【仏花】選び方や供え方は?造花はOK?長持ちさせる方法もご紹介!

公開日 : 2020/2/27

更新日 : 2020/9/10

【仏花】選び方や供え方は?造花はOK?長持ちさせる方法もご紹介!のサムネイル画像

お仏壇やお墓に欠かせない仏花。どんな花を選び、どう供えればいいのか分からないという疑問にズバリお答えします。また、すぐに枯れてしまう、腐ってしまうというのも仏花の悩みどころ。仏花を長持ちさせる方法や、造花などの生花以外の仏花についてもご紹介します。

公開日 : 2020/2/27

更新日 : 2020/9/10

目次

仏花とはなに?

仏花とは、お仏壇やお墓にお供えする花のことです。

 

仏教においては、花はまさに仏道の象徴です。寒さや渇きに耐え、大地に根を張り美しい花を咲かせるその姿に、艱難辛苦に耐え悟りを開くという仏教の教えにかなっているのです。

 

それだけではなく、ただシンプルに、花は人の心を和ませ、悲しみを和らがせてくれる力を持っています。なんと5~6万年前のお墓にも花が供えられていたということが分かっています。

 

お仏壇やお墓にきれいな仏花を供えることで、仏教の教えを感じると共に、故人様への愛や感謝を伝え、自身の心を慰めることができます。仏花の選び方や供え方を知り、花と一緒に美しい心を添えられるようになりましょう。

 

また、仏花を供える時に悩みの種となりがちなのが、お手入れ方法です。仏花が長持ちする方法や、お手入れ不要の便利な仏花についても併せてご紹介します。

仏花にふさわしい花・ダメな花はある?

仏花にはどんな花がふさわしいのでしょうか。また、NGな花はあるのでしょうか。

 

もちろん、花屋やスーパーなどで仏花として売られているものを買えば間違いありませんが、自分でアレンジしたい、庭の花を使いたいという場合は、ふさわしい花とそうでないものを自分で見分けないといけません。いくつか例を挙げてご紹介しましょう。

仏花にふさわしい花

まずは、仏花にふさわしい花をいくつかご紹介します。

仏花としてまず思い浮かぶのはなんといっても「菊」でしょう。菊は長持ちして枯れづらいこと、昔から日本にあるため品種改良が進み種類が豊富なことから、仏花にふさわしい花と言えます。

 

また、菊は縁起の良い花でもあります。9月9日の「重陽の節句」では、菊の花を杯に浮かべた「菊花杯」を飲むという風習があります。邪気を祓い、長命を祈るという意味合いがあります。

 

このように菊には「邪気を祓う」力があるとされています。仏花として菊を供えるのも、こうした菊のパワーにあやかるためだと言われています。

季節の花

様々な種類や色の菊をまとめた仏花も清楚で良いですが、様々な色や姿の花を組み合わせて作る仏花も美しいものです。

 

特に季節に応じた花を仏花に取り入れることで、仏花に変化が生まれ、日本の美しい四季の変化を感じることもできます。

 

春はキンセンカやアイリス、夏はリンドウやケイトウ、秋はほおずきやミソハギなどを仏花に取り入れると良いでしょう。

故人様の好きな花

仏花にはある程度の決まりはありますが、現代ではその決まりも緩やかになってきています。決まりをある程度押さえた上で、あまり仏花に使われていない花を取り入れるのも良いでしょう。

 

特に故人様の好きだった花や、故人様が育てていた花などをお供えするのは最高の供養です。故人様を温かく思い出すためのよすがにもなることでしょう。

 

ただし、後述の通り仏花にふさわしくない花もあります。特にお墓に供える仏花は、人の目につくところですので、故人様が好きだったからと言って供えるのは避けた方が良いでしょう。

仏花には向かない花

次に、仏花にふさわしくない花をご紹介します。きれいだから、故人様が好きだからと言って、こういった花を供えてしまわないようにしましょう。

散りやすい花

散りやすい花は仏壇やお墓を汚す原因となりますので、仏花に向いていません。具体的にはサザンカやツバキなどがあげられます。

 

また、ユリもはなびらや花粉が落ちやすい花です。どうしてもお供えしたい場合は、こまめに掃除をするようにしましょう。

香りの強い花

香りの強い花は仏花には向いていません。仏間に香りが漂うと不快な気分になってしまう他、虫が寄ってきやすくなってしまうためです。

 

香りの強い、弱いは感じ方によって差はありますが、顔を離した状態でも強く香る花は避けた方が良いでしょう。

棘や毒のある花

棘のある花は殺生を連想させるため、仏花に向いていません。

 

美しい花と言えばバラですが、バラには鋭い棘があります。仏花にはしない方が良いでしょう。同じ理由で、アザミ、サンショウなども仏花向きではありません。

 

また、毒のある花も同じく殺生を連想させるため、仏花にしてはいけません。

 

シャクナゲ、ジギタリス、キョウチクトウなどが毒のある花で、仏花には向いていない花です。これらの花は、葉に毒が含まれているため、動物や子供の誤食事故が起こることもありますので、決して供えてはいけません。

仏花はどうやってお供えする?

仏壇、お墓に関わらず、仏花は奇数本でひとまとめにします。また、左右対称なものを一対作るようにします。同じ種類のものが1つずつしか手に入らなかった時でも、本数は左右で揃えるようにしましょう。

 

一つの花を中心にして、ひし形になるようにきれいに整えます。根元を輪ゴムでしばっておくと形が崩れにくくなります。

 

花の色は白、黄、紫、赤、ピンクの5色を基本とします。これは仏教において全身を表す「五体」から着想を得ています。また、3本ずつにする場合は、白、黄、紫にします。

四十九日以前は白か淡い色の花で統一するようにしましょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

仏壇

お仏壇に料理(陰膳)をお供えする場合は、仏様に召し上がっていただくために、お箸のある側を仏壇側に向けます。

 

それと同じように考えると、仏花は仏壇側に向ける、すなわち仏壇の前に座る私たちから見ると花の後ろ側が見えているように供えることになります。

 

しかし、陰膳と仏花は意味合いが違います。仏花は仏様の慈悲の心の象徴とされます。その慈悲の心を感じ、頂くために、仏花を供えるのです。そのため、仏花は私たちから見て表側を向くようにお供えします。

 

伝統的な仏壇の場合は、左右一対にある花立に花を飾ります。小さな仏壇の場合は、小さな花瓶に生けて片側にだけ置いても構いません。

お墓

一般的なお墓には左右に花立がありますので、そこにきれいな水を張り、仏花を生けます。仏壇と同じく、私たちの側に向けて生けるようにしましょう。

 

他のお墓の仏花と比べて丈が高過ぎると、どことなく偉そうなイメージを与えてしまいます。鋏を持っていき、他のお墓の仏花と併せて丈を切るようにしましょう。

 

また、お盆など夏場は仏花はすぐに腐ってしまいます。数日後に処分しに行くか、難しい場合はお参りが終わったら持って帰ってお仏壇に供え直すというのもひとつの手です。

仏花を長持ちさせる方法は?

美しい仏花もすぐに枯れたり腐ったりしてしまいます。特にお墓に供えた仏花は痛みが早く、すぐにダメになってしまいます。

 

もちろん、生花は枯れるからこそ美しいのですが、できれば長く美しく咲いてもらいたいものです。仏花を長持ちさせる方法をいくつかご紹介します。

水をきれいに保つ

仏花を長持ちさせるために一番大切なのは、水をきれいに保つことです。花を活けてから放っておくと、水の中で雑菌が繁殖し、花の寿命を縮めてしまいます。

 

水はこまめに変え、その都度花立をきれいに洗います。専用のブラシを使うなどして、奥の方までぬめりが取れるよう丁寧に洗いましょう。茎のぬめりもきれいに洗い落とします。

 

また、水は入れ過ぎないようにしましょう。入れ過ぎると茎が漬かっている部分が増え、腐りやすくなってしまいます。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

痛んだ葉や茎を切る

痛んだ葉っぱや茎をそのままにしておくと、そこから痛みが広がったり、水を腐らせてしまったりします。

 

毎日確認し、傷んだ葉や茎を切り落とすようにすると長持ちします。また、茎を切る際にはカッターで斜めに切るようにしましょう。吸水力が上がり、花が元気になります。

延命剤を使う

切り花を長持ちさせるための専用の延命剤もあります。栄養剤、抗菌剤、殺菌剤などが含まれており、花を長持ちさせるのに最適です。

 

延命剤によっては花立を痛めてしまうことがありますので、必ず仏花用の延命剤を選びましょう。

 

また、延命剤を使う時は使用量を守り、皮膚や目につかないように気をつけましょう。

仏花は生花でなくても大丈夫?

基本的に、仏花には生花を用います。命あるものは全て滅びるという生者必滅の教えを表すとともに、線香と同じように、さわやかな香りをご先祖様に味わっていただくという意味合いも込められています。

 

しかし、仕事や家事などで忙しい方にとっては、毎日の仏花のお世話は大変です。また、お墓が遠方にある場合は、一度お供えした仏花を回収するのも難しいものです。

 

造花やプリザーブドフラワーを仏花にできればお手入れも簡単で長持ちしますが、そういった花を仏花に使っても構わないのでしょうか。これから詳しくご紹介しましょう。

造花

最近仏花に造花を使う人が増えています。昔ながらの考え方の人からは「ご先祖様に申し訳ない」、「味気ない」と思われるかもしれません。

 

しかし、造花にはメリットもあります。まず、季節を問わずきれいな花を揃えることができます。また、水の入れ替えや落ちたはなびらや葉などでお仏壇やお墓を汚す心配がありません。

 

生花に比べるとずっと安く、交換頻度が低いことから金銭的な負担も小さくなります。

 

特に遠方にお墓があるなど、お花の入れ替えが難しい場合は造花を検討してみても良いでしょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

プリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーは、生花に特殊な加工を施した上で乾燥させ、長期保存できるようにしたものです。ドライフラワーと同じようなものだと思われがちですが、色鮮やかで瑞々しく、一見生花のように見えます。

 

生花と違って水の入れ替えが必要なく、また花粉が出ないために花粉アレルギーの方でも大丈夫です。保存用の花だけあって、平均2~3年、保存状態が良ければ10年以上も長持ちします。価格はやや高めで、数千円から2万円程度です。

 

しかし、いくら保存用の花とは言いましても、お墓など屋外に置いた場合は寿命が短く、3ヶ月程度しかもちません。交換頻度によっては生花より高くついてしまうことがありますので気をつけましょう。

ハーバリウム

最近流行のハーバリウムは、プリザーブドフラワーやドライフラワーをガラス容器に入れ、専用のオイルに浸したものです。

 

インテリアとしても美しいため、仏花として人気を集めつつあります。もちろん水やりなどの世話は必要なく、平均1年程度はもちます。

 

ただし、ガラス容器に入っているために収れん火災(ガラスが太陽の光を集め発火することで起こる火災)を引き起こす恐れがあります。お墓に供えてはいけません。また、仏壇に置く時も、収れん火災を起こさないよう置く場所には十分に気をつけましょう。

仏花についてまとめ

仏花についてお話してきました。

 

美しい花は仏様の慈悲の心そのものであり、故人様を偲ぶためのものでもあります。毎日生花をお供えし、お仏壇やお墓をきれいに整えることで、御仏の心により近づくことができ、清々しい気持ちになれるでしょう。

 

しかし、それより大切なのは仏様や故人様を想う心です。生花でも造花でも、美しい花を心を込めてお供えすることで、その気持ちを表すことができます。

 

仏花の基本的なルールを押さえた上で、ご自身の好みやライフスタイルに合った方法で、仏花のお供えを楽しんで頂ければと思います。