「墓友」とはどのような交友関係なのかわかりやすく解説します

公開日 : 2020/12/5

更新日 : 2020/12/10

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墓友とは、ご自分の亡くなった後、永代供養墓等へ共に入る血縁関係がない友達のことを指します。墓友はご自分や友人が、安心してお墓に入るための方法の一つと位置付けられています。今回は墓友の特徴そして注意点についてわかりやすく解説します。

公開日 : 2020/12/5

更新日 : 2020/12/10

目次

墓友について

墓友とは、ご自分の亡くなった後、永代供養墓等へ共に入る血縁関係がない友達のことを指します。新しいスタイルのお墓の入り方として、最近になって注目されています。

 

こちらでは、家族と共にお墓へ入るという風習の変化、そして墓友はポジティブに最期を迎えるため準備である、ということについて解説します。

家族と共にお墓へ入るという風習の変化

日本では家族が一緒のお墓に入るのはごく自然なことであり、一般的に「自分が亡くなっても、次の代の子・孫がお墓を守ってくれる。」という意識がありました。

 

しかしながら最近では、先祖代々のお墓を受け継ぐ人がいない、または少ない状況が目立ってきています。徐々に日本人の、亡くなったら先祖代々のお墓へ入るのは当たり前、という習慣は薄れつつあります。

 

それに加え、いろいろな事情により単身で生活を送っている方々、何らかのトラブルで家族と同じお墓に入りたくない人もいます。

 

このようなケースでは、ご自分が入るお墓のことを自分自身で考えなくてはいけません。しかし、相談のできる相手がおらず、ご自分1人しか入らないお墓では、不安や寂しい気持ちが強くなるかもしれません。

墓友はトラウマになりそうな怖い意味ではない

このように家族と一緒のお墓へ入るという風習の変化で、「墓友」という交友関係が注目され始めています。

 

こちらは自分のためにのみ、お墓を用意するのではなく、自分と似た立場のご友人と墓地・お墓を探して共同購入し、一緒のお墓へ入ろうという考え方です。

 

このような方法なら、1人で寂しくお墓へ入る必要はなく、先に亡くなったご友人のお墓参りをすることもできます。いわばポジティブに最期を迎えるための作業と言えます。

 

決して墓友は、「死後の道連れ」という怖い意味ではなく、安心してお墓に入るための方法の一つとして位置付けられています。

墓友を作る方法とは

墓友を探したい場合、近所の同年代の方々で同じ希望を持つ人はいきなり現れないことでしょう。墓友を探すには、それなりにコツがあります。

 

こちらでは、インターネットで知り合う方法と、「墓友サークル」という集まりを利用する方法について解説します。

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インターネットで知り合う方法

インターネット上で、墓友を募集するためのサイトが多数存在します。このようなサイトに登録して、ご自分に合いそうな墓友を発見することができます。またSNSでも墓友のコミュニティがあります。

 

実際にコミュニティ・サイトで、墓友となる人を探すことも十分可能ですが、ご自分のニーズとあまり合わない方々が多いと感じたら、無理に墓友をつくらない方が無難です。

 

まずはインターネットサイト等で墓友を探す人が、どんな悩みや疑問を持っているか、参考に知っておく程度で利用しても構いません。

墓友サークルという集まりもある

永代供養墓をはじめとした共同墓の運営・管理している社団法人、民間非営利団体(NPO)等は、お墓を取り巻く変化に柔軟に対応しています。

 

このような団体では、定期的に墓友を探す人を対象として、交流の手助けとなる終活イベントを開催している所もあります。

 

また、共同墓地の申込希望者同士の交流のため、墓友に関するサークルを設ける運営管理者もいます。ご自分の身近で墓友になりそうな人がいなかったら、これらの集まりに参加してみるのも良いでしょう。

 

集まりに参加すれば、ご自分と似たような趣向の方々の多いことに、すっかり気分が高揚するかもしれません。とはいえ、一緒に入るお墓を買う以上、少なくない額のお金が必要となってきます。

 

短期間で墓友をいきなり決めてしまうことは避け、墓友候補者の人間性を知り、信頼のできる人か否かを判断するため、ある程度の期間継続して交流は行った方が無難です。

墓友を作るメリットについて

墓友は最近注目を集めていますが、墓友を探す皆さんは、具体的にどんな点をメリットと感じているのでしょうか?

 

こちらでは、終活を一緒にできて心強く感じる、墓友が自分の死後もお墓参りしてくれることについて解説します。

終活を一緒にできて心強い

終活はご自分の亡くなる時のための、いわば「人生の整理」をする作業です。ご家族へのお願いやメッセージをエンディング・ノートに記載することもあるでしょう。

 

終活は基本的に孤独な作業です。もちろん、終活のアドバイスは「終活カウンセラー」という方々に相談できます。

 

しかし、終活カウンセラーが同じ立場にたって作業をするわけではありません。あくまで助言する役割を担うにとどまります。

 

一方、墓友はご自分と同じく終活を行う良き友人です。共に知恵を出し合い、友人と共に理想のお墓を見つけ購入することができます。

 

一人では暗くなってしまうような作業も、友人と一緒ならポジティブに最期を迎えるための楽しみになることでしょう。

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墓友が自分の死後もお墓参りしてくれる

ご自分に親族がいない、またはごくわずかという場合は、ご自分がお墓に入った後、誰もお墓の管理をしなくなる状態が考えられます。

 

しかし、墓友がいるなら「自分の死んだ後、墓友がお参りしてくれる。」という安心感を得ることはできます。墓友との永代供養という埋葬方法が寂しさを和らげることにつながります。

 

もしも、墓友が先に亡くなり、ご自分は足腰が弱くなってお参りに行けなくなっても、お墓を管理する寺院・霊園が、供養を続けてくれるので不安は無いはずです。

墓友を作った場合のデメリットについて

理想の墓友と出会い、「後はお墓を探して購入するだけ。」とすっかり安心してしまうかもしれません。しかし、墓友と埋葬を希望する場合は、やはり制約もあります。

 

こちらでは、墓友と入るのは主として永代供養墓となる、永代供養は合祀されることに注意しなければいけない点を解説します。

墓友と入るのは永代供養墓に制約される

墓友とお墓に入る場合、当然ながらご自分または墓友、どちらかの先祖代々のお墓へ一緒に埋葬されることは認められません。先祖代々のお墓へ入るのは、その家族に限定されてしまいます。

 

墓友とお墓に入ろうとする場合、承継・管理する人が不要の「永代供養墓」を選ぶことになるはずです。永代供養墓とは、そのお墓の寺院・霊園管理者が遺骨をずっと供養・管理してくれるお墓のことです。

 

永代供養墓はシンボリックな大きな墓石があって、そこに埋葬されるという方法が一般的です。しかし、樹木葬で永代供養をしてくれる霊園等もあります。

 

また、墓友と同じお墓に入ることへこだわらないなら、「納骨堂」を選び隣同士で埋葬してもらうことも良い方法と言えます。

 

納骨堂とは、骨壺に入れた遺骨を安置しておく建物のことです。ロッカー式・棚式ならば墓友の隣に仲良く安置してもらえることでしょう。

 

このように制約はあるものの、墓友と良く話し合い、いろいろと埋葬方法を工夫してみてはいかがでしょうか。

永代供養は合祀される場合に注意

永代供養墓を管理する多くの寺院・霊園では、33回忌まで供養してくれます。33回忌になれば、もはやご自分や墓友を良く知る方々は少なくなっているはずです。

 

33回忌後にどうなるのかといえば、「合祀」されるのが一般的です。合祀とは骨壺から焼骨を取り出し、他の人のご遺骨と一緒にする埋葬方法です。

 

つまりご自分の遺骨は、墓友だけでなくいろいろな方々の遺骨と一緒に混ざった状態となり、長い年月をかけ土へ還る形で地面に埋葬されます。合祀されれば、もはやご自分・墓友の遺骨はとり出すことができません。

 

また、合祀の時期は寺院・霊園ごとに異なる場合があります。そのため、墓友とよく相談し、合祀時期や不明な点を墓地管理者にも確認しておきましょう。

墓友とお墓探しをする手順

ご自分と気の合う墓友と出会えたなら、お墓の購入をどのようにするか決めたいところです。しかし、その前に墓友といろいろ確認するべき点があります。

 

一般的に次のような流れでお墓の選定・購入を進めていきます。

 

  1. お墓の費用分担割合を決める
  2. 共に入るお墓の種類を決める
  3. 共に入るお墓を選定する
  4. お墓の維持管理の信頼性を確認し決定
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手順1・お墓の費用分担割合を決める

墓友と共に必要な費用がどれだけあれば良いか、事前に相談しておきます。お墓を共同購入する場合は、その購入費用をそれぞれがどれだけ負担するか、よく話し合っておきましょう。

 

ここで主張が決裂しては、その後の手続きが進まなくなることでしょう。多く場合には、全員が均等に負担するという取り決めで話を進めるはずです。

 

もちろん、亡くなっても相続人は全くおらず、たくさんの資産を保有している人が多めに出す、という取り決めでも構いません。墓友全員の納得がいくように、お互い調整していく努力が必要です。

手順2・共に入るお墓の種類を決める

墓友と購入するお墓は、継承型のお墓を選ぶこともできます。ただし、継承型はご自分達が亡くなってから、お墓を供養・管理してくれる継承人の存在がどうしても必要になることでしょう。

 

継承人がいないと、自分や墓友全員が亡くなった後、まったく管理されず朽ち果てる様な事態も考えられます。そのため、多くの場合、お墓の種類は永代供養墓を選ぶことになるはずです。永代供養墓なら、寺院・霊園等が供養・管理してくれるので安心です。

 

また、納骨堂や樹木葬も、永代供養墓に該当するので、どのような形で埋葬されたいのか、いろいろと情報を持ち寄って検討してみましょう。

手順3・共に入るお墓を選定する

お墓の費用の件や、共に入るお墓の種類が決まれば、いよいよ実際に埋葬される寺院・霊園の選定に進みます。「種類まで決まれば、どこでも良い。」と考える方々がいるかもしれません。

 

しかし、墓友全員がほとんど同時期に埋葬されるケースは稀で、墓友の亡くなった後、しばらくの間ご自分等が墓参りをするというケースもあります。

 

この場合、墓友全員が通いやすい場所でお墓を購入しなければ、お墓参りがとても難しくなるかもしれません。そのため、選定は慎重に行いましょう。

 

ただし、永代供養墓なら距離的な問題や、生存している方々の健康・体力面でお墓参りが厳しい時も、管理者側が供養を行ってくれるので安心です。

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手順4・お墓の維持管理の信頼性を確認し決定

最近では歴史のある寺院や公営墓地・霊園のみならず、墓地の運営に民間がどんどん参入しています。民間企業や民間非営利団体(NPO)は、これまでにない柔軟な墓地・霊園の運営を手掛け、墓地購入希望者の選択肢も大きく広がりました。

 

とはいえ、墓友が生存中ならともかく、ご自分を含め墓友全員が亡くなってしまうと、お墓の維持・管理は墓地管理者に委ねるしかありません。

 

この場合、まだ新しく設立されたばかりの法人等なら、業績の悪化で墓地・霊園の運営事業から撤退してしまうことも考えられます。

 

そのため、ご自分・墓友の死後を任せられる墓地管理者なのか、十分に検討してから決めましょう。安心して維持・管理を任せたい場合、公営墓地・霊園や、歴史のある大きな寺院墓地かどうかをチェックした後、購入を決めた方が無難です。

墓友とお墓へ入る前に行っておくべきこと

墓友となってくれる方々を見つけ、共に同じお墓へ入る前、行わなければいけない作業もあります。そうしないと、せっかく墓友と入るお墓まで決まったのに、これまで進めてきたこと全てが無駄になるケースも考えられます。

 

こちらでは家族の理解を得る、良心的な業者かどうかを判断することについて解説します。

家族の理解を得られているか

ご自分が墓友とお墓に入りたい旨を、終活としてエンディングノートに記載しておく方法も考えられます。確かに、この方法ならご自分の死後、ご家族にその希望が周知されることでしょう。

 

しかし、葬儀の準備や相続の件で大忙しの中、エンディングノートでいきなり墓友の存在や埋葬方法を指定されても、家族は困惑するばかりでしょう。

 

このような事態にならないため、墓友と埋葬してもらいたいことをエンディングノートで明記するだけではなく、生前に家族と十分に話し合っておくことが大切です。

本当に良心的な業者かどうかを判断する

今後は墓友に関するビジネスがどんどん拡大していくかもしれません。有料で墓友の選定から、共に入るお墓選びまでを行う代行業者があらわれる場合もあるでしょう。

 

しかし、このようなサービス業者が詐欺や悪徳商法では無いと断言できません。墓友のマッチングサービスや、墓友との埋葬方法・供養の方法等を充分にリサーチした上で、墓友や終活に関わるサービスを利用しましょう。

 

何ごとも一人で決めず、信頼に足る機関へ相談することで騙されるリスクを減らすことができます。特に地方自治体では終活サポート事業を行っているところもあります。まず、お住いの市区町村で墓友・終活に関する相談を行った方が無難です。

安心して旅立つため墓友とよく話し合おう

墓友を作ることは終活という、ともすれば孤独な作業となりがちな面をポジティブに変える方法の一つです。まず家族が混乱しないように了解を経てから、墓友を探しはじめましょう。

 

理想の墓友を見つけたら、互い意識のズレを調整しながら、墓友全員が納得できる理想的なお墓の種類・埋葬方法を選びましょう。

 

安心して旅立つためには家族の理解と、墓友との信頼関係が何よりも大切です。