喪中はがきの故人の年齢の書き方などを解説【享年・数え年・満年齢】
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
喪中はがきは、新年のあいさつを欠礼する大切な案内です。そして、喪中はがきにはいくつかのしきたりに従って書く必要があります。今回は、その内容の中でも気になる年齢について、享年や数え年、満年齢などの数え方や喪中はがきの年齢の書き方などを説明します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
そもそも喪中はがきとは?
喪中はがきとは新年のあいさつを欠礼するお詫びするための大切なはがきで、内容についてはいくつかのしきたりがあります。また、喪中はがきには故人が亡くなった月や年齢を書くのが一般的です。
ここで、疑問になるのが年齢の数え方です。日本では、数え年齢や満年齢など年齢の数え方に違いがあります。そのため、喪中はがきに書く故人の年齢は、どのように数えると良いのでしょうか。
今回は、喪中はがきに書く故人の年齢の書き方について、享年や年齢の書き方、喪中はがきに書く内容などを解説していきます。最後まで、ご一読いただけると幸いです。
享年とは?
享年とは、亡くなった時の年齢のことです。「享」には享(う)けるという意味があり、天から享けた年がこの世に生きてきた年数という意味になります。また、享年と似た意味に行年がありますが、享年は数え年齢、行年は満年齢を指します。よって、喪中はがきには、享年〇〇歳または行年〇〇歳と書くのがしきたりです。
喪中はがきに書く故人の年齢
喪中はがきには、決まった形式で文章を書きます。本文の冒頭は「喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます」などという形で、年賀欠礼のお詫びを述べるのがしきたりです。それでは、喪中はがきに書く故人の年齢について解説していきます。
喪中はがきには故人の享年を書くべきか?
喪中はがきには、「本年〇月に父〇〇〇〇が享年八十四歳にて永眠いたしました」と書きます。この時、享年を入れずに「父〇〇〇〇が八十三歳にて永眠いたしました」とも書くことができます。
喪中はがきには、亡くなった年に享年を入れても入れなくてもどちらでも通じます。また喪中はがきのマナー上、どちらでも問題はありません。
数え年、満年齢、実年齢とは?
日本では年齢と言うと昔は数え年が主流でしたが、昭和24年に制定された法律により、満年齢に統一されました。それ以来は、現在も含めて満年齢の数え方が一般的です。
満年齢とは0歳からスタートして、誕生日ごとに1歳年齢を加える数え方です。一方、数え年は生まれた年を1歳として、それ以降は誕生日を関係なく新年を迎えるたびに1歳加えていきます。そのため、数え年は満年齢よりも常に1歳年齢が上がる数え方です。
また、満年齢と同じ意味の実年齢があります。どちらも誕生日を基準にして年齢を数える方法で、年齢を言う時は満年齢・実年齢を使っています。
喪中はがきに書く故人の年齢は?
喪中はがきで使われる享年の意味は、数え年で数えた場合の亡くなった時の年齢です。数え年では、誕生日に関係なく生まれたその年を1歳と数えます。そのため、享年〇〇歳と書く場合は、亡くなった時の満年齢・実年齢に1歳を加えて表します。
また、享年を使わずに「〇〇歳で永眠いたしました」と書く場合は、通常と同じ満年齢・実年齢の歳を記入します。そのため、喪中はがきでは数え年と満年齢のどちらで書いてもマナー違反にはなりません。
そして、ご位牌や墓碑などの仏事全般に数え年を使う風習から、喪中はがきにも数え年を書いたり、わかりやすいように満年齢を書いたりといずれかの書き方を選ぶことができます。ですから、享年〇〇歳と数え年で書く場合は、亡くなった年に1歳を加えて書くようにしましょう。
その他で喪中はがきに書く内容は?
喪中はがきには宛名、差出人と続柄、喪中の報告、年賀欠礼のあいさつを書くしきたりがあります。どの項目もマナーに沿って書く必要があります。ここでは、喪中はがきに書く項目について解説します。
宛名
喪中はがきは、毎年、年賀状をやりとりしている方に送ります。喪中はがきの宛名書きには、薄い墨色を使うのが良いと言われています。不祝儀の場合でも、香典袋に薄墨を使うため、喪中はがきも同じ考え方です。
しかし、喪中はがきの宛名を薄墨で書くと、機械が文字を読めないなどの支障が出て、郵便局での仕分けや配達員の方に支障が出る場合もあります。ですから、確実に相手に送りたい場合は、喪中はがきの宛名は黒色で書く方が良いでしょう。
また、喪中はがきの宛名書きは手書きでもパソコン印刷でもマナーの面では問題はありません。パソコンのソフトによって、郵便番号だけ黒色、住所や宛名は薄墨で印刷できるものもありますので、気になる方はチェックしてみてください。
差出人と続柄
喪中はがきには故人の名前の前に、差出人から見た続柄を記入します。例えば、「父〇〇〇〇が」や「祖父〇〇〇〇が」といった続柄は、差出人から見た関係を表しています。一般的に、喪中はがきを出す際は、差出人から見て2等身以内の親族が亡くなった時です。2等身とは兄弟姉妹や祖父母、孫にあたります。
また、喪中はがきを夫婦連名で出す際は、夫から見た続柄を書きます。具体例としては、「義父〇〇〇〇」という表記です。
喪中の報告と年賀欠礼のあいさつ
喪中はがきには、本文のはじめに年賀欠礼のお詫びのあいさつ、次に故人の氏名などを書きます。そして、故人がいつ何歳で亡くなったのかを書いた後に結びのあいさつ文で締めくくります。
具体的には「これまで賜りましたご厚情に、故人に代わりまして暑く御礼申し上げます」といった文で結びのあいさつにします。喪中の文例にはさまざまなパターンがありますので、参考にしてみてください。
寒中見舞いとして出す場合
喪中はがきには、年賀欠礼のお詫びだけを書くのがマナーです。そのため、近況の報告や引っ越し先の新住所などを書くのはマナー違反になります。
近況を知らせたい場合は、機会を改めて年明けの寒中お見舞いなどで報告しましょう。また、寒中見舞いは松の内が明けてから立春の間(1月8日~2月3日ころまで)に出すことができます。
喪中はがきを書く際の注意点
喪中はがきを出す際の注意点で、送る相手と宗教に関して少し説明しておきます。送る相手は本人の関係者以外にも、故人が年賀状を交換していた方や葬儀の参列者などにも送ります。また、ビジネス関係上の場合は、直接故人をしらないため、喪中を知らせる必要はありません。
そして、キリスト教には、喪中や忌中の概念がありません。しかし、キリスト教の方でも日本の慣習に従って喪中はがきと同様の挨拶状を出すことが多いです。喪中と言う言葉を使いませんが、逝去をカトリックでは「帰天」、プロテスタントでは「昇天」を使いますので、文中では注意してください。
喪中はがきはマナーを守って書きましょう!
今回は、喪中はがきに書く故人の年齢や記入する内容などを解説しました。年賀の欠礼にもなる喪中はがきは、正しい時期にマナーとしきたりを知って出したいものです。いざという時のために備えて、喪中はがきのマナーを覚えておきましょう。
ご相談・お問い合わせください