初穂料とは?金額や書き方、混同されがちな玉串料についても解説

公開日 : 2020/6/10

更新日 : 2022/6/4

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初穂料という言葉を聞いたことがありますか?実は初穂料は現在と昔ではその中身がまったく異なっていました。そんな初穂料や初穂についてはもちろん、金額やのし袋などのマナーについてもご紹介します。混同されがちな玉串料についても解説しますので、参考にしてください。

公開日 : 2020/6/10

更新日 : 2022/6/4

目次

初穂とは?

初穂料の読み方は「はつほりょう」と読みます。そもそも初穂とは、そもそもどういう意味があるのでしょう?「初穂」という言葉にもなじみがない人もいるでしょう。そこで、まずは初穂料を理解する上でも重要な初穂について解説します。

昔はお米のことだった

初穂とは昔はお米のことでした。「初穂」という漢字を見る限りでは「初めての稲穂(いなほ)」という意味を表していることがわかります。稲穂はお米のことです。

 

初穂という言葉が日本に生まれた当時、これはその年に初めて収穫されたお米のことを指していました。日本には昔から、初めて収穫できたものを神様にお供えする習慣があります。その中でも特にお米のことを「初穂」と呼んでいたのです。

 

現在でも、初穂料は神事の際に納めるお金のことを指しています。昔の初穂も「神様にお供えする」という点で同じ意味を持っていました。時代に合わせてお米からお金へと変化したため、稲穂を表す「穂」という文字を使って初穂と呼ばれていたのです。

お米以外の場合もある

初穂は「初めての稲穂」=「初めてのお米」のことですが、やがてお米以外のものも初穂と呼ばれるように変化していきます。それは、農民だけが神様に初物をお供えしていたわけではなかったからです。

 

日本には、昔から初めて収穫できたものや初めて水揚げされたものを、神様にお供えするという風習がありました。初めてのものを真っ先に神様にお供えすることで、共に豊作や豊漁をお祝いするという意味が込められていたからです。

 

このことから、初穂はお米だけではなく、山の幸や海の幸がお供えされることもありました。狩りを生業としている人はその年に初めて捕らえた動物の肉を、漁業を生業としている人は魚や貝を、初穂として神様にお供えしたのです。

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時代の流れと共にお金に変化

初穂は、その年に初めて収穫されたお米から、山の幸や海の幸へと範囲が広がっていきます。ですが、その広がりはそれだけには留まりませんでした。何故なら、商売をしている人の中でも初穂の風習が広がっていったからです。

 

初穂を神様にお供えすることは、その年の豊作や豊漁を祝うという意味があります。また、それと同時にこれからの豊作や豊漁を願うという気持ちも同時に込められていました。これは商売をする人たちの中では、「商売繁盛」を意味しています。

 

商売繁盛を願う商売人たちは、農作物や海の幸などを初穂として神様にお供えすることはできません。その代わりにお金を神様にお供えしようという考えが生まれました。これが現在の初穂料へと変化しました。

初穂料が使える場面と使えない場面

初穂料という言葉は、どのような場面でも使うことができるわけではありません。初穂料という言葉が使える場面と使えない場面があります。間違った場面で使ってしまうと、恥をかいてしまうかもしれません。

 

そこで、初穂料が使える場面と使えない場面についてそれぞれ解説するので、ぜひ参考にしてください。

初穂料が使える場面

初穂料という言葉を使っても良い場面には、2通りあります。そのうちの1つは安産祈願・七五三詣・結婚式などです。これらはどちらもお祝いや祝福を願って執り行なわれる神事です。初穂料をお供えすることで、ご利益がありますようにという願いを込めています。

 

もう1つは交通安全祈願や厄除け祈願、地鎮祭などです。これらは悪いものを祓うという目的で執り行なわれる神事です。初穂料をお供えすることで、「守って頂き、ありがとうございます」という気持ちを表しています。

 

このように、初穂料とは喜びや祝福を願う場合や、感謝の気持ちを表す場合にお供えするものです。どちらかと言うと明るいイメージや幸福を連想させるような神事を執り行なう場合に、初穂料としてお金をお供えします。

初穂料が使えない場面

初穂料が使えない場面は、神葬祭(しんそうさい)です。神葬祭とは、神道で執り行なわれる葬儀のことです。葬儀には仏式と神道の2種類があり、その中でも神道で執り行なわれる葬儀のことを「神葬祭(しんそうさい)」と言います。

 

初穂料は、幸運を願う気持ちや感謝の気持ちを表すために神様にお供えするもののことを指しています。昔はお米や山の幸や海の幸でしたが、現在はお金です。幸運を連想させるような神事を執り行なう際にお供えするお金が、初穂料です。

 

神葬祭は葬儀なので、幸運をイメージさせるような神事ではありません。悲しみの気持ちを持って粛々と執り行なわれる神事です。その場合には、幸運や感謝を表すための初穂料という言葉は不適切なので、使うことはできません。

初穂料と混同されがちな玉串料

初穂料と混同されがちなものに、玉串料(たまぐしりょう)というものがあります。初穂料と玉串料には似たような部分がありますが、厳密にはまったく異なルものです。ここでは、初穂料と玉串料を混同しないためにも、玉串や玉串料について詳しく解説します。

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玉串とは

玉串(たまぐし)とは、神様にお供えする榊(さかき)のことです。厳密には榊に紙垂(しで)という白い紙などを飾り付けたもののことを言います。ちなみに紙垂とは、しめ縄などについている真っ白い紙の飾りのことです。

 

その昔、天照大神(あまてらすおおみかみ)という太陽の神様が天岩戸(あまのいわや)へ隠れてしまいました。日本が真っ暗闇に包まれてしまったことで困った人たちは、榊に鏡や玉を飾って祈りを捧げます。するとその願いが通じて天照大神が出てきました。

 

この時に使われた榊に鏡や玉を飾ったものが、玉串の始まりだと言われています。玉串を神様に捧げることで神様とつながり、ご利益を頂きやすくなるとされているのです。また、人間の願いも神様に届きやすくなると言われています。

玉串料とは

もともとは神社で祈祷をして頂く場合、依頼した人が玉串を用意するというのが習わしでした。依頼主が玉串を用意して収めることで神様とつながりやすくなり、願いを聞き届けてもらいやすくなったり、ご利益が頂きやすくなったりすると考えられていたからです。

 

しかし、榊はどこでも手に入るようなものではありません。また、身体が不自由などの理由で自分で榊を見つけることが困難な人たちも多くいました。現在でも榊を自分で見つけることは簡単なことではありません。

 

基本的には玉串は依頼主が自分で用意しなければなりませんが、困難な状況もあるため、玉串の代わりにお金をお供えして、神社側で玉串を用意するという方法に切り替わっていきます。この時にお供えするお金が、玉串料(たまぐしりょう)です。

初穂料と玉串料の明確な違い

初穂料と玉串料の明確な違いは、葬儀の場面で使うことができるかできないかです。初穂料は感謝の気持ちや喜びの気持ちを表すため、葬儀の際には使うことができません。一方の玉串料は神様にお供えする玉串の代わりのお金なので、葬儀でも使うことができます。

 

玉串は感謝の気持ちや喜びを表すためのものではなく、神様とのつながりを強くするためのものです。これを依り代(よりしろ)と言います。その依り代になる玉串を自分で用意することができないため、玉串料をお供えします。

 

玉串料は初穂料と違って幸運を連想させるような意味は含まれていないため、葬儀の場面でも「玉串料」とのし袋に書いてお供えすることができます。ただし、お守りやお札を頂く際には玉串料は使えないので注意しましょう。

初穂料の一般的なマナー

初穂料をお供えする際には、一般的なマナーというものがあります。このマナーを抑えておかないと、いざ初穂料をお供えする時に恥ずかしい思いをすることもあるかもしれません。

 

初穂料の一般的なマナーの中でも、特に多くの人たちが疑問に感じることをピックアップして解説します。最低限、これだけ知っておけば大丈夫ですので、参考にしてください。

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初穂料の金額

初穂料の金額は、個人で祈願して頂く場合には5,000円からが一般的だとされています。初穂料としての明確な金額設定がされていない場合は、個人だと5,000円以上を収めると良いでしょう。会社の場合は10,000円からが一般的です。

 

ただし、初穂料を収める場合にはさまざまな場面があります。厄払いと祝福を祈願する場合とでは、その意味合いは大きく異なります。個人での最低金額は5,000円が一般的ですが、初穂料を収める際の祈祷の種類によっては最低金額が変わります。

 

特に結婚式・お宮参り・七五三詣の場合は、祈祷の中でも幸運や喜びの意味合いが大きくなります。この場合は、10,000円が最低金額と言われています。喜びや幸運が大きければ大きいほど、感謝の気持ちを大きく示すことが一般的だとされているのです。

初穂料ののし袋の選び方

初穂料をお供えする時ののし袋にも一般的なマナーがあります。スーパーやコンビニエンスストアなどでは、さまざまなのし袋があります。いざ購入しようとしても、どれを選べばいいのか分からずに迷ってしまうでしょう。

 

初穂料をお供えする際の一般的なのし袋は、白と赤のちょうちょ結びの水引があるものです。初穂料は喜びや感謝の気持ちを表すものです。そのような状況が何度も訪れるようにという意味を込めて、赤白のちょうちょ結びの水引があるのし袋を使います。

 

ただし、神前結婚式の場合は、何度も結婚式が行なわれることは決して良いことではありません。そのため、そのような場合は結びきりの水引ののし袋を使いましょう。また、水引で迷った場合は真っ白の封筒でも問題ありません。

初穂料ののし袋の書き方

初穂料ののし袋の書き方にも注意が必要です。特に1番最初に人目に触れる部分ですから、マナーを守った書き方をする必要があります。水引があるのし袋の場合は、水引より上の中央に「初穂料」と書きます。そして、下の中央に依頼主の名前を書きます。

 

お宮参りなどの場合は、子供の名前を書きます。白封筒の場合も同様で、上半分に「初穂料」と書き、下半分に名前を書きます。必ず黒の筆で書きましょう。筆が苦手場合は、太めの黒ペンで書くようにします。

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初穂料の包み方

初穂料の包み方にも注意が必要です。のし袋を購入すると、必ず中に白い中袋が入っています。この封筒の中に初穂料を入れるのがマナーです。

 

また、中袋の表書きには「金 壱万円」などのように中央に金額を漢数字を用いて縦書きで記します。裏面には依頼主の名前を書きましょう。この場合も、のし袋の表書き同様、必ず黒の筆やペンで書くことが重要です。

初穂料は神様にお供えするための神聖なもの

初穂料は神様にお供えする神聖なものです。失礼があるのはあまり良いとは言えません。また、社会人としての一般的なルールともされているため、正しいルールを身につけて、初穂料を収めるようにしましょう。