直葬とは?行う時・招かれた時に知っておくべきことをご紹介

公開日 : 2020/6/15

更新日 : 2020/9/7

直葬とは?行う時・招かれた時に知っておくべきことをご紹介のサムネイル画像

直葬は火葬のみを行う葬儀形式です。さまざまな儀式を伴う一般的な葬儀とは大きく違うため、流れやマナーも異なる部分があります。直葬を行う際に知っておきたい費用や流れ、直葬に招待された際に知っておきたいマナーなどをご紹介します。

公開日 : 2020/6/15

更新日 : 2020/9/7

目次

直葬とは

直葬(ちょくそう・じきそう)とは、通夜や告別式といった儀式を行わず、火葬だけを行うシンプルな葬送形式のことです。参列者はごく近しい親族や友人のみに限られる場合がほとんどです。

 

少子化や核家族化により葬儀のシンプル化を求める人が増えた現代社会において、直葬へのニーズも高まりつつあります。それに拍車をかけたのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。人が集まる葬儀はクラスター(集団感染)の原因になったこともあり、それを避けるために直葬が選ばれることもあります。

 

しかし、直葬は一般的な葬儀とは全く形式が違うため、主催する場合、また呼ばれた場合、どうすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、直送のメリットやデメリット、費用や流れなど、開催する場合に知っておきたいことや、直葬に呼ばれた際のマナーについてご紹介します。

直葬のメリット

通夜や告別式といった一般の葬儀なら当然あるはずの儀式がない、ということは、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。まずは、直葬のメリットについてご紹介します。

費用が安い

直葬の一番のメリットは、費用が安いという点です。一般的な葬儀では、祭壇や式場を整える費用に加え、飲食接待費(接待料理、返礼品など)と宗教者への支払い(戒名料、読経料など)が必要になります。しかし、直葬ではそういった費用が不要のため、費用を格段に抑えられます。

 

一般葬の平均費用が約190万円なのに対し、直葬の費用は10~20万円程度です。このように費用が非常に安いことが直葬の大きなメリットです。

主催者の負担が減る

一般的な葬儀では親族や友人知人、近所の人など多くの弔問客が訪れます。その対応や僧侶へのお礼やお接待の準備、香典返しの準備などは、主催者にとっては大きな負担になります。直葬では参列者も少なく、読経も行わないことが多いため、一般的な葬儀に比べると主催者の負担は軽くなります。

 

また、仕事が忙しく葬儀を手早く済ませたいと言う理由で直葬を選ぶ主催者もいます。費用だけではなく、気持ちや時間の負担を減らすことができるのも直葬のメリットです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

人目を気にせずお別れができる

多くの弔問客が訪れる一般的な葬儀では、その対応に追われ、故人様とゆっくりお別れをする時間が取れないということもあります。それに対して直葬は故人様にとってごく近しい関係の人のみが参加しますので、人目を気にせず故人様とのお別れができます。

 


しかし、その反面、火葬場で故人様と過ごせる時間は非常に短いため、十分なお別れができなかったと悔やむ人もいます。近しい関係だけで、一般的な儀式を行いゆっくりとお別れがしたいのであれば、家族葬を検討すると良いでしょう。

さまざまな状況に対応できる

その他、直葬のメリットとして挙げられるのが、様々な状況に対応できるという点です。例えば新型コロナウイルス感染拡大のため非常事態宣言が出された期間中に亡くなった場合、取り急ぎ直葬のみ行い、宣言が解除されてからお別れの会を行うという方式を取ることができます。

 

また、遠方にある故郷に埋葬されることを希望した故人様のために、先に直葬を行い、故郷にお骨を戻してから再度お経をあげてもらったというケースもあります。まず火葬を先に行うことで時間や場所を隔てた後の儀式が執り行いやすくなるというのも、直葬の利点であるといえます。

直葬のデメリット

次に直葬のデメリットについてご紹介します。葬儀は儀式の中でも最も重要なもので、それだけに伝統が重んじられます。そのような伝統的儀式を全て省略する直葬には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

周囲の理解が得られにくい

直葬の一番のデメリットは、周囲からの理解が得られにくいという点です。特に親族からは、「お経をあげないと浮かばれない」、「きちんと葬儀をしないと恥ずかしい」などと言われることも多いです。また、直葬は参列者が限られているため、呼ばれなかった人が「葬儀があったことを教えてほしかった」、「なぜ呼んでくれなかったのか」と不満を持つこともあります。

 

事前に直葬を行うことやその理由を説明する、四十九日には法事を行いお経をあげてもらうなどして、周囲への理解を求めることが必要です。また、葬儀に出られなかった人のために、お別れの会を設けることも検討しましょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

心の整理がつけづらい

「告別式」という名前通り、一般的なお葬式は故人様に別れを告げ、感謝の想いとともに送り出す儀式でもあります。その段階を踏まずに火葬だけすることで、心の整理がつけられず、「やはりきちんとお葬式をすれば良かった」と後悔が尾を引く人もいます。亡くなる前から葬儀をどうするか話し合ったり、葬儀社に相談したりして、後悔のないお見送りができるようにしましょう。

菩提寺に納骨を拒否されることがある

直葬により読経や戒名が全て省略されると菩提寺の住職から納骨を拒否されることがあります。地方自治体の墓地や民間霊園ならそのような心配はありませんが、先祖代々のお墓が菩提寺にある場合は、前もって住職に相談しておきましょう。

葬祭費が支給されないことがある

国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入している方が亡くなった時には、申請すると「葬祭費」と呼ばれる補助金が支給されます。しかし、葬祭費はあくまで「葬祭」にかかった費用であり、火葬だけの場合は支給されないとする自治体もあります。葬儀はしていなくても「お別れの会」を開催すれば支給可能としているところもあります。

 

申請には葬儀代金の領収書、喪主名義の口座など振込先が分かるもの、認め印が必要になるほか、死体火葬許可証や死亡診断書のコピー、会葬礼状が求められることがあります。直葬でも葬祭費は支給されるか、またどのような書類を準備しておけばいいか、早めに確認しておきましょう。

直葬の費用と内訳

先ほどご紹介した通り、直葬の費用相場は10~20万円程度です。必須なのが寝台車や霊柩車の手配費用、スタッフの人件費、ドライアイス代、お棺代などです。また、枕飾りや簡単な祭壇を設置する場合や、読経を上げてもらう場合は更に費用がかかります。

 

火葬場では火葬費に加え、骨壺代や火葬中の待合室の使用料がかかります。公営の火葬場では、その自治体に故人様の住民票がある場合火葬費が安くなります。民営の火葬場は公営に比べると高いです。地域や故人様の年齢によって大きな差はありますが、費用相場は公営火葬場で数千~5万円程度、民間火葬場で5~15万円程度です。

直葬の流れ

次に、直葬の流れについてご説明します。お通夜や葬儀がないこと以外は一般的な葬儀と流れはほぼ同じです。順を追ってご紹介しましょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

お迎え・安置

臨終を迎えたら、寝台車を呼んでお迎えに来てもらいます。ご遺体を自宅もしくは霊安施設に送り、安置します。枕飾りはプランに組み込まれている場合といない場合がありますので、見積もりの段階で確認しておきましょう。

 

火葬場が混んでいる場合は数日安置しなくてはならないことがあり、安置費用が追加でかかることがあります。葬儀社に相談しましょう。葬儀社と日程の打ち合わせや棺に入れる物の準備などもこの時までに済ませます。

納棺・出棺

一般葬では納棺式と言って旅支度を整える儀式を行いますが、直葬では省略されることが多いです。ただし、旅支度が含まれている直葬プランもあります。また、出棺前の喪主の挨拶はない場合がほとんどです。

火葬

火葬場に到着したら、5~10分程度お別れの時間を設けた後火葬を行います。この際、僧侶を呼んでお経を上げてもらい、焼香をする「納めの式」を行うこともできます。火葬後、遺族が遺骨を骨壺に納めるお骨上げを行って直葬は終了です。オプションで軽食や食事を漬けられる直葬プランもありますので、必要な場合は葬儀社に依頼しましょう。

直葬が終わった後にしておきたいこと

直葬が終わったら、会葬礼状や挨拶状を速やかに作成しなければなりません。その理由は大きく分けて2つあります。1つ目は、会葬礼状が葬儀を行ったことの証明になるからです。先ほどご紹介した通り、会葬礼状は葬祭費を申請する時に必要になる場合があります。また、忌引き休暇を取得する際にも、会葬礼状の提出が求められることがあります。

 

2つ目は、葬儀に参列できなかった人に故人様が亡くなられたことを知らせるためです。先ほどご紹介した通り、直葬では葬儀があったことを知らなかった、参列できなかった方が不満を持つことがあります。その対策として、故人様が亡くなったことや身内のみで葬儀をとりおこなったことを挨拶状で伝えます。その際直葬を行った理由や、招待できなかったことへのお詫びの言葉を添えると、直葬への理解が得られやすくなります。挨拶状は葬儀から1~2週間以内には出すようにしましょう。

直葬に呼ばれた場合はどうすればいい?

直葬を主催する時に知っておきたいことをご紹介してきました。次は直葬に呼ばれた場合のマナーについてお話します。服装や持ち物はどうすればいいのか、また香典は用意するべきなのかは喪主の意向によって異なる部分もありますが、一般的なマナーについてご説明します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

服装

特に服装の指定がないのであれば、一般的な葬儀と同じく準喪服で参列します。「平服でお越しください」と言われた場合もカジュアル過ぎる普段着ではいけません。略喪服と呼ばれる、控えめな服装で参列しましょう。男性はダークスーツ、女性は抑えた色合いのワンピースもしくはアンサンブルなどが略喪服に当たります。

持ち物

一般的な仏式の葬儀では数珠を持参します。しかし、直葬では宗教的儀式が省略しますので数珠は不要です。しかし、先ほどご紹介したとおり、火葬場で読経をあげることもあります。どちらか分からない場合は、持って行く方が無難です。

香典

直葬では、香典不要のことが多いです。しかし、直葬であれば必ず香典はいらない、という決まりはありません。喪主から香典辞退の意志が示されていない場合は、念のために準備しておきましょう。一般的な葬儀では受付があり、そこで香典を渡します。しかし、直葬では受付はありませんので、タイミングを見て喪主に渡すと良いでしょう。

直葬についてまとめ

直葬について、主催する側と招かれる側それぞれの気になる点を中心にご紹介しました。さまざまな儀式が省略されている直葬には、費用や手間などの負担を減らせるという大きなメリットがありますが、その反面周囲の理解を得にくいというデメリットがあります。直葬を検討する際には、メリットとデメリットを把握し、その対策もきちんとしておきましょう。

 

また、直葬に呼ばれた際には、直葬だからといってカジュアル過ぎる服装や態度を取ってはいけません。しかし、先方が平服を指定したり香典を辞退したりした場合には、必ずその意向に従いましょう。

 

直葬は一般葬と大きく異なる部分があり、戸惑うこともあるかもしれません。しかし故人様を悼み、感謝して送り出すという点では何ら変わりはありません。礼を尽くし、心を込めて直葬を行えるようにしましょう。