葬儀と火葬の流れとは?公営と民営の火葬場の違いも合わせて解説
公開日 : 2020/6/16
更新日 : 2020/9/10
葬儀と火葬は現在ではほぼ同じ日に行われます。その際の葬儀と火葬は一般的にはどのような流れで行うのかご存知でしょうか。流れを知っておくといざという時に慌てずに済むでしょう。同時に火葬場には公営と民営がありますので、その違いについて説明をしていきます。
公開日 : 2020/6/16
更新日 : 2020/9/10
目次
葬儀と火葬
葬儀と火葬は現代では切っても切れない関係です。昔では埋葬は土葬が主流でしたが、現代ではほぼ100%の人が火葬されています。土葬はそのまま遺体を土に埋めて埋葬します。そのため広い土地が必要になったり、獣に荒らされたりする可能性もありました。
また火葬の技術が追い付かず上手く遺骨だけを残すことが難しかったり、火葬にかかる金額が高かったりして普及が遅れ、火葬が主流になったのは明治から大正時代にかけてです。仏教でも火葬を推奨していましたので、仏教の普及と火葬技術の向上、墓の土地問題の解決のために火葬が一気に増えていきました。
一般的に葬儀と火葬は同日に行う
一般的には葬儀と火葬は同日に行います。これは時間的に都合がいいからであって、決まりではありません。そのため、都合が合わないと葬儀と火葬を別の日に行うこともあります。葬儀と火葬の日は、遺族の希望と火葬場の予約時間、そして葬儀を取り仕切る宗教者の都合によって決められます。
また法律で亡くなってから24時間以内の火葬は禁止されていますので、どれだけ急いでも亡くなってから24時間以上経たないと火葬をすることはできません。ただし、感染症などの特殊な事例のみ24時間以内の火葬が認められています。
葬儀の流れ
ここではまず葬儀の流れを簡単に見ていきます。日本では葬儀の多くは仏教によって執り行われています。僧侶が故人をあの世へと送り出すためにお経を唱える儀式が葬儀で、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
開式
開式時間というのは、僧侶が入場しお経が始まる時間です。そのため親族や一般会葬者は、開式をする10分ほど前には式場に着席をして待ちます。着席をして葬儀の開式を待つ前に受付を済ませ、お手洗いなども済ませておきます。
葬儀は開式をすると終わるまでに1時間から1時間半ほど続きますので、できる限り途中退席をしないように心がけましょう。
焼香
一般的な仏教の葬儀では、葬儀の最中に親族や一般会葬者の焼香があります。焼香の案内は葬儀社スタッフから入りますので、その案内に従いましょう。案内が入ったら席を立ち、焼香をする場所へと進み、遺族と故人の遺影に対してお辞儀をしてから焼香を行います。
焼香回数が悩む方が多くいますが、焼香回数は自分の宗派に則るか、もしくは会葬をした葬儀の宗派に則ります。どちらもわからない場合には、1回で焼香を行って構いません。
告別式
厳密には葬儀と告別式は異なりますが、現代では時間の都合から葬儀に引き続いて告別式を行う場合が増えています。葬儀は宗教者が執り行う宗教儀式であり、告別式は遺族と会葬者が故人とお別れを行う場です。
僧侶が退場した後、告別式が始まりますので葬儀社スタッフの案内で故人との最後のお別れをしましょう。遺族と故人とのお別れの場を邪魔しないように、短く済ませるのがよいです。
告別式が終わると出棺です。
火葬の流れ
葬儀が終わると火葬場に向けて出棺をします。火葬場ではどのような流れになるのかをここで見ていきます。
なお火葬場に行く人は、親族が中心です。しかし定められているわけではありませんので誰が向かっても構いません。地域によっては近所の人や友人が火葬場に向かうこともあります。
ただし、火葬場によっては混雑を避けるために来場する人数を定めているところもありますので確認をしたうえで、誰が火葬場に行くのかを遺族は把握するように努めます。
火葬炉前でお別れ
火葬場に到着すると火葬炉の前で本当に最後のお別れをします。ただし、柩を開けることはできません。棺についている小窓からのお別れです。そしてこのお別れは火葬場によってはできないところもあります。
葬儀社スタッフが熟知していますので、確認しておくとよいでしょう。火葬炉の前ではお別れと共に僧侶が火葬炉の前でのお経をげます。僧侶が火葬場まで来ない場合には、火葬炉の前のお経は葬儀を執り行う時に引き続いて行われます。
火葬場に僧侶が行くかどうかも先に確認しておきましょう。お別れとお経が終わると柩は火葬炉へと納められ、火葬が始まります。
火葬
火葬は火葬場の造りによりますが、およそ40分から60分ほどかかります。その間は火葬場に併設された待合室で待ちます。地域によっては火葬をしているうちに食事を食べることもあります。
地域の風習に合わせて火葬場は作られていますので、葬儀社スタッフと打ち合わせておきましょう。火葬場で食事をしない場合には、火葬をしている間は喫茶店や持ち込んだ茶菓子などを軽く口にします。
収骨
火葬が終わると収骨をします。収骨は地域によって風習は異なりますが、一般的には竹と木の違い箸で、二人で遺骨を挟んで骨壺へと入れます。骨壺も遺骨がほぼ全部入る8寸や、一部しか入らない4寸や2寸のものなど、大きさがあり地域によって好まれる大きさが違います。
現在ではお墓ではなく納骨堂も増えてきました。先祖代々のお墓だと大きな骨壺でも構いませんが、納骨堂では小さな骨箱で預かるところが多いです。どの大きさの骨箱が必要なのか考えておくといざという時に悩まずに済みます。
先に火葬をする地域もある
日本全国での一般的では、葬儀をしてから火葬という流れですが、地域や状況によっては火葬を先に済ませてから葬儀を執り行うこともあります。主に東北地方で見られる風習で、こういった流れの葬儀は「骨葬」とも呼ばれます。
骨葬の場合、火葬を午前中に行い葬儀を昼に行います。ただ、火葬だけを済ませて後日に葬儀をする方法もあります。お別れ会などは主にこの骨葬で行われることが多いです。
火葬場の種類と違い
火葬は火葬場で行います。火葬場以外で火葬をすることは法律上認められていませんので、ほとんどの人がどこかの火葬場を利用します。火葬場には市町村が運営する公営の火葬場と民営の火葬場がありますので、ここで違いを見ていきます。
公営の火葬場
市町村が運営をする火葬場の特徴は、その市町村に住民票がある人が亡くなった場合の火葬料金が安いことです。火葬料金は市町村がそれぞれ決めますので、一律ではありませんがおよそ0円から5000円程度です。
安く利用できる条件も火葬場によって異なります。例えば火葬許可証の申請者の住民票が火葬場を運営する市町村にある人が対象となったりする場合も有りますので、確認をしておくとよいでしょう。
条件に合わなくても火葬をすることは可能ですが、火葬料金はおよそ5万円から10万円に跳ね上がります。詳しくは地元の葬儀社に尋ねておくと火葬料金を抑えることができます。
市町村が運営する公営の火葬場は、火葬料金が低く抑えられている代わりに建物自体の豪華さや設備では民営の火葬場に劣るところが多いです。火葬場の設備などが気になる場合には葬儀社に尋ねたり、利用したことのある人に聞いて考えておくとよいでしょう。
民営の火葬場
民営の火葬場は、民間の会社が運営している火葬場です。それぞれ独立しているため火葬場によって施設の設備や火葬料金が大きく異なります。火葬料金は公営の火葬場に比べて高めであり、5万から20万円ほどです。
また使用する火葬炉や待合室の豪華さによっても異なりますので、同じ火葬場でも金額にばらつきがあります。公営の火葬場は、運営する市町村に住民票がある人が亡くなった際に、優先することがありますが、民営の火葬場は誰にでも平等に火葬を受け付けます。
そのため理由があって火葬を急いだり、どうしても限られた日に火葬をしたい場合には民営の火葬場が都合がよいでしょう。民営の火葬場は公営の火葬場よりは豪華に作られていることが多く、設備も充実しています。設備が気になる人は、先に見学しておくことをお勧めします。
このように民営の火葬場と公営の火葬場は、それぞれ特徴がありますので自分が何を優先するのかを先に考えておくと、後悔をしたり悩んだりすることが無くなるでしょう。
副葬品とは?
火葬の際に柩の中に故人の好きだったものや縁のものをいれる風習があります。棺に入れるものを副葬品といい、昔から行われてきました。ただし昔は土葬でしたので何を入れても大丈夫でしたが、現代の火葬では取り決めがされています。
原則は「燃えるもの」です。しかし燃えると有毒ガスや公害になってしまうものや、燃えないものは副葬品とはできません。副葬品を考えている場合には、柩にいれても問題がないかを葬儀社にしっかりと確認しておきましょう。
葬儀と火葬について
現代では葬儀と火葬は同日に行うことが多く、葬儀を終えた後に火葬場へと出棺する流れです。地方によっては火葬を先に行う場合も有ります。火葬場は公営と民営があり、受け入れ態勢や火葬料金、設備などの違いがあります。
日本ではほとんどの人が火葬されますので、火葬場についても情報を集めておくと安心できるでしょう。
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