葬儀後に戸籍全部事項証明書が必要になるのは?理由や取得方法を解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/8

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葬儀が終われば、相続で戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が必要になることはご存知でしょうか。故人との関係を証明するために銀行口座や不動産などの名義変更、生命保険金の受け取りなど相続にも深く関係していきます。戸籍全部事項証明書の意味から取得方法について説明します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/8

目次

戸籍全部事項証明書とは

戸籍全部事項証明書とは、昔でいう戸籍謄本と同じ意味で、戸籍に含まれている全員分の戸籍が記載されている証明書です。日本人が生まれてから死ぬまでの身分を登録し、証明することができます。

 

戸籍の単位は、1組の夫婦に対して同じ氏の未婚の子までが同じ戸籍単位です。戸籍は本籍地の市区町村役場に保管されています。よって本籍の場所は現住所と必ずしも一致しません。

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)と戸籍個別事項証明書(戸籍抄本)の違いって何?

戸籍全部事項証明書は戸籍をデータ化した証明書です。紙ベースで管理していた戸籍謄本と同じであり、その内容がデータ化された証明書です。

 

戸籍の証明書は、戸籍に記載されている全員分の戸籍証明である「戸籍全部事項証明書」(戸籍謄本)と、一部の人だけの証明ができる「戸籍個人事項証明書」(戸籍抄本)があります。

戸籍全部事項証明書は故人の名義変更や相続手続で必要になる

親族が亡くなった場合、故人名義の所有物の名義変更や相続手続などで、戸籍全部事項証明書で故人との関係性を証明する必要があります。主に亡くなった場合に戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が必要になるのは以下です。 

 

  • 遺族厚生年金の申請
  • 銀行預金などの名義変更
  • 不動産、自動車、銀行口座、証券口座の名義変更
  • 自動車や不動産などの資産の名義変更
  • 相続税の申請

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)の取得の流れ

故人が亡くなったことを証明する全部事項証明書(戸籍謄本)を取得するには、まず死亡届を出す必要があります。ここでは取得までの流れを説明します。

病院から死亡診断書(死体検案書)を受け取る

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を取得するときに「死亡届」が必要になります。死亡届はA3サイズで右側半分には、死亡診断書(死体検案書)を記入することになっています。病院で病死した場合は、医師に「死亡診断書」として記入してもらいます。

 

「死体検案書」は事故などで死亡した場合に、死体を検案した医師のみが書くことができます。どちらも死亡を証明する書類として有効です。

死亡届を提出する

死亡届の提出先は故人の本籍地、または故人の居住していた市区町村の役場です。届出の期限は、国内で死亡した場合は、7日以内となっています。海外で死亡した場合は3ヶ月以内です。

 

届出人として記載できるのは、親族や同居者、地主、後見人です。また死亡届は24時間受付している役場が多く、役場に持っていく人は葬儀社のスタッフでも問題はありません。

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火葬許可書も受け取る

死亡届を提出すると、火葬許可証が交付されるので受け取りましょう。火葬許可書は、遺体を火葬したら、墓地に埋葬する上で必要になる書類です。こちらも葬儀社が代行をしてくれます。

 

また、「火葬許可書」とあれば、お骨を埋葬するために別途、許可が必要があると勘違いする方もいますが、この「火葬許可書」があれば、埋葬も可能になります。また、土葬についても一部地域では認められており「埋火葬許証」となる自治体もあります。

郵送で戸籍全部事項証明書を取り寄せる方法

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を郵送で取り寄せる場合は、本籍地がある市区町村に請求します。故人の本籍地の確認する方法は、火葬許可書や住民票の除票で確認可能です。本籍地の市区町村が判明すれば、以下の物が必要です。

 

  • 市区町村の戸籍交付申請書(インターネットでダウンロード可能な場合が多い)
  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険書、マナンバーカードなど)
  • 手数料分の定額小為替(郵便局で購入可能)
  • 返信用封筒(封筒には切手を貼付。請求者の現住所が必要)

 

発行にかかる手数料は、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が450円/通、除籍謄本が750円/通、改製原戸籍謄本:750円/通です。

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)に死亡が反映されるまでの期間

死亡届を役所に提出すると別途窓口で手続しなくてとも、自動的に反映されます。ただし、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)に死亡が記載や住民票が抹消されるまで、市区町村によって変わりますが、約1週間かかる所が多いようです。

 

また、提出した市区町村が本籍地と別の場合は、書類のやり取りで約2週間はかかります。

戸籍全部事項証明(戸籍謄本)が必要な数は?

故人が亡くなると、銀行口座や土地、建物、自動車など名義変更を行うに際して、戸籍全部事項証明書の提出が必要になります。

 

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)は、返却を希望すると戻ってくるため、一式で問題ありません。ただし、返却まで時間がかかるため、複数用意することで早急な手続ができますが、発行に費用が掛かります。

 

そこで、法務局が発行する「法定相続情報証明制度」を使うことで、一度で済ませることができます。不動産の相続登記や銀行・証券口座の名義変更、死亡保険金の請求などに使えます。

葬儀が終わると相続の手続があることを覚えておきましょう

この記事では、亡くなった場合に必要になる戸籍全部事項証明書について、その意味から取得方法など詳しく説明しました。故人の葬儀が終わり落ち着いたかと思えば、すぐに相続という問題に直面しないといけません。

 

死亡届を出して戸籍にも亡くなったことが反映され、その後、戸籍全部事項証明書を用いて、故人の資産などの名義変更を行う流れを理解していると、手続きがスムーズに行うことができるでしょう。