神社と神宮って何が違うの?どういう関係なの?についてまとめました

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/7

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元朝参りや神社巡りなどで訪れる神社や神宮ですが、どんな違いがあるかご存知ですか?そして、それぞれの神社や神宮にどんなご利益があるのかについてはいかがでしょうか?生活に密着した存在であるにもかかわらず、意外と細かいことについては知られていません。それらについて分かりやすく解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/7

目次

神社とは?

神社とは、神道の神様を祀(まつ)る施設の総称です。現在、日本には約8万5千の神社があります。そして、「神宮」・「宮」・「大社」などは神社に含まれるので、これらを神社と言っても間違いではありません。

 

では、これから、「神宮」・「宮」・「大社」について何を祭神や信仰の対象にしているのかと、どんなところがあるかについて紹介します。

神宮について

神宮とは、皇室と深いかかわりを持つ特別な神社だけが名乗ることができる神社の社号です。そして、神宮には「皇室の祖先神を祭神とする神社」・「歴代の天皇を祭神とする神社」・「皇室と縁の深い神器や神を祭神とする神社」とに分けられます。所在する都道府県と社号、祭神の順に記載します。

 

また、「神宮」とだけ言えば「伊勢神宮」のことを指します。「伊勢大廟」「大神宮」とも言います。また、数ある神社の中でも神宮は全国に24社しかありません。

皇室の祖先神を祭神とする神宮

三重県・「伊勢神宮」・天照大御神(あまてらすおおみかみ)・豊受大神(とようけびめ)

 

兵庫県・「伊弉諾(いざなぎ)神宮」・伊弉諾尊・伊弉冉尊(いざなみのみこと)

 

鹿児島県・「霧島神宮」・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)

 

鹿児島県・「鹿児島神宮」・火折尊(ほおりのみこと)

 

宮崎県・「鵜戸(うど)神宮」・うがやふきあえずのみこと

 

福岡県の英彦山(ひこさん)神宮」・天忍穂耳尊(あまのおしひのみこと)

歴代の天皇を祭神としている神宮

奈良県・「橿原(かしはら)神宮」・神武天皇

 

宮崎県・「宮崎神宮」・神武天皇

 

福井県・「気比神宮」・伊奢沙別命(いざさわけのみこと)、仲哀(ちゅうあい)天皇

 

大分県・「宇佐神宮」・応神天皇、神功(じんぐう)皇后

 

滋賀県・「近江神宮」・天智天皇

 

京都府・「白峯神宮」・崇徳(すとく)天皇、淳仁(じゅんにん)天皇

 

京都府・「平安神宮」・桓武天皇、孝明天皇

 

山口県・「赤間神宮」・安徳天皇

 

大阪府・「水無瀬(みなせ)神宮」・後鳥羽天皇、土御門(つちみかど)天皇、順徳天皇

 

奈良県・「吉野神宮」・後醍醐天皇

 

北海道・「北海道神宮」・明治天皇

 

東京都・「明治神宮」・明治天皇

皇室に縁の深い神器や神を祭神としている神宮

愛知県・「熱田(あつた)神宮」・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)

 

奈良県・「石上(いそのかみ)神宮」・布都御魂(ふつのみたま)

 

和歌山県・「國懸(くにかかす)神宮」・日矛鏡(ひぼこのかがみ)

 

和歌山県・「日前(ひのくま)神宮」・日像鏡(ひがたのかがみ)

 

茨城県・「鹿島神宮」・武甕槌神(たけみかづち)

 

千葉県・「香取神宮」・経津主神(ふつぬしのかみ)

宮(ぐう)について

宮とは、皇室の皇子である嫡男(親王)や皇孫を祭神とした神社に与えられる社号です。それらに加えて、社号とは関係なく伝統的に「宮」を名乗る神社も多数存在するのが特徴です。両者をいくつか紹介します。

親王を祭神としている宮

神奈川県・「鎌倉宮」・護良親王(もりよししんのう:後醍醐天皇皇子)

 

静岡県・「井伊谷(いいのや)宮」・宗良親王(むねよししんのう:後醍醐天皇皇子)

その他の歴史上の人物を祭神としている宮

福岡県・「水天宮」・天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ:日本神話最初の神)、安徳天皇、建礼門院徳子(平徳子)、平時子(平清盛の正室で、徳子の母)

 

栃木県・「日光東照宮」・徳川家康

 

京都府・「天満宮」・菅原道真

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大社について

大社とは、祭神と神社名を共有する神社の系列のトップに君臨する神社で、信仰の本源となる社号を持つ神社です。全国展開している企業の本店・支店で例えるなら「本店・本社」に相当するのが大社です。

 

例えば、〇〇春日神社や〇〇諏訪神社の総本山が「春日大社」や「諏訪大社」となります。総本山が「神宮」や「宮」であることもあります。大社もまた神宮と同様、全国で24社しかありません。また、戦前に「大社」を称していたのは「出雲大社(正式にはいずもおおやしろ)」しかありませんでした。

 

所在する都道府県、祭神、功徳(ご利益)の順に記載します。

出雲大社

島根県・大国主大神(おおくにぬしのみこと)・縁結び

熊野大社

島根県・櫛御気野命(くしみけぬのみこと)・縁結び

三嶋大社

静岡県・大山祇命(おおやまつみのみこと)、事代主神(ことしろぬしのかみ)・家門繁栄、商売繁盛

富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)

静岡県・木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめ)・恋愛成就、縁結び、子宝、安産

諏訪大社

長野県・武御名方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀売神(やさかとめのかみ)・勝運、開運、五穀豊穣

気多(けた)大社

石川県・大己貴命(おおなむちのみこと)・良縁、縁結び

南宮大社

岐阜県・金山彦神(かなやまひこのかみ)・金運向上、商売繁盛

多度大社

三重県・天津彦根命(あまつひこねのみこと)・厄除け

多賀大社

滋賀県・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉(いざなみのみこと)・縁結び、延命長寿、厄除け

武部大社

滋賀県・日本武尊(やまとたけるのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)・商売繁盛

日吉大社

滋賀県・大己貴命、大山昨神(おおやまくいのかみ)・方位除け、厄除け、縁結び、家内安全、夫婦和合、商売繁盛、子宝

春日大社

奈良県・春日神・縁結び、夫婦円満、開運招福

龍田大社

奈良県・天御柱命(あめのみはしらのみこと)、国御柱命(くにのみはしらのみこと)・厄除け、五穀豊穣、航海・航空安全、風邪平癒

廣瀬大社

奈良県・若宇加能売命(わかうかめのみこと)・五穀豊穣、水難鎮護、産業興隆、河川交通安全、安産祈願、除災招福、衣食住加護、火防守護

伏見稲荷大社

京都府・稲荷大神(宇迦之御魂大神、佐田彦大神を始めとする5柱の総称)・金運向上、商売繁盛

松尾大社

京都府・大山昨神(おおやまくいのかみ)、中津島姫命(なかつしまひめのみこと)・立身出世、恋愛成就、夫婦円満

梅宮(うめのみや)大社

京都府・大山祇(おおやまつみ)、酒解子神(さけとけこのかみ)、大若子命(おおわくごのみこと)、小若子神(こわくごのかみ)・酒造守護、子宝、安産

住吉大社

大阪府・住吉三神(底筒男命ほか2柱)、神功皇后・体力、智力、福力、財力、寿力向上

大鳥大社

大阪府・日本武尊、大鳥連祖神(おおとりのむらじのおやがみ)・勝負運、仕事運、開運、交通安全

熊野本宮大社

和歌山県・天照大御神、家都御子神(けつみこのかみ)ほか2柱・一願成就

熊野速玉大社

和歌山県・熊野速玉大神、熊野夫須美大神・富貴隆昌、現世安穏、災厄消除、良縁結び、海上安全、病気平癒

熊野那智大社

和歌山県・熊野夫須美大神ほか3柱・所願成就、縁結び

宗像大社

福岡県・田心姫神(たごりひめ)、湍津姫神(たぎつひめ)、市杵島姫神(いちきしまひめ)・恋愛成就、夫婦円満、縁結び、金運向上、才能開花、大願成就、交通安全

高良(こうら)大社

福岡県・高良高垂命(こうらたかたれのみこと)、八幡神(やはたのかみ)、住吉大神(すみよしのおおかみ)・厄除け、延命長寿、福徳円満

神社はすべて神道の神を祀る施設、神宮は皇室に縁がある特別な神社

神宮・宮・大社もすべて「神社」で、それぞれ祭神が異なるのが相違点です。「神宮」は皇室とその先祖、「宮」は天皇の後嗣や歴史上の重要人物、「大社」は余多いる神々の中で特定の神を祭神とし全国至るところにある稲荷神社、八幡神社、諏訪神社などの総本山です。

 

ちなみに、系列内の同名の神社で最も多いのが全国で8000か所近くある「八幡(はちまん・やはた)神社」で、総本山は大分県にある「宇佐神宮」です。祭神は応神天皇・比売神・神功皇后の3柱です。みなさんの近所にある神社はどこの系列なのか調べてみるのも面白いと思います。