エンバーミング【ご遺体の消毒・防腐・修復・化粧】を詳しく解説

公開日 : 2020/3/18

更新日 : 2020/9/10

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ご遺体を衛生的に保ち、生前の様な姿で保全するエンバーミングという施術をご存知ですか?ここでは、このエンバーミングという遺体保全方法について・歴史・費用・工程など解説いたします。また、エンバーミングのメリット・デメリットなども合わせて解説しますのでご覧ください。

公開日 : 2020/3/18

更新日 : 2020/9/10

目次

ご遺体の保全方法【エンバーミング】の詳細を解説

亡くなった方の保全は、従来ならドライアイスや防腐パウダーを使用した保全が一般的ですが、これらの処置では保全期間が短く、何らかの事情で葬儀まで時間を要する場合の保全には十分ではありません。

 

その様な事情がある場合、エンバーミング処置を施すことで、ご遺体の保全期間を大幅に長期化し、かつ衛生的に保全する事が可能になります。ここでは、あまり一般的ではないご遺体の保全方法、エンバーミングについて解説いたします。

エンバーミングの歴史

ご遺体を生前の姿そのままに保存し、きれいな姿で葬儀を迎えたいという思いから、エンバーミングが行われる様になったのは、古代エジプトを起源に数千年前からと言われています。

 

それから時を経てアメリカ南北戦争において、戦死者をきれいな姿で故郷に帰して弔ってあげたいという思いから、エンバーミングの技術は飛躍的に向上します。

 

一方で日本では1988年に導入され、年々利用者が増加していますが、まだまだ実地数は少ない状態です。近年では、施術場所となるエンバーミングセンターの数も増え、葬儀業者の中には葬儀プランへ組み込む業者も増えてまいりましたが、十分に普及された状態とは言い難いのが現状です。

エンバーミングの目的

エンバーミングはご遺体を防腐処置することにより、衛生的に長期間にわたって保存する事を目的として行われます。

 

ご遺体を防腐処置することにより、時間経過による腐敗を防ぎ、かつ伝染病の発生を抑える事で、遺族やご近所の方が安心してご遺体のお世話ができるようになります。

 

また、大規模災害などで発見が遅れたご遺体をできるだけ生前の姿に近づけ、きちんと遺族が故人を見送るできるような処置を施すことができます。

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エンバーミングの手順

エンバーミングは専門の技術者「エンバーマー」の手により施術が施されます。このエンバーマーは医学資格を保有した医療従事者で、以下の手順でエンバーミングが行われます。

 

  • ご遺体の消毒及び洗浄作業
  • ご遺体の髭剃り及び顔の表情を自然な表情に戻す作業
  • ご遺体の一部を切開し動脈内に防腐剤を注入する
  • 動脈から体液を抜く
  • 腹部から体内に残った体液及び残存物を摘出する
  • 体の表面の傷と切開部分の修復を行う
  • 全身を洗浄し着衣を着せ顔の表情を整え施術終了

エンバーミングの料金

日本におけるエンバーミング料金は、遺体の損傷状態によっても変動しますが、おおよそ15万円~25万円程度が相場と言われています。

エンバーミングのメリット・デメリットを解説

ここでは、私たちにそれ程馴染みのないエンバーミングという施術を行うことでどのようなメリット・デメリットがあるのかを遺族目線から解説します。

エンバーミングのメリット

上記でも触れたように、エンバーミングを行うことでご遺体の体液が抜き取られるため、感染症や伝染病でお亡くなりになった場合も、ご遺体を衛生的に保つことができます。これにより遺族はご遺体に直接触れる事ができ、十分な最後の別れが可能です。

 

また、長く病気を患った方、事故で体に傷を負ってしまった方でも、生前の様に生気がある状態に近づける事が可能です。ご遺体は血色が甦り、まるで眠っているような状態に近づきます。これにより遺族は闘病時の辛さ、事故の凄惨さを思い出すことなく、故人を送り出すことができます。

 

高温多湿な日本の気候では、ご遺体を衛生的に保全するには、どんなに長くても1週間が限度と言われています。一方でエンバーミングでは、3週間ほど衛生的にご遺体を保全することが可能です。

 

ご遺族の事情で、家族全員が集まるまで日数を要する場合、火葬場の都合でどうしても火葬まで時間がかかってしまう場合など、エンバーミングを施すことによりご遺体を安全に保全することができます。

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エンバーミングのデメリット

エンバーミングは決められたエンバーミングセンターで行わなければなりませんが、日本では認知度の低さやから、この施設の数は全国で55箇所と大変少なく、お住いの地域によってはこのセンターが無い場合もあります。

 

また、エンバーミングを施すには高度な衛生管理と腐敗物に対する厳重な対応が求められるため、エンバーミングセンターを設置できる地域は限られているのが現状です。

 

上記解説の通りエンバーミングにかかる費用は15万円~25万円程で、ご遺体の状態によっては、さらに高額になることもあります。

 

この金額は、一般的なご遺体の処置として私たちに馴染み深い、「死に化粧」や「湯灌」と比べると高額です。また、遠方のエンバーミングセンターを利用すると運搬費用が加算されるため、遺族の金銭的負担を増やします。

エンバーミングまとめ

欧米諸国と比較して、日本ではまだまだエンバーミングに関する法律や施設が普及されているとは言い難い現状です。しかし、ご遺体を長期間保全しなければならない状況や、ご遺体のの損傷を修復しできる限り生前の姿に戻してあげたいと思うなら、エンバーミングは最良の方法です。

 

遺族の心情に沿った葬儀様式が一般化していく現状を考えると、エンバーミングもこの先確実に施術数を増やし、拡大していでしょう。