遺灰と遺骨では、意味が違う?遺灰の処分と活用、養方法を詳しく解説

公開日 : 2020/8/22

更新日 : 2020/9/9

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日本では、火葬処理した遺体を遺灰とも遺骨とも表現することがあります。それぞれ何を指すのでしょうか。その違いを説明しながら、遺灰について解説します。また、骨壺に納められない遺灰はどうなるのか、遺灰ダイヤモンドなど遺灰を活用した供養方法についても紹介します。

公開日 : 2020/8/22

更新日 : 2020/9/9

目次

遺灰の読み方、遺骨の違いとは?

遺灰の読み方は「いはい」、火葬した後の灰状の骨を指します。 日本ではほとんどの遺体が火葬され、残った遺骨が骨壺に納められます。場合によっては、その遺骨を遺灰と表現することがありますが、厳密には遺灰と遺骨は別です。日本の火葬事情を踏まえて、遺灰と遺骨の違いについて説明します。 遺灰の処分と活用方法も紹介しますので、参考にしてください。

火葬後、灰状になるまで焼かれた骨が遺灰となる

一般的に日本の火葬場では、骨を残すように焼きます。そして、二人一組で骨を一つずつ骨壺に入れていくお骨上げをします。 お骨上げは、単に骨壺に骨を入れるというだけではありません。故人が三途の川を渡る際の橋渡しをする儀式でもあります。 そのため、日本の火葬場では遺骨をすべて灰にしてしまわずに、骨をしっかりそれと分かるように残すことも重要視されています。赤ちゃんの遺体を焼く時は、火加減の調節に大変苦労することもあるのです。 一方、海外での火葬ではお骨上げの習慣はなく、骨を残さずに灰になるまで焼いたり、骨が残ったりしても粉骨した上で遺族に渡している場合があります。 日本では遺灰と遺骨は混同されがちですが、お骨上げの儀式があり、遺骨に特別な思い入れのあることを考えると、厳密には遺骨と遺灰は違うと言えるでしょう。

遺骨の場合、許可なく庭に埋めたら「死体遺棄罪」に問われる

遺骨と遺灰では、法的な扱いが違います。例えば遺骨の場合、自宅の庭であっても、勝手に埋葬はできません。墓地以外の場所に勝手に埋めてしまった場合、死体遺棄罪に問われることもあります。 しかし、遺骨をなんらかの方法で2㎜単位までのパウダー状に粉骨し、散骨する場合は、罪に問われない可能性もあります。同じ遺体だったわけですが、法的にも日本では、遺骨と遺灰にはこれだけの大きな差があるわけです。 遺骨を粉骨したものは厳密には灰ではないのかもしれませんが、専門の業者に依頼すれば見た目は完璧な灰にしてもらえます。 自分の手でも、乳鉢やすり鉢を使用すればパウダー状にすることは可能です。しかし、時間がかかりますし、なによりも精神的な負担は大きいでしょう。安全に確実に粉骨を行うなら専門の業者に依頼することがお勧めです。

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骨壺に納められない残骨灰とは?

お骨上げによって遺骨が骨壺に納められますが、焼いて残ったものの全てが骨壺に収められるわけではありません。どちらかというと、一部が骨壺に納められるのです。 骨壺に納められなかった骨や灰は残骨灰と呼ばれています。残骨灰は、自治体自身が供養する場合もありますが、業者に委託していることも。業者によっては、歯や人工骨で使われた貴金属を売ったり、灰を植物の肥料として売り払ったりすることもあります。

日本でもすべて遺灰にし、焼き切ることも可能

「骨を拾う」という言葉があるくらい日本ではお骨上げは大切な供養と考えられています。しかし、実は日本でも遺骨を残さず、すべて灰にしてもらうことも可能です。 その方法を“焼き切り”と言いますが、この場合、日本の通常の火葬とは異なり特別な準備が必要なため、前もって依頼しておく必要があります。そもそも焼き切りに対応していない火葬場もあるので、火葬場を選択する時点で確認しておくべきでしょう。 さらに、焼き切りの場合、焼き切りを選択した場合、遺灰を受け取らず、処理を火葬場にお願いすることも可能です。遺骨の処分に困る方はこの方法を選ぶことがあります。焼き切りの費用は火葬場によって異なりますが、数万円で依頼可能です。

環境に優しく、供養にもなる遺灰の利用方法

最近は、お墓に納めるだけではなく、遺骨や遺灰を活用して、故人を偲び、供養することも可能です。遺骨や遺灰の利用方法をご紹介します。

一般的な灰の活用法

倫理的に鑑みて、遺灰の活用法としてはふさわしくありませんが、灰は以下のように活用されています。畑の肥料、道路の滑り止め、洗剤、食器洗いなどです。

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遺灰ペンダント

故人を常に親しく感じているためにメモリアルジュエリーを作り、それに使う宝石に遺灰を納めることが可能です。事情があってお墓参りになかなかいけないことを心苦しく思っている方、故人を心の支えにしたい方に好評で、幅広い年齢層の方が作っています。 特に人気が高いのは遺灰ペンダント。指輪やブレスレットよりも男女ともに使いやすく、デザインも豊富です。 毎日のように身につけたい方が多いため、華やかなデザインよりも、シンプルであったり、温かみがあったりするもの好まれる傾向があります。

遺灰の砂時計

パウダー状のその形態をそのまま活かして、記念品としたい方にお勧めなのは遺灰の砂時計です。オーダーメイド品なので、遺灰のカラーや時計の形状など好みのものが選べます。特にペットの遺灰を砂時計にする方は多く、自分で製作するワークショップもあり、愛着も増しそうです。

花火で打ち上げる

イギリスのある会社では、花火葬と称して、なんと遺灰を火薬に混ぜて打ち上げるという弔いを行っています。 悲しいはずのお葬式も華やかな花火のショーとなり、故人も華々しく天に昇っていくことになるでしょうか。

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自分の遺灰で参列者に記念品を

フライングディスク、フリスビーの発明者であったウォルター・モリソンは、90歳で亡くなった際、お葬式に参列した友人や知人に、自分の遺灰でフリスビーを製作してわたしました。 アイディアマンであった彼らしいユニークな記念品です。

遺灰を食べて供養する?

日本の一部の地域では、骨噛みといって、焼いた後の骨を噛むという習慣がありました。噛むくらいなので、灰状になったものではなく骨ですが、その行為によって哀悼の意を示したそうです。 海外では、愛する人の遺灰を食べるのが止められなくなった人もいます。それは、愛する人と一体化したい、いつまでも一生にいたいという愛情表現の1つで、ジュエリーとして身につけるのと思いは同じと言えるでしょう。

遺灰や遺骨から作る人工ダイヤモンド

遺灰を使ったジュエリーの中でも、最も注目されているのは遺灰から作成される合成ダイヤモンドです。 遺灰から作られるダイヤモンドがどのようなものなのか。そのメリットや活用法、相場をお伝えします。

天然ダイヤモンドと遺灰ダイヤモンドの違いは?

素人がみても、天然ダイヤモンドと合成である遺灰ダイヤモンドを見分けるのは難しいでしょう。熟練の宝石商ですら目視で区別するのは簡単ではないと言われています。 その理由は、遺灰ダイヤモンドは、純粋な炭素のみを抽出して人工的に結晶化したもので、天然のダイヤモンドも炭素から生成されているからです。そのため、遺灰ダイヤモンドは化学組成も高度も天然と同等で、違いは結晶形のみ。カラーやカットともに、限りなく天然に近いです。 遺灰ダイヤモンドは、GIA(米国宝石学会)によって、本物のダイヤモンドであることが認定されており、それだけ価値あるものと言えます。

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遺灰ダイヤモンドの歴史

人工ダイヤモンドが初めて加工されたのは1980年ごろです。アメリカのライフジェム社が遺灰ダイヤモンドを初めて加工、販売されたのは、2002年でした。今ではスイスのアルゴダンザ社も著名で、世界中から注文を受けています。

遺灰ダイヤモンドの注文方法

遺灰ダイヤモンドは、今のところ多くの場合、海外の業者に依頼する必要があります。 まずは、様々な形態や価格帯やデザインがあるので、資料を請求しましょう。どのようなダイヤモンドを作りたいか決まったら、申し込みを行います。支払方法、金額をきちんと確認しておきましょう。 遺灰ダイヤモンドの製作は多くの場合海外で行われ、海外に空輸することもあります。送付方法は指示されますので、間違いがないように気をつけましょう。 遺灰より炭素を抽出、結晶化した後に、ダイヤモンドの原石が生成されます。日本の火葬技術は優れているため、炭素の抽出には通常よりも手間がかかるようで、数週間必要です。 人工のダイヤモンドの原石が技術者によってカッティング、研磨され、完成品が手元に届きます。遺灰ダイヤモンドは完成して届くまで半年ほどかかるので、贈り物にするなど、決まった時に欲しい場合は、前もって準備する必要があります。

遺灰ダイヤモンドのカラー、カット、サイズの選び方

遺灰ダイヤモンドは世界にたった1つのオーダーメイドのダイヤモンドです。だからこそ、自分の好みや故人のイメージを反映できることが魅力と言えます。 例えば、カラーはクリア、ブルー、イエローがあるので、様々なファッションに合わせたいならクリア、肌馴染みの良さを重視するならイエローなどがお勧めです。 カットはダイヤモンドの輝きや深みを決める大切な要素。お呼ばれの場にふさわしい華やかなリングにするならラウンド・ブリリアントカット、女性らしい繊細で可憐な雰囲気のジュエリーにしたいならプリンセスカット、控えめで自然な美しさを重視するなら原石タイプがあります。 サイズについては、リングにするのか、ネックレスにするのか、どのような服装でどういう場につけたいかで選びますが、費用と相談して好みに合わせると良いでしょう。

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遺灰ダイヤモンドの相場

遺灰ダイヤモンドは、今のところ、限られた業者しか製作しておらず、手間暇かかるものなので、ジュエリーとしても高価です。 安くてもダイヤモンドに加工し、カット研磨するだけでも、45万円以上、最も高価なものの場合、300万円ほど。それにジュエリーに加工するための費用がかかります。

遺灰ダイヤモンドのメリット

高価で注文の際、手間もかかる遺灰ダイヤモンドですが、それでも人気が高まっています。 その理由は、癒し効果が高いことがまずあげられます。遺灰をダイヤモンドにすることで、死のマイナスのイメージも美しい思い出となって輝きます。故人の思い出の場所をそのジュエリーを身につけて旅行して心を癒すことも可能です。 故人も冷たいお墓の下に入ってしまいたくない、ずっと愛する人を見守りたい。そう生前願っていた方も多いでしょう。遺灰ダイヤモンドなら、そうした願いをとても素敵にかなえます。 その人を忘れてしまいたくない、生きた証をしっかり遺したい。そんな願いもダイヤモンドなら確かな形で残せます。 いずれも精神的なことではありますが、ダイヤモンドの神秘的な輝きによるグリーフケア効果は少なくありません。

遺灰ダイヤモンドを注文する際の注意点

遺灰ダイヤモンドは、通常のジュエリー加工と異なる注意が必要です。以下の点に気をつけて注文するようにしてください。 1. 必要な量を送らなくてはいけない ダイヤモンドを作るために必要な遺骨や遺灰の量は業者によって異なります。50g~500gほどが必要です。万が一足りない場合は、毛髪からも炭素が抽出できるので、毛髪を残しておくと良いでしょう。 2. 年月が経ちすぎている場合は相談が必要 火葬してからかなり年月が経っている場合でも、炭素を抽出できるのでダイヤモンドを作ることは可能です。しかし、保存状態によっては、成分が変質してしまっていることもあるので、一度相談してから注文するようにしましょう。 3. 無くさないように注意が必要 元が大切な人の体の一部なだけに万が一無くしてしまった場合、ショックは大きいです。しかし、時には外すこともあるので無くす可能性を完全にゼロにもできないでしょう。 できるだけ外さないですむデザインを選んだり、普段着でも身につけやすいデザインを選んだりすると、無くすリスクを減らすことができます。

火葬後、少量遺灰を手元に置くには?

お墓や納骨堂に納められている骨壺から遺骨を取り出す場合は、分骨になり、文骨証明書や管理事務所への連絡が必要です。しかし、ごく少量の遺灰を手元に置く場合は、そのような手続きはいりません。 遺灰を少量手元に置いておく方法をお伝えします。

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遺灰を少量手元に置く理由は?

遺灰を少量持ち帰る方は昔からよくいます。お守りにしたい、お墓が遠いため、手元で供養したい、自分が亡くなったとき一緒に散骨したいといった理由です。 火葬場でハンカチに少しだけ包んで持ち帰ります。

遺灰を取るタイミングは?

火葬が終わると、お骨上げを行います。その時、二人一組で、形のしっかりした遺骨を骨壺に入れるので、多くの場合、その時、遺灰を取ることが可能です。 前記した通り、少量の場合、遺灰を取ることは問題ないのですが、火葬場や葬儀社のスタッフに「少し遺灰をいただいてもいいですか?」と声をかけておくと安心でしょう。遺族の場合は、収骨後、骨壺から取っても大丈夫です。 しかし、一旦お墓や納骨堂に納めてしまった場合、そういうわけにはいきませんので、少しだけ遺灰を取っておきたい時は必ずこのタイミングで取っておくようにしましょう。

自分なりの供養が可能で、活用の幅の広い遺灰

少量の遺灰の場合、どのように供養するかはその人の自由です。自宅の仏壇に置くのも良いですし、ジュエリーとして身につけたり、お守りとして持ち歩いたりするのも良いでしょう。 昔からの供養の方法である、お墓参りや法事などは意義深いことではありますが、手軽な供養とは言い難く、気持ちはあってもそれだけでは十分ではないことがあるでしょう。 少量の遺灰や遺骨での供養は、手間をかけずに行える供養で、故人を身近に感じられるので、グリーフケアの観点からも有用と言えます。一族のお墓に通うことが難しい方が増えていくなか、需要は益々増えていきそうです。