キリスト教式の御花料とは?書き方を含むマナーや金額相場までを解説
公開日 : 2020/8/19
更新日 : 2020/9/9
日本国内のキリスト教の人たちは1%程度ということもあって、葬儀について知らない人も多いでしょう。故人の信仰を尊重して合わせるのがベストなので正しい知識で対応したいですね。そこで、今回は、キリスト教式である御花料の書き方を含めた正しい知識やマナーをご紹介します。
公開日 : 2020/8/19
更新日 : 2020/9/9
目次
御花料の意味
まずは、御花料(お花料、お花代)とは何か、御花料の意味について簡単に説明します。
御花料は仏教の「御香典」
御花料は、キリスト教のお通夜や告別式、方法の際に使用します。仏教ではお香をたく習慣がないので「香典」はありませんが、代わりにお花をたむける「献花」を行います。
日本のキリスト教会が、日本の風習である香典とキリスト教の主としているお花をうまく合わせて葬儀に現金を包むようにつくられたのが「御花料」と言われています。
本来のキリスト教にはない習慣であり、日本独特の習慣と言えるでしょう。なお、お花をたむける御花料は、カトリック、プロテスタント共通の儀式です。
御花料のお返しは礼状
仏教では無事に四十九日の法要を済ませることができたお礼として、香典をいただいた人たちに香典返しに現金包みます。しかし、キリスト教では香典返しの代わりとして、没1か月後の昇天記念日の前後に挨拶状と品物が贈られます。
御花料の書き方
御花料はキリスト教式です。書き方を知って、故人やご遺族に失礼のないように、また、恥をかかないように準備しましょう。
御花料の袋の選び方
御花料はキリスト教の葬儀に使うので、キリストを象徴する十字架や純潔を意味し、聖母マリアを象徴する白いユリが印刷されている香典袋を選びます。また、白く水引が付いていない香典袋も売られています。
キリスト教式の香典袋は文房具店で販売されていますが、コンビニエンスストアでは売られていいないことが多くあります。
余裕を持って準備するようにしましょう。また、どうしても購入できなかった場合には、郵便番号欄も印刷されていない真っ白い封筒で代用することもできます。
日本でよく使われている蓮の絵が印刷されている香典袋は、失礼にあたるので使用できませんので注意しましょう。
表書きの書き方
カトリックでもプロテスタントでも表書きは「御花料」と書くのが一般的です。カトリックでは「御霊前」でも良いと言われていますが、プロテスタントではNGです。どちらの宗派かわからない場合には、「御花料」と書くと安心です。
筆ペンの選び方
香典袋に表書きをする「御花料」の文字は、香典と同じように薄墨で書くのがマナーです。「不幸を聞いて涙で墨が薄くなりました」「急いで駆け付けたので墨をしっかりすることができませんでした」という意味があります。
近年は気にしない人もいるとのことですが、年代によっては気にすることが多いので通常の筆ペンで書くのは避け、四十九日までは薄墨で書くようにします。中袋に書く住所氏名などは、通常のペンで書いても問題はありません。
氏名の書き方
御花料の表書きの氏名については、香典と同じように氏名は水引の下に縦に書きます。キリスト教式の香典袋が用意できず、真っ白い封筒の場合には、封筒の半分より下の中央に氏名を縦書きします。
会社名も入れて書く場合には、右側に会社名や部署名を書き、2行にし、文字全体が中央になるよに書きましょう。
連名の書き方
連名の場合には人数によって書き方を変えます。夫婦連名の場合には、ご主人の氏名を香典袋の中央に書き、奥様の氏名をその左に書きます。奥様はフルネームではなく、名前のみを記入します。
連名が3人の場合は、目上の人の氏名を香典袋の中央に書き、左に順番に氏名を書きましょう。4名以上の場合は、代表者名を香典袋の中央に書き、左下に「他〇名」、または「〇〇一同」とまとめて書いてコンパクトにまとめましょう。
中袋の書き方
御花料の中袋には、ご遺族がわかるように金額や住所氏名を記入します。中袋の文字は薄墨である必要はなく、通常のペンで書きます。ボールペンやサインペンでも使用可能です。
金額の書き方
中袋の表の中央に包んだ金額を書きます。一般的に金額は改ざんががないように旧漢字(大字)で書くのがマナーです。10,000円の場合には、「金壱萬圓(円)」と書きます。「金〇〇圓也」と書く場合もありますが、書かなくても問題はありません。
- 三千円→参仟圓(参阡圓)
- 五千円→伍仟圓(伍阡圓)
- 七千円→七仟圓(七阡圓)
- 一万円→壱萬圓
- 三万円→参萬圓
- 五万円→伍萬圓
- 七万円→七萬圓
- 十万円→拾萬圓(什萬圓)
氏名の書き方
御花料の中袋の裏には、氏名や住所を書きます。中袋の左側に郵便番号、住所、氏名の順番で記載していきます。
人数が多い場合でも省略せずに全員の氏名を記載ます。中袋の裏に書ききれない場合には、半紙など別の紙に記入して同封しましょう。この際にも右側から順番に目上の人から書きます。
御花料の包み方
御花料の包み方にもマナーがあります。故人や親族に失礼のないようにマナーを持って悲しみの心を伝えましょう。
金額の相場
御花料の金額の相場は、相手との関係や年齢によって違いがあります。目安として一般的な相場を確認しましょう。
両親の場合
故人が両親の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→5万円
- 30代→5万円
- 40代→10万円
- 50代以上→10万円
兄弟・姉妹の場合
故人が兄弟、姉妹の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→3万円
- 30代→5万円
- 40代→5万円
- 50代以上→5万円
親族の場合
故人が親族の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→1万円
- 30代→1万円
- 40代→1万円
- 50代以上→1万円
友人・知人の場合
故人が友人、知人の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→5000円
- 30代→5000円
- 40代→5000円
- 50代以上→1万円
上司・先輩の場合
故人が上司、先輩の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→5000円
- 30代→5000円
- 40代→5000円
- 50代以上→1万円
部下・後輩の場合
故人が部下、後輩の場合の御花料の金額相場です。
- 20代→5000円
- 30代→1万円
- 40代1万円
- 50代以上→1万円
金額について
故人に対する思いが強いと多い金額を包みたくなります。しかし、ご遺族に気を遣わせてしまうことになりかねないので適した金額を包みましょう。
また、特別にお世話になった人であれば多く渡す場合もありますが、その時には2・4・6・8のような偶数は避けて包むようにしておくのがよいでしょう。
お札の入れ方
御花料に包むお札の入れ方にもマナーがあります。まずは、お札も表裏ですが、肖像画があるのが表です。封筒の表側からお札を出した時に見えるのが裏側になるように入れます。また、肖像画が下になるように入れましょう。
お札の選び方
御花代を含めた弔事には、新札を使用するのは避けます。新札を入れると「訃報をあらかじめ用意していました」とう意味となり、故人や親族に対して失礼に当たるからです。
御花料にはある程度のシワや折れているお札などを使用するのがよいですが、あまりにも汚れていたり、破れていたりするのは避けましょう。
御花料の渡し方
ここでは、御花料を渡すタイミングや渡し方などについてをわかりやすく簡単に解説します。
御花料の袱紗の選び方
キリスト教の御花料でも袱紗を使用します。袱紗は、汚れやシワから守るために包むので御花料をきれいな状態で渡せるように包みましょう。袱紗の色ですが、黒やグレーが一般的です。また、御香典と同じく濃い紫や紺でもよいでしょう。
袱紗の包み方
袱紗のたたみ方は、慶事と弔事とは逆になるので気を付けます。
- 袱紗をひし形になるように広げます。
- 広げた袱紗の中央に御花料を表向きに縦に置きます。
- 右をたたみ、次に下をたたみます。
- 上をたたみ、最後に左側をたたみましょう。
御花料の渡し方
キリスト教の葬儀やミサは教会で行われますが、他の宗教と同じように入口に受付が用意されています。受付で記帳をする際に御花料を渡します。もし、ご自宅のお通夜で受付がない場合には、喪主または、ご遺族に直接渡しましょう。
御花料はただ渡せばいいとうわけではなく、正しい渡し方があります。他の宗教と同じく袱紗から御花料を出し、相手側に文字が正しく読める向きにして渡しましょう。
御花料で添える言葉
通常、お香典を渡す時にお悔やみの言葉を添えて渡しますが、御花料はキリスト教式となるため、お悔やみの言葉を添える必要がありません。その代わりに受付では、「ご連絡ありがとうございます」と一報を頂いたことに対してのお礼を伝えます。
その他、「天に召されたご主人に平安がありますように」「安らかに眠れるようにお祈りいたします」などの言葉を添えます。
御花料の正しい知識を持つ
突然の悲しい知らせに正しい知識がなく、慌ててしまうこともあるでしょう。しかし、故人の信仰に合わせた対応をする優しさや心遣いは大切です。参考にして、正しい知識で御花料を渡して偲ぶ気持ちを伝えてくださいね。
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