葬儀のお礼状について|文例、様々な状況におけるマナーを紹介
公開日 : 2020/8/15
更新日 : 2020/9/9
葬儀終了後、参列して頂いた方に対して「お礼状」を送ることが通例です。ここでは、このお礼状を書く上で抑えておきたい基本マナーや代表的な4つのケースにおける文例を紹介していきます。参列して頂いた方へ失礼がないように、あらかじめチェックしておきましょう。
公開日 : 2020/8/15
更新日 : 2020/9/9
目次
葬儀のお礼状とは
葬儀が一通り終わって、次に求められることは「お礼状」の送付です。初めてお礼状を書く方は、誰に送るべきであるか。また、いつまでに送るべきかといった数多くの基本知識を抑えられていない場合もあるでしょう。
そして、抑えておくべき点は基本知識だけに留まりません。送るべき状況や送る相手によって異なる数多くの文例も、お礼状を書く上で抑えておかなければなりません。そこで、この記事では基本知識に加えて、数多くの文例も紹介していきます。
葬儀のお礼状に書くべき基本事項を紹介
葬儀のお礼状に書くべき基本事項は、主に3つあります。1つ目が、「故人の名称の記載」。2つ目が、「差出人の名称の記載」。最後の3つ目が、「葬儀の参加者に対するお礼」です。以下でこの3つの詳細を説明していきます。
故人の名称を記載する
まず、葬儀のお礼状には誰の葬儀であるかを明記しなければなりません。そのため、必ず故人の名称並びに俗名を記載しましょう。この時、故人に戎名が付与されている場合は併せて記載してください。
この戎名とは別名、法名を指します。法名とは、浄土真宗の仏弟子となった名告りです。法名は全ての個人に付与されるものだと勘違いされる方もいますが、この2つは全く別物です。
しっかりと、分けて記載するようにしましょう。そして、故人の名称と戒名の記載が終わった後は、差出人と故人の関係を記載してください。
差出人の名称を記載する
お礼状を記載する際、故人の名称だけでなく差出人の名称も記載してください。基本的に、喪主「◎◎」のように喪主の氏名を差出人の名称として記載します。この時、親族と共に葬儀の準備を行った場合は、「親族一同」と連記してください。
また、近親者のみで開く葬儀ではなく「社葬」として個人の葬儀を執り行った場合、葬儀委員長の名前を喪主の前に記載してください。
参加して頂いた方へのお礼を記載する
葬儀のお礼状を記載する際、必ずお礼の言葉をしっかり書いてください。葬儀に参列する方の中には、遠方より尋ねられた方もいることがあります。また、ご多忙の中で何とか時間を作ってくれた方々も多数、いらっしゃいます。
そんな方々へ、今後の関係維持の為にも参列してくださった方への感謝の意や用意してくださったお供物やお香典等のご厚志への感謝の意もきちんと書き表しましょう。
葬儀のお礼状にまつわるマナーを紹介
葬儀のお礼状を出す上でまず、抑えておきたいことが、下記で紹介する5つの基本マナーです。ここから、この抑えておきたい5つのマナーの詳細について説明していきます。
お礼状で使用してはいけない言葉について
お礼状で使用してはいけない言葉、表現は2つあります。1つ目が、「重ね言葉や忌み言葉」です。これらの言葉は、結婚式や出産祝い等のおめでたい状況では使えないことを知っている方々は多数存在します。
しかし、実はその2つの行事だけでなく、葬儀のお礼状を書く上でも使えません。この言葉の代表例は「度々、益々、死、生存」です。他の言葉が気になる方は一度調べてみてください。そして2つ目が、「句読点を使用した表現」です。
句読点を使用しない表現の意味は、「区切りや終わりがない」です。そのため、元々結婚式や出産祝いだけで使われてきました。しかし近年では、お礼状を書く上でもこの表現を使用することが通例です。句読点を記載してもマナー違反ではありませんが、記載しないことが無難です。
葬儀の詳細を知らせていない方へ出すべきか
葬儀は、基本的に親族以外にも生前に親しかった人々やお世話になった方々へ案内します。しかし、会場等の都合で案内できないこともあります。この状況において、葬儀に案内できなかった人々に対してお礼状を送ることは誤解を招く恐れがあります。
また、相手に気をつかわせてしまうことになるかもしれないので、お礼状を送付しないことを推奨します。しかし、葬儀に案内できなかった人々の中で、どうしても訃報を届けなければならない時もあるでしょう。
その時は、お礼状は送らずに訃報の事実を記載した文書を送付してください。この時に、葬儀に案内できなかった理由等を併せて記載することで、今後の関係性に角が立ってしまうことを防ぐことができます。
お礼状は手書き、メールのどちらで送付すべきか
葬儀のお礼状は、本来ならば1人1人に対して手書きの手紙を送付することが適切です。しかし、参加人数次第では、とても手書きでお礼状を用意できないケースもあります。
なぜなら、葬儀後に求められる手続きはお礼状の準備だけでなく、その他にも多数存在するからです。そして、この手続き総量は葬儀への参加人数が増えれば増えるほど増加します。
その時は、お礼状を出す相手次第にはなりますが、メールでの一括送信や印刷物の送付で対応することも問題はありません。印刷で送付する際のワンポイントアドバイスは、奉書紙等の台紙にお礼状を印刷することです。これにより、相手方への誠意を示すことができるでしょう。
家族葬の場合、親戚へお礼状を送付すべきか
結論から記載すると、家族葬の場合でもお礼状を送付することが適切です。親戚をはじめ参列してくださった方々へのお礼の言葉を伝えることは、丁寧な印象を持っていただくことに繋がるからです。
この時、どうしても他の手続きやその他の用事でお礼状をすぐに出すことが困難な時は、お電話で感謝の意を示すだけでも構いません。お礼状、お電話のどちらかの対応は必ず行いましょう。
葬儀後、会社へお礼状を送付すべきか
所属する会社から弔電や供花を頂くこともあるでしょう。もちろん、こうした対応に対してきちんと感謝の意を伝えることはマナーです。その際、勤務に復帰した際にお礼を伝えるだけでも構いません。
この時、仮に社長や役員の方々が弔電を送ってくれていた場合、お礼状を送るべきであるかどうかは直属の上司のアドバイスを基に、判断しましょう。仮に、送る必要がないとなった場合でも、「御香典を頂きまして誠にありがとうございました。」等の一言は伝えておきましょう。
4つの状況におけるお礼状の文例を紹介
葬儀のお礼状を送る際、抑えたいケースが次の4つです。1つ目が、「会葬のお礼状」。2つ目が、「葬儀委員長へのお礼状」。3つ目は、「生前お世話になった方々へのお礼状」。4つ目が、「遠方からの参列者へのお礼状」です。以下、それぞれ解説します。
会葬のお礼状の文例を紹介
葬儀に参列して頂いた方々の多くは、急なスケジュールに対応して頂いた方達です。その為、丁重なお礼状を出すことが求められます。以下で、代表的な文例を紹介します。
拝啓 この度 (続柄)○○(俗名)儀 葬儀に際しましては ご多忙であるにもかかわらず御会葬を頂きまして ご丁重なご弔意とご厚志を賜り誠にありがたく 親族一同心より厚く御礼申し上げます 本来ならばさっそくの拝眉の上お礼を申し上げるべきでございますが
略儀となりますが書中をもちまして お礼のご挨拶とさせていただきます 敬白 令和××年△月資格日 A市B町 喪主◎◎ 親族一同 ここまでが文例となっています。
葬儀委員長へのお礼状の文例
葬儀委員長とは、遺族ではない方で葬儀の運営をサポートする葬儀委員をまとめる最高責任者の立場です。多くの場合は葬儀社が派遣しますが、喪主自身で用意しなければならないこともあります。その時、ご多忙の中で引き受けてくださった方への感謝の意を伝えましょう。
啓 先般 故○○の葬儀に際しまして ご多忙であるにも関わらず 葬儀委員長をお引き受けいただきまして 誠にありがとうございました 大切なお時間を割いてくださり 立派な葬儀を執り行っていただきまして 亡○○もさぞかし喜んでいることと思います
遺族一同深く感謝申し上げます 今後も変わらぬご指導ご鞭撻ご厚誼を賜りますようお願い申し上げ 略儀ながら書中を持ちまして御礼のご挨拶を申し上げます 敬白 令和×年△月□日 A市B町 喪主◎◎ 親族一同 ここまでが、このケースの文例です。
生前お世話になった方へのお礼状の文例
葬儀に参列してくださった方々の中には生前、故人と親しくしてくださった方々もいるでしょう。こうした方々に対しては、急な葬儀に参列してくださったことへの感謝の意と併せて、故人がお世話になったことに対する感謝の意もきちんとお礼状に記載しましょう。
謹啓 先般 故○○の葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらず会葬いただきまして 誠にありがとうございます また生前○○が何かとお世話になりましたこと心から御礼申し上げます お陰様で○○も心おきなく旅立つことができたと思います
貴兄におかれましてもくれぐれも御身を大切になされ 末永くご健勝にお過ごしくださいますよう 心からお祈り申し上げます 略儀ながら書中をもちまして御礼のご挨拶を申し上げます 敬白 令和×年△月□日 A市B町 喪主◎◎ 親族一同 以上、ここまでが文例です。
遠方からの参列者へのお礼状の文例
基本的に、近隣であっても遠方から参列者の方でもお礼状だけで済ませるケースは少なくありません。しかし、遠方から長時間を要して訪ねてくださった方には、かけて頂いた労力に対して感謝の意を示したいところです。その旨をお礼状にきちんと記載しましょう。
以下文例です。拝啓 亡(続柄)◎◎儀 葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらず 遠路よりお運びいただき 誠にありがたく御礼申し上げます 本来なら早速拝趨し御礼申し上げるべきところではございますが
略儀ながら書中をもちまして御礼のご挨拶を申し上げます 敬具 以上がこのケースにおける文例です。
基本知識を抑えて適切にお礼状を送付しましょう
個々では、お礼状を送る上で抑えておきたい基本知識や代表的なケースにおけるお礼状の分礼を中心に紹介しました。この2つを抑えておくだけでも、葬儀後の手続きを速やかに行うことが可能です。葬儀前のお時間がある際に、一読いただければ幸いです。
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