合祀墓とはどんなもの?気になる費用やメリット・デメリットを紹介

公開日 : 2021/1/14

更新日 : 2021/1/16

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合祀とは遺骨の埋葬方法のこと。お墓の価値観が変化しつつある現在、注目を集めているお墓の在り方であります。本記事では、合祀についてメリットやデメリット、費用相場などをご紹介しています。終活や自分のお墓について考えている方は、ぜひ参考にしてください。

公開日 : 2021/1/14

更新日 : 2021/1/16

目次

合祀とは?

合祀とは神道の用語の1つで、ある神社の祭神を別の神社で祀ることをいいます。あるいは、一つの神社に複数の祭神を祀ることを指す場合もあります。このように、合祀とはもともと神社での神様の祀り方を指すものでしたが、1カ所に「合わせて祀る」という意味から、合葬を指すこともあります。

一般的には合葬を指す

現在は合祀というと、いわゆる合葬を指すことが一般的です。埋葬における合祀とは、故人の遺骨を骨壺から取り出し、他人の遺骨と一緒に1カ所に埋葬する方法です。似た言葉に「合葬」や「共同墓」などがありますが、遺骨を合わせるという意味では、合祀とほぼ同じです。

 

合祀は、いわゆる先祖代々のお墓と異なり、大勢の遺骨をひとまとめに埋葬するのが大きな特徴です。また、骨壺から出して埋葬するため、遺骨は将来的に自然に還ります。ちなみに合祀と似ている埋葬方法に「散骨」がありますが、散骨は骨を粉砕する必要がある点が、合祀と異なります。

合祀墓とは

合祀墓とは、合祀された人々のためのお墓です。合祀墓の構造は通常のお墓と同じで、地中にカロートという納骨スペースがあり、その上に墓石や墓碑、モニュメントなどが立てられることが一般的です。最近は合祀墓にもいろいろなスタイルがあり、それぞれ埋葬方法などが少しずつ異なります。

合祀墓の種類

合祀は大まかに2通りに分けることができます。1つ目は最初から合祀する方法です。2つ目は、一定期間が過ぎると個別の墓から遺骨を取り出して合祀する方法です。また、合祀墓にもいろいろなスタイルがあります。代表的な合祀墓について、以下の表にまとめました。

 

慰霊碑・納骨塔型

・地下に納骨スペースがある

・納骨スペースの上に石碑・仏像・モニュメントが建てられている

納骨堂型

地上に納骨スペースがある屋内型の合祀墓

自然葬型 樹木などを墓標としている
個別型

・契約期間内は個別の墓や納骨堂などで個別に遺骨を安置する

・契約期間が過ぎると地下のカロートに合祀される

個別集合安置型

・個々に小さな納骨スペースを作り、それぞれを密集させて1つのお墓に見立てる

・契約期間を過ぎると共同カロートに合祀される

合祀と永代供養のちがいとは?

合祀や合葬と似た言葉に、永代供養があります。合祀と永代供養の違いについて、簡単に解説しておきます。永代供養とは、永代供養墓を指します。永代供養墓とは、墓を守る人がいない場合や、墓参りに行くのが難しい場合に代わって、寺院や霊園が供養や墓の管理を行うものです。

 

永代供養といっても半永久的な供養ではなく、三十三回忌などを区切りとして合葬など行うことが一般的です。一方、合祀とは、遺骨を他人の遺骨と一緒に埋葬する方法です。つまり、永代供養とは埋葬後の供養・管理方法のことです。合祀は埋葬方法の一種です。このように両者の言葉の持つ意味は異なります。

 

ただし、現在の合祀墓の多くは霊園や寺院が管理しているため、永代供養を含んでいることがほとんどです。合葬と永代供養の境界はあいまいですが、もともとの意味は異なるという点だけは留意しておきましょう。

納骨堂とのちがいは?

納骨堂はいわば屋内型のお墓です。一般的には個別に遺骨を安置するため、複数の遺骨を一緒に埋葬する合祀墓とは異なります。ただし、納骨堂によっては、三十三回忌などを区切りにして、遺骨を共同カロートに移すところもあります。また、永代供養付きの納骨堂もあります。

合祀を選択する理由

合祀は、お墓に先祖代々の遺骨を安易していくという、従来の埋葬方法とは全く逆の方法です。もしかしたら合祀にピンとこない方もいるかもしれませんが、合祀を選択する理由には以下のようなものがあるのです。

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お墓を持ちたくない

自分のお墓を持ちたくないという場合に、合祀を選択することがあります。お墓を持ちたくない理由は、たとえばお墓の管理者がいないなどのケースです。また、子供に迷惑をかけたくないという理由で、お墓を持ちたくないと考える人もいます。あるいは、お墓にお金をかけたくない場合や、死後は土に還りたいと考える場合にも選択されます。

お墓を持てない

お墓を持ちたくても持てないため、やむを得ず合祀を選択するという場合もあります。たとえばお墓の管理者がいない場合や、お墓を建てる費用がないといったケースがあります。合祀墓は一般的なお墓より費用が安く、霊園や寺院によって管理がなされます。そのため、お墓の建立費用や管理に不安がある場合に、合祀を選択する人も多いです。

遺骨の整理

いわゆる先祖代々のお墓を持つ家庭でも、合祀を行う場合があります。1つのお墓に骨壺を納めていけば、いつかはスぺースが埋まってしまいます。そうすると、新しい遺骨を安置することができません。

 

そのような場合は、古い骨壺を取り出し、新しい遺骨のためのスペースを確保する必要があります。そこで、古い骨壺から遺骨を出して整理=合祀するというわけです。このとき、合祀はその家のお墓の中だけで行うこともあれば、霊園が持つ共同の合祀墓に移すこともあります。また、遺骨の整理は、三十三回忌を目安に行うことが一般的です。

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無縁墓

無縁墓や無縁仏となった場合には、寺院や霊園の管理者などが合祀を行うことがあります。ちなみに無縁墓や無縁仏とは、お墓を管理する人がいなくなったお墓・遺骨を指します。そもそもお墓とは、墓地の使用料を支払って区画を借り、そこに墓石を立てて使用します。

 

使用料や管理料は、お墓を継承していく限りは支払いが必要です。つまり、管理料などが支払われている間は、お墓は無縁墓とはなりません。しかし管理料などの支払いが滞ったり、無縁墓が原因で墓地が荒れたりする場合は、霊園や寺院が墓石を撤去し、区画を更地に戻します。その際にお墓から出された遺骨は、合祀スペースに移されます

 

なお、管理者が無縁墓などの合祀を行う場合は、自由勝手にはできません。官報に載せたり、お墓に立札を立てたりなどの所定の手続きを行い、お墓の継承者や縁故者が現れなかった場合に合祀となります。

墓じまい

お墓を守っていく人がいないなどの理由で、先祖代々のお墓を閉じるために合祀を選択する場合もあります。お墓の後継者がいない場合は、自分たちがお墓に入った後に無縁墓になってしまい、最終的には墓地や霊園の管理者によって合祀されることになります。

 

そうなる前に、自分たちでお墓を畳むという選択です。あるいは、子供などにお墓の管理の負担をかけたくないという理由から、お墓を畳むケースもあります。自分たちでお墓を閉じることを、「墓じまい」と呼びます。墓じまいでは、先祖の遺骨を出して合祀墓などに移し、墓石を撤去します。

合祀のメリットとデメリット

合祀にはメリットとデメリットの両方があります。それぞれについて、代表的なものをご紹介していきます。

メリットは?

まずはメリットについて見ていきましょう。合祀はまだ馴染みの薄い埋葬方法かもしれませんが、合祀にすると以下のようなメリットを得ることができます。

費用が安い

費用の安さは合祀の最大のメリットといえるでしょう。一般的なお墓の場合は、まず墓石の建立費用として工事代が発生します。そのほかに、墓地の区画使用料や、年間の管理料の支払いなども必要です。

 

一方、合祀の場合には墓石は立てませんので、工事費用がかかりません。また霊園によって異なるものの、年間管理料などの維持費用も基本的には発生しません。つまり、費用は合祀墓の使用料のみで済むというわけです。

 

遺骨の管理を委ねられる

合祀は永代供養を含む場合がほとんどです。つまり、合祀墓に合祀された遺骨は、霊園や墓地の管理者によって管理されることになります。通常のお墓ならば、定期的に墓掃除を行ったり、三回忌などには僧侶を手配して法要を行う必要があります。

 

しかし合祀墓の場合は、そういった管理・供養はすべて管理者に委ねられることになります。そのため、お墓を守る人がいない場合や、子供にお墓の負担をかけたくないという場合でも、お墓・遺骨の管理を気にせずにお墓に入れるというメリットがあります。ただし、合祀墓によっては永代供養を含まないこともありますので、注意が必要です。

基本的に宗教宗派を問わない

合祀墓の多くは、宗教宗派を問いません。どんな信仰や思想の人でも入ることができます。一方、寺院の墓地などは檀家になったり、改宗したりしなければならないことが多いため、お墓に入るまでの手間が大変という場合があります。

自分の希望に沿ったお墓を希望できる

一口に合祀墓といっても、スタイルはさまざまです。そのため、従来のお墓に入りたくないという人には、お墓や埋葬方法の選択が広がるといえます。

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デメリットは?

次に、合祀のデメリットについて見ていきましょう。合祀を検討するときは、以下のデメリットについてよく理解しておく必要があります。

遺骨は二度と取り出せない

合祀では、遺骨を骨壺から出して、他の人の遺骨と一緒に埋葬します。埋葬された遺骨は、時間が経てば土に還ります。そのため、合祀後に、個々人の遺骨を特定することは不可能です。たとえ合祀のあとに、「やっぱりお墓を立てたい」と思ったとしても、やり直しはききません。

 

一方、納骨堂やお墓などの場合は改葬が可能です。合祀墓であっても、一定期間は個別に埋葬できるところもありますので、合祀について迷いがある場合は、とりあえずそういったスタイルの合祀墓を選んでもよいでしょう。

家族や親族とトラブルになりやすい

先祖代々のお墓がある場合、合祀墓を選択することで、家族や親族間でのトラブルに発展することがあります。たとえば、「一緒のお墓に入りたくない」という意思表示にとられかねません。

 

また、家族はしっかり供養してあげたいと思っているにもかかわらず、合祀墓を選択すると、遺族が思うような供養ができなくなったりお墓参りをしている感覚が薄れたりすることがあるからです。

故人の存在が薄くなる

合祀墓に入るということは、特定の個人のお墓がないということです。お墓は故人を偲ぶ拠り所でもあります。しかし合祀墓にはそういった親近感を感じにくいため、たとえお墓参りに行っても、故人を偲ぶ気持ちが薄れてしまうことがあります。

 

また、合祀墓の多くは、必要最低限の供養しか行いません。厚い供養をしたいと考えている遺族には、物足りなく感じることがあります。しかし、霊園や墓地によっては、個別の供養を行えるところもあります。

合祀の場合のお参りや供養の方法とは?

合祀の場合は、一般のお墓の場合と供養やお墓参りの方法が少し異なります。合祀の供養やお墓参りについて、簡単にご紹介していきます。

供養の方法

寺院や霊園の多くは、年に1回程度の法要を行います。代表的なものでは、春・秋の「彼岸供養」やお盆の時期の「施餓鬼法要」などがあります。このような法要では、檀家や寺院関係者が一堂に会し、墓地に埋葬されている死者のための供養を行います。このとき、合祀された人々の供養も一緒に行われます

 

民間の霊園の場合は、さまざまな宗教宗派の人が埋葬されているため、「合同慰霊祭」などの名称で供養を行うことが多いです。また、霊園によっては、個別の供養に対応しているところもあります。三回忌や七回忌などの節目の法要は手厚く行いたいという場合は、そういった個別対応を行っている霊園や墓地を探すとよいでしょう。

 

 

お参りの方法

合祀墓には、共同の参拝スペースが設けられていることが一般的です。お花を供えたり、線香をあげたりするスペースも備えられています。個別のお墓に比べれば故人の存在は希薄化しやすいですが、通常のお墓参りと要領はほぼ同じといえるでしょう。墓掃除は霊園や墓地の管理者が行いますので、基本的に参拝者は行いません。

 

合祀墓に参拝するときは、他家の参拝者もいることを念頭に置いておきましょう。参拝スペースには限りがありますので、譲り合ってお参りしましょう。

合祀墓の費用相場

合祀墓に入るときに、もっとも気になるのが費用です。合祀墓に入る場合の費用は、立地やお墓のスタイルにもよりますが、相場は3万~15万円程度といわれています。個別埋葬の期間を設けた場合は、50万円程度かかることが多いです。

 

一般的なお墓の費用は工事代や維持費を含めて100万~200万円が相場です。それに比べると、合祀墓の費用は安いといえるでしょう。それでは、合祀墓にかかる費用の内訳はどんなものがあるのでしょうか。代表的なものについてご紹介していきます。

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永代供養料

合祀墓の費用の大きな割合を占めるのが、永代供養料です。多くの合祀墓では年に1回程度、合同慰霊祭を行うなどして、合祀の死者の供養を行いますので、そのための費用の支払いが必要です。永代供養料は霊園や供養の度合いによって異なりますが、相場は3万~50万です。

管理料

霊園や墓地の清掃・メンテナンスなどの維持費用として、管理料を支払うことがあります。管理料は永代供養料に含まれていることも多いです。合祀墓の管理料は3000円~1万円程度が相場です。また、合祀墓の場合は初回にまとめて支払うことが多いですが、霊園によっては年間管理料が発生することもあります。

 

 

納骨料・使用料

合祀墓の使用料や納骨料を支払うことがあります。使用料・納骨料・永代供養料・管理料はひとまとめになっていることも多く相場はあわせて3万~15万円程度です。立地や霊園の規模、供養の度合いによっては、50万円程度かかるところもあります。

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その他の費用

霊園や寺院によっては死者に戒名を与えたり。墓石に名前を刻んだりするサービスを行っているところもあります。その場合は戒名料や彫刻代の支払いが必要です。戒名料や彫刻代の相場はかなり幅が大きく、10万~100万円程度です。

注目が集まっているお墓のスタイル

死生観の変化により、合祀を選択する人も増えてきています。合祀には費用の安さや管理が簡単などのメリットがありますが、一方でやり直しがきないというデメリットがあります。メリットとデメリットをしっかり検討したうえで選択しましょう。