死産した場合の子供の戸籍はどうなる?死産届の手続きについて解説

公開日 : 2020/3/6

更新日 : 2020/9/10

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死産した場合、子供の戸籍や死亡届はどうしたよいのでしょうか。とても悲しい出来事ではありますが、家族は死産届の提出が義務付けられています。定められた期間内に滞りなく手続きができるよう、死産届の出し方や死産した子供戸籍についての手続きについて解説します。

公開日 : 2020/3/6

更新日 : 2020/9/10

目次

死産の定義

死産の定義には厚労省による法令上のものと、日本産婦人科学会による医学上のものの2つがあります。法令上の定義は「妊娠12週以後の死児の出産」とされ、医学上の定義は「妊娠22週以降の妊娠中絶による死亡胎児の出産」とされています。後者の場合の妊娠中絶とは、人工か否かを問わず、妊娠中あるいは分娩中に胎児が死亡した場合も含みます。

 

つまり死産とは、「死亡した状態の胎児を出産すること」でありますが、法令上と医学上の定義には期間のズレが生じています。一般的には法令上の解釈が適用され、妊娠4月目以降に死児を出産することを指します

流産との違いは?

流産とは医学的な定義であり、法令上の定義は存在しません。医学的には「妊娠22週未満に胎児が死亡すること、または胎児が生存できない状態になること」と解釈されます。

 

日本産科婦人科学会の定義によると、妊娠12週未満の流産は初期流産と呼ばれ、12週以降22週未満の流産は後期流産と呼ばれます。このため、法令上妊娠12週以降の妊娠中絶と定義づけられる死産には、後期流産が含まれます

死産届とは

死産届とは、死産した場合に提出する書類のことです。死産届は妊娠期間によって要不要が変わります。また死産届ではなく、出生届と死亡届を出す必要がある場合もあります。

死産届が必要なケース

死産届が必要なのは妊娠12週目以降です。妊娠12週を過ぎた場合の死産では、必ず役所への報告が必要ですが、場合によっては死産届ではなく死亡届が必要な場合があります。

妊娠12週~22週未満の場合

妊娠12週以降かつ22週未満で死産した場合、役所には死産届の提出が必要です。この場合は子供は母胎内で亡くなったとみなされるため、法令上子供はこの世に存在したことにはならず、出生届を出す必要がありません。よって戸籍に記載されることはなく、名前を決める必要はありません。性別を記載する欄は設けられていますが、未判明の場合は空欄で構いません。

妊娠22週以降の場合

妊娠22週以降で死産した場合も、基本的には12週~22週未満で死産した場合と同様で、役所に死産届を出さなければなりません。ただし、前述のように22週を過ぎると胎児は母胎外でも生存能力があると認められます。そのため、早産などが原因で、子供が出生後に亡くなった場合は、死産届ではなく死亡届を出すことになります。

 

死亡届を出すためには、まず生まれたことを報告する必要があります。つまり、この場合の死産では出生届と死亡届を同時に取得・提出しなければなりません。出生届を提出するため、亡くなった子供には戸籍が作成され、その後除籍されます戸籍を作る際には子供の名前が必要です。

 

一方、母胎内で胎児が死亡した場合は22週未満と同じく死産届のみの提出となり、戸籍は作成されません。出生したかどうかの判断は立ち会った医師が行います

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死産届が必要ないケース

法令上、死産とみなされるのは妊娠12週以降のため、それに満たない期間で胎児が死亡しても死産とはみなされません。そのため死産届を提出する必要はなく、また子供の戸籍が作成されることはありません。

死亡届との違いは?

前述のとおり、死産届と死亡届の違いとは、「一瞬でもこの世に生存していたか」が焦点となります。分娩後に一瞬でも子供が生きていたと判断される場合、まず役所へは出生届の提出が必要です。一方、母胎内で子供が死亡した場合は現世で生存したことにはならず、死産届のみの提出となります。死産届と出生・死亡届のどちらが必要かについての判断は、立ち会った医師に従います。

死産届を出す意義

死産届を出すと、胎児の火葬許可を得ることができます。妊娠12週を過ぎた胎児は人間とみなされ、遺体を火葬する必要があります。この火葬を行うために、深い悲しみの中でも死産届という手続きが必要なのです。なお、火葬許可を取得するには火葬場をあらかじめ決めておく必要がありますので、注意しましょう。

死産届の出し方

次に死産届の出し方について解説します。死産届には提出期限や火葬場の決定など、さまざまなリミットが設けられています。

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提出する期間と提出先

死産届の提出期限は分娩日から7日以内と定められています。この期間を逃すと罰金などが科せられる場合もありますので、くれぐれも注意しましょう。死産届を提出する先は、届出人が居住する各市区町村、または分娩した病院がある市区町村の窓口です。

子供の戸籍について

既述しましたが、母胎内で死亡した子供については戸籍は作成されません。一方、分娩後に生命反応があった子供については戸籍が作成されるため、名前が必要になります。

届出人について

届出人とは死産届を記入する人を指します。死産届の届出人には規定があり、優先度が高い順に並べると父・母・同居する親族など・立ち合いの医師となります。やむを得ない場合をのぞいて父が署名・押印するのが望ましいとされています。

 

提出は代理人が行うことも可能ですが、提出の際に押印漏れなどが発覚する場合があります。その場合は届出人の押印が必要ですので、届出人は提出まで行うのがベターです。

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必要な書類など

死産届を提出する際には、死産届の他に死産証明書と届出人の押印が必要です。死産証明書は死産届と一緒になっており、医師や病院で記載してもらいます。

死産の場合の葬儀について

死産の場合には葬儀は必ずしも必要ではありませんが、心情的に葬儀をあげたいと考える家族も多くいます。死産後に葬儀をあげる場合、他の参列者は呼ばずに、両親や近親だけで火葬式を行う場合が多いです。葬儀の相場は火葬代を含めても10万程度が相場です。

 

赤ちゃん用の棺や骨壺は自分たちで手配するか、病院や葬儀会社に準備してもらうことも出来ます。遺体を自宅に安置する場合は、遺体が傷まないようにドライアイスなどの手配が必要です。

死産の場合の火葬について

死産届または死亡届を提出すると、火葬または埋葬許可を取得できます。火葬許可を得る際には火葬場の選定が必須ですので、あらかじめ決定しておきましょう。

 

火葬の際の気がかりが、子供の遺骨を残せるのかということです。赤ん坊の骨はとても小さいため、焼け残らないケースがほとんどです。午前中の早い時間ならば火葬場の火力が上がりきらず、骨が燃え残りやすいとも言われていますが、確実ではありません。

 

骨が残らなくても、遺灰を持ち帰ることができる場合は多いです。詳しくは火葬場に確認しておきましょう。

手続きは速やかに

死産は痛ましい出来事ですが、残された家族は死産届の提出や火葬などが義務付けられています。なにも手につかない状況ではありますが、提出期間を過ぎるとさらに手続きが煩雑になりますので、なるべく速やかに済ませてしまいましょう。わが子の葬儀は必ずしもすぐに行う必要はなく、心の整理がついてから執り行うのも1つの方法でです。