死後の世界の三途の川って何?海外に伝わる三途の川と合わせて解説!

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

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死後の世界で必ず語られる三途の川。そもそも三途の川とはどういう場所なのでしょう。実は三途の川は日本だけではなく、海外にもあることがわかりました。三途の川の伝承や渡り方、三途の川にいると言われる2人の鬼についても解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

目次

三途の川の伝承

実は三途の川という考え方には、元になった書物が2種類あります。そこに三途の川と考えられる記述があり、日本に定着しました。 また、三途の川には六文銭や賽の河原といった伝承も残っています。これらについても合わせて解説します。

三途の川の起源は「金光明経」

三途の川の起源は「金光明経」と言われています。「金光明経」とは、4世紀頃に書かれた経典です。日本では、法華経や仁王経と合わせて「護国三部経」と呼ばれています。この経典の中に、「この経、よく地獄餓鬼畜生の諸河をして焦乾枯渇せしむ」という一説があります。

地獄、餓鬼、畜生の3つの世界があり、これらをまとめて「三途」と言います。経典ではそれが一つの川に例えられています。人間は死後、冥土へと旅立ちますが、そこへたどり着くまでにこの川を渡らなければならないとされ、三途の川と呼ばれるようになりました。

 

古事記に登場する川が起源という説もある

日本の三途の川に関しては、奈良時代に書かれた古事記が起源だという説もあります。古事記の中に川の描写があるのです。

 

イザナギという男神は、先に冥土へ旅立ってしまったイザナミという女神を迎えに黄泉の国へ赴きます。イザナミは黄泉の国の神様と相談するからそれまで覗かないで待っていてというのですが、イザナギは見てしまいます。その姿は腐りはてた死体でした。

 

イザナミは約束を破ったイザナギに腹を立てて追いかけてきます。イザナギは命からがら何とか逃げてくるのですが、たくさんの穢れがまとわりついてしまいました。この穢れを川で清めるのですが、この川が三途の川の起源だと言われています。

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三途の川と六文銭

三途の川と言えば、必ず登場するのが六文銭です。お葬式の時にも棺の中に六文銭を入れるという風習があります。最近は、紙で作った六文銭を入れることが主流になっています。

 

六文銭は、三途の川を渡る時の渡し賃として使われます。三途の川は大変危険な川で、通常は泳いで渡ることができません。船を使うことで安全に渡ることができるのですが、その渡し賃が六文なのです。

三途の川の河原は賽の河原

三途の川の河原は、賽の河原と呼ばれています。ここにはたくさんの幼い子供が、河原に落ちている丸い石を積み上げています。

 

賽の河原に子供が多いのは、親よりも先に死んでしまったことが罪深いとされているからです。ですが、地獄はとても過酷で幼い子供が経験できるような場所ではありません。

 

そこで、賽の河原で100個の石を積み上げることができれば転生できるとされています。ただ、99個まで積み上げるとどこからか鬼がやってきて石の塔を壊してしまいます。壊された子供は再び100個の石積みに挑戦します。

三途の川には渡り方がある

三途の川は、地獄で最初の試練とも言える場所です。ただ単に渡れば良いというわけではなく、渡り方があります。

 

三途の川の詳しい渡り方について解説します。

善人は橋を渡る

三途の川には橋が架かっています。善人とされた死者は、この橋を渡って三途の川を渡ることができます。

 

橋を渡る際には渡り賃は必要ないとされています。善人とされているので、渡し賃として遺族が送ってくれた六文銭を使う必要もないのです。

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罪が軽い人は清水瀬を渡る

罪が軽い人は、清水瀬という場所を渡ります。ここは、三途の川の中でも比較的浅くなっていて、歩いて渡ることができます。

 

多少着ているものが濡れる程度で、危険があるというわけではありません。善人とは言えないけれど罪人とも言えないという人は、清水瀬を渡ることでその罪を流すという意味も込められています。

罪が重い人は強深瀬を渡る

罪が重い人は、強深瀬を渡ります。ここは文字通り、大変深くなっていて、首のあたりまで川に浸かることになるとされています。

 

また、強深瀬にはたくさんの危険な鬼や生き物がいます。渡ろうとする亡者を川へ引きずり込み、向こう岸へ渡ることを阻止するのです。

 

ここで六文銭が活躍します。強深瀬を渡ることになった罪人は、六文銭を払うと渡し船を利用することができ、安全に三途の川を渡ることができます。

輪廻転生の原因を知れば渡らなくて済む

実は三途の川を渡らなくて良い方法もあります。それは、輪廻転生の原因を生きている間に知ることです。

 

人間は何度も輪廻転生を繰り返しています。それは、何らかの業(ごう)があるからです。業とは行ないのことで、現世で悪い行ないをすると、その業を正しいものに変えるために輪廻転生をします。

 

生きている間に、自分がどうして人間として生まれてきたのかという原因を理解し、改善する努力をするとその努力が認められ、輪廻転生をする必要がなくなります。結果、三途の川を渡らずにそのまま天国へ行くことになるのです。

三途の川に待機する翁と老婆

三途の川には2人の鬼がいます。それぞれの鬼は三途の川を挟んだ対岸で、三途の川を訪れた死者を見張っています。 その2人の鬼についてさらに詳しく解説します。

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奪衣婆の役割

三途の川を訪れると、奪衣婆(だつえば)という老婆の鬼が待ち構えています。奪衣婆は訪れた死者の着ているものをはぎ取り、そばに生えている衣領樹(えりょうじゅ)という木の枝に服をかけます。この時の枝のしなり具合で、罪の度合いを測るのです。

 

また、現世で来ていたものの代わりに、奪衣婆から白い着物が渡されます。死者はこの白い着物に着替えて三途の川を渡ります。

 

奪衣婆から罪が重いと判定された死者は最も深くて辛い強深瀬を渡るように指示されます。この時、六文銭を奪衣婆に渡すと舟を使う許可が出て安全に渡ることができます。

懸衣翁の役割

三途の川を渡った向こう岸には、懸衣翁(けんえおう)という翁の鬼が待っています。懸衣翁の役割は奪衣婆と似ており、三途の川を渡ってくる死者を見張っています。

 

死者は三途の川を渡ると懸衣翁に着物を脱ぐように言われます。着物を受け取った懸衣翁は、そばに生えている衣領樹にかけ、枝のしなり具合で正しい場所を渡ってきたかどうかチェックします。

 

もし着物を着ないで三途の川を渡った場合、懸衣翁は着物の代わりに生皮を剥いで、正しく三途の川を渡ってきたかどうかチェックすると言われています。

海外に伝わる三途の川

三途の川は、日本だけの伝承ではありません。実は海外にも三途の川という考え方や田絶があります。 海外にはどんな三途の川があるのかについて、詳しく解説します。

ギリシャやローマ伝わる三途の川

ギリシャやローマには、ステュクス川という川があの世とこの世の間に流れていると言われています。これが日本での三途の川です。

 

ステュクス川は、アキレスの伝説にも登場します。アキレスはステュクス川に浸かったことで不死身の身体を手に入れます。ですが、身体を川に浸けられる時、足首を持ったままの状態だったので足首だけが川に浸からず、アキレス腱が弱点になってしまいました。

 

ステュクス川は船で渡ります。当然渡し賃が必要で、船頭のカロンに1オロボスを渡すというのが決まりです。渡す時は手で渡すのではなく、口に加えて渡すのだそうです。

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古代ペルシアに伝わる三途の川

古代ペルシアには、この世からあの世の入り口までチンバット橋という橋が架かっています。亡者はこの橋を渡ってあの世へ旅立ちます。

 

ただ、この橋は渡る人によって横幅が変わるという特徴があります。善人が渡ろうとすると、チンバット橋は横幅が大変広くなり、安全に渡ることができます。

 

ですが、罪人がチンバット橋を渡ろうとすると、横幅は大変細くなります。罪の重さによっては糸の細さにまで縮んでしまい、橋から落ちた罪人はそのまま地獄行きとなります。

東南アジアに伝わる三途の川

東南アジアでは、ロングマラン川の伝説が伝わっています。この川に架かる橋は吊り橋で、橋のたもとには大男が鎮座しています。

 

橋を渡ろうとする死者が勇者の場合は、橋のたもとに鎮座している大男は何もしません。橋を渡る勇者を見ているだけです。

 

ですが、勇者ではない死者が橋を渡ろうとすると、大男は激しく吊り橋を揺らし始めます。激しい揺れにもめげずに渡り切れば、ここで勇者と認められ、天国へ行くことができます。ですが、揺れに恐れをなした臆病者は橋から落ちて地獄行きとなります。

三途の川は死後の最初の試練

三途の川は死者にとって最初の試練です。ここで現世での行動や言動が判定されるのです。死後すぐに裁判が始まるのは地獄らしいと言えます。

 

現世で正しい行動や言動をし、輪廻転生の原因を知れば三途の川を渡らずに、天国へ行くこともできます。現世での自分の行動や言動には充分注意しましょう。