お盆にお供えするお花は?お花の意味や相場についても大解説

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

お盆にお供えするお花は?お花の意味や相場についても大解説のサムネイル画像

お盆には必ず仏壇やお墓にお花をお供えします。どうしてお花をお供えするのでしょう。お盆にお花を飾る意味はもちろん、お花の種類や相場についても解説します。NGなお花もありますので、お盆にお供えするお花選びの際の参考にしてください。

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

目次

お盆にお花を飾る意味

お盆には必ずお墓や仏壇にお花を飾ります。どうしてお花を飾るのでしょう。実は、ただ単に見た目が華やかになるからという理由で飾っているわけではないのです。 お盆にお供えするお花について紹介する前に、先にお盆にお花を飾る意味について解説します。

命の尊さ

お盆にお花を飾る理由の一つに、「命の尊さを示している」というものが挙げられます。花は咲くまでに長い時間を要します。美しい花を咲かせるまで長い時間じっと耐えているのです。

 

また、花が咲いたと思ったらすぐに散ってしまいます。華やかで美しい花が開いている時間はごくわずかです。その一瞬ともいえる美しい花を咲かせるために、気が遠くなるような時間がかけられています。

 

人間の命も同じであるというのが仏教の教えです。人間も現世という世界でさまざまな苦行を行なっています。長い苦行を乗り越えて初めて、命の大輪が咲くという姿を花に例えているのです。

亡くなった人の食事

お盆にお花を飾るのは、亡くなった人の食事の代わりだという説もあります。亡くなった人の中には、天国ではなく地獄へ落ちてしまった人もいます。地獄でさまざまな苦行を行ない、天国へ行くための徳を積んでいるのです。

 

地獄では食事が与えられません。地獄に落ちた人の霊が食べられるのは、お供えされたお線香と花の香りだけだと言われています。それ以外のものは何も口にすることができないのです。

 

お盆にお花を飾ることで、亡くなった人があの世で食事に困らないようにという願いが込められています。美しい花をたくさん飾ることで、あの世へ旅立ってしまった人がいつでもお腹いっぱいでいられるということなのです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

故人の寂しさを癒すため

お盆にお花を飾るのは、故人の寂しさを癒すためという理由もあります。あの世へ旅立ってしまった故人は一人ぼっちになってしまうので、寂しくて仕方がないと考えられているのです。

 

あの世での旅は、基本的には一人旅だと考えられています。本当は周りに大勢の故人がいるのですが、旅の間はその姿が見えないと言われています。たった一人で長い旅路を歩くのはとても心細く、寂しいという気持ちが募っていきます。

 

お盆にお花を飾ることで、「私たちはいつもあなたのことを思っています」という気持ちを伝えています。花の香りにその思いが乗り、あの世で一人旅をしている故人の寂しさが癒されるとされているのです。

お盆にお供えする定番のお花の種類

お盆にお供えするお花の種類はある程度決まっています。それは、それぞれのお花に大切な意味が込められているからです。 お盆にお供えする定番のお花の種類と、それぞれに込められている願いや意味について解説します。

ミソハギ

お盆にお供えする定番のお花としてミソハギがあります。ミソハギとは、湿地帯に多く見られる紫色の花です。日本に古くからある花で、お盆の時期に開花します。

 

ミソハギをお盆にお供えするのは、「禊萩」という漢字に関係しています。「禊(みそぎ)」とは、穢れや罪を洗い流して浄化する水行のことです。ミソハギをお供えして現世での穢れや罪を洗い流し、天国へ行けるようにという意味が込められています。

 

それ以外にも、ミソハギは喉の渇きを抑える働きがあるという説や、仏様がミソハギに宿る露を好んで口にされるからという説などがあります。「喉の渇き」は人間ではなく、亡くなった人のことを指しています。

ホオズキ

お盆にお供えする定番のお花ではホオズキも欠かせません。ホオズキは6月頃に白い花を咲かせます。ですが、お供えするのはこの白い花ではなく、赤い実の方です。

 

ホオズキをお盆にお供えするのは、その形と漢字が関係しています。ホオズキの見た目は赤いという特徴があります。この見た目が提灯に似ているとされ、漢字では「鬼灯」と書きます。

 

亡くなった人の霊が歩く道は街灯などのような明かりがなく、真っ暗だと言われています。こちらへ帰ってくるとき、途中でつまずいて怪我をしないように足元を照らして欲しいということから、ホオズキがお供えされるようになりました。

 

また、ホオズキをお盆の時期に仏壇や家の周りにお供えすることで、亡くなった人の霊が迷子にならないようにという意味もあります。「ここがあなたの帰ってくる場所ですよ」というメッセージが込められているのです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

仏壇やお墓にお供えするお花の代表と言えば菊です。お盆にも仏壇やお墓に菊をお供えします。現在は西洋菊が主流ですが、昔は日本に自生していた野菊をお供えしていました。

 

菊をお盆にお供えするのは、菊に邪気を祓う効果があるとされていたからです。「菊の葉や花を食べると邪気が祓われ、長生きできる」と言われていました。

 

お盆は亡くなった人の霊をお迎えする神聖な儀式です。ただ、そんなお迎えする霊と共に邪気もやってきてしまうと考えられていました。邪気は隙あらば人間に取り付こうとするため、お迎えする霊にくっついてくることが多いとされていたのです。

 

お盆に菊をお供えすることで、お迎えする霊にくっついてきた邪気を祓い、霊だけを迎え入れることができるようにという意味が込められています。いわゆる「悪霊退散」の役目を菊が果たしているのです。

 

あまり知られていませんが、お盆には樒(しきみ)をお供えするところもあります。樒(しきみ)とはマツブサ科の常緑樹で、城に近い黄色の花を咲かせます。お盆には、樒(しきみ)の花ではなく、葉がたくさんついた枝をお供えします。

 

樒(しきみ)をお供えするのは、その葉に強い香りがあり、その香りで邪気を祓うことができると考えられていたからです。ここには、昔の日本では土葬が主流だったということが大きく関係しています。

 

土葬をするとそのにおいにつられて野生動物が寄って来ることが多くありました。時には遺体を掘り起こしてしまうこともあったようです。ただ、昔の人はこれを目に見えない悪いものの仕業と考えていました。

 

遺体から漂う死臭を抑えることで、悪いものが寄って来なくなると考えた昔の人は、お墓の周りに香りの強い樒(しきみ)を植えるようになります。樒(しきみ)の実には猛毒があるため、野生動物も近寄って来なくなりました。

 

現在は火葬ですが、樒(しきみ)をお供えするという風習は今も残っています。お盆に樒(しきみ)をお供えすることで強い香りが邪気を祓い、お迎えする人間を守ってくれると考えられているのです。

お盆にお供えするお花のマナー

お盆にお供えする場合、どんなお供えの仕方をしても良いというわけではありません。お盆自体が神聖な儀式ですから、お花のお供えの仕方にもマナーがあります。 どのような点に気をつけてお花をお供えすると良いのか、詳しいマナーについて解説します。

初盆(新盆)は白いお花を基調にしてまとめる

初盆(新盆)だけは白いお花を基調にしてまとめるというのがマナーです。具体的には白いお花を多めにし、紫やブルー、黄色などのようなお花を挿し色として追加します。

 

初盆(新盆)に白いお花だけをお供えするのは、亡くなったばかりの人の魂を癒すという意味があるからです。亡くなって間もない人の魂は、悲しみや不安を抱えていると考えられています。

 

一方の「白」には「浄化」の意味があります。白いお花だけをお供えして亡くなったばかりの人の霊を迎えることで、悲しみや不安を取り除いて心穏やかにしてあげようという遺族の気持ちが込められているのです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

本数は奇数にする

お供えするお花は、必ず奇数で用意するというのがマナーです。何故なら、仏教では奇数が良いとされているからです。通常は3,5,7本が良いとされています。

 

この考え方は中国に由来しています。中国では、「割り切れない数字は縁起がいい」とされています。割り切れないということは永遠を意味し、仏教の世界が絶対であるということの象徴であると考えられています。

 

仏教は中国から伝来しました。この時、奇数についての考え方も同時に日本に伝来し、縁起のいい数字だとされています。お盆も仏教の儀式の一つですから、お供えするお花は必ず奇数にするとされているのです。

 

1対で用意する

お盆にお供えするお花は1対で用意します。これは、お花をお供えする場所が必ず左右に一つずつあるからです。

 

お墓でもお仏壇でも、お花をお供えする場所は左右に一つずつ用意されています。どちらか一方だけにお花をお供えすると、見た目のバランスが悪くなります。また、左右それぞれでお供えするお花の種類が違っていてもアンバランスです。必ず1対で用意してください。

お盆は地域によって異なる

お盆の時期は地域によって異なります。関東の場合は7月13~16日になりますが、それ以外では8月13~16日が多く見られます。しかし、地域や家族の風習によっては旧暦の7月15日に行なう場合もあります。

 

もし仮にお盆の時期にお花を贈る場合は、必ず先方のお盆の時期を確認しましょう。お盆の前日は準備で多忙なことも多いため、少しずらして贈ることも忘れないでください。

避けた方が良いお盆のお花

お盆にお供えするお花は、どんな花でも良いというわけではありません。お盆にお供えする場合には避けた方がいいお花があるのです。 どのようなお花は避けるべきなのか、その理由も合わせて解説します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

棘がある花

お盆にお供えするお花の中で避けた方がいいのは棘(とげ)がある花です。避けるべき花として棘がある花が挙げられるのは、地獄に関係しています。

 

地獄には針山地獄という場所があります。無数の針が生えた大きな山があり、地獄に落ちた亡者はこの山を登ったり下りたりしなければなりません。

 

棘がある花は、地獄にある針山を連想させると考えられています。地獄の苦行から解放されてこの世へやってきている亡くなった人の霊にとって、針山を連想させる棘がある花は嫌なものと言えるでしょう。

 

お盆は地獄に落ちた人の霊の救済措置でもあります。お盆の間だけでも地獄での苦行を忘れて欲しいという意味もあり、棘がある花は避けた方がいいとされているのです。

蔓状の花

蔓状の花もお盆にお供えする花としては避けた方がいいとされています。それは、蔓状の花の性質にあります。

 

蔓状の花は他の植物などに絡みついて成長していきます。この姿が、あの世へ旅立った人の霊が他の人間を連れて行くように見えるからだと言われているのです。

 

蔓状の花をお盆にお供えすると、自分や大切な人が亡くなった人の霊に連れて行かれてしまうと考えました。そのため、蔓状の花は避けた方がいいとされるようになったのです。

お盆にお供えするお花の相場

お盆にお供えするお花には、ある程度相場が決まっています。その相場は初盆(新盆)とそれ以外のお盆とで異なります。 それぞれのお花の相場がどれくらいなのか解説します。

初盆

初盆(新盆)は、お盆の中でも特別です。1回しか訪れないお盆ですから、お花の相場も通常よりも高めになります。

 

地域にもよりますが、一般的な相場は10,000~20,000円とされています。見た目を華やかにして亡くなった人の霊をお迎えする、という思いがあるため、通常よりも高めになっているのです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

初盆以外

初盆(新盆)以外の通常のお盆の場合は、相場が安めになります。毎年訪れますから、特別にお花を華やかにする必要がないと考えられているのです。

 

一般的な相場は、5,000~10,000円とされています。ただ、地域や居住スペースなどによっては、もっと低い金額になることもあります。最近は、3,000円くらいでお花を用意するところも多いようです。

お盆にお供えするお花の疑問

お盆にお供えするお花は、現在では多種多様になってきています。お盆の時期にお墓参りに行くと、「あれ?こんなお花もお供えしてある」と驚くこともあるでしょう。 そこで、お盆にお供えするお花の疑問をいくつか紹介し、それぞれ解説します。

赤いお花

お盆にお供えするお花で一番多いのが、「赤いお花はお供えしてもいいの?」という疑問です。「赤」は「血」などを連想させるため、避けた方がいいと考えられがちです。

 

しかし、神経質になって赤いお花を避ける必要はありません。見た目を華やかにするという意味合いでも、差し色として赤いお花をお供え用のお花に入れることはよくあります。

 

仏花として売られているお花の中にも、赤いカーネーションなどが入っています。絶対に赤い花を入れてはいけない、という決まりはないのです。

 

しかし、地域などによっては赤いお花は避けるべきとしているところもあります。気になる場合は親戚などに確認してみると良いでしょう。

胡蝶蘭などのような見た目が派手なお花

お盆にお供えするお花は、あまり派手であってはいけないと思っている人が多いようです。お盆そのものが神聖な儀式であることから、お供えするお花も厳かなものでなければならないと考えるのです。

 

しかし、見た目が派手なお花をお供えしても問題ありません。初盆(新盆)では、真っ白の胡蝶蘭をお供えすることが多々あります。お盆自体は確かに神聖な儀式ですが、お花も厳かにする必要はないのです。

 

お盆にはお供え用のお花として、胡蝶蘭などのような見た目が派手なお花が販売されることもよくあります。華やかなお花をお供えして、明るく亡くなった人の霊をお迎えしてあげてください。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

造花

最近一番多く見られるお盆にお供えするお花の疑問として、「造花」があります。造花は悪くなることがないのでずっと使い続けることができます。コスパの面から見ても大変便利です。

 

ただ、お花は亡くなった人の食事の代わりだと説明しました。そう考えると、造花は良くないのではないかと思う人もいるでしょう。造花は香りがしませんし、作りものですから、失礼に当たると考える人もいます。

 

結論から申し上げますと、造花をお供えしても大丈夫です。特にお盆の時期はまだ暑いので、生花をお供えしてもすぐに傷んでしまいます。いつまでも美しい状態であり続ける造花をお供えした方が良いでしょう。

 

ただし、宗派や地域によっては増加を禁止しているところもあります。気になる場合は親戚や寺院に確認してみると良いでしょう。

お盆のお花は必要不可欠なお供え物

お盆のお花は必要不可欠なお供え物です。地域や宗派によっては細かな決まりやマナーがある場合もあります。ですが、大切なのはお供えする人の気持ちです。どのようなお花をお供えする場合も、悼むという気持ちを忘れないでください。