提灯とは?書いてある文字の意味や種類・処分方法について解説します

公開日 : 2020/4/25

更新日 : 2020/9/10

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葬儀やお盆の際に飾られている提灯ですが、そこに書かれている文字にはそれぞれ意味があるのはご存じでしょうか。提灯には様々な種類があり、意味も異なります。そこで、葬儀やお盆などに使用する提灯の種類や意味の違い、処分方法まで分かりやすく解説していきます。

公開日 : 2020/4/25

更新日 : 2020/9/10

目次

そもそも提灯とは?

お祭りやお店の軒先で見かけることが多い提灯ですが、本来は暗い夜道を歩く時に足元を照らすための道具として使用されていました。 葬儀やお盆などに使う提灯は本来の「照明器具」としてだけではなく、種類や用途によってそれぞれに意味があります。

提灯を使用する葬儀などの種類

葬儀などで使われる提灯は、葬儀以外にも初盆やお盆の時期にも飾られます。ここでは「葬儀」「初盆」「お盆」それぞれどのような種類の提灯を飾るのかをご紹介していきます。

葬儀

葬儀で使用される提灯を御霊燈(ごりょうとう)と言います。提灯には「御霊燈」という文字が書かれており、主に家や葬儀場の門前などに飾られる場合が多いです。 御霊燈の提灯は、門前に左右一体で下げるのが一般的です。御霊燈の他にも「忌中」や「還浄」などの文字が書かれている場合もあります。 葬儀の際に飾る提灯は遺族が準備をするものですが、実際には葬儀社で手配してもらうことができるので購入の必要はありません。

初盆

初盆は新盆とも呼ばれ、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを指します。初盆に飾る提灯には、故人の霊が迷わず故人の家にたどり着くための目印の役割があり、通常の盆提灯の他に白提灯を玄関先または仏壇に飾ります。 初盆に使用する提灯は、遺族または親族が準備します。もし、親族が提灯を準備する場合には遺族に「御提灯代」として現金で贈るのが一般的です。 ここで気を付けたいのは、白提灯は初盆のときだけ飾るものだということです。故人がなくなって最初のお盆を過ぎたらお焚き上げなどの方法で処分しましょう。

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お盆

お盆は、祖先の霊を祀る日本で古くから行われている行事です。この時期にはご先祖様や個人の礼が戻ってくるというと言われています。そのため実家に帰省して、お墓参りやご先祖様にお供えをする方も多いことでしょう。 お盆に飾る提灯には、初盆の時と同様にご先祖様や故人の礼が迷わずに帰ってくるための目印で迎え火や送り火の役割があり、故人の冥福を祈るとともに感謝の気持ちを込めた供養を表すためのものとされています。 お盆は、遺族だけではなく親族みんなで供養する期間ですのでお盆に使用する提灯は、親族が準備するのが望ましいでしょう。

提灯に書いてある文字の意味について

葬儀やお盆などに飾られている提灯には、大きく文字が書かれていますがどんな意味なのか分からない方も多いことでしょう。ここでは、提灯に書いてある文字の意味について解説します。

御霊燈(ごりょうとう)

葬儀の際に門前に飾られている提灯には「御霊燈」と書かれています。この提灯には、故人の魂を送ったり迎えたりする意味があります。 元々は、お葬式を行うことを周りの人たちに知らせために提灯を飾っていましたが、近年では家族葬なども多くなり提灯を飾る風習も減少傾向にあります。

忌中(きちゅう)

忌中とは、遺族が故人の冥福を祈り喪に服す期間のことを指します。日本では故人が亡くなってから四十九日までは喪に服すという古くから続く風習があり、その間に自宅の玄関先などに提灯を飾り「忌中」であることを表します。 近年では、提灯を下げる代わりに「忌中」という文字が書かれたプレートや紙を玄関の入り口に貼ることも多くなっています。

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還浄(げんじょう)

還浄という言葉は「死者が仏の世界に還った(かえった)」という意味です。仏教の中でも浄土真宗では「亡くなった人の魂はすぐに極楽浄土へ行く」と考えられており、浄土真宗を信仰している場合は「還浄」という文字が書かれた提灯を飾ります。 また、日本人の死生観には「死は穢れである」という考え方があり「忌中」と書かれた提灯ではなく「還浄」と書いてある提灯を使用する地域もあります。

提灯の保管方法について

提灯の「火袋(ひぶくろ)」と呼ばれる文字や絵柄が入った部分には糊が使用されており、虫に食べられやすく湿気に弱いです。 そのため使用した提灯を片づける際には埃等を軽くハタキでたたき、たたんでから新聞紙などで包み密封します。さらに、虫食い防止のため衣類用の防虫剤などを提灯の箱の中に入れると良いでしょう。

提灯の処分の方法について

お盆に使用する提灯は毎年使用できますが、葬儀や初盆などで飾られる提灯はその期間だけ使用するものなので処分をしなければなりません。葬儀や初盆・古くなったお盆に飾った提灯の適切な処分方法はどのようなものがあるのかをここでは解説していきます。

お焚き上げ

葬儀や初盆で飾る提灯は、ご先祖様や故人の霊に感謝の気持ちを表すものという意味がありますので、他の仏具などと同じように「お焚き上げ」で処分するのが望ましいでしょう。 お焚き上げとは、仏具や故人の愛用品などを燃やして供養を行う儀式のことで、提灯をお焚き上げする場合には、一部分だけを燃やすことによってお焚き上げの供養を完了することができます。 昔は自宅の庭でお焚き上げを行うことも多かったのですが、近年の住宅事情では自宅で燃やすことは難しくなっていますので、お焚き上げで処分される際にはお寺や神社にお願いしましょう。

送り火

お盆の風習の一つに「送り火」と「帰り火」という故人の霊を迎え、またあの世へ送るというものがあります。昔は使用しなくなった提灯は、送り火で燃やして供養するのが一般的な方法でした。 しかし、現代ではお焚き上げと同じように送り火を庭先などで行うことは困難となってきているため、「提灯に向かって手を合わせる」「火袋の一部分を燃やす」「火を消し、鎮火したことを確認する」「残った提灯は白い紙に包んでから可燃物として処分する」という手順でわずかなスペースがあれば簡単に提灯を処分する方法を用いることができます。

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一般ゴミとして出す

提灯を、送り火やお焚き上げといった方法で処分ができない場合には一般のゴミと一緒に処分しても良いとされています。 一般のゴミとして処分をする際は、提灯を塩でお清めをしてからむき出しにならないように白い紙に包んでからゴミ袋に入れるように注意しましょう。

各自治体の収集サービスを利用する

お住いの地域によっては、お盆の飾りものなどを回収しまとめてお寺にお願いしお焚き上げをして処分してもらえるところも多いです。もし、住んでいる地域に収集するサービスがある場合にはぜひ利用してみましょう。

葬儀やお盆に飾る提灯それぞれの種類や意味を理解しましょう

近年では、提灯を飾らないという家庭が多くなってきています。しかし、日本で古くからの大切な風習を残していくことは大切なことです。葬儀・初盆・お盆に飾る提灯には、様々な種類や意味があるということを理解したうえで、ぜひ提灯を飾りご先祖様や故人の霊をお迎えし、お送りしましょう。