葬儀の謝礼の書き方とは?謝礼金の相場や謝礼の渡し方、包み方も解説
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/10/26
葬儀を手伝ってくれた人に渡す謝礼。謝礼は心付けとも言われ感謝の気持ちを表します。謝礼の書き方や金額相場に悩む方は多いですよね。特に謝礼の書き方にはマナーがあり、注意が必要です。ここでは謝礼の表書きや裏書きの書き方、謝礼の相場、謝礼の渡し方について解説します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/10/26
目次
謝礼とはどんなもの?
葬儀をするときは家族だけでは手が足りないことが多く周りからのお手伝いが必要になってきます。そのため、お手伝いをしてくれた人には御礼として謝礼を用意します。ここではまず謝礼とは何かについて詳しく解説しますので、確認してみましょう。
謝礼とは?
葬儀では受付係、案内係、台所係など多くのやるべきごとがあります。遺族だけでは手が足りないため、手伝ってくれる人が必要となってきます。その時に葬儀でお世話になった人たちに葬儀の翌日か翌々日にあいさつに伺ってお礼の言葉を伝え、御礼の心付けや品物を送るのがマナーです。そしてこれが、謝礼です。
自宅で葬儀をした場合は隣近所にも迷惑をかけることになので、隣近所の人にも必ず品物を持って挨拶しに行きます。翌々日までにいけない時は初7日までに回りましょう。前もって電話などで訪問することを伝えておくのもマナーです。
服装は、男性の場合はダークカラーのスーツや地味なネクタイで、女性の場合は落ち着きのあるスーツかワンピースを着用するのがいいでしょう。
御礼と謝礼の違い
御礼と謝礼は似ているようで違います。何が違うのかわかりにくくですが、御礼は感謝の気持ちを表すことやその言葉、また気持ちを込めて贈る品物とされており、よくお手紙で御礼申し上げますと使われることが多いです。
謝礼は御礼とはまた違い、謝礼は感謝の気持ちを込めている金銭や品物のことをいいます。なので、御礼は感謝や金品で、謝礼は金品だけに限る使い分けをすることができます。
謝礼を渡す場面は葬儀だけではなく、結婚式やお宮参り、法要、講師の方へなど様々な場面で必要になり、それぞれマナーがあります。ここでは、葬儀で必要な謝礼について詳しく解説しますので、マナー違反にならないようしっかり確認しましょう。
葬儀で謝礼を渡すべき相手とは?
謝礼について説明しましたが、葬儀の謝礼を渡す相手は具体的にどのような人なのでしょうか。ここでは葬儀で謝礼を渡すべき相手をご紹介します。それぞれの注意点についても解説しますので、ぜひ参考になさってください。
運転手への謝礼
葬儀では葬儀会場や火葬場へと移動するために、車に乗ります。その運転手の方にも謝礼を渡します。運転手への謝礼は、移動前後は慌ただしくなってしまうため、謝礼を渡すタイミングを逃さないように気をつける必要があります。
ハイヤーの運転手やマイクロバスの運転手は葬儀社が手配してもらうことが多く、葬儀代に含まれている場合もあるので確認しておきましょう。
受付係への謝礼
葬儀での受付は頂いた香典の管理もしなければならないため、葬儀社ではなく親戚や身内などにお願いする場合が多いです。受付係の方に謝礼を渡すことも忘れないようにしましょう。
また、通夜と告別式の両方で受付する必要があるため、両日謝礼を渡しましょう。遠方から来てもらう場合は別にお車代などを渡すこともあります。
案内係への謝礼
案内係は受付と兼ねて努めていることがあり、案内係がいない場合は受付係の人に謝礼を渡しましょう。こちらも通夜と告別式の両日で謝礼を渡す必要があります。トイレや非常口などの案内をしてくれます。
当日に御礼ができなかった場合は翌日から2日後までに行うようにしましょう。
台所係への謝礼
台所係は僧侶や遺族、参列者へのお茶出しをする係で、通夜での振舞の準備や後片付けなどを担当します。この台所係にも謝礼を渡すつようがあります。また、赤ちゃんがいる場合、台所係の方に協力してもらうこともありますので、その時は少し多めに謝礼を用意しておきます。
近所の人への謝礼
自宅で葬儀した場合などは隣近所に迷惑をかけることになるので、挨拶回りをします。手伝ってくださった人には謝礼を渡します。最近は金品を持参することが多くなっていますが、菓子折りやタオルなど実用的なものを贈るといいでしょう。
謝礼の金額の相場は?
謝礼金額の相場は3000円から5000円が一般的です。現金でも物を差し上げる場合でも金額の相場は変わりません。葬儀が終わっても初7日までは人の世話になる場合が多いので、御礼を多めに用意しておくと安心できるのでいいでしょう。ここでは謝礼を渡す相手別に謝礼金額の相場をご紹介しますので、いくら準備すべきか参考になさってください。
運転手への謝礼の相場
運転手は寝台車、霊柩車、マイクロバスなどを運転してくれた人に渡します。火葬場へ向けて出発する前や火葬場から戻った時に渡します。寝台車の運転手の場合は2000円から5000円ほどが相場です。搬送距離が長い場合は多めに渡すのがいいでしょう。
ハイヤー運転手の場合は2000円から3000円ほどで、降車するときに渡します。マイクロバスの運転手の場合も同じ金額が目安となっています。火葬が終わって全員が式場に帰ってきたときに渡します。
霊柩車の運転手には3000円から5000円ほどが相場です。葬儀場についたときに渡しましょう。霊柩車のランクも考慮します。
受付係への謝礼の相場
受付係に渡す御礼として5000円から1万円ほどが相場とされています。地域によって大きく異なりますが年長者や葬儀社に事前に確認しておくといいでしょう。通夜と告別式の両方で受付をするので両日渡すようにしましょう。
火葬場のスタッフへの謝礼の相場
火葬場のスタッフは、火葬を担当する人や休憩室担当、会食の係員と作業内容が大きく違いますし人数が多いです。一人一人渡すことが難しい場合は代表者へまとめて謝礼金を渡してほかの人には御礼の言葉をかけておきましょう。
大体2000円から5000円ほどが相場になっており、料理配膳人の場合は人数が多いので一人1000円が相場ですが人数がわからない場合はまとめて1万円を代表の人に渡しておきます。
謝礼を渡す際に使用する「のし袋」とは?
謝礼金を包むときに用意するのし袋。のし袋の書き方は難しくないので覚えてしまえば次回書くことになった時もすぐに書くことができるので、覚えておきましょう。
謝礼を贈る際に使用する封筒
のし袋は日本の伝統的な由緒正しい礼儀用の包みのことを言います。結婚式のときのご祝儀や、葬儀の香典などを入れるときに使用します。大切なお祝い事や葬儀の時に、書き方や使い方をきちんと知っておかないと失敗してしまいますので、しっかり確認しましょう。
のし袋は和紙で形作られた水引と呼ばれる伝統的な結び紐が付いているのが特徴です。本数も奇数の5か7本で結ぶことが古くからの教えになっているので覚えておきましょう。
謝礼に使用する「のし袋」と「祝儀袋」
のし袋と祝儀袋は違うのかと悩まれる方も多いですよね。のし袋と祝儀袋は同じ意味を表し、のし袋と不祝儀袋も同じ意味です。金銭を入れる袋の総称を「のし袋」と言います。
ただし、「のし」は意味が異なり、「のし」は、色紙を細く六角形になるように折って作ってあるのし袋の右上についている部分のことを指します。のしは、のしあわびの略で、古来神事の添え物として当時貴重品であったあわびを用いたことに由来します。
一般的に「のし」というと、のし袋やのし紙など、そのもの全体を指すことが多いですが、本来の意味とは異なります。「のし袋」と「のし」は意味が違いますので注意しましょう。
「のし」と「水引」
「のし」はのし袋の右上についているものと説明しましたが、「のし」と「水引」は違うのでしょうか。結論から言うと、のしと水引きは異なります。
水引とは、のし袋の真ん中についている、蝶結びまたは結び切りの飾り紐のことをいいます。のしと水引が既に印刷されているものも多いですが、そのような場合でも呼び名は変わりません。
謝礼に使用するのし袋の書き方とは?
謝礼を包む封筒であるのし袋。のし袋の書き方が分からないという方は多いのではないでしょうか。ここでは謝礼ののし袋の書き方について詳しく解説しますので、謝礼を渡す際には正しい書き方を確認し、失礼のないようにしましょう。
謝礼ののし袋は筆ペンで書く
のし袋にはできるだけ筆ペンで書くようにするのがいいでしょう。水引の結び目の真上に筆で「御礼」と書きます。慶事には濃い墨で書きますが、弔事ではやや薄い墨を使う決まりがあります。ボールペンや鉛筆は使わないようにしましょう。
葬儀は薄く書くと覚えておきましょう。薄墨で書く理由には「昔は硯を使って墨を擦って書いていたため、訃報を聞いて墨を用意するときに涙がこぼれて墨が薄くなった、墨を用意する暇もなく駆け付けた」という意味があります。
謝礼の表書きの書き方
謝礼の表書きとは、のし袋の表側に書く文字のことです。今回のような御礼の場合には水引の上に「御礼」と書きます。また、慶事用は濃い墨、弔事用は薄い墨で書き、病気見舞いのときは慶事用と同じように濃い墨で書きます。
謝礼やお札は用途によって書式や謝礼封筒が異なります。封筒の表書きには、「御礼」「謝礼」「寿」「寸志」「薄謝」と種類があり、間違った表書きをしてしまうと失礼になる場合があるので注意して使い分けることが大切です。また、表書きを書く時は丁寧な字で心を込めて書きましょう。
謝礼の裏書きの書き方
のし袋の裏書は中袋がある場合とない場合で書き方が違うため注意が必要です。中袋がある場合は中袋の裏に金額を記入する欄がある場合はそこに金額を記入し、中袋の表の中心を少し外れた向かって左側に住所・氏名を書きます。
中袋に記載する欄がないときは中袋の表の中心に金額を記載します。中袋の裏の中心から少しずれた向かって左側に住所や氏名を書きます。記入する場所が印字されている場合はそれに従って書いていきます。
中袋がない場合は表に氏名を書いているのでのし袋の裏の衷心より少しずれた向かって左側に住所、金額を書きます。
謝礼の金額の書き方
金額は旧漢数字で書くのが一般的です。普段見慣れない漢字なので、調べてから書くといいでしょう。日本人は4と9は死と苦を連想するので、よほどな理由がない限り避けた方がいいです。連名で包む場合も合計金額に4や9の数字が入らないようにしましょう。
金額の前には金をつけて書きます。「金壱万円」という風に記載します。金額の後ろに「也」をつけるのは10万円以上の時が一般的です。わざわざ難しい旧漢数字で金額を書くのには理由があり、簡単に書き換えれないようにとの意味があります。
最近ののし袋には金額が横書きになっているものもあり、その場合は金額をアラビア数字で書いても大丈夫です。この時も金額を書きかえれないように隙間を開けずに書きましょう。
謝礼の包み方とは?
謝礼の書き方について解説しましたが、実は謝礼を渡す際には書き方以外に包み方にもマナーがあるのです。ここで謝礼金の包み方について解説しますので、ぜひ参考にしてください。また、慶事と弔事では封筒の入れ方が違うので注意しましょう。
謝礼金は白封筒かのし袋に包む
白い奉書紙か白封筒、のし袋に包みます。ちょっとした御礼なら白い封筒か印刷されたのし袋で問題はないです。水引をかけたり不祝儀袋を使う場合は表書きと家名を忘れずに入れる必要があります。
白い封筒は真っ白なものを選びましょう。郵便番号を記載できるタイプのものは選ばないようにしましょう。封筒にお札を入れると中見が透ける可能性があるので、中袋を使い中見が透けないように工夫しましょう。
謝礼金の入れ方
ご祝儀やお祝い事、御礼の場合は中袋の表側にお札の表側(肖像画がある方)がくるようにして肖像画が上になるように入れるのが一般的です。この場合は新札を用意しておくことも忘れずにしておきましょう。新札が間に合わない場合は綺麗なお札を用意しておきましょう。
香典の場合は、真逆で中袋の裏面にお札の肖像画がくるように入れます。肖像画が下になるように入れ、お札は新札を使ってはいけないので注意しましょう。新札を用意してしまうと、あらかじめ香典の準備をしていたと相手側に思われてしまう場合があるので控えましょう。
新札しかない場合は新札に軽く折り目をつけてから封筒に入れるのがいいでしょう。
謝礼の渡し方とは?
実際に謝礼を渡す場合、どのように渡せば良いのでしょうか。ここでは、謝礼金の渡すタイミングやどんな風に渡すべきなのかまとめました。確実に渡せるように頭の中でシミュレーションしておきましょう。
謝礼金を渡すタイミング
謝礼は遅くても一両日中に渡すように心がけましょう。葬儀の後はバタバタして気が回らなくなり渡すのを忘れてたということがないように渡すタイミングを考えて頭でシミュレーションしておくといいでしょう。
タイミングとしては葬儀が始める前にあらかじめ渡しておくか、葬儀社の人にお願いして係の人に渡してもらうなど工夫しておくことが大切です。世話役のまとめ役をお願いした場合は葬儀後に改めて家に訪問し御礼をするといいでしょう。
一両日中に渡すことができなかった場合は翌日か翌々日に渡すようにしましょう。遅くても初7日以内に渡すのがマナーです。
謝礼の渡し方
謝礼金を渡す時は個々人に直接渡すようにして、それぞれ渡す人のタイミングを見計らっておきましょう。葬儀の世話役をしてくれた人は、葬儀の翌日にあいさつに伺い直接渡すのがマナーです。
葬儀社によっては忘れないように預かってくれ、然るべきタイミングで直接渡してくれるように声をかけてくれるサポートをしてくれる場合もあるようです。直接渡すことによって葬儀社とのトラブルを避けることができます。
手伝ってくれた人にはねぎらいの言葉を
謝礼金を渡す時には、手伝ってくれたことに対して労いの言葉をかけます。「本日はお忙しい中、ご足労いただきましてありがとうございました。」と気持ちを伝えましょう。その後に「気持ちだけですが」と伝え謝礼金を渡します。
渡す時に、よく「つまらないものですが」という言葉を使うこともありますが、それは失礼に当たる場合があるので使うのは控えておきましょう。もし先方がお断りして場合は、返されたらこちらが困るといった内容を伝えることで受け取ってもらうようにしましょう。
謝礼の注意点とポイント
ここまで謝礼金の書き方や渡し方について解説してきましたが、他にも注意すべきポイントがあります。ここでは、謝礼金を渡す時の注意点とポイントについてまとめましたので、謝礼金を用意する前に確認しておきましょう。
謝礼はあくまで任意
謝礼は義務ではなく任意で渡すものなので、喪主が感謝のしるしとしてお渡ししたい場合に渡して問題はありません。そのため、謝礼は強制されるものではなく、特に最近では受け取りを禁止している葬儀社も多くあります。
無理に渡すとかえって迷惑になる場合もあるので気をつけましょう。謝礼に関して適切なアドバイスをしてくれる葬儀社もあり、迷った場合は聞いてみるといいでしょう。また中には悪質に徴収するところもあるので要注意です。
謝礼金が見積りに含まれていないか確認する
謝礼は任意なので一般的に見積り金額に入れられていることはありません。しかしながら、葬儀社によって必要経費として見積もりに入れている場合があります。悪質な場合だと遺族から謝礼金を徴収しておきながら係員などに渡されることがないというケースがあります。
最近では消費者の目が厳しく料金設定、内訳が明瞭になっているため葬儀社の規定で多くが謝礼金の受け取りを禁止しています。謝礼金に関して葬儀社と確認しておくことがいいでしょう。
謝礼を渡すときはお礼状を添える
葬儀の御礼として、お礼状は添えておいた方がいいです。簡単にでも構いません。お礼状があった方が受け取る側としても印象がいいですし、お手伝いした人への感謝がよく伝わるのでお礼状はぜひ添えておきましょう。
言葉では伝えきれなかったことも文章として伝えることができます。
謝礼の表書きについてのまとめ
今回は謝礼の書き方から相場、注意点とポイントなどまとめましたがいかがだったでしょうか。謝礼の表書きには種類があるので、近所の人に渡す場合や目上の人に渡す場合などきちんと使い分けて失礼がないように気をつけましょう。心を込めて表書きを書きましょう。
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