【浄土真宗】喪中に神社参拝や飲み会はOK?してはいけないことを解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/6

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浄土真宗は、数ある宗派の中でも「死者への供養が存在しない」という大きな特徴を持つ宗派です。喪や忌についても、他の宗派とは異なる独自の考えを持っています。この記事では、浄土真宗における喪中の過ごし方にスポットを当てて紹介します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/6

目次

喪中とは

喪中とは、「死者へ追悼の意を表し、自らの行動を慎むために行動を律する期間」のことです。対象は故人からみた2親等以内の親族であり、3親等以降の親族は故人との関係の深さによって独自に判断するものとされています。

 

喪中の長さには諸説がありますが、「亡くなった月を含めて、そこから12か月=計13ヶ月」という考え方が一般的です。兄弟姉妹・祖父母など2親等にあたる親族においては、3~6ヶ月程度で喪が明けたと考える場合もあります。

 

喪中で避けるべきとされていること

喪中にあたる期間では、祝い事やパーティなど、派手な行事は避けるべきとされています。中でも、特に避けるべきなのが結婚式です。自分が結婚式を開催することはもちろん、友人や同僚等の式に参加するのもNGです。

 

また、神社への参拝についても避けた方が無難です。神道では死を「穢れ」としていることから、葬儀を神社で行えない事情があります。そのため、喪中期間においても参拝が禁止されているのです。そのほか、正月飾りや旅行も喪中に行うのは好ましくありません。

 

正月飾り

正月飾りは新年の祝いのために家を飾り付けるものです。喪中に正月のお祝いをするのは、避けるべきとされています。同じ理由で、鏡餅を飾る・おせちを食べる・初詣に行くことも控えましょう。

旅行

旅行を含め、いわゆる遊びに関しても、喪中の間は長期間にわたる「バカンス」と呼ばれる旅行は控えたほうが良いでしょう。とは言っても、現代社会において全ての遊びを慎むことは難しく、我慢がストレスになることもあります。

 

付き合い上断りにくい場合や、精神的に疲れが出てしまう場合は、無理せずに多少羽を伸ばすことは問題ありません。大切なことは、「節度を持ってマナーを忘れずに羽を伸ばすこと」です。

神社参拝

一般的には、忌服が明けた喪服期間の間であれば神社に参拝しても良いとされています。ただし、神社によっては忌中ではない喪中期間でも、参拝がNGである場合があります。神社に参拝する際は、事前に神社に問い合わせて参拝しても問題ないか確認しましょう。

浄土真宗とは

浄土真宗は、法然の弟子「親鸞」が開いた仏教のことです。「鎌倉仏教」ともよばれ、阿弥陀仏による万人救済の考えにより、「信心の心をもって往生することで、すぐに成仏できる」という独特の宗教観を持っています。

 

東本願寺・西本願寺の勢力に分かれており、2つを併せると実に「1,200万人以上」という一大勢力となります。

 

また、古くから「肉食」と「妻帯」を認めていた宗教としても有名です。これは、浄土真宗の教えを広めるため、あえて当時のタブーを破ったとされています。その甲斐あってか浄土真宗は日本全土に広がり、現在では日本最大の仏教宗派と言われているのです。

他の宗派との違い

前述したように、浄土真宗の教えの根幹は「信心をもって往生(死去)すれば、即座に成仏できる」というものです。これは、「成仏をするまでに長い期間を要する」という考えを持つ他の仏教宗派とは大きく異なる考え方です。

 

ここでは、浄土真宗と他宗派の宗教観や考え方の違いについてまとめました。

位牌を作らない

浄土真宗では、他宗派で一般的な「位牌」を作りません。これは位牌が仏教に元来あったものではなく、儒教の考えを基にしているためと言われています。浄土真宗では位牌の代わりに、その家系の故人の戒名・俗名・没年月日を記した「過去帳」を仏壇に供えるのが一般的です。

「喪」や「忌」の考え方がない

浄土真宗には、「喪」や「忌」という考え方が存在しません。そのため、他宗派では喪中とされる一周忌にあたるまでの期間も、特に行動を制限する必要がありません。浄土真宗に喪中や忌中がないのは、このような独特の死生観が関係しています。

他宗派と死生観が違う

浄土真宗は、「仏様の力にすがることで救いを求める」としている宗教です。そして、亡くなった場合は現世での行いに関係なく、誰でも極楽浄土に行ける(成仏できる)という死生観を持っています。

 

往生によって仏門の弟子になるとされる他宗派とは、大きく考えが異なっています。また、死後が穢れのない世界とされているため、臨終の際に故人の口に水を含ませる儀式である「末期の水(まつごのみず)」を行うこともありません。

 

このような宗教観・死生観の違いから、喪中や忌中という考えも存在しません。また、死後すぐに仏様になる(霊でいる期間がない)ことから、香典に「御霊前」ではなく「御仏前」を用います。

浄土真宗における喪中の過ごし方

特に喪中や忌中が存在しない浄土真宗ですが、気を付けるべき行動はあるのでしょうか。また、他宗派の人と親交がある場合は、どのような態度で接するべきなのでしょうか。ここでは、浄土真宗における喪中の過ごし方について解説します。

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控えるべきことはない

他の宗教であれば、喪中に派手な振る舞いや慶事への参加をしないほうが良いとされています。しかし、浄土真宗においては喪中にあたる考えが存在しないため、特に控えるべきことはありません。

 

一周忌までの期間に、おめでたい行事へ参加することもタブーとされておらず、長期の旅行についても特に気にすることはないでしょう。

他の宗派への配慮は欠かさない

浄土真宗の門徒が気を付けるべきことは、他の宗教・宗派への配慮を欠かさないことです。喪中の概念がないのは浄土真宗だけであるため、その考えを他宗派に押し付けてはなりません。

 

また、神社への参拝も控えた方がいいかもしれません。浄土真宗の考え方では一周忌前に神社にお参りしても問題ありませんが、神社側が難色を示す可能性はあります。神道の「死は穢れ」という宗教観は、仏教側の宗派に関係ないため、ある程度の配慮は必要です。

正月には喪中はがきにあたる「欠礼はがき」を出す

本来喪中がない浄土真宗においては喪中はがきを出す必要はなく、一周忌までの期間に年賀状を出しても良いとされています。ただし、相手が浄土真宗の宗教観に詳しいとは限りません。

 

宗教上問題はなくても、他の宗派の方からは非常識だと捉えられてしまう可能性があります。浄土真宗の教えを守りつつも一般常識に配慮するためには、年賀欠礼はがきを出すと良いでしょう。

 

「年始のご挨拶を遠慮させてください」という文章で始まり、その理由として「〇〇が往生いたしました」と続け、最後に「明年も変わらずお付き合いをお願いします」等と締めくくります。「明年」としているように、12月中に届くようにするのがポイントです。

浄土真宗の喪中の過ごし方まとめ

今回は、浄土真宗における喪中の過ごし方について解説しました。「死者を弔う」という風習がない浄土真宗においては、喪中という概念そのものが存在しません。とはいえ、他宗派の方々が困惑しないよう、一般的な常識に配慮した行動を取るように心がけましょう。