弔意をこめて贈る供花|手配前に確認すべき点と相場やマナーについて
公開日 : 2020/6/21
更新日 : 2020/9/8
祭壇や斎場を飾る供花の手配には、マナーがあります。故人への思いを込めて手配する供花は、ご遺族への思いやりもこめてお選びするのが大切なポイントです。供花の手配方法や相場など、突然の訃報を受け取った際に慌てることのないよう確認しておきましょう。
公開日 : 2020/6/21
更新日 : 2020/9/8
目次
供花とは
お通夜やお葬式で祭壇や斎場に飾られてる生花が、供花です。故人のご冥福を祈る気持ちが込められています。供花の美しい花には、ご遺族のお気持ちも慰められます。訃報を聞き、急いで訪れた参列者が斎場に足を踏み入れた時、誰もが美しく飾られた供花に心が癒されることでしょう。
供花の数え方は、一基をひとつとします。従来は二基で一対にして贈るとされてましたが、昨今は通常、一基です。斎場の広さや故人のご遺志やご遺族の希望などで一基とするケースも多く見受けられます。
喪家がすべきこと
供花は参列者が贈るものですが、先ずは喪家が決めなければならないことがあります。供花を受け取るのか、辞退するのかです。参列者の方にスムーズなご案内ができるよう、早い段階で決めましょう。
供花を受け取るかどうか
故人のご遺志やご遺族の希望により供花を受け取らないとする場合は、葬儀会社との打ち合わせで先に伝えておきましょう。参列者の方々には、訃報の段階でお知らせするのがマナーです。
訃報を受け取った方は、動揺する気持ちを抑えてお香典・供花・お供え物の手配を始めます。急いで準備したお香典・供花・お供え物を、後から辞退することは失礼にあたりますので、注意してください。
供花は斎場を美しく飾り、参列者やご遺族の心を和ませますが、気になるのが供花の代金です。参列者の負担、お礼をするご遺族の負担を考え、供花を辞退することもあります。社会的事情によることもあるでしょう。大事なのは、滞りなく式を執り行うことです。
飾り方
供花は、故人と近い関係の方から祭壇を中央にして飾ります。斎場の雰囲気、故人の個性や祭壇の華やかさは飾り方次第で変わりますので、葬儀会社のご担当者にお任せした方が良いでしょう。
雰囲気などの他、地域や親族内でのならわしなど、こだわりがある場合は、葬儀会社のご担当者に伝えておくことをおすすめします。話し合いながら飾り方を決めれば、より良い雰囲気に仕上がります。
お礼
供花をいただいたら、葬儀が終わった後にお礼状を送りましょう。送る時期はお香典返しと一緒です。お香典返しのお品を贈る際に、供花のお礼状も入れます。
お礼状は心を込めて手書きで作成するのが一番良いのですが、供花をいただいた数が多い場合やご遺族の負担になる場合は例外です。印刷するなど別の方法がありますので、葬儀会社の方に相談してみましょう。例文と共に回答をいただけます。
供花の代金相場
供花の相場は、一基7,500円から15,000円が平均的です。一対で贈る場合は2倍、スタンド式の供花は高額になりますし、季節やアレンジするお花の種類によっても、価格が変わります。斎場によっては一基のみとしている場合がありますので、確認をしてください。
供花は高価なものほど良いということはありません。相場や故人との関係を考えて、ふさわしいものを選ぶようにしましょう。あまりにも高価な供花を贈ってしまうと、ご遺族の負担になりますし、何よりも気を遣わせてしまうので、おすすめできません。
供花を手配する方法
供花は主に次にあげる2種類の方法で手配できます。一つめは、葬儀会社へ依頼する方法、二つめは、花屋さんやネットショップで選んで贈る方法です。二つめの方法を選ぶ場合は、注意すべき点があります。順にみていきましょう。
葬儀会社
葬儀会社に依頼する方法は、一般的な方法です。葬儀のご案内をいただいたら、葬儀会場に連絡を入れ、喪家の名前と日程とを伝えてください。葬儀を担当する葬儀会社を教えてくださいます。葬儀会社がわかったら、電話をして供花の手配です。
どういった供花を贈るかは、葬儀会社から供花の種類や料金などのご案内がありますので相談してみましょう。故人との関係や相場を考慮し、ふさわしい供花を選ぶようにしてください。
花屋さんまたはネットショップ
供花を手配する際にご自身で花を選びたい場合、先ずは葬儀会社に確認が必要です。指定の業者以外からの供花を許可してないことがあるので、注意しましょう。心を込めて選んだ供花が、お断りされるようなことがないようにしてください。
他社からの供花でも可能な場合は、供花の色合い、斎場の雰囲気を確認しておくと良いでしょう。色合いなどを合わせておけば、祭壇や斎場の雰囲気を壊すこともありません。全ての確認ができたら、生花を取り扱ってる花屋さんかネットショップで購入して贈ってください。
供花の手配で気をつける点
供花を手配する際に気をつけるのは、お届けする期日や相場、宗教の違いによるお花の種類などです。喪家の皆様に失礼にあたることがないよう、注意して手配しましょう。
いつまでに届けるか
供花は、お通夜が始まる当日の午前中までに手配するのが一般的です。早すぎると、まるで予測していたかのような印象を与えるため、よくありません。特別な事情がない限り、お届けの日時は調整するようおすすめします。
お通夜に間に合わない場合は、葬儀までにお届けできるよう手配してください。何らかの事情で、お通夜にも葬儀にもお届けが間に合わないことがあります。その際は、四十九日の忌明けまでであれば、ご自宅に供花を贈ることもできます。喪家の方にお気持ちをお伝えし、ご相談されると良いでしょう。
喪家の宗教・宗派
供花は宗教や宗派、または地域のならわしによって違いがあります。訃報を聞き、供花を手配される際には、必ず喪家に確認をしてください。
仏教
仏式のお葬式で飾られる供花は、菊の花やユリの花が主流です。デンファレやカーネーションを加えることもあります。色の主流は白です。白を基調として、緑や黄色、薄めのピンクの花でアレンジします。
高価な供花に用いられるのが、胡蝶蘭です。どのお花を使うとしても、全体的に落ち着いた雰囲気にまとめます。供花の形式は通常、籠盛りです。広い斎場ではスタンド式の供花を贈ることもあります。
気をつける点は、地域による違いです。祭壇以外の場所に花輪を置く地域や、樒を用いる地域もあります。いずれにせよ、弔意を込めて贈るのは同じです。失礼にならないよう、先に確認をしておきましょう。
神道
神道の葬儀は神葬祭です。以前は供花として「榊」が贈られていましたが、現在は仏教と変わりありません。主に白い菊の花が用いられます。百合の花なども加えることができます。祭壇に飾られる榊は、斎主が供えるものとされています。
キリスト教
仏教のお葬式では生花以外にブリザーブドフラワーを利用することができますが、キリスト教の供花は生花のみです。マリアの花とも呼ばれる白百合の花を始め、カーネーション、ランなどが用いられます。
キリスト教の供花は、葬儀が行われる教会ではなく故人の自宅へ贈ります。仏式のように名札はつけません。フラワーアレンジの基本は、籠アレンジです。スタンドを利用することもありません。
喪家からの供花辞退
訃報を受け取った際に「ご厚志はご辞退」と記載されている場合、「お香典・供花・お供え」は贈らないようにしましょう。故人のご遺志によるご遺族の判断であったり、葬儀会場の都合であったり、理由は葬儀によりそれぞれです。
供花の代わりに何かしたい場合は、四十九日の忌明けまでに弔問にお伺いすると良いでしょう。ご遺族にご予定を確認し、お線香代やお菓子・お花などをお持ちしてください。
芳名名札の書き方
供花には、木製の立て札がついています。芳名名札です。誰から贈られた供花なのかが、わかるように表記されています。芳名名札の書き方は、故人との関係や贈る人数によって変わります。順にみていきましょう。
家族や親族
家族や親族から供花を贈る場合は、「一同」を使います。「〇〇家兄弟一同」「〇〇家孫一同」「〇〇家親族一同」などです。供花の贈り方や続柄によって、書き方は変わりますが、個人名で芳名名札を書くことはありません。
会社
会社から供花を贈る際には、会社名は正式名称で記載してください。会社名が長く、芳名名札に書ききれない場合のみ、(株)や(有)などの略語を用います。
会社から贈る場合
会社から供花を贈る場合は、「会社名・役職名・代表者名」の順で記載します。いずれも正式名称で略さずに書くようにしてください。
連名で贈る場合
芳名名札位に記載できるのは、3名までです。会社の部署や社員から供花を贈る人数が3名以下の場合は、連名で記載できます。順番は、芳名名札の右側から、地位の高い人順です。この順番を間違えると失礼にあたりますので、注意してください。
供花を贈る人数が3名を超える場合は、「一同」を使います。部署全員から贈る場合は「〇〇会社□□部一同」です。所属する一部の社員から贈る場合は、「有志」を使います。「〇〇会社□□部有志一同」と記載するようにしてください。
友人
友人として供花を贈る場合、一緒に参列する友人同士でまとめることをおすすめします。友人それぞれが個人で贈ってしまうと、供花の数が多くなり、葬儀会場によっては飾ることが難しい場合があります。「友人一同」として贈るようにしましょう。
また、供花の数が多くなることは、喪家が準備するお礼の数も多くなります。ご遺族の負担も考え、できる限りまとめて贈ることをおすすめします。3名以下であれば、連名で記載することも可能です。
夫婦
供花を夫婦で贈る場合は、夫の名前のみ記載してください。芳名名札にご夫婦の名前を連名で記載すると、「離婚」や「別居」している状態であることを意味します。誤解されないように注意しましょう。
供花は故人への弔意とご遺族への思いやりをこめて手配を
故人への弔意をこめて贈る供花は、ご遺族への思いやりも込めて手配しましょう。宗教や宗派、地域のならわしなど、マナーを守り、失礼のないようにすることも大切なポイントです。
また、供花には相場があります。故人との関係や葬儀会場の都合などをふまえて、ふさわしいものを選ぶようにしてください。どうしたらよいか迷った場合は、葬儀会社の方に相談することをおすすめします。プロの判断にお任せすれば、安心でしょう。
喪家が供花を辞退される場合は、四十九日の忌明け前に弔問するなど、別の方法で故人への思いをお伝えすることもできます。無理に供花を贈ることがないようにしてください。大切なのは、故人への弔意の気持ちをご遺族への思いやりです。故人が気持ちよく旅立てるようにしましょう。
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