝儀袋は黒白が多く使われます。飾り紐なので多様な結び方があり、色や結び方は場面に合わせたものを選ぶ必要があります。

 

不祝儀袋では主に黒白または双銀の水引が使われます。関西の一部では黒白の代わりに黄白の水引を使います。また不幸は繰り返さないことを願って、水引は「結び切り」と呼ばれる結んだらほどくことが難しい結び方で結ばれています。

香典金額が1万円未満

香典の金額が1万円未満の場合には、水引が本物の紐ではなく、印刷された不祝儀袋を使いましょう。水引が本物でなく印刷されたものは、手軽で安価であるため、高額な香典を入れるには格が釣り合わさないためです。

香典金額が1万円以上

香典金額が1万円以上の場合には、水引が本物である不祝儀袋を使いましょう。3万円程度であれば黒白の水引で、それ以上の金額であれば双銀の不祝儀袋が望ましいです。水引の色は黒白や黄白に比べて双銀の方が格が高いからです。

香典金額が3万円以上

香典の金額が3万円以上の場合には、本物の水引がかけられた高級和紙素材の不祝儀袋を使いましょう。水引の色は双銀がふさわしいです。なお水引にかけられている紐の数も、格が高くなるほど多くなります。

 

主に不祝儀袋の水引の本数は、偶数を嫌って3本・5本が多いのですが格が高くなるほど7本・10本と増えていきます。10本は偶数ですが「数が多くて立派」だという意味合いから重ねるという縁起の悪さを打ち消して喜ばれる傾向があります。

絵柄の有無

販売されている不祝儀袋をよく見ると、絵柄が描いてある不祝儀袋と描いていない不祝儀袋があります。不祝儀袋の絵柄はデザイン性を重視したものではないので勝手な判断をしないように気を付けましょう。

 

不祝儀袋の絵柄は、表書きを選ぶことと同じように香典を持参する相手側の宗教によって異なります。しかし、絵柄がついていないといけないわけではありません。自信がない人はどの宗教にも使える無地を選びましょう。

白無地

封筒に何も絵柄がついていない白無地の不祝儀袋はどの場面でも使えます。わからない場合や自信が無い場合は白無地の不祝儀袋を使いましょう。また絵柄が描かれているか、描かれていないかで差がつくことはありません。

蓮の花の絵柄

蓮の花が描かれた不祝儀袋は仏式専用です。仏式のお葬式や法要などに使います。蓮の花は仏教で極楽浄土の花であり、蓮の花を象った台座に座る仏様などを貴方も見たことがあるのではないでしょうか。

 

蓮の花は泥の中から地上に向けて茎をのばし、綺麗な花を咲かせます。その在り方が仏教では、辛く苦しみの多い世界で助けとなる仏の慈悲と重ねられて神聖視されているのです。

ユリの花の絵柄

ユリの花の絵柄が描かれた不祝儀袋は、キリスト教のカトリック専用です。カトリックは無地またはユリの絵柄の不祝儀袋を使います。気を付けなければいけないことは、カトリックでは十字架の描かれた不祝儀袋は使わないことです。

十字架の柄

十字架の絵柄はキリスト教のプロテスタント専用です。プロテスタントでは十字架の絵柄、もしくは無地の不祝儀袋を使い、ユリの花の不祝儀袋は使いません。このように同じキリスト教でもカトリックとプロテスタントでは様々な違いがあります。

 

不慣れな人は無理をせず専用の物ではなく、どの宗教でも問題の無い無地を使うことをお勧めします。

不祝儀袋へのお金の入れ方

ここでは不祝儀袋の中にいれるお金の入れ方について見ていきます。お金を入れる際にもいくつかのマナーがあります。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

お札の向き

不祝儀袋に入れるお札の向きにも実はマナーがあります。不祝儀袋の表書きが書かれている方が不祝儀袋の表です。不祝儀袋は表に対してお札の裏が来るように入れます。中袋がある場合も同じように入れます。

 

お札は人物が描かれているほうが「表面」で縦にした時には「下」、人物が描かれていないほうが「裏面」で縦にした時に「上」です。香典としては上下はあまり気にしなくても構いません。

新札は使わない

不祝儀袋に入れるお金には、新札を使いません。新札は銀行などで予め用意をする必要があるお金であり、香典に用いることは「故人の死を用意して待っていた」という意味になるからです。

 

遺族によっては「故人の死を待ち望んでいた」と考えてしまう可能性もあり、故人への弔意が伝わらず、逆に遺族とトラブルになる可能性もあります。どうしても新札しかないという時は、折り目を付けてから使いましょう。

縁起の悪い数を避ける

包むお金の金額にも気を付ける必要があります。香典に関わることでは、金額を偶数にしないこと、「四」と「九」を避けることとが一般的なマナーです。これは日本が昔から縁起を担ぎ、相手への配慮を第一に考えて行われた風習でもあります。

 

偶数は割り切れる数です。そのため「故人との縁を切る」という意味合いとして考えられ、避けられてきました。「四」と「九」はそれぞれ縁起の悪い数字として有名です。「四」は「し」と読み、その音が「死」を連想させること、「九」は「く」と読み「苦」に通じることが理由です。

 

偶数と「四」「九」を使うことは、図らずとも遺族への不幸を願ってしまうことになりますので、避けておくのが無難です。そのため、香典は3千円・5千円・1万円・3万円・5万円などの奇数で包みましょう。

 

なお、昨今では「1万円では少なすぎるが3万円では多い」として2万円の香典を出した時には、1万円2枚ではなく、1万円と5千円札を2枚として枚数を奇数にすることで悪い縁起を避ける傾向もみられます。

不祝儀袋について

不祝儀袋は、香典という故人への弔意を示し遺族を助ける大切な金品を包む袋です。昔から相手を思い不祝儀袋の書き方やお金の入れ方などで、より一層の気持ちを伝える手段として今日まで伝わってきました。

 

マナーとは時に難しく、時に面倒でもありますが言葉以外の方法で気持ちを伝える大切な手段でもありますので、不祝儀袋一つでも気にかけて適切な不祝儀袋を選び、適切な書き方で使えるよう参考になれば幸いです。