お会式をもっと楽しむ情報を満載!秋はお会式に出かけよう。

公開日 : 2020/6/8

更新日 : 2020/9/9

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お会式は、お寺が近くにある方などは御存知の方もいるでしょう。池上本願寺のお会式は、一見の価値ある万灯練行列など見どころもたくさんあります。由来などを知るとさらに興味深く見ることができるでしょう。お会式の由来や行き方、見どころなどをご紹介しています。

公開日 : 2020/6/8

更新日 : 2020/9/9

目次

もともとお会式とは?

お会式とは、日蓮聖人の命日(ご入滅の忌日)である10月13日前後に行われる法要です。それはどんな法要なのか、なぜ日蓮聖人の法要をお会式と呼ぶようになったのかなどをみてみましょう。

お会式のはじまり

お会式とは、「命日に営む法要」ということです。お寺での仏事全般で使われていた言葉ですが、それがそれぞれの宗派の祖の命日の供養の言葉へと変化していきます。日蓮門下各宗派でも、日蓮聖人の命日に営まれる法要として、古くは御命日講といわれてきました。

 


これが、江戸時代に江戸の町の発展とともに一気ににぎやかに発展し、限られた寺院や宗派になりますが、万灯行列なども始まります。纏をふり、太鼓や笛の音とともに練り歩くお祭りのような風景は、ほぼ江戸時代に完成されたのです。

お会式の言葉の意味

お会式=会式とは、「法会の儀式」という意味です。法会はどの宗派でもあり、一つの宗派に限られた言葉ではありませんでした。日蓮聖人の霊跡である池上本願寺において、日蓮大聖人御報恩会式が執り行われ、それが略されてお会式と呼ばれるようになったのです。

 

お会式は、古くは「御影講(みえいこう)」「御命講(おみょうこう)」とも言われましたが、今ではお会式と言えば日蓮大聖人の報恩会を意味するようになりました。

現在のお会式になるまで

お会式の資料は江戸時代からみることができます。現在のお会式のスタイルになるまで、さまざまな変遷もありました。お会式の歴史とともに、現在のお会式になるまでをみてみましょう。

江戸時代

江戸自体のお会式は、お会式が一気に盛んになった時期です。江戸万灯講の人々は、品川から東海道を練り歩き、池上道から池上本願寺を目指しました。当時品川は色町として栄えており、華やかな通りを練り歩いたようです。

 


現在でも、品川の地元講中などにそのスタイルの名残がみられます。盛んになった時期ということは、各資料から伺えますが実際の参拝者数などは記録に残っていません。しかし、宗祖が500遠忌を迎えたときに、一気に盛んになったとのことです。

明治時代

明治時代には、宗祖600遠忌を迎えました。万灯練供養も現在のスタイルに近くなり、お会式としても最も盛んに時期に入ります。明治時代になると鉄道も栄え出したことから、遠くて来られなかった人々もお会式に参列できるようになりました。

大正・昭和時代

大正・昭和時代は関東大震災や戦争などでお会式などの儀式は下火になってしまいます。昭和20年には池上本願寺も空襲で甚大な被害を受けることになってしまいました。そして、戦後の復興とともに万灯講も昭和23年ころから復活していきます。

 


万灯講は江戸市中のスタイルとは代わり、周辺地域を中心に新しく生まれ変わっていきました。そして昭和57年に宗祖700遠忌を迎え、万灯講も復活の日を迎え旧来の姿を取り戻せたのです。

現在

現在の池上本願寺のお会式は11日に法要から始まり、前日12日のお逮夜には万灯練行列が行われます。この日は、現在でも非常に参拝客で混みあい、東急池上線は臨時ダイヤが組まれます。参道は屋台が並び、夜中まで太鼓や笛の音がにぎやかに聞かれるでしょう。

 

13日の命日には、特別説法と臨滅度時法要が開かれ、お会式は終了します。お逮夜のにぎやかさは、日蓮大聖人の教えに感謝する喜びを表現していると言われます。そして、最終日にはその師の教えを静かに聞いて、お会式は終了します。

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日蓮宗のお会式

お会式は日蓮大聖人の命日の法要で、池上本願寺だけでなく全国の日蓮宗のお寺などでも行われます。池上本願寺のお会式は非常に混みあうので、近くのお寺や菩提寺で参列するのも良いでしょう。

 

池上本願寺のお会式は、10月13日前後に行われますが、全国では月が遅れて11月に行っている地域もあるので注意して参列してください。参拝する前に、電話などで日程を確認してから行かれることをおすすめします。

お会式で登場するもの

お会式には、古くより伝わる道具が登場します。万灯などは、お会式を形作る道具と言っても過言ではありません。どんなものなのか、由来などについてもご紹介します。

万灯(まんどう)

万灯はもともと江戸時代から昭和初期まで、題目や祖師像をあしらった旗で参拝した経緯がありこれが万灯の始まりでは無いかと言われています。古くは1716年ころから、このような光景が見られたようです。

 

万灯が欲しいという方も見かけますが、纏と同様に講中ごとに作られているので同じものの購入は難しいこともあります。講では大工や、自分たちの手作り、刑務作業で作られているものがあります。

万灯の種類

現在の万灯は、6種類「提灯万灯」「灯籠・行灯型万灯」「ねぶた万灯」「多層塔型万灯」「意匠万灯」「万灯御興」です。提灯万灯は複数の長身から成り、竹などの支柱に提灯を取り付けています。灯籠・行灯型は木枠に紙を貼ったものです。

 


ねぶた万灯は、祖師像や故事にちなんだものです。そして、多層塔型万灯は、三重や五重の糖を模していて今最も多くみられます。意匠万灯は独自の意匠を模したもので、特徴的に見えるでしょう。万灯御興を担ぐ姿は、茅ヶ崎信隆寺などで見ることができます。

太鼓

万灯で使われる太鼓は、団扇太鼓といいます。団扇太鼓は、仏教でよく用いられる太鼓で声を上げる時に打ち鳴らすようになっています。日蓮宗や法華宗で用いられることが多く、法華の太鼓といわれることもあります。

 


万灯行列で使われる団扇も、一般的に和太鼓を売っている店で買うことはできますが、浅草などで購入できることが多いでしょう。

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纏(まとい)

纏を見ると、よく時代劇などで見る火消しのようなイメージに感じるでしょう。木の棒(真竿)に馬蓮(ばれん)という飾りが付き、頭のところに蛇志(だし)がついています。古くは蛇志は木で、馬蓮は和紙でしたが最近は板金加工や化学繊維でできた物もあります。

 

また、纏は講中ごとに独自に作られ伝えられていきます。大工や板金屋などに発注され、それぞれの講の特徴が出ています。常時売っているわけでは無く、購入は難しいですがミニチュアやお土産用は買うことができます。

お会式には、紙の花が飾られています。それは、日蓮聖人が御入滅のとき、季節外れに桜の花が咲いたという故事からの由来といわれています。正式には、お会式の歴史の中で形作られてきたというのが妥当なようですが、紙の花はお会式を清らかに飾ってくれています。

お会式の流れ

お会式は10月13日前後に渡って、いくつかの行事を経て流れていきます。現在の池上本願寺の、お会式の流れをご紹介します。

宗祖御更衣式法要

お会式の実質的なスタートとなるのは、10月12日の宗祖御更衣式法要です。大堂に祀られている祖師の像の御衣を夏服から、冬服に衣替えするのです。秋の始まりの時期でもあり、ここからお会式も始まります。

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お逮夜

同じく10月12日の14時ころより、御逮夜(一般でいえばお通夜に相当する言葉)の儀式が始まります。宗祖への感謝を込めて、宗祖報恩御逮夜法要が行われます。

万灯練行列(まんどうねりぎょうれつ)

万灯講はお会式のメインとも言える行事で、万灯をもった参拝のことです。鳴りものとしての太鼓や笛を鳴らす人、そして交通整理のような意味合いでの提灯もち、そして露払いとして纏という構成です。

 

場所に寄っては、纏のみであったり太鼓のみであったりすることもありますし、万灯御輿などが出る場所もあります。それぞれに秋の風物詩となっているものもありますので、いろいろなお会式の万灯練行列を見比べるのもおもしろいでしょう。

池上本願寺の万灯練行列のコース

池上本願寺の万灯練行列は、徳持会館からスタートして遠方からの講中から順番に出発します。また、主に地元の講中が、大森方面や堤方橋からスタートします。そして商店街を抜け、池上駅前を通り、二つの方向からきた万灯講が寺の新参道入口のT字路でぶつかります。

 

これを僧侶により振り分けられ、池上本願寺の中に入っていくことになります。現在約90の講があります。そのためこの時、交通渋滞がおこるのが、池上本願寺の万灯練行列の一つの特徴とも言えるでしょう。

纏振りについて

纏振りは万灯練供養の花形のような存在です。登場してきたのは明治の終わりごろでした。当時、下谷稲荷町にあった法養寺では、浅草下谷地域の消防団が火消し装束で纏をふりながら参列したのが始まりです。

 

それが寺の移転に伴い、そのまま池上本願寺にも参詣するようになりました。その様子が好評で、纏振りとして万灯練行列として通例になっていったといわれています。諸説があるという状態の様ですが、纏が練行列を盛り上げているのは確かでしょう。

特別説法・臨滅度時法要

13日には、御入滅の故事にならって臨滅度時の鐘がならされます。これが臨滅時法要でこの法要を聞いて、3日間の全行程が終了になります。

お会式に行くには

池上本願寺のお会式の行き方について、ご紹介します。本尊のお会式は、かなり混雑するため、行き方をしっかり調べていくことをおすすめします。

行き方

池上本願寺のお会式は、参道に屋台が並び近くまで車で行くのは難しいでしょう。車での来場制限もありますし、万灯練行列は深夜1時ころまで続くのでその間お寺周辺は全て閉鎖されます。

 


車での来場はほぼできないと思っていた方が良いでしょう。そこで、東急池上線は臨時ダイヤで対応してくれるので、電車で行くのが良いでしょう。

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見どころ

池上本願寺のお会式の見どころは、なんといっても万灯練行列です。万灯練行列は、おおよそ午後7時ころから午後9時ころに行われることが多いですが、どの講が何時にどこを通るというのは決められていません。

 

みたい講がどのコースを通るのか、なかなか予定通りにみるのは難しいでしょう。万灯練行列は深夜1時ころまで続くことが多く、気長にゆっくりみるのをおすすめします。臨滅度時の鐘も厳かで聞きごたえがあります。ぜひ鐘の音まで聞いて帰られることをおすすめします。

まとめ

池上本願寺のお会式は、復興依頼まず開かれなかったことがありません。昭和天皇の崩御などの際も行われました。宗教の式典として、決して浮ついたものばかりでなく、大切につむいできたのでしょう。本物の万灯練行列は、秋の風物詩として感慨深くうつるのではないでしょうか。