喪中とは?期間と範囲は?といった 喪中の詳細を徹底解説します!

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

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喪中とは、身内や近親者が亡くなったときに故人をしのんで喪に服す際の期間のことです。この喪中の考え方は、それぞれの宗教や宗派における死生観によって大きく異なります。ここでは、喪中と関連事項について詳細に解説しますので、喪に服す際の情報として利用ください。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

目次

「喪中」とは何かを、「忌中」との違いを含めて紹介

喪中のことをしっかりと理解していただくために、混同されることの多い「忌中」との違いなども含め、ここでは喪中について詳細を紹介します。

喪中とは?喪中と忌服

喪中とは、身内や近親者が亡くなったとき、喪に服す(故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動を慎む)期間のことです。喪中は「死者のことを思い、しのぶ期間」のことであり、悲しみを乗りこえて日常の生活に戻るための期間でもあります。ですから喪に服す人は、喪中の期間に慶事(祝い事・めでたい事)を行うことや慶事への参加は辞退するのが一般的です。

 

喪に服す期間のことを「喪中」というのに対し、身内や近親者が亡くなった場合に、一定の期間、喪に服すことを「忌服(きふく)」といいます。この忌服においては、人が亡くなってから49日までの期間を「忌中」といい、1周忌までを「喪中」ということから、喪中は「忌服期間」のことでもあるのです。

喪中と忌中の違いとは?

「喪中(もちゅう)」も「忌中(きちゅう)」も、肉親や親戚がなくなった際の喪に服す期間のことですが、この「喪に服す期間」に関してだけ明らかな違いがあります。この違いをざっくりと言えば、「忌中は人が亡くなってから49日まで、喪中は人が亡くなってからおよそ1年間」です。

 

喪中で喪に服す期間は法律などではっきりと決まっているわけではなく、「故人との続柄」によって大まかな長さが慣習として決まっています。具体的には「最長で1年間つまり一周忌法要」をもって喪が明けるのが一般的です。一方、忌中については仏教と神道とで違いがあり、仏教の場合は四十九日法要をもって「忌明け」で神道の場合は故人との関係によって最長50日で「忌明け」とされています。なお、ここに紹介した期間はあくまで目安でしかなく、実際の期間は喪に服す人それぞれの考え方や地域の慣習などによっても違いが発生するものです。

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喪中の期間と範囲

喪中に関して多くの人が疑問を持っているのが、喪に服す期間はどの程度なのか?故人が誰の場合に喪に服すのか?です。ここでは、その疑問を解決するための情報を提供します。

喪中の期間

喪中は「喪に服す」期間のことで、「忌服期間」ともいいます。

忌服期間でいう「忌」とは、人が亡くなってから忌中という喪に服する期間です。この忌の期間が明けることを「忌明け」といい、忌中として喪に服す期間の終了です。一方、服とは、喪中として喪に服す期間を指します。喪中は忌中と同じように人が亡くなった時点ではじまり、一般的には約13カ月で終了です。

 

喪中の期間については、かつては忌服期間として法律で定められていました。しかし、その法律が昭和22年に廃止されて以降、忌服期間を定めた法律は制定されていません。現在は、昭和22年に廃止されたこの法律に定めを目安にした期間が、いまだに、一般的な喪中の期間とされているだけです。したがって、喪中の期間のことなど無視しても、法的には何の問題もありません。

 

現在、一般的な目安とされている喪中の期間は故人との続柄によって異なりますが「最短3カ月・最長13カ月」で、下記のような故人との続柄による期間で喪に服します。

・配偶者、父母:12~13カ月

・子供    :3~12カ月

・兄弟姉妹  :3~6カ月

・祖父母   :3~6カ月

なお、喪中に近親者が亡くなった場合の期間については、新たに亡くなった人の喪が明けるまでです。このように忌服が重なることを「重忌服」といいます。

法令で定められていた喪中の期間

わが国で喪中に関することが法律に定められたのは奈良時代のことで、具体的には「養老律令」に見られます。

江戸時代になると、「服忌令(ぶっきりょう)」という法律に喪中の規定が明記されました。この服忌令によれば、喪中の期間は、亡くなった月も含める数え月で最長13カ月と規定されています。

 

明治7年の太政官布告による服忌令にも、忌服期間は13カ月との定めがあります。とはいえ、これは夫が亡くなった場合に妻が喪に服す期間であり、妻が亡くなった場合に夫が喪に服す期間は3カ月といった男尊女卑の社会的風潮が強いものでした

この偏向的な制度内容であった太政官布告は昭和22年に撤廃され、その後は新たな立法が行われなかったことから、現在は服喪(喪中)期間を定めた法律はありません。

 

このように喪中の期間に関する法律はありませんが、太政官布告で定められた喪中の期間が昭和22年まで運用されてきたことから、その定めが目安になっているのが現在の状況です。

喪中の範囲

家族や親族が亡くなったときに喪に服して故人をしのぶ期間が喪中ですが、その期間は故人との続柄、どれだけ近しい血縁関係だったかによって異なります。一般に「2親等まで」の家族や親族が亡くなったときに喪に服すといわれていますが、喪中の範囲は人によって異なるのです。つまり、3親等であっても普段から交流の機会が多く近しい関係性の故人の場合は、その故人の死を悼んで喪に服すことがあります。しかし2親等であっても絶縁関係やほとんど見ず知らずといった故人の場合は、喪に服さないことがあるのです。

 

喪中の範囲である2親等までの家族や親族とは、次のとおりです。

・0親等:配偶者(配偶者には親等がありませんが、喪中の範囲です)

・1親等:父母、配偶者の父母、子ども(何人目かに関わらず)

・2親等:兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、祖父母、孫 

    (配偶者の)兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者・祖父母

なお、3親等の親族とは「(自分の)曾祖父母・伯叔父母・伯叔父母の配偶者・甥・姪」「(配偶者の)曾祖父母・伯叔父母・伯叔父母の配偶者」です。

宗教・宗派による喪中について

わが国の喪に服す喪中についての考え方は、「神道」の死生観(生きることと死ぬことに対する考え方)にもとづくものといわれています。ここでは、いくつかの宗教や宗派による喪中についての考え方を紹介しておきましょう

浄土真宗(仏教)

浄土真宗には、忌服といった考え方がありません。浄土真宗は、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで阿弥陀如来に救いを求める教えです。ですから人がどのような人生を送ったとしても、亡くなると誰でもが阿弥陀如来の力で極楽浄土に行けると信じられている宗派といえます。

したがって浄土真宗の教えや死生観には忌服といった概念そのものがありませんし、故人の冥福を祈る喪中などあり得ないことなのです。

 

浄土真宗以外の宗派では、喪中の間は、めでたいことや派手なことを避けるべきとされています。しかし浄土真宗においては「喪中はない」のですから、めでたいことを避ける理由がありません。このことから、浄土真宗では故人の一周忌が過ぎるまでの期間、つまり喪中であっても、結婚式などのめでたいことや派手なことへ参加しても特に問題ではないのです。

キリスト教

キリスト教のカトリックでは、神道の「霊祭」にあたる法要として、「追悼ミサ」があります。教会に親族や知人友人を招いて故人の死後3日目、7日目、30日目に行うのです。さらに、1年後の命日(召天記念日)にも追悼ミサを行います。なお、同様なものとしてプロテスタントで行われるのは、「記念式」です。

 

こうした法要と呼べるものは行われますが、喪中などといったものは存在しません。キリスト教では、死を「神様の元に召された」と捉え、悲しくつらいことではなく喜ばしいことなのです。こうしたことから、故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動を慎むことで喪に服す、といったことは行われません。

ヒンドゥー教

インドでも、喪に服す期間はありません。とはいえ、葬儀が13日間にわたって行われることから、その間が喪に服す忌中と考えることができるようです。ヒンドゥー教ではこの13日間を、わが国と同じように派手な服装や生活をつつしみ、質素な服でつつましく生活します。

 

なお13日間の葬儀とは、次のような流れで行われます。

「死亡当日に国が運営する火葬場で遺体を火葬(女性が火葬に参加することは厳禁)」

「4日後、遺骨を拾いに行く(遺骨が熱いので、牛乳と水をまぜたものをかけて冷す)」

「遺骨を故人の名前と住所の入った専用の袋に入れ、13日後まで火葬場に安置」

「13日後、斎場か遺族の家で葬式(男性は白い服のクルタ、女性はサリーを着用)」

「葬式が終わった後、ガンジス川へ行き遺骨を流す」

イスラム教

イスラム教には、喪に服す習慣があります。女性は4カ月と10日間、故人親族の男性は3日間の喪に服すことが義務づけられており、娯楽も慎むことが必要です。女性は、喪中は地味な服装で静かに過ごさなければなりません。

 

男性の3日間の喪に服す期間中には、死後2日目か3日目に故人の親戚、友人、隣人などが集まり、イマーム(指導者:アラビア語)を招いて全章でコーランを読む供養を行います。また10日目、20日目、40日目、1年目および毎年の命日には、親戚や友人などでコーランを読むコカンカーニーが行われるのです。こうした1年がたって初めて、故人は祖先の列の中に加えられます。なお、男性が喪に服す3日の間は葬式を出した家には炊事をさせないで、親類や近所の人たちが食事を作って持ち寄るのが一般的です。

喪中の心得と喪中はがきについて知っておきたいこと。

法的な強制力はありませんが。喪中の期間の際には慣習やマナーとして「喪中に控えるべきこと」と「しても問題ないこと」があります。また、喪中のマナーとして知っておきたいことの1つが、喪中はがきのことです。これらについて、列挙して紹介しておきましょう。

「喪中に控えるべきこと」と「喪中にしても問題ないこと」

まずは、特に浄土真宗以外の宗派ではしっかりと知っておきたい喪中に「控えるべきこと」と「しても問題ないこと」についてです。

 

「喪中に控えるべきこと」

喪に服している期間は、お祝い事や式典といった晴れがましい催しへの参加、派手な遊興は避けるべきとされています。近年は、厳しく制限しない傾向もありますが、基本的に避けるべきことを挙げてみましょう。

・正月のお祝い(年賀状の送付、忌中の神社への初詣、お年玉をあげる)

・結婚式をはじめとする慶事への参加

・旅行やレジャーなど

・神社への参拝や祭事への参加

・神棚に触れる(忌中の間のみ)

・年越しと喪中が重なったときは年賀状を控える

・お祝い事の宴席

 

「喪中にしても問題ないこと」

・寺院への参拝(仏教では死をけがれではないので、寺院への参拝は忌中でも可能)

・葬儀への参列(故通夜、葬式、法要)

・ゴルフ、スポーツ観戦、コンサートなど個人的な趣味を行うこと

・仕事の都合で避けるのが難しい場合や友人、知人同士の気軽な飲み会

・節分の豆まき

・中元、歳暮を送る

・暑中見舞い、寒中見舞い

・喪中や忌中にすべきこと(香典返しや喪中はがきを出す 四十九日法要を行う)

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喪中はがきについて

喪中に年賀状を控えることは当たり前のように行われている習慣・風習ですが、この喪中はがきに関連して注意しておきたいことを紹介します。

喪中はがきとは

喪中には年賀状のやり取りを控える必要があります。そこで、喪に服している期間中に新年がめぐってくる場合、年賀状での年始のあいさつを差し控える旨を伝えるために出すあいさつ状です。喪中のため年賀状を控える旨をお知らせするのです。

故人が誰の場合か

喪中はがきは、1年以内に2親等内の親族が亡くなった場合に送る

  1親等の故人とは両親、配偶者、子ども

  2親等の故人とは兄弟姉妹、祖父母、孫

喪中はがきを送る相手とタイミング

喪中はがきは、毎年のように年賀状をやり取りしている人・お世話になった人です。喪中であることを知っている人に対しても、新年のあいさつを失礼することをわびる意味で喪中はがきを送るべきです。

なお、喪中はがきを送るタイミングは、相手との行き違いを防ぐため、11月から12月上旬には届くように送ります。

喪中はがきの書き方

次の4点に注意してください。

  「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は不要で、文章内で句読点は使用しません。

  おめでたい言葉(「年賀」「お慶び」など)の使用を避ける。

  故人の氏名、亡くなった日付(時期)、年齢、差出人からの続柄を明記

  年賀欠礼だけを伝え、近況報告をしたい場合は寒中見舞いはがきを出す。

喪中に関する法律は廃止されましたが、今でも慣習として残っています!

喪中に関する法律は昭和22年に撤廃されましたが、法律に定められていたた事項は現在でも慣習として引き継がれています。なお仏教では、死生観の違いから、唯一浄土真宗だけが喪に服すといったことについては受け入れていません。