【瓢箪】瓢箪はオールマイティな縁起物?その取り入れ方は?【意味】
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
ユーモラスな形をした植物「瓢箪」。昔は水やお酒を入れる容器としても使われていましたが、幸運招来や厄除けと言ったパワーを持つ縁起物として貴ばれてもいます。瓢箪にはどんな意味があるのか、また日々の生活にどのように取り入れていけばいいのかをご紹介します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
瓢箪ってなに?
瓢箪はウリ科の植物で、まんなかが大きくくびれたミルクのみ人形のようなユーモラスな形をしています。実は苦く中毒性があるために食用には適しませんが、中身を抜くと水や酒を入れる容器として活用できます。
単に液体を入れておけるだけではなく、外部より温度が低く保たれることから貯蔵性があり軽くて持ち運びがしやすいために、容器として重宝されてきました。他にも楽器や神具、漁具、装飾品などに用いられ、生活や文化に深い関りを持ってきた瓢箪は、縁起物としての一面を持つようになりました。
今回の記事では、瓢箪の持つ意味やその使い方についてご紹介します。
瓢箪は縁起物!
瓢箪はとても縁起のいい植物としても知られています。ユーモラスな形をし、容器やその他生活の道具として有用な瓢箪。人々はそんな瓢箪に親しみとともに、貴さを感じていたのかもしれません。瓢箪がどのような点で縁起物とされているのか、その理由も併せてご紹介します。
幸福を運ぶ
瓢箪は下が膨らんだいわゆる「末広がり」の形をしていることや、瓢箪が3つ揃うと「3瓢子(拍子)」揃って縁起がいい、6つ揃うと「六瓢(無病)息災」という語呂合わせができることも、幸福を呼ぶ力があると考えられています。
このように、日本では語呂合わせの縁起物が多く見られます。おせち料理の鯛(めで鯛)や、昆布締め(よろ『こんぶ』)などが良い例です。日本人の洒落好きな性格が感じられる、おめでたく面白い文化です。
魔除け、厄除け
大宰府天満宮には「厄晴れ瓢箪焼納祭」というお祭りがあります。瓢箪の中にお願い事を書いた用紙を入れて神棚に祀ると災難から逃れられるという信仰行事の一つです。
また、出雲大社の「爪剥祭」では、生の瓢箪を胴切りにして麻の柄をつけた柄杓が神具として使われます。これは瓢箪のような空洞のものは霊魂を宿し、災いを祓い、邪な力を遠ざける呪力があると考えられているからです。このように瓢箪は神性・霊性を持ち、魔や厄から人を守るとされています。
医療・健康
瓢箪は古来薬入れとして使われていたことから、医療や健康のシンボルともなっています。そのため子供が病弱な場合は、枕元に瓢箪を置くという風水術もあります。
このように風水では瓢箪は健康をもたらすと言われ、悪い気が発せられるとされる家のでっぱり部分(天井の梁や柱など)に瓢箪を置くと家族の健康が守られるともされています。
子孫繁栄・家内繁盛
瓢箪は子孫繁栄や家内繁盛のシンボルともなっています。真ん中がくびれていて女性の体の形に似ていること、また一つのつるにたくさんの実がなりその中にたくさんの種ができること、実が親づるより子づる、孫づるに良くつくことなどがその理由です。
そのため、結婚する人や新しく事業を興す人に、縁起の良い贈り物として瓢箪が贈られることもあります。
瓢箪はこんなところに使われている
幸運招来、厄除け、健康、子孫繁栄など多方面において縁起物とされる瓢箪ですが、一体どのように生活に取り入れていけば良いのでしょうか。瓢箪の活用方法についてご紹介します。
プレゼント
先ほどご紹介した通り、瓢箪はプレゼントにもぴったりです。特に結婚式や開業・開店、還暦や古希と言ったお祝いの時に贈ると喜ばれます。
本物の瓢箪を使った装飾品はもちろんのこと、現在では瓢箪柄の扇子や手ぬぐい、箸の他、瓢箪型の容器に入ったお酒など、瓢箪をモチーフとしたギフトがたくさんあります。相手の好みによって選ぶと喜ばれるでしょう。
吉祥文様
瓢箪は幸運招来、子孫繁栄などとおめでたい意味合いを持つことから、吉祥文様としても使われてきました。曲線で描けるユーモラスな形がデザインに取り入れやすいことも文様として喜ばれる理由の一つかもしれません。
唐草模様と取り合わせた「瓢箪唐草文様」や、小さな瓢箪が水玉模様のように描かれた「瓢(ひさご)散らし」、六つの瓢箪が集まって花びらのようになり無病息災を表す「六瓢箪」など、バリエーションに富んだ文様が作られています。
吉祥文様とは言え、松竹梅や鶴亀よりもカジュアルな印象があり、普段使いにもできます。着物を着ないまでも瓢箪文様の手ぬぐいや財布などの小物を持つことによって、瓢箪の持つパワーを取り込むことができるかもしれません。
キーホルダー・ストラップ
気軽に瓢箪を取り入れようと思ったら、キーホルダーやストラップがお勧めです。一つだけ瓢箪がついたものは厄除け、6つついたものは無病息災、たくさんの瓢箪が鈴なりについているものは子孫繁栄、商売繁盛を表すとされています。
パワーストーンでできたもの、打ち出の小づちなど他の縁起物と一緒に連なっているものなど色々な種類がありますので、好みに合ったものを選んで、いつも身に着けておくといいかもしれません。
瓢箪豆知識いろいろ
古代から人々の生活や文化に密接に関係してきた瓢箪には、様々なエピソードもあります。最後に知っているとちょっと楽しい、瓢箪の豆知識についてご紹介しましょう。
秀吉の千成瓢箪
戦国時代の武将、豊臣秀吉は馬印(大将の目印)に金色の瓢箪を用いていました。それにはこのような逸話があります。
織田信長に仕えていた木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)は、1567年8月、美濃の斎藤攻めにおいて、稲葉山城への奇襲を命じられました。藤吉郎は蜂須賀小六を始めとした、たった7名を従えて城に侵入、見事に火を放つことに成功しました。
その際に藤吉郎は腰から下げていた瓢箪を槍につけてかざし、大声で勝鬨をあげて織田信長のいる本営に合図を送りました。それ以降瓢箪は彼の馬印となり、勝利をおさめるごとに瓢箪の数は増えていきました。それが「秀吉の千成瓢箪」です。
中国文化と瓢箪
中国の伝説にも、瓢箪を携える人(神仙含む)が多く登場しています。八仙の一人である李鉄拐(りてっかい)の暗八仙(八仙がそれぞれ持つシンボル)は瓢箪とされ、それを小脇に抱えた絵が残されています。鉄拐は弟子が母を亡くし、悲しみのあまり自殺をしようとしているときに、その瓢箪から薬を出し、母親を生き返らせたという話があります。
また、「西遊記」に登場する金角・銀角は「紫金紅葫蘆(しきんこうころ)」という瓢箪を持っています。これは呼びかけた相手が返事をすると中に吸い込んで溶かしてしまう瓢箪です。
このように中国でも、瓢箪は霊性を持つものとしてとらえられています。その考えが風水にも結び付いているのかもしれません。
瓢箪の意味まとめ
瓢箪の意味についてお話してきました。その有用性で古代から親しまれてきた瓢箪には、幸運招来や厄除けなど、様々なパワーがあるともされてきました。
縁起物を信じるかどうかは人それぞれですが、身近なものに神や霊の力を見出し、その力を頼りつつ幾多の困難に立ち向かっていったご先祖様の想いは、これからも大切にしてきたいものです。
縁起云々は置いておいても、瓢箪は形が面白くて愛嬌があり、身近にあるとなんだかホッコリした気分になれます。ご自分の好みに合った方法で、瓢箪を生活に取り入れていってはいかがでしょうか。
ご相談・お問い合わせください