お線香をあげる意味を再確認|お線香にご先祖様への感謝をこめて

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

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感謝の気持ちをこめてお線香をあげることは、習わしや慣例で何気なく行っていることが多いものです。改めてお線香をあげる意味をとらえてみると、ご先祖様への供養に新たな思いも加わります。今回はお線香をあげる意味を再確認すると共に作法についてもみていきます。

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

目次

お線香とは

お仏壇やお墓にお供えされるお線香は、先祖供養に欠かせません。複数の形があるお香の中で、線のように練り固めた棒状のものがお線香です。香木や杉の葉を原料として作られています。燃焼方法は、ろうそくの灯から直接火をつける燻蒸です。

お線香の種類

お線香の種類は、お墓参り用とお仏壇用の2種類です。お墓参り用は煙が多く香りも強めの「杉線香」を用い、お仏壇用は室内で焚くため、煙も香りも控えめの「匂い線香」を用います。

お墓参り用は杉線香

杉の葉の強い香りをもつ杉線香は、杉の葉の粉末から作られています。外で使うため煙も強く、外気の中でもよく香るのが特徴的です。杉線香は束で焚きます。数え方は一束が一把(いちわ)です。

室内では匂い線香

室内で焚くお線香は、匂い線香です。香りと煙は共に控えめで、宗派によって違いはありますが、1本から3本をバラで焚きます。

 

椨(たぶ)からとれる木の皮を主原料とし、香には白檀(びゃくだん)・伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)などの香木や香料を合わせて作られています。香りのバリエーションも多いため、故人の好みや特徴に合わせた香りを選べるのも、特徴の一つです。

線香の長さによる使い分け

一般的によく目にするお線香は「短寸」と呼ばれています。長さは15cmほどで、燃焼時間はおよそ25分から30分です。対して「長寸」は長さが約25cm以上あります。形も棒状ではなく様々です。燃焼時間も50分以上あるため、寺院などで利用されています。

 

長時間お線香を絶やさないように焚き続けるお通夜などでは、燃焼時間の長い大きな渦巻き状の線香を用います。お線香の香りが途切れる心配もなく安心です。

 

お線香をあげる時間として最も多い、朝夕に焚くお線香として使われるのが「ミニ寸」です。長さが7cmから9cmと「短寸」よりも短く、燃焼時間も13分ほどのため重宝します。

お線香をあげる意味とは

墓前やお仏壇の前で手を合わせ、お線香をあげる時は、先祖への感謝の思いと共に日頃のお礼をお伝えする大切な時間です。「お線香をあげる」流れは、先代から慣習として身についてきていることが多く、お線香一本一本に深い意味がこめられています。

 

「お線香をあげる」を漢字で表現する際は、丁寧語を使い「お線香を上げる」と書きます。一般的に漢字を用いることはほぼありませんが、「あげる」は「やる」を丁寧に表現していることだと覚えておくと良いでしょう。

 

仏事では欠かせない「お線香をあげる」ことの意味を改めて確認すれば、先祖供養にも新たな気持ちがこもります。また、弔問の際は故人への思いを大切にすると同時に、ご遺族への思いやりも込めて丁寧に対応することを心がけましょう。

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場を清め心身を清浄にする

この世は、穢れが多い空間です。人の心や体、どのような場においても、汚れや臭いがついてまわります。このような穢れた空間を清めるのが、お線香の香りです。

 

また、お線香の香りは、お参りする人の心も体も清浄化します。お線香の香りで邪気や穢れを祓われた状態になってはじめて、故人にご挨拶することができるのです。

故人にお線香の香りを召し上がっていただく

故人は「お線香の香り」を食べると仏教では言われています。亡くなってからあの世へ旅立つまでの四十九日に焚くお線香が、「食香」です。故人が食べるためのお線香の香りを意味しています。この期間は、お線香の香りを絶やさないようにする風習もあります。

仏様と心をつなぐ

お線香に火を灯し煙が立ち上がると、細い煙が見えない糸となって天へ天へと昇っていきます。煙は現世とあの世をつなぐ橋です。仏様となった故人とお参りする人の心をつなぎます。

 

お線香の煙を通じて、あの世にいる故人と対話をすることができるのです。日頃の感謝の気持ちや、近況報告などをゆっくりお伝えすると良いでしょう。

お線香をあげる作法

お線香をあげる作法は、宗派により異なる点があります。主な違いはお線香の立て方や本数です。故人への思いをこめて弔問するのですから、良いご供養ができるようにしたいものです。弔問先の宗派は事前に確認してからお伺いすることをおすすめします。

 

お墓参り、弔問、宗派を問わずお線香をあげる時に注意していただきたいのが、お線香の火の消し方です。ろうそくやお線香の火を口で吹き消さないようにしてください。人の口や口から出る息は不浄なものです。決して、ご自身の息で吹き消すことのないよう注意してください。

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お線香をあげる流れ

突然の弔問など、故人の宗派がわからない場合は多くあります。お線香の本数や、立てるのか寝せるのかは、他の弔問客や香炉の状態を見て判断するのも一つの方法です。

 

お線香をあげる流れについては、一般的な方法を覚えておけば失礼にあたることはありません。流れを下記に紹介します。

 

ご遺族に一礼をしてから、遺影に一礼し、座布団に正座をします。ろうそくに火がついてない場合は、マッチまたはライターでろうそくに火を灯してください。お線香を持ち、ろうそくの灯から火をつけ、お線香を下にサッと引いて火を消します。消えない場合は、お線香を持ってない手で軽くあおいで火を消してください。

 

お線香を香炉に立てます。(お線香の本数や、香炉に立てるのか寝かすのかは後述の「宗派による違い」をご参照ください。)故人への思いをこめて合掌し、深く一礼をします。

 

お線香をあげ終わったら、ろうそくの火を手であおいで消すか、ろうそく消しを使って消してください。一礼して座布団から退座し、ご遺族に一礼します。ろうそくの火は、他にもお線香をあげる方がおられる場合は消さずに一礼し、座布団から退座してください。

宗派による違い

先にも述べましたが、お線香をあげる作法の大きな違いは、「お線香の本数」と「立てるのか寝せるのか」です。ただし、同じ宗派の中でも異なる作法を持つ場合もあります。心をこめて供養できるよう、宗派による違いを見ていきましょう。

「天台宗」「真言宗」

「天台宗」「真言宗」であげるお線香は、3本です。3本まとめて火を灯し、逆三角形になるようにして香炉の中央に立てます。向きは、手前に1本立て、香炉の奥側に2本立ててください。

「臨済宗」「曹洞宗」

「臨済宗」「曹洞宗」であげるお線香は、1本です。1本に火を灯し、香炉の中央に立てます。

「日蓮宗」

「日蓮宗」であげるお線香は、1本または3本です。3本の場合は3本まとめて火を灯し、逆三角形になるようにして香炉の中央に立てます。向きは、手前に1本立て、香炉の奥側に2本立ててください。

 

1本の場合は、1本に火を灯し、香炉の中央に立てます。

「浄土宗」

「浄土宗」であげるお線香は、1本から3本です。1本から3本を香炉の中央に立てます。お線香は折らずに、そのまま立ててください。

「浄土真宗本願寺派」

「浄土真宗本願寺派」であげるお線香は、1本です。1本のお線香を2つに折って2本にしてから同時に火を灯し、香炉に寝かせます。向きは、火がついてる箇所が左側になるように寝かせてください。

「真宗大谷派」

「真宗大谷派」であげるお線香は、1本から2本です。お線香を2つに折って2本または4本にしてから同時に火を灯し、香炉に寝かせます。向きは、火がついてる箇所が左側になるように寝かせてください。

亡くなった愛犬にお線香をあげる

愛犬は、大切な家族の一員です。亡くなったら火葬をし、仏壇をご準備されるなど、葬儀の流れは人間と同様、丁重に行われます。お線香をあげるのも同様です。ろうそくに灯した火からお線香に火をつけ、香炉に立ててください。(宗派によっては、寝かせます。)

 

昨今では、愛犬用のお仏壇や仏具も多く用意されております。飼い主様のお気持ちやご自宅のスペース、お色など、愛犬にふさわしいものをご準備されると良いでしょう。愛犬の写真を見ながら一緒に過ごした時間に思いをはせ、お線香の煙でつながれた時の中、対話をしてください。

お線香をあげる意味をふまえたご供養を

仏事に欠かせないお線香は、火を灯し煙と共に香りを漂わせるだけではありません。お線香をあげることは、故人が食する最高の香りとなり、場と人を清浄化し、故人との対話を可能にすることを意味しています。

 

お線香をあげることで故人に喜んでいただけるのであれば、好みの香りを選んだり、好きだった食べ物や植物の香りがするお線香を選んだりもできます。お盆やお彼岸、お墓参りや帰省などの際に、感謝の思いをこめてお線香を選び、墓前やお仏壇にあげることもできるでしょう。

 

急な訃報で弔問に間に合わない、どうしても参列することが無理な場合にも、弔電と共にお線香を送ることで気持ちを伝えられます。お線香をあげる意味を考え、故人への思いをこめてお送りしましょう。

 

作法、習わしなど宗教によってお線香のあげかたに違いはありますが、基本とする意味は同じです。故人を尊ぶ気持ちを大切にすると共に、お線香をあげる意味をしっかりと受け止め、失礼のないよう供養してください。