葬儀などで行なわれる献杯とは?手順やルールやNG行動について解説!

公開日 : 2020/5/23

更新日 : 2020/9/10

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葬儀や法事で行なわれる献杯。そもそも献杯にはどういう意味があるのでしょう。また、献杯には正しい手順やルールがありますが、これらを知っている人は意外と少ないというのが現状です。献杯の時についやってしまいがちなNG行動と合わせてご紹介します。

公開日 : 2020/5/23

更新日 : 2020/9/10

目次

献杯とは?

葬儀や法事などに参列すると行なわれることがある献杯。そもそも献杯とはどういうものなのでしょうか?献杯の意味を知っている人はあまり多くないようです。 また、献杯と乾杯を混同している人も実際にいます。献杯と乾杯の違いについても合わせて解説します。

葬儀などで敬意を表すためのもの

本来の献杯とは、死者を死を悼むとともに死者に対する尊敬の念や感謝の気持ちを捧げるための神聖な儀式です。死者に献杯するという神聖な儀式は、日本では古代から行なわれていたとされています。

 

昔から日本では亡くなった人に対して、敬意の念を示すという意味も込めて酒をお供えするという儀式が習慣化されていました。神様に捧げるお神酒もその一種です。

 

その後、ヨーロッパからグラスを打ち付け合う乾杯という習慣が入ってきます。この乾杯と日本で昔から儀式として執り行なわれてきたお酒をお供えするという習慣が合わさり、献杯として葬儀や法事などで行なわれるようになったと言われています。

 

献杯と混同されやすい乾杯

献杯と混同されやすいのが乾杯です。文字の見た目が似ていることと、献杯と乾杯の行動が多少似ていることから、混同する人がいるようです。ですが、献杯と乾杯はその意味合いがまったく異なります。

 

乾杯はおめでたい席で行なうものです。また、その乾杯にはお祝いのための会食やパーティーを始める合図という意味があります。

 

一方の献杯は死者に敬意を捧げるための神聖な儀式です。献杯の後に精進落としとして食事が振る舞われますが、その食事を始める際の合図として行なっているのではありません。乾杯とはまったく意味が違うのがわかるでしょう。

献杯の手順

献杯はいつでも初めていいというものではありません。献杯にも正しい手順というものがあります。 葬儀や法事に参列する時、献杯をお願いされることがあるかもしれません。その時、正しい手順を知っておくと恥ずかしい思いをしなくて済みます。ぜひ、参考にしてください。

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参列者が全員席についたことを確認

献杯は葬儀や法事に参列した全員で行なうというのが基本的なルールです。また、心を静めて献杯を行なわなければいけません。そのため、参列者が静かにしてくれることが絶対条件でもあります。

 

献杯を始める前には、必ず参列者が全員席についたことを確認しましょう。中には精進落としなどの準備で席にまだついていない人もいるかもしれません。すべての席をチェックし、空いている席があれば誰がまだ着席していないのか確認しましょう。

 

中には葬儀や法事が終わった後も参加するつもりだったけれど、急な用事ができて参列できなくなったという人もいます。その場合は、空席でも大丈夫です。大切なのはその時にいる参列者が全員着席していることです。必ず確認してください。

位牌の前にもグラスを置く

献杯をする際、忘れがちなのが位牌の前にもグラスを置くという動作です。ほとんどの場合は、参列者がグラスを持っているかどうか確認し、献杯を行ないます。この時、位牌の前にグラスが置かれていないケースも多々あります。

 

本来の献杯とは、死者に対して敬意の気持ちを表すための神聖な儀式です。敬意の気持ちを表すためには、死者の前にも酒の入ったグラスを置かなければいけません。これは死者に対する礼儀でもあるのです。

 

もし亡くなった人がお酒が飲めない人だった場合は、お茶やジュースなどをグラスに入れて位牌の前に置きましょう。また、位牌がその席にない場合は、一つ空席を設けてその前に飲み物の入ったグラスを置きましょう。

参列者に感謝の意を伝える

全員が着席し、位牌の前にグラスがあることを確認したら、次に参列者に感謝の意を伝えます。参列者の中には遠方からの人や、仕事を休んで駆けつけてくださった人たちもいます。そのような人たちに労いの言葉をかけるのです。

 

参列者に感謝の意を伝えるのは喪主の務めです。葬儀や法事の中心となるのは死者ですが、それらを取り仕切っているのは喪主ですから、死者に代わって喪主が参列者に感謝の意を伝えるのがルールです。

 

感謝の意を伝える時は当然立ち上がって行ないましょう。参列者全員は座ったままですが、感謝の意を伝える喪主は立ち上がらなければ失礼に当たります。感謝の気持ちを伝える場合は、一人一人の顔を見ることも忘れないでください。

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グラスを持ちあげて献杯する

献杯は「献杯」という声をかけ、グラスを持ち上げて行ないます。何も言わなずに献杯を行なってしまうと、参列者は献杯のタイミングがわかりません。必ず「献杯」と声をかけてから行ないましょう。

 

また、献杯は乾杯の音頭とは違いますから、元気よく「献杯」と言ってはいけません。あくまで死者に敬意の念を示すための儀式なので、静かに厳かに言いましょう。少し声のトーンを低めにし、普段の会話程度の大きさで言うと良いでしょう。

 

献杯の時に席から立ち上がっているのは、献杯の声をかける人だけです。それ以外の人は座ったまま献杯を行ないます。間違っても、献杯のために着席している参列者に立ち上がってもらうように声を掛けたりしないでください。

献杯のルール

献杯にはある一定のルールがあります。このルールは暗黙の了解のようなもので、知らないと恥ずかしい思いをしたり、参列者に嫌な思いをさせたりする場合もあります。 社会人として献杯のルールを知っておくことは当然のことでもあります。基本的なルールを紹介しますので、参考にしてください。

献杯する人は決まっていない

実は、献杯する人は特に決まっていません。喪主が献杯の声掛けをしても良いですし、故人の友人や知人が行なっても問題ありません。また、会社関係の場合の葬儀や法事の場合は、会社の上司が乾杯の声掛けを行なう場合もあります。

 

ただし、献杯の前に行なう、参列者へ感謝の意を伝えるスピーチは喪主が務めます。感謝の意を伝えるスピーチとは、葬儀や法事に参列してくださった方にお礼を伝えるためです。故人の代わりでもありますから、喪主が務めます。

 

喪主の感謝の意を伝えるスピーチが終わった後、喪主から「それでは、〇〇様から献杯のご挨拶を賜りたいと思います」などのように振られます。ここで、名前を呼ばれた人が立ち上がり、献杯の前に挨拶をして献杯を行ないます。

スピーチは短めにする

喪主以外の人が献杯を行なう場合は、その前に挨拶も込めたスピーチを行ないます。この時、長いスピーチはあまり良くありません。できるだけ手短にスピーチを終えて、献杯に移りましょう。

 

献杯はおめでたい席で行なう乾杯とは違います。乾杯の場合はおめでたい席なので、少々スピーチが長くても良しとされています。ですが、献杯の場合は故人を悼むことが目的ですから、献杯を行なう人が目立ってはいけません。スピーチは短めにするのがマナーです。

 

また、喪主が献杯を務める場合は、わざわざ挨拶のためのスピーチを行なう必要はありません。献杯を行なう前に参列者に感謝の意を伝えるスピーチを行なっています。ここで、すでに挨拶も終わっていますから、そのまま「献杯」と声を掛けましょう。

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グラスは目線の高さより下に

献杯を行なう際には、グラスを上げると説明しました。ただ、グラスを上げる際にはその高さに注意が必要です。おめでたい席ではありませんから、高々とグラスを持ち上げるのはマナー違反とされています。

 

目安になるのは自分の目線です。基本的には献杯の時に持ち上げるグラスの高さは、目線より下とされています。目線より下にグラスを持ち上げることで、自然と視線が下に落ちます。すると、周りからは故人を悼んでいるように見えるのです。

 

献杯の前にスピーチや挨拶が行なわれます。この時、すでにグラスを持っているのなら、できるだけ下におろして持ちましょう。胸よりも下におろして持つと、献杯の時にグラスの高さが目線よりも下になります。

献杯でのNG行動

献杯の時についやってしまうNG行動がいくつかあります。知らないでいると無意識にやってしまうかもしれません。けんぱいでのNG行動をご紹介しますので、参考にしてください。

忌み言葉を使ってはいけない

献杯の挨拶の時、忌み言葉を使ってはいけません。忌み言葉とは葬儀や法事などで使ってはいけないとされている言葉です。

 

例えば「たびたび」や「いろいろ」などのような同じ言葉を繰り返す重ね言葉は、不幸が重なるとされ、忌み言葉とされています。また、死をイメージする言葉も忌み言葉ですからよくありません。

 

葬儀や法事の場で挨拶しなければならない場合は、あらかじめわかっているはずです。必ずどのような言葉を話すのかメモに書き出し、忌み言葉を使っていないかチェックしましょう。

異なる宗教用語の使用はNG

挨拶やスピーチなどでやってしまいがちなNG行動がもう一つあります。それは、異なる宗教用語を使ってしまうことです。

 

最もわかりやすい例は「ご冥福をお祈りいたします」です。「冥福」という言葉は本来キリスト教の言葉で仏教用語ではありません。葬儀や法事がキリスト教形式なら問題ありませんが、仏教形式の場合はNGワードですから気をつけましょう。

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グラスを打ち付けない

献杯の時、隣の人とグラスを打ち付け合うのはNGです。そもそもグラスを打ち付け合うのは、喜びや祝福を表す行動です。

 

献杯は決して楽しい意味で行なうものではありません。おめでたい席でもありませんから、グラスを打ち付け合うことはせず、目線より下にグラスを持ち上げるだけにしましょう。

拍手をしない

献杯が終わった後、ついやってしまいがちなのが拍手です。献杯の前の挨拶が素晴らしかったことを意味するために、拍手をしようとする人がいますが、これはNG行動です。

 

献杯の意味を考えれば、拍手をしてはいけないことは容易にわかるでしょう。拍手は祝福や喜びの気持ちを表すために行なう行動です。また、葬儀や法事の場で拍手をすると、まるで亡くなったことを喜んでいるように受け取られかねません。

 

仮にスピーチや挨拶の内容がとても素晴らしかったとしても、献杯の後に拍手はしないでおきましょう。後でこっそり本人のそばに言って素晴らしいと感じた旨を伝えれば良いでしょう。

献杯は死者に捧げるための厳かな儀式

献杯は死者に捧げるための神聖な儀式ですから、厳かに行なわなければいけません。大きな声で話したり騒いだりせず、故人を悼む気持ちを持って献杯を行ないましょう。