葬儀を友引に行うのはどうして縁起が悪い?葬儀と友引の関係を解説

公開日 : 2020/8/31

更新日 : 2020/9/9

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大切な方を亡くした直後は喪失感で心の中が満たされます。しかし、それでも葬儀の準備を進めなければなりません。そして葬儀の準備において何よりも最初に決めるべきは葬儀の日程です。今回はその葬儀の日程を決める上で縁起が悪いとされている友引との関係について解説します。

公開日 : 2020/8/31

更新日 : 2020/9/9

目次

そもそも友引とは

日本の暦には吉凶が存在します。これは冠婚葬祭などでは重要な判断基準で、中でも「友引」は吉とも凶とも取れる中間の日です。

 

一般的にはこの日に葬送を営むことはありませんが、お通夜の場合は行ってもいいのか曖昧なところです。今回は、友引の葬儀の関係について紹介します。

六曜とは?

六曜とは「先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口」からなる日の吉凶占いのことです。古くは中国に起源があるといわれていますが、定かではありません。我々日本人は記録にある中でも鎌倉時代からこの暦の吉凶に頼って行事の日程を決定してきました。

 

中でも友引の日は「友を引きつれる」と字があてられるため、葬送は避け婚礼は行うとする傾向が強いです。

友引に葬儀が行われない理由

宗派にもよりますが、一般的に友引の日には葬送を行わないようにしているところが多いです。お通夜は亡くなられた次の日に営むのが一般的で、その翌日に告別式や葬儀、火葬が行われます。

 

お通夜の場合はあくまでも「お別れの挨拶」という側面が強いため、友引であるからといって特別に日を先延ばしにする必要性はありません。ですが、参列される方の中にどうしても友引を避けたい方がいる場合は、避けた方が無難といえます。

友引に通夜は問題なし?

お通夜は亡くなられた方をお見送りするための最初の瞬間であり、ご遺体と一緒に過ごすことのできる最後の瞬間です。また、のこされた遺族が死を受け入れるための静かな時間でもあります。

 

また、お通夜には「仮通夜」と「本通夜」の2種類が存在し、亡くなった当日に親族のみで営むお通夜のことを「仮通夜」、翌日に行うお通夜を「本通夜」と分けます。仮通夜には、ご遺体に邪霊が寄り付かないようにするという意味もあります。

 

友引は「友を引く」をという意味からタブー視されていますが、通夜は仮通夜も本通夜もどちらも、火葬を伴う葬儀を意味していませんので、友引に通夜を行うことは問題ありません。

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友引に法事法要は問題なし?

友引に葬儀は禁忌とされていますが、初七日法要や四十九日法要、一周忌などの法事法要は、友引とは関係なく行われます。

 

ご遺族も参列者も、法事法要の日取り決めで友引を意識する必要はないので安心して決めるとよいでしょう。

友引人形とは

友引人形は、地域によっては共人形(ともにんぎょう)とも呼ばれています。友引人形は故人を納めた棺に一緒に入れて荼毘に付します。

 

これは友引に葬儀を行うと、文字通り友を引く、友を道連れにするという言われがあることから、友引人形にその代わりになってもらおうというのが趣旨です。

 

どうしても友引に葬儀をしなければならない理由がある場合は、参列者や遺族に配慮をして、友引人形を検討してみるのも良いでしょう。

北海道における友引と葬儀

北海道は広大な土地であるため、ご逝去の連絡をしてもすぐに親族が集まれない場合もあります。そのため、通夜を2回営む習慣が存在する土地もあります。この場合も「仮通夜」「本通夜」と呼び表しますが、本州のそれとは少し違います。

 

北海道では仮通夜の際に火葬まで行う地域もあり、この場合本通夜はご遺骨にお別れの挨拶をします。火葬をするため、友引の際は仮通夜を避けると良いでしょう。

葬儀を友引に行う際の基礎知識4つ

友引のお通夜は葬儀ではないので「あの世」をそこまで意識することはありません。ですが、一般的に「凶事に友を引く」といわれるように、葬儀などの不幸に友引を重ねることを忌む方々は少なくないのも現状といえるでしょう。

 

しかし、お通夜と告別式、火葬などは日を続けて行うことも多くあり、葬儀の日に友引が重ならないようにあえてお通夜を友引に営むという場合もあります。

 

以下では、友引の由来や友引に葬儀を避ける理由など、友引に関連した重要な基礎情報を4つご紹介しますので、是非参考にしてみてください。

友引の由来とは

友引とは先勝と先負の間にあり、本来は「何をしても勝負がつかない日」といわれていました。中国の暦では「留連(りゅうれん)」と呼び表し「友引」という名前は日本の陰陽家が付けたといわれています。

 

朝と昼は吉ですが真昼は凶とされています。葬送を忌み、婚礼など祝い事の縁起を担ぐ「友を引く」という現在のような表現は、江戸時代末期頃から使われるようになりました。

友引に葬儀を避ける理由とは

友引は「友を引く」と書き、葬送など忌事の場合は道連れにされると避ける場合が一般的です。しかしその字面から祝い事などでは縁起を担ぐといわれ、婚礼などのお祝いは友引に行うことも多く大安の次に人気があります。

 

友引の日にお通夜を避ける明確な理由はなく、特別忌日として日を伸ばす必要性などもありません。ですが、翌日に行うことの多い葬儀などが友引と重なるときは、日程を調整しなくてはいけません。

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仏教の教えと友引の関係

暦を表す「六曜」と仏教の関連性は、実はありません。もともと六曜とは一日の吉凶を占うための暦の読み方で、どちらかというと陰陽道が近いです。

 

「仏滅」や「友引」など仏教を連想させる字は多数登場するものの、大半は当て字や訛りによるもので仏教と密接な関係はありません。むしろ仏教では「占いに夢中になるあまり本質がおろそかになる」として占いを否定しています。

友引と火葬場の定休日

友引は「友を引き込む」という当て字がなされているため、友引を定休日としている火葬場は少なくありません。もちろん宗派により友引に開けている火葬場もありますので、この辺りは自家の宗派に沿いよく調べておくことが重要です。

 

また、友引の翌日は火葬場が大変混雑することも予想できます。その場合はよく相談して予定を立てておくか、友引にも火葬を行ってくれる式場をあらかじめ選んでおくと良いでしょう。

友引に通夜を行う際の注意点

友引にお通夜を営むことは仏教的には問題はないのですが、忌み嫌う人も当然いらっしゃいます。とくに我々日本人には、冠婚葬祭や納車式などの行事の際に過敏に暦を気にする風習が根強く残っています。

 

一般的に婚礼などの祝い事は大安、仏事の際は仏滅を選ぶという具合です。気にされる方時にされない方が半々の現代において、友引にお通夜を営むことにはどんな問題点があるのか、ここで押さえておきましょう。

遺族の心情

最近は六曜の暦の読み方自体を「差別的である」とし、廃止する動きが活発です。そのため、中高年より上のお年を召されている方でも、暦はあまり気にしないという方も増えてきています。しかし、やはり友引に凶事を営むことを忌み嫌う方はいらっしゃいます。

 

お通夜や葬儀というのは故人と過ごせる一番最後の時間ですから「友引にはお通夜もしたくない」という親族が一人でもいた場合は、その意見を尊重してあげましょう。

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参列者への配慮

友引にお通夜を営むこと自体は、仏教的には何の問題もありません。しかし、前述したとおり暦を気にする方は決して少なくはありません。

 

そのため、友引にお通夜を行うことに関し、参列者の方の一部には非常識と思われることもあるといえます。親族や故人と親しかった友人などとの無用なトラブルを避けるためにも、友引のお通夜は避けた方が無難です。

友引に葬儀を行う際は注意しましょう

これまで友引の意味や通夜や葬儀、告別式、火葬のそれぞれで友引が忌み嫌われているかなどを紹介してきました。現代は以前ほど友引を意識した葬儀は少なくはなっていますが、それでもまだまだタブー視する方は一定以上います。

 

火葬場や斎場が友引で休みなどという都合がある場合は仕方がありませんが、もしもどうしても友引に葬儀をしなければならない理由がある場合は、これまで述べてきた注意事項を意識して葬儀を執り行うとよいでしょう。

 

丁寧に近親者や参列者に説明するのもよいでしょうし、友引人形を使うのも良いでしょう。葬儀は一度しか行われません。後悔が残ることだけは避けて、慎重に決めることをおすすめします。