香炉が買える意外な場所とは?配置の仕方や香炉灰と香炉石も
公開日 : 2020/4/26
更新日 : 2020/9/10
香炉は仏壇やお墓から良い香りを漂わせるためのものですが、意外な所で買えるのはご存知ですか。この記事では、香炉を買うにあたって、どこで買えるのか、価格帯や注意すること、香炉に入れる香炉灰や香炉石などに関する情報をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
公開日 : 2020/4/26
更新日 : 2020/9/10
目次
香炉は仏の慈悲を「見る」ため
香りはいにしえの時代から日本でも親しまれてきました。お香は日本に仏教とともに伝えられ、仏がおわします浄土に香りを含んだ風がそよそよと吹くさまを表しています。香りと同じように、ありとあらゆるものに仏の慈悲が行き届いているということを示すために焚かれたといいます。香炉は香を焚くための仏具です。
香と香炉の役割
1年中気温の高いインドでは、身体にスパイスの香りをつける習慣があったといいます。香りが周囲を清めるという考えから、香りは大切にされ、仏さまの前でも香を焚きます。香炉は、中に香炉灰と呼ばれる灰を入れ、香を焚くために使います。
香炉は三具足のひとつ
香炉は燭台(火立)や花立とともに、三具足(みつぐそく、さんぐそく)と呼ばれます。本尊に向かって左から火立、香炉、花立の順で配置します。仏具の中でも「香・花・灯」という重要な仏具で、仏壇にはこの三具足だけでも揃えるようにします。
三具足のほかに、五具足(ごぐそく)があります。香炉ひとつ、花立1対(2つ1組)、燭台1対をひとまとめにして五具足といいます。つまり、三具足に花立と火立と燭台をひとつずつ加えたものが五具足です。
香炉の種類
香炉は大きく分けて、お墓用、焼香用、仏壇用があります。お墓用の香炉は線香を焚く部分です。お墓の前面にあることが多く、供物台香炉、扉付き香炉などがあります。焼香用の香炉は、焼香用角香炉という香炉を使います。中がふたつに分かれていて、左に灰と香炭、右にお香を入れて使います。
仏壇用の香炉として広く使われているのは前香炉と土香炉という香炉です。多くの香炉に脚が付いていますが、置いたところに熱が伝わって火が起きないようするためです。
前香炉
前香炉は広口の香炉で、線香を横にして焚く香炉です。線香1本を2~3つに折って横にして焚きます。材料には真鍮製や漆器を使ったものが多いです。
土香炉
土香炉は陶製の香炉です。青と緑が混じったような色の青磁などが使われます。唐草模様の透かしが入っているものや、玉香炉というころんとまろやかな形の土香炉もあります。
香炉を買おう
香炉がどこで買えるか調べてみました。値段はおそらくピンからキリまでなので、だいたいの値段になります。参考にしてみてください。
ネットか、店頭か
手近なところではネット通販で買えます。仏具を扱っているところが販売していることが多く、安ければ1000円、値の張るものなら50000円と予算に合わせて選べます。Amazonや楽天などでも買えます。
ネットでは簡単にワンクリックで買えますが、デメリットは実物を見られないこと。実際に見て買うなら仏壇・仏具店や百貨店をおすすめします。詳しい店員さんがいることが多いので、相談しながら選べます。
香炉は意外にもホームセンターで扱われていることをご存知ですか?コメリ、コーナン、ナフコなどのホームセンターが仏壇などを扱っており、香炉も販売しているところがあります。値段も500円前後と手の届きやすい値段です。
香炉灰も忘れずに
香炉灰は香炉に敷きつめて線香を支えるためのものです。香炉灰は手入れに手間がかかるため、最近では香炉石も使われるようになりました。水晶や翡翠などの天然石が多く用いられています。洗って乾かせばいいだけなので、重宝されているようです。
香炉灰や香炉石はお香の専門店はもちろん、100均やホームセンター、マツモトキヨシといったドラッグストアでも販売されています。
買う時に注意する点
香炉を買う際は寸法に注意しましょう。仏壇の大きさに合わせた寸法の香炉にしないと、ちぐはぐな印象になってしまいます。ネット通販なら寸法が表記されているので、仏壇の上で物差しやメジャーである程度感じがつかめます。
店頭で買うなら仏壇の大きさを計って行き、店員さんに相談するとよいでしょう。また、地域の風習や宗派の決まりを知った上で買うことも大切です。
香炉を仏壇に設置しよう
香炉は先ほどふれたとおり、三具足という仏壇に欠かせない仏具のひとつです。残りの2つの仏具との並べ方には決まりがあります。香炉を真ん中にして、左には火立、右には花立を置きます。なお、香炉には三本足がついていますが、そのうちの1本が正面から見えるように設置します。
香炉の使い方
香炉を使ってお香を焚くには、まず香炉灰を香炉の8分目ぐらいまで入れ、火をつけてくゆらせた線香を灰の上に置き、蓋をせずに焚きます。蓋をして香を焚くと中が酸欠になって火が消えるので注意しましょう。この性質を利用して、香の火を消したい時は蓋をして置いておくと、しばらくしたら火が消えます。
香炉に必要な香炉灰・香炉石
香炉で香を焚くには欠かせない香炉灰(香炉石)は100均でも販売されるなどごく手近で買えます。香炉石はお香の灰などを洗って乾かして使えばよいのですが、香炉灰は灰の中からゴミを取り除くなど手入れに手間がかかってしまいます。香炉灰にするなら高価なものではないので、汚れたら買い替えるという手段もあります。
香炉灰
香炉灰には珪藻土灰(けいそうどはい)、藁灰(わらばい)、菱灰(ひしばい)があります。それぞれの特徴ですが、珪藻土灰は植物性のプランクトンが化石になった自然素材、藁灰は燃やした藁の灰で、通気性がよく線香が燃え残ることが少ないので、線香を立てるにはうってつけの灰です。
菱灰は菱の実の殻を焼いた灰です。最も良質な灰だといわれています。菱の実自体も茹でて食べると栗のような美味しさがある実だということです。
値段は珪藻土がいちばん安く、菱灰がいちばん高いと言われています。予算や好みに合わせて選べます。この頃では灰ではなく、粒の細かいビーズを使うこともあるようです。
香炉石
香炉石には水晶やピンク色のローズクォーツ、深みある青緑のターコイズなどの天然石を使うことが多いようです。自然のやさしい色合いが特徴で、デザイン仏壇などによく合います。香炉灰と同じ目的で使いますが、汚れたら取り出して水洗いすればよいだけなので、香炉灰よりも手入れが楽です。
亡き人へのご供養のために
香炉についてご紹介しました。デザインも材質もいろいろなものが出ていてあれこれ迷ってしまいそうです。昔よりも香炉を含め様々なしきたりが緩くなっているため、香炉灰以外のものを使ったり、工夫のやりがいがあるようです。ぜひお気に入りの香炉を使って、供養してさしあげてください。
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