葬儀での六文銭って何?六文銭の意味と現代版の六文銭を紹介!

公開日 : 2020/3/18

更新日 : 2020/9/9

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昔は葬儀で棺に六文銭を入れるという風習がありました。現在も一部の地域で六文銭の風習は残っています。どうして六文銭を入れるのでしょう。なぜ六文なのでしょう。その理由や意味、そして現在の六文銭の代用品などと合わせて解説します。

公開日 : 2020/3/18

更新日 : 2020/9/9

目次

六文銭は本当は「六道銭」

葬儀で棺の中に六文銭を入れることがあります。これは正しくは「六道銭(ろくどうせん)」と言います。

 

六文銭または六道銭を棺の中に入れる意味を知る前に、まずは六道銭について解説します。

六道とは仏教での6つの世界

「六道(ろくどう)」とは、仏教での6つの世界のことを指しています。仏教では、天に近い場所から順番に「天上道」「人間道」「阿修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」があるとされています。

 

人間はこの6つの世界(六道)を順番に回り、再び人間として生まれ変わります。これが仏教でいわれている輪廻転生です。

それぞれの地蔵菩薩にあやかる為

六道と言われている6つの世界には、それぞれ地蔵菩薩がいます。地蔵菩薩は人間を救済する慈悲深い守り神として、昔から広く信仰されてきました。

 

六文銭が六文なのは、この6つの世界にそれぞれ存在している地蔵菩薩にあやかり、極楽浄土へ行くことができるようにという願いが込められていると言われています。

 

六文のそれぞれに地蔵菩薩からのご加護が宿り、輪廻転生して再び人間として生まれ変わることができると信じられるようになり、五文でも七文でもなく、六文となったのです。

六文銭の意味

六文銭を棺に入れるのには、理由や意味があります。それは遺族が亡くなった人の為にという思いが込められているのです。 そんな六文銭の具体的な意味について解説します。

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三途の川を渡る為

人間は死後の世界へ旅立つと、まず三途の川を渡ります。三途の川には大きな蛇などのような危険な生き物がいる為、人間が泳いで渡ることはできず、舟に乗ることで渡ることができると言われています。

 

舟はただではなく、渡し賃を払わないと乗ることはできません。この渡し賃ががちょうど六文なのです。遺族は亡くなった人が無事舟に乗って三途の川を渡ることができるように、という願いを込めて、棺の中に六文銭を入れます。

お金に困らないように

あの世はこの世と大変似ており、お金が必要だと考えられています。あの世に行ってもお金という呪縛から逃れられないと考えられていたのです。

 

亡くなった人は何も持たずにあの世へ旅立ちます。文字通り無一文で旅立つので、お金に困ることがあるだろうと考えたのです。

 

あの世に行っても亡くなった人がお金に困らないようにという遺族の思いが六文銭に込められています。また、六文よりも大きい金額のお金を入れる地域もあります。

現在の六文銭

現在でも棺の中に六文銭を入れるという風習が残っているところがあります。ただ、本当のお金を入れるのは法律等で禁止されている為、別のもので代用されています。 現在の六文銭はどのようなもので代用されているのかについて、解説します。

六文銭が印刷された紙

現在は六文銭が印刷された紙を、棺に入れるようになっています。印刷された紙の六文銭が代用されているのは、一文銭が現在は発行されていないからです。ただ、六文銭を入れるという風習は残っている為、紙に印刷したものを使用しています。

 

また、棺の中に金属のものを入れるのは良くないとされています。遺骨が痛んだり事故のもとになったりするからです。このような理由で紙が代用されています。

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現在のお金を印刷した紙

現在のお金を印刷した紙を、代用品として棺に入れるところもあります。これは、六文銭だけでは亡くなった人があの世で無一文になってしまうと考えられているからです。三途の川の渡し賃として六文銭を渡してしまったら、手持ちのお金は無くなってしまいます。

 

あの世で亡くなった人がお金に困らないようにという願いを込めて、高額な金額が印刷された紙を棺の中に入れるのです。

一円玉を入れる場合もあった

少し前までは、六文銭の代わりに一円玉を入れていたところもあったようです。一円玉は他の硬貨に比べて柔らかく、火葬の際に溶けてなくなってしまうので、六文銭の代用品として使われていました。

 

ですが、現在はお金を溶かしたり燃やしたりすることは貨幣損傷等取締法に触れます。そのため、この行為は良いとは言えません。

六文銭を入れるルール

亡くなった人に六文銭を持たせる際には、ルールがあります。六文銭を棺に入れる時のルールについて解説します。

頭陀袋(ずたぶくろ)に入れる

亡くなった人に六文銭を持たせる時は、頭陀袋に入れます。頭陀袋とは、僧侶が托鉢の時に使用する、首から下げる袋のことです。僧侶はこの中にお経が書かれた小さな経典や、托鉢で頂いたお布施などを入れて持ち歩きます。

 

亡くなった人にとっての頭陀袋も、僧侶と同じでバッグのような使い方をします。この中に六文銭を入れて冥土の旅路を歩くのです。

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頭陀袋(ずたぶくろ)は首から下げる

頭陀袋は、亡くなった人の首から下げるような形で身につけます。僧侶も頭陀袋は首から下げて持ち歩きますが、同じです。

 

首から下げるのは、亡くなった人はこれから仏教の修行の旅に出るからです。冥土の道は仏教での修行の道であり、亡くなった人は両手を合わせて念仏を唱えながら歩きます。

 

遺族が持たせてくれた六文銭も手に持っていたのでは、手を合わせながら仏教の修行の道を歩くということができません。そのため、頭陀袋を首から下げて六文銭を入れ、両手が自由になるようにしているのです。

六文銭は遺族の思いやりが詰まっている

葬儀の際、棺に六文銭を入れるのは、遺族の亡くなった人への思いやりのあらわれです。死後の世界でも苦労せずに穏やかに過ごして欲しいという願いが込められています。 もし、葬儀に参列した時に神の六文銭を入れる機会があったなら、心を込めて棺の中に入れてあげてください。