危篤の連絡を受けた時の対応についてまとめました
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
大切な方が危篤状態と連絡を受け取ることがああると思います。しかし、現実を受け取ることができず混乱してしまう方も多いのではないでしょうか?それでも現実を受け止め決断して行動いかなければなりません。今回は、危篤状態の連絡を受けた後の対応を詳しく解説します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
そもそも危篤状態とは
危篤とは、病状などが重く、命に危険がある状態です。その言葉だけ聞くと、もうダメなのかもしれないと思いがちですが、一口に危篤といっても、その状況はさまざまです。
長期間、病院に入院していて様態が変わったということもあれば、突然の事故などで危篤状態に陥るということもあります。それぞれの状況によって、家族の心構えや心境も異なります。また本人とのかかわりの深さによっても、その受け取り方は変わるでしょう。
危篤状態は助かるの?
危篤状態は、実際のところ、それぞれで状態が違うので必ず助からないというわけではありません。数日から一週間といった時間があることもあれば、危篤状態から回復することもあります。
医師から危篤を告げられても回復し、その後何年も普通に生活を送ることもあります。危篤状態から回復する可能性がどのくらいあるかは誰にもわかりません。ただし、危篤状態とは「いつ亡くなってもおかしくない」状態でもあります。
そのため、回復の可能性は誰にもわからないものであることは間違いありません。もちろん、希望を持ち続けることは大切ですが、貴重な時間を有意義に過ごすためにも、もしもの時に備えて、行動することが求められます。
心構え
危篤状態の心構えとして必要なのは、一言でいえば「覚悟」と「希望」です。医師から対応や決断を迫られることも多々あります。冷静な判断や行動ができるよう、心構えは大切です。
もちろん、最後の別れとなる可能性が高いことは否めませんが、受け入れる覚悟も必要です。そんな状況ではありますが、気を確かに持って回復を願ってください。これが危篤状態の際の心構えです。
危篤状態の連絡を受けたときの対応
家族が危篤になったとき、このとき、まずは落ち着くことが大切です。危篤になった家族のもとに向かおうと慌てた結果、階段を落ちて怪我をしまった例もあります。
また、車で急いで病院に行こうとスピードを上げたために事故を起こしてしまったケースも存在します。まずは落ち着きを取り戻した上で、するべきことを行ってください。
危篤状態の連絡を受けたら
危篤状態の連絡を受けたら、まず落ちつくことが大切であると説明してきました。その後には、これから解説する近親者への連絡、職場へ連絡、宗教者へ連絡をしていきましょう。そして、危篤の連絡で注意したいことにも触れていきます。
近親者への連絡
ご自身が病院へ急ぐことに加えもう一つ、身近な人への連絡も必要です。一般的に、危篤を知らせる人の範囲としては、“同居の家族”、“三親等以内の親族”、“親しい友人、知人”などと言われています。
しかし、危篤のときに優先して連絡すべきなのは、「最期に立ち会ってほしい人」です。戸籍上の近さよりも、実際の関係性における付き合いの深さを考慮し、本人が最期を看取ってもらいたいと思うであろう人、あなたが看取りに立ち会ってもらいたい人に、連絡を入れましょう。
気をつけてほしいのは、あまり人数が多くなると、病院や他の患者さんに迷惑がかかってしまうことです。ですので、最低限の人選とされることをおすすめします。
職場へ連絡
職場への連絡はなるべく早い段階で連絡することです。なぜなら、危篤状態になったからといって、必ずしもすぐに臨終を迎えるわけではないからです。数日から数週間、危篤状態が続くこともあります。
もし、こういった長期間になってしまう場合には、人員不足などで業務にも影響が出てしまいます。
そのため、数日にわたって仕事を休む場合には、定期的に連絡を取りながら、状況を伝えて相談します。その際、危篤者の状態や医者の意見を前もって把握しておき、説明できるようにしておきましょう。
宗教者へ連絡
もしもの時に備えて、宗教者への連絡をすることもあります。菩提寺など関係のある寺院の連絡先を確認しておきましょう。可能であれば、あらかじめ状況を伝えておくことで、もしもの時には迅速に対応していただけます。特に菩提寺が遠方にある場合などは早めに連絡するとよいでしょう。
また、キリスト教の場合、危篤状態に陥ったら、まだ生命があるうちに司祭(神父)や牧師に連絡をして臨終に立ち会ってもらうこともあります。
カトリックの場合、臨終の祈りなどが司祭(神父)によって行われます。またプロテスタントの場合、本人の希望があれば、 聖餐式(せいさんしき)を行うこともあります。
危篤の連絡で注意したいこと
危篤状態の連絡で注意したいことは、電話で連絡することです。電話で連絡するのは、確実に用件を伝えるためです。メールやSNSではいつ読まれるのかわかりませんし、事の重大性が伝わらない可能性もあります。
病院での対応に追われ大変な状況ではありますが、メッセージを残しつつ、電話もかけると丁寧です。もちろん、連絡を親せきなどほかの方に依頼することもあります。また、電話を使うのは相手のショックを和らげる狙いもあります。
メールなどの文字で伝えると突然のことに相手がショックを受ける可能性があります。その点電話であれば、相手の様子を伺いながら「落ち着いて聞いてください」「大事な話なのでよく聞いてください」などと前置きすることで相手のショックをある程度和らげる効果も期待できます。
危篤の連絡事項
危篤時の連絡メモを準備しておくと焦った気持ちを落ちつかせてくれます。なぜなら、気が動転していると、自分の連絡先や電話番号などを誤って伝えてしまうこともあるからです。
そのため、伝える項目が多い危篤時の連絡を、次のような連絡メモを作っておきましょう。準備しておけば、必要な連絡事項をきちんと伝えることができます。
危篤者の名前、病名と現在の状態、危篤になった日時、危篤者がいる場所、病院なら病院名、入院中の診療科名、部屋番号、住所、電話番号、最寄り駅など、面会可能な時間、自分の連絡先、自宅電話番号、携帯電話番号などです。この辺りを、もしもの時のためにメモしておきタスク化しておきましょう。
危篤の連絡の例
危篤の知らせでは、まず自分の名前を名乗ります。そのあと、危篤になった人の名前を伝えて、病院名や病室の番号、最寄り駅からの道順などを伝えます。
緊急のことなので時間は問いません。目安として朝9時前なら「朝早くから申し訳ございません」、夜10時以降なら「夜分遅くに失礼いたします」などのお詫びの言葉を添えましょう。
(例)○○の息子の■■と申します。実は入院中の父が危篤になりました。息のあるうちにひと目会ってやっていただけないでしょうか?
臨終を迎えた後のすること
治療を尽しても、残念ながら手当ての甲斐なく亡くなってしまったとします。この瞬間から危篤者は故人に、親族は遺族へと変わります。
臨終の後は葬儀の手はずを整えることになりますが、それまでに行うこともさまざまあります。ここからは、臨終後に行うべき一般的なことを紹介していきます。
末期の水(死に水)
医師から臨終を告げられた後、早めに行うのが「末期の水」です。「死に水を取る」とも言われます。用意するものは新品の割り箸の先に白い糸で脱脂綿を巻き付けたものと、茶碗に入れた水です。
末期の水(死に水)のやり方としては、故人と血縁が近い人から順番に、脱脂綿を水に浸して、その水で故人の唇を湿らせていきます。これが末期の水という儀式です。末期の水はタイミングが異なります。
死亡後すぐ病院で行う場合と、遺体を自宅や葬儀場に安置してから行う場合です。地方の風習や依頼した葬儀業者の手順などでタイミングは変わります。また、近年では故人の唇を濡らすのではなく、故人の枕元に水の入った容器を置いて末期の水の代わりにするケースも見られます。
エンゼルケア
エンゼルケアは清拭(せいしき)からはじまります。遺体をアルコールで拭きます。ここについては、看護師が病院で行うことが多いです。そして、遺体の鼻・口・耳に脱脂綿を詰めます。傷の手当も行います。これは、治療でできた傷や医療器具の痕跡を目立たなくすることができます。死装束に着替えさせます。
ひげ剃りは、遺体のひげを剃ります。故人が男性の場合に多いです。化粧は、遺体に死化粧を施します。故人が女性の場合だけでなく、男性の場合にも施すことがあります。洗髪・整髪は、故人の髪をドライシャンプーなどできれいにし、整えます。
清拭以外は遺体を病院から搬出して安置した後、葬儀社の担当者とともに行うことが多いようです。具体的な作法や進行は、地域や宗旨宗派によっても違いがあるのでご注意ください。その費用や内容など詳細は各葬儀社に確認しましょう。
葬儀社への連絡
葬儀をするために、臨終後できるだけ早く葬儀社に連絡します。病院によっては、逝去後、すぐに病院を出るよう、求められることもあります。既に決めている葬儀社がある場合はその会社へ連絡すれば問題ありませんが、特に決めていない場合、葬儀社の選択から始めることになります。
医療機関から葬儀社を紹介されることがありますが、医療機関と提携している葬儀社は病院が紹介する分の仲介手数料が葬儀代金に上乗せされる関係で、料金が割高になる傾向もあります。
また、インターネットで葬儀社を紹介するサービスを行っているサイトもありますので、上手に活用しましょう。
訃報の連絡
危篤者が臨終を迎えたら、できるだけ早いタイミングで親戚縁者や友人知人、職場などに訃報を伝えます。ただし、この段階で通夜や葬儀・告別式の日程が決まっていない場合には、混乱を避けるためにも第一報の連絡をする範囲をある程度絞りましょう。
菩提寺など宗教者にはなるべく早い段階で連絡し、都合を聞いた上で葬儀の日程を決めていきます。事前に訃報を連絡する先のリストを作っておくと便利ですが、作っていない場合は危篤のときと同じ要領で親類縁者に連絡しましょう。
連絡する相手は、通夜や葬儀に参加して頂きたい人です。連絡手段は電話で行うのが良いですが、繋がらない場合はメールなどで訃報を伝えても大丈夫です。職場への連絡も必ず行います。なぜなら、臨終から葬儀まで、そしてその後喪に服すためにお休みが必要だからです。その間を忌引き休暇扱いにしてもらうために連絡は必須です。
もしもの時のために備えておく
危篤状態は、状況として焦ります。しかし、冷静に決断していかなければならないのも事実です。そのため、情報を把握しておき適切な決断をしておく準備しておく必要があります。
それに、危篤状態ですと、いつどのような結果になるのかは誰にもわからないので、家族のストレスは大変大きくなります。
危篤状態からの回復を待っている間は親族への連絡などをしつつ、万が一のときに備えてられるようにしておきましょう。
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