七福神の大黒天様はどんな神様?ご利益や由来について大解説!

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/5/26

七福神の大黒天様はどんな神様?ご利益や由来について大解説!のサムネイル画像

七福神の1人として有名な大黒天様がいます。大黒天様はお金に関係するご利益を与えてくれる神様として知られていますが、大黒天様にはもう1つの顔があるのをご存知でしょうか?大黒天様はどんな神様なのか、由来やご利益とあわせて解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/5/26

目次

大黒天様の由来

七福神で有名な大黒天様ですが、七福神の1人としてつくられた神様ではありません。大黒天様にはそのモデルになった神様がいます。まずは大黒天様の由来について解説します。

ヒンドゥー教の神様が由来

大黒天様にはモデルがいます。それは、インドで広く信仰されているヒンドゥー教の神様として有名な「シヴァ神」とされています。

 

シヴァ神は4つの手に、それぞれ三叉戟(さんさそう)という武器と長い棒・輪・索(さく)と呼ばれる太くて長い縄を持っています。本来の大黒天様にも4つの手があり、シヴァ神と同じものをそれぞれの手に持っています。

日本では天部と言われる守護神の1人

大黒天様のモデルはヒンドゥー教のシヴァ神ですが、日本では「天部(てんぶ)」という守護神の1人として伝わりました。天部はシヴァ神とは少し異なる意味を持った神様です。

 

「天部(てんぶ)」は、仏教の世界では守護神とされています。仏教の世界では複数の天界と呼ばれる世界が存在しており、その天界にはそれぞれその場所を治める守護神が存在し、大黒天様はその守護神の1人として伝わりました。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

大国主命と混同されることが多い

日本では、大黒天様は大国主命と混同されることが多いです。大黒天様は仏教の神様ですが、大国主命は神道の神様です。仏教と神道は、日本では別物とされています。

 

仏教の大黒天様と神道の大国主命が混同される理由の1つが、名前にあります。大国主命の「大国」は本来は「おおくに」と読みますが、「だいこく」と読むこともできます。それが「大黒」とも表記できるため、大黒天様と大国主命は混同されるのです。

 

しかし、日本で仏教と神道が交わることはないとされているため、大黒天様と大国主命は全くの別物だという意見が多数あります。

大黒天様は怖い神様とも言われている

七福神の大黒天様は、笑顔で穏やかな表情で描かれていることが多くあります。幸福をもたらしてくれる神様として多く人から愛されている一方、大黒天様は実はとても怖い神様だという意見もあり、実際に怖い神様だと信じている人もいるくらいです。ここでは、その由来について解説します。

大国主命に由来する説

大黒天様が怖い神様だと言われる理由の1つに、大国主命が関係しています。本来は大黒天様は仏教の神様、大国主命は神道の神様なので、まったく別の存在ですが、混同されることで大黒天様は怖い神様だと思われているのです。

 

大国主命は日本という国を治めていた土地神様として有名ですが、その一方であの世の、特に暗黒の部分を治める鬼神としても有名です。この世では日本を治めてくださるありがたい神様ですが、あの世では恐ろしい鬼の神様という一面も持っています。

 

大黒天様は大国主命と混同されることが多いため、大国主命の「鬼神」という一面が大黒天様にも伝わり、大黒天様は怖い神様という説が生まれたと言われています。

ヒンドゥー教に由来する説

大黒天様が怖い神様だと言われているもう1つの説は、ヒンドゥー教に由来しています。大黒天様はヒンドゥー教では、シヴァ神とされています。

 

ヒンドゥー教でのシヴァ神は、破壊と再生を司る神様です。不条理なものや悪いものをすべて破壊し、新しく生まれ変わらせるという役割を司っています。ただ、シヴァ神は戦いの神様としても有名なため、「破壊神」というイメージが大変強いという特徴があります。

 

大黒天様はシヴァ神の化身ですから、シヴァ神の破壊神としてのイメージが付きまとい、大黒天様は怖い神様だと考えられるようになったと言われています。

大黒天様のご利益

大黒天様はたくさんのご利益をもたらしてくれる七福神として大変有名です。それでは、実際にどのようなご利益をもたらしてくださるのでしょうか。

 

七福神としての大黒天様がもたらしてくださるご利益と、本来の大黒天様がもたらしてくださるご利益は異なります。ここでは、それぞれのご利益について解説します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

本来は冥府の神様

大黒天様は、本来は天部の守護神の1人として伝わりました。天部には複数の神様がいて、天界のそれぞれの場所を治めています。

 

大黒天様が治めているのは冥界です。亡くなった人たちの魂や亡者が死後の世界を治めています。死後の世界の中でも、特に閻魔大王がいる場所を中心にして治めていると言われています。

 

そのため、大黒天様を信仰することであの世で閻魔大王の前に行った際、現世での罪が軽くなると言われていました。信心深く大黒天様を信仰すれば、罪が軽くなって極楽浄土へ導いていただけるとされていたのです。

本来は戦いでの勝利をもたらしてくれる神様

大黒天様には、本来の姿がもう1つ存在します。それは、シヴァ神の化身であるということです。ヒンドゥー教では、シヴァ神は戦いの神様として信仰されています。大黒天様にも同じことが言えます。

 

大黒天様を信仰することで、戦いでの勝利がもたらされると信じられていました。戦国時代では、戦いで必ず勝利を得ることができるようにと、大黒天様を守護神としていた武将もいました。

 

また、戦いでの勝利という考えが転じて、あらゆる勝負事で勝利をもたらしてくれる神様として信仰している人たちもいます。

現在は財産や商売繁盛

現在の大黒天様は、七福神の1人として多くの人たちから信仰されています。そのご利益は、財産や商売繁盛がもたらされると信じられているからです。

 

大黒天様が日本に伝わった時、戦いや冥府の神様であるという伝承と共に、財産に関する幸運をもたらす神様という伝承も伝わりました。しかし、時代とともに、日本では戦いや冥府の神様という伝承は消え去り、財産に関するご利益だけが残りました。

 

また、現在は「財産」という考えが転じて五穀豊穣・大量祈願・出世開運などのご利益もあるとされています。これらはすべてお金に関することだからです。現在の七福神としての大黒天様は、お金に関する全般にご利益があるとされています。

大黒天様を祀る神社

大黒天様を祀っている主な神社は以下の通りです。

 

  • 神田明神(東京都千代田区)
  • 大前神社(栃木県真岡市)
  • 舞子六神社(兵庫県神戸市)
  • 敷津松之宮大国主神社(大阪府大阪市)
  • 春日大社摂社夫婦大國社(奈良県奈良市)
  • 油掛大黒天(岡山県岡山市)
  • 一之宮都農神社(宮崎県都農町)

 

また、以下では正月の時期に行う「七福神巡り」について解説します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

全国に七福神巡りがある

北は北海道から南は九州まで、「七福神巡り」という正月に行われる行事の1つとして、家族や友人たちと楽しみながら七福神参りができる巡回コースがあります。

 

本来は元旦から七草の日までに行うものとされてきましたが、近年では年間を通して参拝や御朱印を受け付けているところが多いです。七福神を1箇所に祀っていたり、各所に散らばった七福神たちの元へ車で出向いて旅行気分で参拝できたり、楽しみ方はさまざまです。

2つの顔を持つ大黒天様

七福神としての大黒天様は、お金に関する開運をもたらしてくれる大変縁起のいい神様として知られています。幸運をもたらしてくれる神様ですから、優しくて慈悲深いというイメージを抱いている人も多いでしょう。

 

ですが、本来の大黒天様には冥府の神様や戦いの神様という、怖いイメージが付きまとう顔も持っています。決して優しいだけの神様ではないということです。すべての神様には二面性がありますが、大黒天様もそれは同じです。

 

大黒天様にご利益をお願いする際は、願いを丸投げするのではなく、自分自身も願いを叶えるための努力をしましょう。すると、大黒天様のご利益が頂きやすくなるでしょう。