コノハナサクヤヒメはどんな神様？神話やご利益について解説！

コノハナサクヤヒメは絶世の美女として、多くの神様から大変愛されていました。その中で太陽の神様として有名な天照大神（アマテラスオオミカミ）の子供、ニニギノミコトは求愛をします。

ニニギノミコトと結婚したコノハナサクヤヒメ。二人は一夜を共にしますが、その後すぐにコノハナサクヤヒメは身ごもります。たった一夜で身ごもったコノハナサクヤヒメの不貞を疑うニニギノミコト。

不貞を疑われたコノハナサクヤヒメは、身ごもった子供が確かにニニギノミコトの子供であることを証明するため、産屋に火を放ってその中で無事3人の子供を産みます。ニニギノミコトは自分の疑いを謝罪し、3人の子供は自分の子供であると認めました。

コノハナサクヤヒメはニニギノミコトのもとに嫁いで夫婦になりました。ですが、実は事の時、コノハナサクヤヒメの姉にあたるイワナガヒメも一緒にニニギノミコトのもとに嫁いでいました。

しかし、絶世の美女とは対照的に見るものを恐れさせるような醜い容姿をしていたイワナガヒメ。その容姿に耐え切れず、ニニギノミコトはイワナガヒメだけ父親のもとへ送り返してしまいました。

実は、イワナガヒメには長寿の力がありました。もしニニギノミコトがイワナガヒメも妻として迎え入れていれば、ニニギノミコトだけではなく、人間も永遠の命を手に入れることができました。ですが、送り返してしまったため、それは叶いませんでした。

コノハナサクヤヒメは、火の災難除けの神様として知られています。理由は、炎の中で3人の子供を出産したからです。

ニニギノミコトに不貞を疑われたコノハナサクヤヒメは、それが誤解であることを示すため、自ら産屋に火を放ち、その中で出産しました。その時に生まれた3人の子供はもちろん、コノハナサクヤヒメも無傷でやけど一つしていなかったと言われています。

炎の中でもわずかなやけどをすることがなかったという伝説から、コノハナサクヤヒメは火の災難から守られていると考えられました。コノハナサクヤヒメに祈願することで、火の災難から守られているご利益を得ることができると信じられるようになったのです。

コノハナサクヤヒメは山の災難除けのご利益もあると考えられています。それは、コノハナサクヤヒメの父親に関係しています。

コノハナサクヤヒメの父親はオオヤマヅミという山の神です。オオヤマヅミは山で起こるさまざまな自然現象を司っています。オオヤマヅミを敬い、奉ることで山での災難から守ってもらえるとされているのです。

オオヤマヅミを父親に持つコノハナサクヤヒメにも、同じご利益があると考えられています。コノハナサクヤヒメが富士山のご神体とされているのも、オオヤマヅミと同じ山の自然現象を司っていると考えられているからです。

絶世の美女として知られているコノハナサクヤヒメ。ですが、実は人間を火や山で起こる災難から守ってくれる神様でもあります。地震などの自然災害が多い昨今、コノハナサクヤヒメに祈願してそのご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。