除籍謄本って何?概要と取り方について詳しく解説していきます

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

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除籍謄本は、相続に関する手続きや家系図の作成にあたり、必要になる書類です。日常生活で耳にしない言葉なので、除籍謄本の知識を持つ人は少ないでしょう。いざ必要になった場合に備え、除籍謄本の概要と除籍謄本の取り方を中心に解説していきます。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

目次

除籍謄本について

除籍謄本は、相続に関する手続きや家系図の作成にあたり、必要になる書類です。いざ必要になった場合に備え、まずは除籍謄本の概要を解説していきます。

除籍謄本とは

除籍謄本とは、婚姻や転籍により、誰もいなくなった戸籍謄本のことです。普段、耳にしない言葉ですので、用語を中心に説明していきます。

除籍と転籍

除籍とは、空の戸籍のことです。具体的には、結婚により親の戸籍から除かれる、死亡届の提出により戸籍から除かれる、転籍によって元の戸籍から除かれて新しい戸籍に移るなどの結果、誰もいなくなった戸籍を指します。

転籍とは、本籍を別の場所に移すことです。転籍届を提出すると、戸籍に載っている人全員が新しい戸籍に移ります。転籍前の戸籍には誰もいなくなるため、前述した除籍と呼ばれます。

謄本と抄本

謄本とは、原本どおりに書き写して作られた文書のことです。戸籍謄本や除籍謄本には、戸籍や除籍に載っている全員の情報が書き写されます。

抄本とは、原本の一部を抜き出し、書き写して作られた文書のことです。戸籍抄本や除籍抄本には、戸籍や除籍に載っている一部の人の情報が書き写されます。

戸籍謄本との違い

戸籍謄本と除籍謄本の違いは、その戸籍に誰かが残っているかどうかです。その戸籍に誰か一人でも残っている場合の写しは戸籍謄本、誰一人として残っていない場合の写しは除籍謄本と呼ばれます。

除籍謄本が必要なとき

除籍謄本が必要になるのは、主に相続の手続きを行う場合と家系図の作成を行う場合です。そう簡単に出くわす場面ではないため、なぜ必要なのかについて解説していきます。

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相続の手続き

相続の手続きでは、裁判所や銀行から「除籍謄本」を取得するように言われることがあります。これは、「除籍謄本」が「被相続人の死亡を証明するもの」として必要になるためです。

 

ここで注意したいのですが、除籍謄本は誰もいなくなった戸籍謄本を指します。被相続人が死亡して戸籍から除かれた場合でも、その戸籍に誰か一人でも残っていれば、それは除籍ではなく戸籍のままであり、その写しは戸籍謄本です。

 

つまり、「被相続人の死亡を証明するもの」には、「戸籍謄本」または「除籍謄本」のいずれかが該当します。しかし、相続の手続きでは、まとめて「除籍謄本」と表現されることが多いです。

 

相続の実務において、相続税の確定のために法定相続人を明らかにします。法定相続人を明らかにする上で必要となるのが、「被相続人の出生から死亡までの戸籍」です。これには、前述した戸籍謄本または除籍謄本に加え、「改製原戸籍」が必要となる場合があります。

改製原戸籍とは

改製原戸籍とは、戸籍法の改正や戸籍のコンピュータ化により作り直される前の戸籍のことです。通常、戸籍から除かれる場合はその事実が追記され、除かれた人の情報が抹消されるわけではありません。

 

しかし、戸籍法の改正やコンピュータ化により作り直された後の新しい戸籍では、除かれた人の情報は省略されてしまいます。ちなみに、コンピュータ化のタイミングは市区町村のより異なりますので、注意してください。

 

つまり、現在の戸籍を確認しても、結婚や離婚、転籍や死亡で除かれた人の情報がわからない場合があるということです。法定相続人を明らかにするには、婚姻や死亡の事実を確認しなければなりません。そこで、作り直される前の戸籍である改製原戸籍の謄本を取得します。

除籍謄本に有効期限はある?

除籍謄本自体に有効期限はありません。しかしながら、提出先が有効期限を指定してくる場合があります。ちなみに、誰もいなくなった戸籍は除籍となり、除籍になった翌年から150年間保存されるそうです。

離婚歴の確認はできる?

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を揃えることができれば、正確な離婚歴を確認することが可能です。しかし、後述しますが、除籍謄本などの証明書は取れる人が限られていますので、注意してください。

家系図の作成

相続の他に除籍謄本が必要になるのは、家系図を作成する場合です。現在の戸籍から遡っていくには、戸籍謄本、改製原戸籍、除籍謄本の収集が必要になります。自分自身でも作成できますが、きちんとしたものを作る場合には、専門業者にお願いしましょう。

除籍謄本の取り方

ここまでは、除籍謄本の概要をご紹介してきました。では、実際に除籍謄本を取得したい場合には、どのようにしたらよいのかについて、解説していきます。

除籍謄本の金額

除籍謄本を取るための手数料は、1通750円です。除籍抄本や改製原戸籍謄本、改製原戸籍抄本も同様です。

 

念のため、請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所のホームページにて、ご自身で確認をお願いします。

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除籍謄本を取れる人

除籍謄本を取れる人は、以下の人に限られています。以下に該当することを証明するために、本人確認書類の提出が求められます。

 

1.本人またはその戸籍に記載されている人

2.その人の配偶者

3.その人の父母、祖父祖母

4.その人の子と孫

5.1~4の人から委任され、委任状を持参した第三者

 

念のため、請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所のホームページにて、ご自身で確認をお願いします。

除籍謄本の3つの取り方

ここでは、除籍謄本の取り方についてご紹介していきます。役所の窓口へ行く、郵送で取り寄せる、第三者に依頼するという3つの方法があります。

役所の窓口へ行く

除籍謄本を役所の窓口で請求する場合に、必要な書類は以下のとおりです。なお、これは一例ですので、請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所のホームページにて、ご自身で確認をお願いします。

 

1.窓口にある請求書

(必要な戸籍の本籍と筆頭者を記入する)

2.窓口に来た人の本人確認書類

(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどのうち1点、健康保険証、年金手帳、学生証、社員証などのうち2点)

3.戸籍に記載されている人との親族関係を証明できる戸籍謄本など

 

4.代理人の場合、請求者からの委任状

 

役所の窓口によって待ち時間が異なります。最近は、混雑状況をリアルタイムで教えてくれるサイトもあります。役所のホームページにリンクがあることが多いので、参考にしてください。

郵送で取り寄せる

除籍謄本を郵送で取り寄せる場合に、必要な書類は以下のとおりです。以下の書類をまとめて、請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所へ郵送します。なお、これは一例ですので、請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所のホームページにて、ご自身で確認をお願いします。

 

1.郵送用申請書

(役所のホームページに掲載、便せんに必要事項記載でも可)

2.手数料

(ゆうちょ銀行で手数料分の定額小為替証書を発行し同封する)

3.返信用封筒

(送料は請求者負担なので切手を貼る)

4.請求する人の本人確認、現住所確認ができる書類

(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードの写しなど)

5.代理人の場合は請求者からの委任状

 

請求してから手元に届くまで1週間から10日間ほどかかります。2週間経過しても届かない場合は、役所の担当課に電話で問い合わせましょう。

 

第三者へ依頼する

除籍謄本を取れる人が、委任状を作成して委任すれば、第三者でも代理人として請求することができます。除籍謄本は、相続の手続きにおいて請求することが多いので、有償ですが弁護士、司法書士、行政書士に依頼するのがよいでしょう。

 

なお、委任状があれば、前述した役所の窓口でも、郵送でも代理人が請求できます。

コンビニで取れる?

除籍謄本は、コンビニエンスストアでは取得できません。請求する戸籍の本籍が存在する市区町村の役所へ行くか、郵送で請求しましょう。

除籍謄本のまとめ

この記事では、除籍謄本とは何か、どのようなときに必要なのか、除籍謄本の取り方について、ご説明してきました。

 

ひとつひとつの言葉のニュアンスが難しいですが、取得する目的が説明でき、請求先さえわかれば問題ないので、安心してください。

 

やっぱりよくわからなくて不安という人は、有償ですが、弁護士、司法書士、行政書士に依頼してもよいでしょう。