水子供養の際の服装を解説。服装の具体例や注意事項も紹介します
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
予期せぬ事態・何らかのトラブルで、赤ちゃんが無事に生まれ来れない場合、私たちは水子供養を行い小さな魂の安寧を祈ります。ここでは、この水子供養の際の服装を具体例を交え解説します。また、服装の注意点や水子供養の際の持ち物も合わせて解説していますのでご覧ください。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
水子供養とは
水子(みずこ)とは、流産・死産によりこの世に誕生する事ができなかった、もしくは生後1年以内に亡くなった赤ちゃんを指し別名「すいし」とも呼ばれます。この赤ちゃんの供養をするのが水子供養となります。
水子供養の意味
水子供養を行う意味は、この世に誕生することができなかった水子の安らかな成仏を祈願する事が目的ですが、実はこれ以外にも重要な意味があります。それは、我が子を失った母親の「罪の意識」を少しでも和らげるという意味があります。
我が子を亡くした母親は、時に「自分のせいで赤ちゃんが亡くなってしまった」と自分を責めてしまいます。そのためこの母親の気持を少しでも和らげ、水子供養を行い母親の苦しい胸の内を前向きにするのです。
中には、「水子の霊を祓ってほしい」や「水子の祟り」などと考える方もいますが、水子は祓う対象ではありませんし、ましてや遺族を恨むことなどありません。不幸により、多くの時間を共にできなかったとはいえ、水子は家族の一員であり水子供養は水子と家族の幸せを祈るという意味があるのです。
水子供養の方法
水子供養の方法は以下に挙げる6種類になります。
- 読経:僧侶にお経を読んでいただき葬儀・法要を行い供養とします
- 授戒:授戒は仏の弟子となった事を表す名前で僧侶から授かり供養とします
- 石仏地蔵尊の泰安:小さな地蔵尊を寺院本堂に泰安して供養とします
- 地蔵尊参拝:お寺の地蔵尊を参拝して供養とします
- 写経・写仏:お経を書き写したり仏像を模写することで供養とします
- つちぼとけ:ご自身で土や粘土を使い地蔵尊を造ることで供養とします
水子供養の服装
水子の供養方法は先ほど触れた6種類になりますが、その中でも一般的なのが1.「読経」になります。この読経は通常の葬儀・法要と同く寺院にて行われるため、服装にはある程度の形式が必要とされます。ここでは水子供養を寺院で行う場合の服装について解説します。
水子供養の服装の特徴
水子供養を行う場合の服装については「喪服を着用しなければならないの?」と、疑問を持つ方もいます。通常の水子供養は、親族を招いて大規模に行う事はなく家族数人で行われます。そのため、服装に関しては普段の服装で参列しても問題はありません。
しかし、普段の服装と言ってもジャージや派手な色味の服装は葬儀の場にはふさわしくありません。原則的にはいわゆる「きれいな服装」「きちんとした服装」が求められます。
男性の服装の具体例
男性の服装は以下が推奨されます。
- 服装:黒色・紺色・グレーのダークスーツもしくはワイシャツ・スラックスは可
- ワイシャツ:白色を選択
- ネクタイ:黒色を選択
- バッグ:落ち着いた色合いのものを選択
- 靴下:黒色を選択
- 靴:革靴もしくは単色で落ち着いた色ならスニーカーも可
女性の服装の具体例
女性の服装は以下が推奨されます。
- 服装:黒色・紺色で上はブラウス下はスカートもしくはワンピース・スーツは可
- インナー:基本は無地だが派手でなければチェック・ストライプは可
- 装飾品:つけないことが望ましいが一連のパールネックレスであれば可
- バッグ:落ち着いた色合いのものを選択
- ストッキング:黒色を選択
- 靴:黒色のパンプスもしくは紺色・グレーのパンプスも可
水子供養の服装の注意点
水子供養は近親者のみで行うため、必ずしも形式ばった服装は必要ありませんが、明らかに葬儀の場にふさわしくない服装は、読経を行う僧侶や水子に対して失礼です。ここでは、水子供養の服装における注意点を解説します。
注意点①:カジュアル過ぎる服装
普段着については上記でも触れましたが、この普段着の解釈については個人の見解が分かれるため厳密な区分はありません。そのため、特に男性においてジーンズやサンダルなどを履いて水子供養に参列する場合がありますので注意が必要です。
「男性の服装の具体例」を参考にした服装を心掛けて、周囲に対する気遣いを服装で表すよう心掛けて無くてはいけません。
注意点②:華美な服装
女性に見られる傾向として、赤色などの派手な色味の服装を着用して水子供養に参列する方が見られます。葬儀の場では、その場に即した色合いがありますので、全体的にはモノトーンの色調の色が推奨されます。
またこれと同じ理由から・派手な化粧・一連の真珠以外のアクセサリー・ハイヒールも厳禁となります。「女性の服装の具体例」を参考におしとやかで控えめな印象を与える服装やメイクを心がけましょう。
注意点③:露出の多い服装
女性の服装は、夏場の炎天下などの野外で行われる葬儀でもない限り、基本的には長袖・長ズボン・ロング丈のスカートを着用します。葬儀の場では出来るだけ肌の露出を避ける事がマナーとなっていますので、丈の短いスカートも厳禁です。
男性の場合、夏場の葬儀を理由に半ズボンを着用する方もいますが、上記の理由から半ズボン・短パンの類は使用不可と心得ましょう。
水子供養の持ち物
水子供養に参列する際には、以下の持ち物が必要となります。
- お布施
- 数珠
- お供え物
- 写真
ここでは、これらの品について解説します。
持ち物①:お布施
お布施は、供養をお願いする寺院に渡すお礼として通常の葬儀同様に必要となります。金額は、葬儀内容や地域のしきたりなどで異なりますが、3千円~3万円が相場となります。お布施は、遺族の気持ちとなりますのでこれ以上渡す方もいらっしゃいます。
また、読経と戒名を別々にしてお布施を渡す場合もありますので、わからない場合は供養をお願いする寺院に直接訪ねても失礼には当たらないでしょう。この場合、読経のお布施を1万円程度、戒名のお布施を2万円程度渡すのが一般的です。
持ち物②:数珠
法事・法要に数珠は欠かすことができない仏具ですので、水子供養の際にも持参しなければいけません。葬儀会場で貸し出している場合もありますが、すべての会場で数珠が借りられる訳ではありません。予備を準備している方もいませんので、必ずご自身の数珠を準備しましょう。
持ち物③:お供え物
水子供養のお供え物として最適な物は
- おもちゃ
- お菓子
- お花
- 果物
などになります。
供養を行う寺院によっては「少量のお菓子と花を一束お持ちください」と事前に指定してくれる場合もあります。お供え物として贈る花は
- 金盞花(キンセンカ)
- リンドウ
- ほおずき
- 百日草
- カーネーション
などが好まれ、とげのある花や毒のある花はふさわしくありませんので注意が必要です。
持ち物④:写真
水子の写真を持参するよう、寺院から言われる場合もあり、死産の場合はエコー写真を持参します。この写真は水子供養と同時にお焚き上げを行い供養します。
水子 供養 服装まとめ
水子供養の際の服装は、一般的な葬儀と比べ格式ばった決まりはありません。そのため、参列者の判断にゆだねられている部分が大きいと言えます。
しかし、水子供養も一般の葬儀も故人を思う気持ちに変わりはなく服装のマナーは大切です。亡くなった家族を思う気持ちを服装に表し・遺族・故人・僧侶へ失礼の無い服装を心がけましょう。
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