弔問に伺うときの服装は?通夜前・後日の場合や女性の服装などを解説
公開日 : 2020/9/19
更新日 : 2020/9/19
弔問に伺うときの服装は喪服か平服か悩みます。通夜や葬儀でのルールは知っていても、弔問の服装は知らない方が多いのではないのでしょうか。そこで、女性・男性の弔問の服装や、弔問マナー、手土産や香典は必要かなどを詳しくご紹介します。
公開日 : 2020/9/19
更新日 : 2020/9/19
目次
弔問とは?
弔問は通夜や葬儀・告別式に参列できなかった場合に、亡くなった方の自宅を訪問しておくやみを述べることです。親族や親しい方の場合は、訃報を受けて通夜前に弔問し、通夜にも出席する場合もあります。
弔問という言い方は通夜や葬儀・告別式では使いません。通夜や葬儀・告別式に訪問することは参列や会葬と言います。弔問の服装は独自のマナーがあるので、通夜・葬儀・告別式とは服装が違うと覚えておきましょう。
弔問に伺うタイミング
弔問に伺うタイミングは2種類があります。通夜の前に伺うときと、葬儀・告別式の後日に伺うときです。それぞれの弔問の仕方を詳しくご紹介します。
通夜前に伺う
通夜前の弔問はなるべく避けるのが基本マナーです。通夜前に弔問に伺えるのは、三親等までの親族や非常に親しい付き合いをしていた方です。もしくは、遺族から電話などで連絡をもらい、弔問に来てもらいたいという気持ちが感じられた場合です。
亡くなった方とそれほど親しくなかった場合や、会社関係の繋がりの場合などは通夜前の弔問は避けます。悲しみにくれる遺族に迷惑をかけないように、通夜前の弔問は避けて、通夜や葬儀・告別式に出席しましょう。
葬儀や告別式の後日に伺う
弔問は葬儀や告別式の後日に訪問することもできます。後日の弔問は葬儀・告別式の直後から四十九日頃までがいいとされています。遺族の気持ちに配慮したい場合は、直後を避けて葬儀・告別式から3日ほど過ぎた日から弔問に伺いましょう。
四十九日を過ぎても弔問に伺うことができますが、何ヶ月も過ぎてから弔問に伺うのは控えましょう。いずれにしても、弔問に伺う際には必ず遺族に連絡する必要があります。突然の訪問はマナー違反になるので注意しましょう。
遺族に弔問の連絡をする際には、遺族が対応しやすいように、自分と亡くなった方との関係も述べておきましょう。
弔問を控えた方がいい場合
弔問を控えた方がいい場合があります。会社関係の方が亡くなった場合は弔問を避けましょう。どんなに親しい間がらだったとしても、通夜や葬儀・告別式に参列しましょう。
家族葬や密葬で葬儀が行われる場合も弔問は避けます。ごく親しい身内だけの葬儀にしたい場合は、弔問を避けるのがマナーです。また、急死や変死などの場合は、遺族の気持ちの整理がついていないことが多いので弔問を避けましょう。
近所や町内会の方が亡くなった場合も弔問は避けましょう。しかし、地域によっては部落の方が弔問に伺うのが一般的になっている場合もあるので、地域の方に確認してみましょう。わからない場合は、通夜や葬儀・告別式に参列するのが無難です。
弔問に伺うときの服装
弔問に伺うときの服装にはルールがあります。通夜や葬儀・告別式の服装とは違いますので、間違わないて遺族に対して失礼にならないようにしましょう。注意点を詳しくご紹介します。
弔問は平服がマナー
弔問の服装は平服が基本です。通夜前に行く場合は喪服で行くと、死亡するだろうと思っていて喪服を準備していたと思われます。目立たない平服で弔問に伺いましょう。
葬儀や告別式の後日の弔問も、平服で訪問するのがマナーです。通夜や葬儀・告別式は喪服で弔問は平服と覚えておきましょう。通夜は突然の訃報を受けて駆けつける意味もあり、略喪服でもよいとされています。
男性の服装
男性が弔問に伺うときの服装は、ダークスーツに白いシャツ、地味なネクタイが一般的です。紺やグレー、茶色の地味な色のジャケットとスラックスなどでの訪問も可能です。
髪の毛を茶髪にしている場合などは、黒く染めるか、短く切って色が目立たないようにするなどの配慮が必要です。光沢のある素材の時計や靴もさけましょう。目立たず簡素な服装を心がけましょう。
女性の服装
女性が弔問に伺うときの服装は、地味な普段着が一般的です。黒・紺・グレー・茶色などの簡素な平服で、アクセサリーはつけません。髪を明るく染めている場合は、黒く染めましょう。パーマやウェーブがかかっている場合は、後ろでまとめてなるべく目立たないようにしします。
時間がない場合はウィッグなどを使う方法もあります。ウィッグは通夜や葬儀のときにも使うことができるので、目立つ髪型の場合は準備しておくと便利です。メイクは薄化粧が基本で、ラメの入った口紅など目立つ化粧はやめましょう。
ネイルは目立たないベージュやクリアのものなどにします。ラメやラインストーンなど光る素材のネイルは控えます。落とす時間がない場合はレースの黒の手袋をつける方法もあります。
弔問に伺うときの持ち物
通夜前の弔問に伺うときの持ち物は特にありません。香典や手土産なども無くなることを予測して用意していたように思われるので持って行きません。通夜や葬儀・告別式の後日に弔問に伺うときは、香典や手土産を持って行くこともできます。
本来は、通夜や葬儀・告別式のときに香典を持って行くべきですが、都合がつかず出席できなかったときは弔問時に香典を渡します。また、仏前・神前などのお供えとして手土産を持って行くこともできます。
香典は宗教に配慮した表書きにしましょう。弔問は四十九日頃までにいくのが基本なので、仏教や神道であれば御霊前と書きましょう。神道の場合は御神前と書くこともできます。キリスト教の場合は御霊前や御花料と書きます。
弔問の流れ
突然の訃報に対応できるように、弔問の流れについて確認しておきましょう。通夜前の弔問と葬儀・告別式の後日の弔問の流れをご紹介します。
通夜前の弔問の流れ
まず、弔問に伺うと遺族に連絡します。遺族の心の準備ができていない場合などは、弔問を断られる場合もあります。その場合は、弔問はやめて、通夜や葬儀・告別式に出席しましょう。
遺族の自宅についたらお悔やみの言葉を述べて、遺族に勧められたときのみ線香をあげます。個人との対面も遺族に勧められた場合のみ行います。まず、遺族の気持ちを尊重して、自分から積極的に動くのは避けましょう。
線香や対面が終わったら、長いをせず早々に引き上げます。通夜の準備などで忙しい遺族に負担をかけないようにしましょう。
葬儀・告別式の後日の弔問の流れ
葬儀・告別式の後日の弔問は、通夜前の弔問と流れはほとんど同じです。まず、必ず弔問に行くということを電話などで連絡しましょう。遺族の自宅についたらお悔やみの言葉を述べて、勧められた場合のみお線香をあげます。
香典を渡していない場合はこのタイミングで渡しましょう。また、手土産を持ってきた場合は供えましょう。その後、遺族と故人の思い出などを少し話し、長いをせずに引き上げましょう。
弔問マナー
弔問に伺ったときに失礼のないように、弔問マナーを確認しておきましょう。線香のあげ方やお悔やみの言い方などをご紹介します。通夜や葬儀・告別式のときにも使えるマナーでもあるのでしっかり覚えておきましょう。
線香のあげ方
弔問で遺族に線香を勧められたら、静かに仏壇の前に座ります。遺族と遺影に一礼をしたら線香をあげます。
仏壇の前に置いてある線香をとって火をつけます。線香の本数は一般的には2本ですが、宗派によって違う場合もあるので、周りの人の作法を参考にするといいです。他に人がいない場合は遺族に聞いても失礼ではありません。
線香に火をつけるときはマッチから直接つけずに、火をいったんろうそくに移してから、線香に火をつけます。線香についた火は口で拭き消さずに、手で仰いで消しましょう。線香をブンブンと振って消すのもマナー違反ですので気をつけましょう。
線香は香炉に立てるか寝かせて供えます。線香の供え方は宗派によってちがうので、遺族に確認してもいいでしょう。最後に遺族と遺影に一礼します。
お悔やみの言い方
弔問のお悔やみにはルールがあります。遺族に対して失礼にならないように、お悔やみのマナーを守りましょう。通夜や葬儀・告別式のときにも当てはまるマナーなので、しっかりと覚えておきましょう。
お悔やみは短く述べる
弔問のお悔やみはなるべく短く述べましょう。遺族を励まそうと思いたくさん話をすると、大勢の弔問客の相手をする遺族に負担がかかるので、お悔やみは簡潔に述べましょう。
一般的には「このたびはご愁傷さまでございます」や「心からお悔やみ申し上げます」などが使われます。これにあわせて「手伝えることがあれば何でもおっしゃってください」などの遺族の手助けになるような言葉がかけられるといいです。
生死に関わる生々しい言い方は避ける
遺族との会話の中で、生死に関わる生々しい表現は避けましょう。例えば「死亡した」「死んだ」などです。「お亡くなりになった」や「ご逝去させた」などに言い換えると遺族に失礼になりません。
ほかにも「突然のことで」などと死に対する言葉を使わずに、遠回しに言うこともできます。特に通夜前の弔問時は、遺族が気持ちの整理ができていないことがあるので、必要最低限の会話にしましょう。
忌み言葉は使わない
忌み言葉とは不幸や不吉なイメージを持つ言葉のことです。例えば、「滅ぶ・滅びる」「忙しい」「枯れる」「切れる」「離れる」「無くす」などです。変わったところでは、醤油・塩・スルメ・梨・猿なども忌み言葉です。
よく使ってしまいそうな、「お忙しいところありがとうございました」は忌み言葉の「お忙しい」が入っているので、「ご多用のところありがとうございました」に置き換えましょう。
また、仏式・神式・キリスト教など宗教によっても忌み言葉が違います。仏式でよくつかう「成仏してください」や「ご冥福をお祈りします」は神式やキリスト教では忌み言葉になるので注意が必要です。
重ね言葉は避ける
重ね言葉とは不幸が続くことを連想させるような言葉のことです。弔問のお悔やみでは、重ね言葉をさせて会話をします。例えば、「重ね重ね」「いよいよ」「わざわざ」などがあります。
変わったところでは、「皆々様」「日々」などがあります。縁起が悪い言葉ではないので、つい使ってしまいそうですが、重ね言葉になるので注意が必要です。
宗教に配慮する
弔問時には故人の宗教に配慮したお悔やみを言うことに注意しましょう。日本では一般的に多いのが仏式の葬儀です。弔問や葬儀なども仏式のルールに慣れているので、神式やキリスト教などでも仏式のお悔やみの言い方をしてしまうことがあります。
仏式でよく使われる「ご冥福をお祈りいたします」は、神式・キリスト教では忌み言葉になるので使いません。また、仏教の浄土真宗でもこの言葉は使いません。
冥福とは「死後の世界の冥土で幸せに暮らす」と言う意味です。神式では故人は家を守る神様になるという考え方なので、冥土という別の世界にいくのはいいことではありません。キリスト教では亡くなった場合は必ず天に召されるという考え方なので、そもそもお悔やみを言うことがありません。
浄土真宗では、亡くなるとすぐに仏になるので、冥土にいくという考え方をしません。故人の宗教がわからない場合は、弔問に伺う前に確認しておくのがいいでしょう。
弔問に手土産や香典はいるのか
通夜前の弔問には手土産や香典は必要ありません。香典は通夜や葬儀のときに渡します。通夜や葬儀に出席できない場合は、手紙を書いて郵送でおくるか、通夜や葬儀に出席する親類などに頼むなどの方法で渡します。
葬儀・告別式の後で弔問に行く場合も、基本的には手土産や香典は必要ありません。しかし、通夜や葬儀に出席できずに香典を渡していない場合は弔問時に渡しましょう。親しい間柄なら手土産を持参して、仏壇などに添えることもできます。
弔問に最適な時間は?
通夜前、葬儀・告別式後ともに弔問に伺う時間に決まりはありません。しかし、通夜前はとくに遺族が通夜や葬儀の準備で忙しいので、必ず電話などでいっていい時間の確認をしましょう。葬儀・告別式後に弔問に伺う場合も時間の確認は必ず必要です。
オンライン弔問やドライブスルー弔問
弔問は通夜前や葬儀・告別式の後日に訪問することをいいますが、通夜や葬儀で故人に祈りを捧げることを弔問ということもあります。この場合の弔問で、感染症予防対策としていいのがオンライン弔問やドライブスルー弔問です。
オンライン弔問は通夜や葬儀をZoomやYouTubeなどを使って配信して、自宅で通夜や葬儀の弔問ができるシステムです。実際に線香を添えることはできませんが、通夜や葬儀のようすを遠方からでも見ることができます。
ドライブスルー弔問は通夜や葬儀の際に車に乗ったままで焼香を済ませる方法です。車が弔問に来ると、葬儀社のスタッフが焼香用の道具を持って近づき、焼香をしてもらう方法です。通夜や葬儀に長時間するのが困難な場合に便利な弔問方法です。
正しい服装で遺族に失礼のない弔問をしましょう
弔問の服装について解説しましたがいかがでしたでしょうか。お通夜や葬儀・告別式などにはよく出席しても、弔問はあまり行かない方も多いと思います。ぜひ、正しい服装を確認して、遺族に失礼のないように故人を葬いましょう。
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