【年末年始】正月の墓参りは意外に多い!理由や注意点を紹介
公開日 : 2020/12/10
更新日 : 2021/5/30
年末年始の帰省で、お墓参りに行くという人も多いでしょう。ところで、そもそもお正月にお墓参りに行くのはよいことなのでしょうか。以下では、お正月のお墓参りについて、疑問点や注意点をまとめています。年末年始の帰省でのお墓参りを考えているなら、ぜひ参考にしてください。
公開日 : 2020/12/10
更新日 : 2021/5/30
目次
正月に墓参りにいってもいい?
正月にお墓参りにいくのに問題はありません。仏事は宗派や地域、寺院によって習慣や考え方が少しずつ異なりますが、基本的に、お墓参りをしてはいけないと決められている日はありません。
つまり、お正月のお墓参りは認められています。また、実際に、年末年始の帰省にあわせてお墓参りにいくという人は意外に多いです。
正月の墓参りが多い理由
お正月にお墓参りに行く人が多い理由には、やはり帰省が挙げられます。普段、遠方でなかなかお墓参りにいく機会がない人にとっては、ふるさとへの帰省は墓参りの絶好のタイミングというわけです。
また、お正月にお墓参りをするにはもう1つ理にかなった理由があります。それは、新年の始まりにご先祖様に挨拶するというものです。本来お正月には、年神様とご先祖様の霊をお迎えするという意味合いがあります。
年神様とは豊穣と繁栄をつかさどる神様です。おなじくご先祖様は、子孫を見守ってくださる存在です。お墓参りとはご先祖様に会いにいくことですので、もともとのお正月の意味を考えれば、お正月のお墓参りにはなんの問題もありません。
一部地域ではお正月の墓参りは縁起が悪い
一方で、お正月のお墓参りは非常識という意見もあります。お墓は死者が眠る場所であるため、おめでたいお正月にお墓参りにいくのは、なんとなく縁起が悪い気がするためでしょう。これは地域や寺院、親族によって考え方が異なり、どの地域が該当するということでもありません。
前述のように、お墓参りはご先祖様に会いに行く行事であり、新年の始まりにご先祖様に挨拶に行くことに問題はありません。ただし、お正月のお墓参りに抵抗を覚える人や地域もありますので、トラブルを避けるためにも、そういった地域ではお正月のお墓参りは避けたほうが無難です。
正月の墓参りのタイミングとは
お正月にお墓参りに行くのに、最適なタイミングはあるのでしょうか。以下では、お正月にお墓参りにいくタイミングや考え方についてご紹介します。
原則はいつでもよい
お正月にお墓参りに行くタイミングは、原則はいつでもOKです。たとえば必ずしも元旦や三が日である必要はなく、三が日が明けてからでもかまいません。お墓参りはゆっくりとご先祖様と語らう時間ですので、時間やスケジュールに余裕がある日に設定するのがよいでしょう。
できれば午前中がおすすめ
お墓参りは原則いつでもOKですが、できれば午前中がよいとされています。ご先祖さまへの挨拶は最優先事項であるため、他の用事の後回しにするのは失礼だと考えられているからです。そのため、お墓参りは1日のうちの早い時間帯に行うべきと考えられています。
もちろん、遠方からお墓参りにいくため、到着が午後になるというケースもあります。厳密に午前中にお墓参りをする必要はありませんが、他の用事の後回しになるようなスケジュールは避けたほうがよいでしょう。
また、時間的な問題もあります。霊園によっては、年末年始は短時間営業を行います。夕方以降は閉園するところも多いため、なるべく早い時間に済ませておいた方がよいというのも、午前中のお墓参りがおすすめな理由の1つです。
正月前の大みそかは避けたほうがよい
お正月前の年末にお墓参りを済ませておきたいと考える人も多いでしょう。お墓参りのタイミングに決まりはないため、年末のお墓参りでももちろん問題はありません。実際に、年内のうちにお墓を掃除し、ご先祖様に気持ちよく新年を迎えてもらいたいとして、年末にお墓参りをする人も多いです。
ただし1つ注意したいのは、年末は寺院や霊園も忙しいということです。年始に向けて墓地の清掃を行っていることもあり、そんなときにお墓参りにいくと、邪魔になってしまう可能性もあります。寺院や霊園への配慮として、お墓参りはできれば30日までに済ませておくのがおすすめです。
喪中の場合は?
喪中のお正月では、初もうでやお正月飾りなどを慎むという風習があります。それでは、喪中のお墓参りはしてはいけないのでしょうか?答えはNOです。喪中に初もうでを慎むのは、神道の考え方に基づいています。すなわち、神道では死を「穢れ」と考えており、聖域である神社に穢れを持ち込んでいけないというのが理由です。
一方、仏教にはそういった考え方はありまん。そもそもお墓は死者が眠る場所であり、ご先祖様に会いに行くのは供養の一環だと考えらえています。そのため、喪中のお正月であっても、お墓参りをしても問題ありません。
正月の墓参りでやってはいけないこと
お正月に限らず、お墓参りは「ついで参り」にならないように注意しなければなりません。。ついで参りとは、他の用事のついでにお墓に立ち寄ることです。先にも触れた通り、ご先祖様への挨拶を他の用事の後回しにすることは、ご先祖様への失礼にあたります。
お正月の場合は、親戚の家を回って挨拶に行ったり、帰省先で友人と久々に再開したり、など、イベントが重なりがちです。お墓参りにゆっくり行く時間がないという場合もあるでしょう。もし同日にお墓参り以外の用事を入れる場合は、お墓参りを一番はじめに行い、その後に他の用事を済ませるようにしましょう。
初詣と同日は避けるのが無難
ついで参りの中でも、神社への初詣とお墓参りは避けたほうが無難です。前述のように、神道では死を穢れとして忌み嫌います。そのため、お墓参り後の初詣は穢れを神社に持ち込むことになるため、避けるべきと考えられています。
しかし、初詣を優先すると、お墓参りがついで参りになってしまいます。このように、初詣とお墓参りは相性が悪いです。違う日にスケジュールを設定するのがおすすめです。
墓参りの方法
お正月だからといって、墓参りに特別な作法はありません。いつも通りの方法でお参りしましょう。ただし、お正月は管理事務所や売店が閉まっていることがあります。お線香やお花などを現地調達できない可能性がありますので、お墓参りに必要な道具はあらかじめ揃えておきましょう。
墓掃除
まずはお墓掃除を行いましょう。雑草を抜いたり、墓石を洗ったりします。墓石はたわしを使うとキズがつくことがあるため、スポンジや柔らかい布などを使って丁寧に洗います。最後に乾いた布で拭くと、汚れや水垢が付きにくくなります。
墓石の文字に汚れが詰まっていることもあります。つまようじや歯ブラシを用意しておくと便利でしょう。
線香をあげる
墓掃除が終わったら、線香をあげましょう。このときの注意点として、火が消えるのを見届けるというものがあります。火がついたままの線香やろうそくを放置していくと、火事になることがあります。
線香やろうそくに火をつけたら、火が消えるまで見届けるか、水や土をかけて火を消してから、墓地を立ち去るようにしましょう。
お花を供える
お墓参りにはお花を供えます。お正月ですので、すこし華やかなお花を選ぶ人も多いです。たとえばお正月らしく南天やセンリョウなどのお花が好まれます。ただし、棘のある花や芳香が強い花、毒の強い花は墓参りに不向きです。
お花は、帰るときは持ち帰るのがマナーです。お墓に飾ったままだと、いずれは枯れてしまいます。枯れたお花はかえてってお墓を汚すことがあります。
喪中の場合のお花の選び方
喪中のお墓参りの場合は、お正月であっても、華やかなお花は避けたほうが無難です。物価の定番である菊などがふさわしいでしょう。
お供え物をする
お花とともにお供え物をします。故人が好きだったお菓子やお酒などが一般的です。お供え物は、帰るときは持ち帰りましょう。お墓に備えたままだと、腐るだけでなく、動物が荒らすことがあるからです。
正月にはご先祖様にご挨拶にいこう
お正月は、年神様とご先祖様の霊をお迎えするための行事です。そのため、お正月にお墓参りに行くのは、本来のお正月の意味にかなっています。年末年始はふるさとに帰省し、お墓参りに行きやすいタイミングでもあります。ぜひ、年の初めにご先祖様に挨拶に行き、前年の感謝と今年の抱負を伝えてみてください。
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