線香をあげる意味とは?線香の種類や上げ方についても徹底解説!

公開日 : 2020/8/26

更新日 : 2020/9/9

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葬式や墓参りで線香をあげることを知らない人はおそらくいないでしょう。しかし線香の意味や、ちゃんとした線香のあげ方までは知らない人のほうが多いはず。この記事では、線香の意味、種類、あげ方を詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

公開日 : 2020/8/26

更新日 : 2020/9/9

目次

お線香をあげる意味

皆さんも葬式や墓参りで線香をあげた経験が、今までに一度はあるのではないでしょうか。しかし、線香の意味や正式なやり方を知らない人はおそらく多いと思います。 線香をあげることがルーティン化している人は、この機会にこの行為に込められた深い意味を理解しておくべきです。この線香をあげるという行為には、どのような意味が込められているのでしょうか。

自分の身を清める

線香をあげることで、あげた本人の身体を清めるという意味が込められています。線香そのものの香りによって、線香をあげた人の香りを消すのです。 また、線香の香りは供養する人の感覚を鋭敏にして、身体だけではなく心も清めてくれるので、故人に挨拶する前に邪念を取り除くことができるという意味もあります。

故人の食べ物となる

仏教の考えでは、線香の香りは故人の食べ物になるという考え方があります。そのため故人の好みの香りが分かれば、より故人が喜ぶ供養になるといえるでしょう。 四十九日までの間、線香を絶やさないようにするという風習がありますが、それは故人が仏の世界に向かうまでに食すのが線香だという考えからきていると言われています。

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現世と天上をつなげる

線香をあげ、天に登っていく煙によって現世と天上をつなげるという意味があります。この世とあの世をつなぐ橋渡しの意味が線香には込められているのです。 また、「この世の人がここで拝んでいる」という狼煙のような役割もあり、仏様となった故人と対話を行う意味も含まれています。

線香の由来

線香は故人に対するお供え物という考え方からきています。仏教では五供という「香」「花」「灯明」「水」「飲食」の5つがお供え物の基本となっており、この中の「香」が一般的には線香のことを指しているのです。 紀元前からエジプトを中心に香料として用いられてきており、日本では中国を経由して6世紀ごろに伝わったといわれています。

スピリチュアルアイテムとしての歴史

線香の歴史は、日本だけではなく世界中のさまざま場所で古い時代から刻まれています。亡くなられた方の魂を慰めるために、特別なスピリチュアルアイテムとして扱われていました。線香は古くからお供えものや祝うために、宗教の行事で使用されてきたようです。

線香の種類

線香にはさまざまな種類があります。いつも同じ線香を使っている印象がある人も多いとは思いますが、使い分けすることでより良い供養を行うことができるのです。ここでは、主に使用されることの多い杉線香、匂い線香や現代の線香、そしてなかなかお目にかかれない特殊なタイプもみていきましょう。

杉線香

杉線香は、3ヶ月ほど乾燥させた杉の葉を粉末状にして練り、それを棒状に固めることによって作られる線香です。特徴として、杉独特の香りで安価なこと、墓参りのときによく使われることが挙げられます。

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匂い線香

匂い線香は、椨(たぶ)や白檀(びゃくだん)などの樹木を粉末状にし練って、白檀(ひゃくだん)、伽羅(きゃら)といった香木などを加えることによって出来上がる線香です。 室内で使用することが多いため、煙や香りは控えめになっています。基本的には、一般家庭だったり寺院で使われることが多いです。

現代の線香

上記のような従来の線香でなければ供養ができないのかというとそうではありません。現代では状況や環境に合わせて、さまざまな種類の線香が選べるようになっているので故人に合ったご供養の仕方を選択しましょう。 自宅がマンションやアパートの場合は煙が充満してしまい、場合によっては近所迷惑になってしまうことも考えられます。そんな環境での供養のために、現代では煙が少ない線香も手に入れることができます。 香りも選択できる種類が従来よりもはるかに増えています。柑橘系やアロマテラピーでもよく使われている香りの線香も選択可能です。日本酒やコーヒーなどの香りを模した線香もあり、さまざまな環境に対応できます。 このような現代の線香を使用すれば、故人が亡くなる前に好きだったものの香りに出来るだけ対応できるでしょう。故人が喜ぶ線香にこだわりたい場合は、従来のタイプの線香に固執する必要はないのです。

その他の線香

上記以外にも、お盆やご法要で使われる進物線香、長時間焚くために蚊取り線香のような形状のもの、逆に7~8センチ状の短い線香などもあります。 特殊なタイプの線香もあり、削ることで香りが出るタイプの線香や、ミルキーやサクマドロップの線香、煙も香りも無いタイプの線香などさまざまです。

お線香付きの弔電

仏壇や墓の前で線香をあげる以外にも、弔電に線香を一緒に送っても良いともされています。むしろ葬式や日々のお勤めで線香は使うことが多いため、弔電と一緒に線香を送ることで遺族の方に喜ばれることは多いです。 弔電と一緒に送る場合、ろうそくと一緒になった線香セットや、煙が少ない線香、香りが上品な白檀の線香などセット内容はさまざまなのでしっかり吟味して選びましょう。

線香を選ぶ基準

線香は香りの好みや煙の量によって選びましょう。自宅で焚くときには煙の少ないもの、お墓参りのときは煙が多く出る線香が適しています。 また、故人の好みの香りが分かるならば、線香には故人の食べ物という意味もありますので好みに合わせた線香を選ぶと良い供養になるでしょう。好みが全く分からない場合は、定番の伽羅や白檀の香りを選べば問題ありません。

線香のあげ方

線香のあげ方は、何本使用するのか、折るのかどうかなど細かく決まっています。線香をあげるタイミングとしては、故人の食事という観点から自分たちの食事の時間に合わせるのが良いでしょう。ここでは宗派による違いや、正式な線香のあげ方を解説します。

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宗派による違い

宗派によって線香のあげ方は異なるので注意が必要です。まずは自分の宗派がどれにあたるのか把握して、その宗派のやり方に従いましょう。宗派による線香のあげ方の違いは以下の通りです。

天台宗

・線香の本数は3本 ・真ん中からそれぞれを離れるように逆三角形に香炉に挿して立てる ・焼香は1回か3回

真言宗

・線香の本数は3本 ・真ん中からそれぞれを離れるように逆三角形に香炉に挿して立てる ・焼香は3回

浄土宗

・線香の本数は1本〜3本 ・中央に挿して立てる(1本を2本に折って寝かせる場合あり) ・焼香は3回

浄土真宗

・線香の本数は1本 ・折って数本にしてから火を付けて香炉に寝かせて置く ・焼香は1回か2回

臨済宗

・線香の本数は1本 ・中央に挿して立てる ・焼香は1回

曹洞宗

・線香の本数は2本 ・香炉の中央に挿して立てる ・焼香は2回

日蓮宗

・線香の本数は1~3本 ・1本の場合は香炉の中央に挿して立てる ・3本の場合は逆三角形になるように香炉に挿して立てる ・焼香は1回か3回

仏壇に線香をあげる手順

仏壇に線香をあげる手順は以下の通りです。 1.仏壇の前に座って一礼 2.線香にロウソクの火を付ける 3.火を手で扇いで消す 4.煙が出ている状態で香炉に立てる 5.おりんを鳴らし合唱して一礼 線香につけた火を、息で吹き消さないように注意してください。仏教では人間が吐く息は不浄なもので、汚れているという考えなので手で扇いで消すようにしましょう。

墓参りで線香をあげる手順

墓参りで線香をあげる手順は以下の通りです。 1.ロウソクに火をつけ、その火を線香につける 2.火を手で扇いで消す 3,線香を入れる場所に立てる 4.合唱して一礼 仏壇のときと同様に火は手で扇いで消しましょう。さらに注意点として、線香をあげる前に、墓石に水をかけ花を飾ることも忘れないでください。

愛犬にも線香を

最近は愛犬も同じように供養する人も多くなっています。基本的に、供養の仕方は人間と同じなので線香に関しても同じ方法で使用しましょう。 ただしこだわりたい場合は、線香はもちろんのこと仏壇なども愛犬専用のものがちゃんとあります。安らかに眠ってもらうために、あえてお金も手間をかけるのもおすすめです。 線香のあげ方も人間と同じように供養すれば良いのですが、宗派にはこだわる必要はありません。もちろん飼い主と同じ宗派の方法でも良いですし、逆にこだわらなくても問題はありません。

線香は故人のためにあるという意識

線香は故人に対するお供え物の一つという意識を持つことが大事です。ただ拝むだけでは故人は喜びません。線香に対するさまざまな知識、正しい線香のあげ方をしっかり理解した上で、仏壇やお墓と対峙しましょう。 線香をあげるという行為を、これまではただの習慣の一つとしてルーティン化していた人も、この記事で意味や細かい作法まで分かっていただけたと思います。線香をあげるのは義務ではなく故人と対話をする重要な行為です。これからは、今までよりも厳粛な気持ちで臨みましょう。