家族葬で挨拶が必要なのはどんな時?喪主挨拶のタイミングや内容
公開日 : 2020/8/22
更新日 : 2020/9/9
近年は家族や親族、親しい友人や知人だけが参列をする「家族葬」という形の葬儀が増えています。葬儀を取り仕切る喪主は家族葬の際でも参列者に挨拶をするのが一般的です。喪主挨拶はタイミングや話す内容、使ってはいけない言葉などがあります。詳しく知っておきましょう。
公開日 : 2020/8/22
更新日 : 2020/9/9
目次
家族葬で挨拶は必要になる?
大切な家族との別れの時は誰にでも必ずやってきます。家族が亡くなった時、一般的にはお通夜、葬儀、告別式が執り行われその際には「喪主」という全般を取り仕切る代表者が決められます。
喪主は葬儀社の選択や手配、寺院への連絡、そして参列者への挨拶など様々な役割を担います。家族葬の場合でも喪主は立てられますが、近親者だけで行う家族葬の場合でも喪主挨拶は必要なのでしょうか?
そもそも家族葬とは?
そもそも家族葬とは何なのか?から見ていきましょう。家族葬とは家族や親戚、親しかった友人だけが参列する小さなお葬式のことを指します。
しかしどこからどこまでを家族葬と呼ぶというはっきりとした定義はなく、お通夜や告別式に参列していただく方の範囲も決まっていません。家族や親族、友人知人に参列者を限定し、30名以下で執り行う葬儀を家族葬と呼びます。
家族葬にするかどうかは通常喪主を始めとした親族で決めることですが、亡くなった方の遺言でお声がけをする範囲が決められていることもあります。
家族葬で挨拶は必要?不要?
一般的なお通夜や葬儀・告別式の場では、遺族の代表である喪主が挨拶を行います。しかし家族や近親者だけで行われる家族葬の場合、喪主挨拶が必要のない場合もあるので注意しましょう。
喪主挨拶が必要である家族葬と必要ない家族葬にはどのような違いがあるのでしょうか?
家族以外が参列するなら挨拶は必要
家族葬は近親者やごく親しい友人や知人だけで行う葬儀なので、喪主挨拶は必要ないと思っていませんか。実は家族葬であっても本当に遺族だけで行うのでない場合は喪主挨拶は行われるのが一般的です。
喪主からの挨拶は参列者へ向けて参列してくださったお礼や生前お世話になったことへの感謝の気持ちを表すものです。例え参列者が少なくとも家族以外の方に参列して頂いたのであれば挨拶は必要です。
家族のみなら挨拶は不要
友人や知人、遠い親戚などに声はかけず、家族や親しい親族のみで葬儀を行う場合は喪主挨拶は省略されます。普段からよく会っている近い親戚や同居している家族に改まって挨拶をするのは不自然ですよね。
親族としては遠い繋がりであっても、日頃から親しい付き合いがあるのなら喪主挨拶は省いても良いでしょう。同居していない家族や親族の参列があっても挨拶を行わない場合は一人ひとりに喪主から声をかけるようにしましょう。
喪主以外が挨拶をすることも
葬儀で挨拶を任されるのは基本的には喪主です。しかし、喪主以外が挨拶をするケースもまれにあります。
- 喪主が意気消沈している
- 喪主が高齢や病気で挨拶をするのが難しい
- 人前で挨拶をすることがとても苦手
- 他の人が挨拶することを希望している
などのケースにおいては喪主以外の方が挨拶をしても良いでしょう。あくまでも喪主の代理であるため挨拶の最初に喪主が挨拶をできない理由を述べるのが一般的です。
家族葬で挨拶をするタイミングは?
続いて葬儀において喪主が挨拶をするタイミングを見ていきましょう。喪主が参列者に挨拶をするタイミングは一般的には4回あります。
- お通夜の最後
- 通夜振舞いの前後
- 葬儀・告別式の最後(出棺の前)
- 精進落としの前後
です。それぞれどんな内容の挨拶にするべきなのか、詳しく見ていきましょう。
お通夜の最後の挨拶
亡くなって最初に行われる儀式がお通夜です。お通夜は夕方から夜にかけて行われるため急な連絡でも参列しやすく、最近は翌日の葬儀・告別式には参列せずともお通夜には参列するという方も多くいます。そのためお通夜の最後には喪主挨拶が行われるのが一般的です。
お通夜の最後に設けられる喪主挨拶の席では
- 故人との関係
- 参列してくださったことへの感謝
- 故人の思い出やなど
- 通夜振舞いへのご案内
- 葬儀のご案内
などを手短にまとめます。他のタイミングで行われる挨拶と内容に大きな差はありませんが、お通夜の場合は通夜振舞いへのご案内と次の日に行われる葬儀のご案内を忘れないようにしましょう。
通夜振舞いの前後の挨拶
通夜振舞いの最初や最後に行う挨拶は、喪主が葬儀で行う挨拶の中で最も短いものです。通夜振舞いとはお通夜の後で参列者で食事を囲むこと。故人の思い出話をするよい席です。通夜振舞いの喪主挨拶の内容としては
- 参列者への感謝
- 故人の最近の様子
などが話されます。しかしあまり長々と話をするのではなく短くまとめるのが良いでしょう。故人の最近の様子については省略されることも多いです。
通夜振舞いの最後の挨拶は
- 明日の葬儀の開始時刻
- 解散の挨拶
をします。こちらも長く話すことは避け、必要なことを短く伝えるようにすると良いでしょう。
葬儀・告別式の最後の挨拶
葬儀・告別式の最後や出棺の前にも挨拶をするタイミングがあります。このタイミングでの挨拶はお通夜の最後の挨拶と同じような内容で構いません。
- 参列者の方への感謝
- 故人の生前の様子
- 今後も引き続き故人と同じように良い関係でお付き合いを続けてくださるようお願いをする
- 故人に変わって感謝を述べる
などがメインの内容です。故人に変わって感謝の気持ちを伝えるのも忘れないようにしましょう。
精進落としの前後
精進落としとは告別式終了後や初七日法要の後に設けられる食事の席のことを指します。初七日法要とは故人が亡くなってから七日目に行われる法要のことですが、最近では火葬した後に行われることが多くなっています。
精進落としの最初の挨拶には
- 参列者への感謝
- 葬儀が滞りなく行えたことへの感謝
- 献杯
を組み込みましょう。献杯とは故人への敬意を表して盃を差し出すことです。宗派や地方によっては献杯を行わないことも多々ありますので事前に確認しておきましょう。
家族葬での挨拶の例文
最後に家族葬で行う挨拶の例文を見てみましょう。大まかな流れを押さえておけば、突然喪主となった時も慌てずに済みます。挨拶は大切なことですが、故人と過ごす最後の時間をもっと長く取れるように事前に知識を蓄えておきましょう。
お通夜の席での挨拶と、通夜振舞いの前後の例文を見ていきます。告別式、精進落としの喪主挨拶も大きな違いはありませんのでぜひ参考にしてみてください。
お通夜の席での挨拶の例文
「本日はお忙しいところ、父◯◯の通夜式にご参列いただきまして誠にありがとうざいます。私は◯◯の長男△△と申します。
父は◯月◯日、息を引き取りました。享年◯歳でございましたが、最後まで大きな病気はせず定年後は趣味を生きがいとして過ごして参りました。明るく楽しいことが好きだった父ですから、最後に皆様とお会いできてさぞ喜んでいることと思います。
ささやかではございますが別室にてお食事を用意しております。お時間の許す方はぜひそちらで思い出話などお聞かせください。
なお、明日の葬儀につきましては◯時からを予定しております。何卒よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」
など通夜振舞いの席へご案内する内容を組み込みましょう。挨拶は3分以内にまとめるのが基本です。
通夜振舞い前後の挨拶の例文
通夜振舞いの前には参列者みなさんが席につかれたことを確認してから
「本日は通夜式にご参列いただきまして誠にありがとうございました。ささやかではございますがお食事をご用意致しましたので、故人の思い出話でもしながらお召し上がりいただければと存じます」
など簡単に挨拶を済ませましょう。
通夜振舞いの最後には
「本日は突然のことにも関わらずご参列いただきまして誠にありがとうございました。父も大変喜んでいることと思います。夜もふけて参りましたので、このあたりでお開きとさせていただきます。なお、葬儀につきましては明日◯時からを予定しております。ご都合がよろしければぜひご参列いただければと存じます。本日は誠にありがとうございました」
など参列者への感謝の気持ちを表現します。
通夜振舞いの最後の挨拶では明日の葬儀時間を伝えることを忘れないようにしましょう。
挨拶は喪主の大切な役割
お通夜や葬儀・告別式での挨拶は喪主の大切な役割です。遺族や故人の代わりに代表として挨拶をするのですから、不備のないようにしっかりと準備をしておきましょう。
難しい内容を話す必要はありません。例文を参考にして参列してくださった方への感謝の気持ちを表現できるようにご自分なりに付け加えて挨拶文を作りましょう。
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