お墓参りにはどんな花を持って行けばよい?お供えの仕方は?

公開日 : 2020/12/10

更新日 : 2021/3/8

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お墓詣りには欠かせないお花は、お墓を美しく彩り、お参りに来た人の心をほっと安らがせてくれます。そんなお墓参りのお花にはどのようなものを選び、どのようにお供えすれば良いのでしょうか。お墓参りのお花の選び方やお供えのマナーについてご紹介します。

公開日 : 2020/12/10

更新日 : 2021/3/8

目次

なぜお墓に花を供えるのか?

お墓参りのお供えに欠かせない花ですが、どうしてお墓に花を供えるのでしょうか。その理由は諸説ありますが、主なものを以下にご紹介します。

ご先祖様や故人様に哀悼の意を示すため

お墓に供える花は、もちろんご先祖様や故人様へ手向けるものです。きれいな花を供えることで、哀悼の意や敬意を示すことができます。

 

また、同じくお墓や仏壇に供える「線香」は、「香りを召し上がっていただく」という意味合いがあります。それと同じく、花の清々しい香りを召し上がっていただくために供えるのだとも言われています。

美しい花で悲しい心を慰める

お墓に供える花はお参りする側のために供えるという考えもあります。彩り豊かで美しい花を見て心を慰めると共に、花の命に触れて、命の儚さや尊さを知るという意味合いがあるのです。後ほど改めてご紹介しますが、お供えの花はお参りする人の側に向けて供えられるのも、そういった理由があるからだと考えられています。

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土葬時代の名残

また他の理由としては、土葬の名残であるとも言われています。現在でもお墓に手向けられる植物として知られている「しきび」は強い香りがあり、毒があるため、土葬場所を動物に掘り返されないようにしたり、害虫から守ったりするために供えられていました。現在でもその名残として、お墓にしきびや花を供える風習が残っているとも考えられています。

お供えする花選びのポイント

お墓参りの際にお供えする花には、どのようなものを選べばよいのでしょうか。花を選ぶ際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。

49日までは白い花、それ以降は五色を意識

宗教や宗派によって違いがありますが、一般的には亡くなってから四十九日の間までは白い花をお供えするのが良いとされていることが多いです。

 


四十九日を過ぎたら、華やかな色合いでお墓を彩る方が良いとされています。白・赤・黄色・紫・ピンクの誤植をメインに、バランス良く取り合わせると良いでしょう。花の種類があまりなかったり、数が少なかったりする場合でも、白・黄・紫の三色はそろえておくことが望ましいです。

お供えにふさわしくない花の特徴

お墓参りのお花はこうでなくてはならない、という決まりはありません。基本的に、手に入る花や故人様の好きだった花で大丈夫です。しかし、その中でもお墓参りにはふさわしくないとされている花もあります。その特徴とふさわしくないとされる理由についてご紹介しましょう。

とげのある花

仏教やキリスト教においては、とげのある花をお供えすることが禁じられていました。その習慣が現代にも受け継がれ、とげのある花はNGとされる場合もあります。お供えする際にとげが刺さって怪我をしたり、お墓の近くを通った人の服や体に引っかかることもありますので、避けた方が無難です。


とげがある花の代表格であるバラはとても人気がある花で、故人様が好きだったのでお供えしたい、ということもあるかもしれません。その場合は、とげをもいでお供えすると良いでしょう。

毒のある花

毒は死を連想させるため、仏事全般で避けられています。また、周囲の方や生き物に害が及ぶ恐れがあるため、毒のある花を供えるのは避けましょう。

 

特例として、「しきび」は先ほどご紹介した理由から、毒を持ってはいるものの伝統的にお墓に供えられます。ただし、子供やペットの誤食が心配されるため、造花を利用することも増えているようです。生のしきびを使う場合は、お供えをしたらすぐに持って帰るなど、取り扱いには充分気を付けましょう。

花粉が飛びやすい花

花粉が飛びやすい花はお墓や参拝者の服を汚してしまうため、避けた方が良いでしょう。仏花のアレンジの中に良く入れられているユリは、花粉が散りやすい花の代表です。ユリをお供えするときは、花粉を取り除いておきましょう。

つる性の花

アサガオやクレマチスのようなつる性の花は花立ての中で自立しないため、お供えの花としてはふさわしくありません。また、成長してお墓に巻きついてしまう恐れもあります。避けた方が良いでしょう。

黒い花

チューリップやバラ、ダリアなどには黒い種類もありますが、そうした黒い花は縁起が悪いとされ、お供えとしては喜ばれません。

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おすすめの花

上記の条件を踏まえて、お勧めの花を季節ごとにご紹介します。

オールシーズン

代表となるのはやはり菊です。菊の花は長寿を意味する、邪を祓う力があるといわれ、お墓参りに限らず仏事に欠かせない花です。そのため、四季を通じて仏花として取り扱われています。他にはカーネーション、デンファレ、アンスリウムなどがオールシーズン手に入りやすく、仏花としてお勧めの花です。

春は花の種類や数が豊富で、お供えのお花選びも楽しい時期かもしれません。キンギョソウ、フリージア、アネモネ、シンビジュームなどがお勧めです。

夏は気温が高く、花が悪くなりやすい時期です。後ほどご紹介する花を長持ちさせる方法を参考にして、しっかりと花の手入れをしてから生けるようにしてください。

 

夏の花で仏花におすすめなのはヒマワリ、ケイトウ、グラジオラス、ヤグルマソウ、マーガレット、ホオズキなどです。鮮やかな色の花が多く墓前にも映えますが、あまり華美になり過ぎないよう気をつけましょう。

夏を過ぎ涼しい風が吹くようになると、花の数が少しずつ減ってきます。秋のお彼岸のお墓参りには、秋らしさを感じさせる花を用意したいものです。おすすめはコスモス、リンドウ、センニチコウ、ワレモコウなどです。

冬は最も花の少ない時期で、仏花の準備にも苦労するかもしれません。菊を中心に、早咲きのスイートピーやアイリス、ストックを取り交ぜると良いでしょう。

 

地域によっては花立の水が凍ってしまうこともあるので、冬場だけ造花をお供えするのも一つの手です。冬の風は強く、造花が飛んでしまうことがあるので、茎部分の針金を折り曲げて花立に固定するなど工夫が必要です。

宗教によって違いはある?

仏教においては上記のように花を選ぶと良いですが、それではほかの宗教ではどうでしょうか。神道、キリスト教におけるお墓参りのお花についてご紹介します。

神道の場合

神道では基本的にお花は供えません。神の依代とされる「榊(さかき)」の葉をお供えします。神道において神事に捧げる「玉串」は榊に半紙が飾られていますが、お墓のお供えに使う榊には半紙は必要ありません。榊立ては一対ありますので、それに合わせて2本用意しましょう。

キリスト教の場合

キリスト教の場合、お墓に供える花としてもっともふさわしいのは白いバラです。他には白百合、白いカーネーションのほか、白を基調とした花の中から故人様が好きだったものを選んでお供えすると良いでしょう。ただし、白い日本菊のような仏花は避けた方が良いでしょう。

花はどこで買う?費用相場は?

お供え用の花はどこで買えば良いのでしょうか。また、費用はいくら程度を見ておけば良いのでしょうか。花を買える場所と、おおよその費用相場をご紹介します。

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スーパーやホームセンター

手軽に、安価で花を手に入れたいと思ったら、スーパーやホームセンターが良いでしょう。一束300~800円、一対で600~1600円程度が相場です。また、地方の場合は産地直送市場(産直)で買うのも手です。新鮮な花を安価で購入することができます。

花屋

お彼岸やお盆の時期には、仏花の花束を販売していることもあります。また、季節の花や故人様が好きだった花を取り交ぜて花束を作ってもらうこともできます。既にセットになっている仏は花よりもオリジナリティがあり、お墓を美しく彩ってくれるでしょう。値段はスーパーやホームセンターより高めの1000円、一対で2000円になることが多いようです。

霊園

霊園によっては仏花を販売しているところもあります。その霊園のルールにのっとった花が選ばれていますので、安心してそのままお供えができます。こちらもやや割高で、一束1000円、一対で2000円程度かかる場合もあります。

お供えの仕方

続いて、お墓に花をお供えする時の注意点をご紹介します。マナーにのっとった花の供え方や、花がんが持ちする方法を押さえておきましょう。

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五色・奇数を意識して、同じ花束を2つ作る

お墓に供える花は奇数にします。偶数は縁起の悪い数字とされているからです。3本・5本・7本のいずれかにするのが一般的ですが、最もバランスが良いのは5本でしょう。花の長さは地域にもよりますが、花立の倍の長さ程度にしておくのが一般的です。花立てはお墓の左右に置かれ、一対になっていますので、同じ花束を2つ用意します。

参拝者の方に向けて活ける

お墓にお花をお供えする際にはお参りする人の側に花を向けるのが一般的です。しかし、故人様のために供えるのだからお墓に向けるのが正解ではないかと疑問に思われるかもしれません。

 

実際に、お墓(仏様)の方へ花の表を向ける「向上相」という供え方もあります。しかし、一般的には花の背をお墓(仏様)の方へ向ける「向下相」という供え方をします。そうした供え方には、供養する側の心を清める目的があると考えられています。

 

また、花立に花をさすときは、ひし形になるように形を整えると見栄えが良くなります。背の高いもの、低いものを取り合わせて、まとまりのある美しい形になるよう工夫しましょう。

すでにお供えされていた場合

お彼岸やお盆など、お墓参りのシーズンの時は、すでに花が生けられている場合があります。その時はどうすれば良いのでしょうか。

 


まず、すでにお供えされている花が枯れている場合は、花を処分して花立をきれいに洗い、新しい花を供えると良いでしょう。花がまだきれいな場合は、他に花立てを用意してお供えします。お墓が華やかになり、ご先祖様も喜ばれることでしょう。

 


花立てがなく、お墓に花がお供えできない場合は、無縁仏のお墓にお供えするのも良い方法です。

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花を長持ちさせる方法

生花は当然ながら枯れてしまうものですが、せっかくお供えするのですから長くその美しさを保ちたいものです。丁寧に準備をすることで、花の寿命は大きく変わります。その方法をいくつかご紹介しましょう。

持って行く前に「水切り」をしておく

花を購入したら、まずは「水切り」をします。水切りとは、水を張ったバケツの中できれいに茎を切ることです。この際、茎を斜めに切っておくと給水しやすくなり、寿命が長くなります。

 

低い位置に葉があると花立てに挿した際に葉が水に漬かり腐敗の元になりますので、それも併せて切っておきましょう。また、はさみが不潔だと茎の切り口から雑菌が入ってしまいます。清潔なはさみを使うようにしましょう。

花立をきれいに洗う

墓地に着いたら、花立をきれいにあらいます。前にお供えした花の残さや、ゴミやホコリなどで花立は意外と汚れています。ブラシを使って、中までしっかりきれいに洗いましょう。汚れていると雑菌が繁殖し、花の寿命を縮めてしまいます。

花立に鮮度保持剤を入れる

切り花専用の鮮度保持剤を花立に入れるのも良い方法です。鮮度保持剤は水の腐敗を防ぐ抗菌剤と花のもちを良くする栄養剤が含まれているもので、花の寿命を延ばすのに役立ちます。鮮度保持剤がない場合は、漂白剤と砂糖で代用可能ですが、入れ過ぎないように気をつけましょう。

造花やプリザーブドフラワーを供えても良い?

生花は枯れてしまったり、葉や花が落ちて周囲を汚してしまったりするため、造花やプリザーブドフラワーのような傷まない花を生けるケースも増えています。

 

大切なのは故人様を敬い、供養する気持ちです。造花やプリザーブドフラワーをお供えしても問題ありません。しかし、年配の方の中には、生花以外の花を供えることに抵抗を覚える方もいます。地域や親族間の慣習によっては造花やプリザーブドフラワーが良しとされないこともありますので注意が必要です。

お参り後、花はどうする?

マナーに則った花選び、花束の作り方、お供えをすることができても、最後の片付けがきちんとできていなければ台無しになってしまいます。お参り後、花はどのようにすれば良いのでしょうか。

持って帰る

生花をそのままにしておくと腐ったり花や葉が落ちたりして、お墓を汚してしまうことがあります。そのため、お参り後は持って帰った方が良いでしょう。

霊園のルールに従う

霊園の場合は管理者が片付けてくれたり、また生花自体が禁止されていたりすることもありますので、霊園のルールをきちんと確認しておきましょう。

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近所であればまた片付けに来るのも良い

家の近所にお墓がある場合は数日後にまた墓地を訪れ、花を片付けるのが理想的です。夏場であれば次の日にでも片付けに行った方が良いでしょう。

 

ただし、また来るからといって線香などの火がつくものや、食べ物を供えたままにしておくのは良くありません。そうしたお供え物はお墓参りが終わったらすぐに片付けるようにしましょう。

持って帰った花は仏壇ではなく家に飾る

墓参りで使ったお花はすでにご先祖や故人様にお供えしたものなので、仏壇に供えるのは「使いまわし」になってしまい良くありません。花瓶に生けるなどして、自宅用として飾るようにしましょう。

墓参りの花についてまとめ

お墓にお供えする花の選び方やお供えの仕方についてご紹介しました。美しい花はご先祖様や故人様を偲び、供養するだけではなく、お墓を美しく彩ることで訪れた人の心を癒してくれます。正しく花を選び、正しくお供えして、花のように優しく美しい哀悼の意を示しましょう。