ペットのお墓はどう選ぶ?自宅・霊園・散骨とお墓参りの注意点

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/8

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大切な家族の一員であるペットの死は辛く悲しいもの。お墓を建てたり手元に置いたり、その供養方法はさまざまです。この記事では自宅やマンション、ペット霊園、人と一緒に入れるお墓など、ペットのお墓をさまざまな場所や種類別にご紹介します。

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/8

目次

ペットのお墓を自宅に建てる

大切なペットの埋葬先や供養方法はいろいろありますが、自宅にペットを埋葬すれば、いつでもペットを身近に感じることができます。また手間やコストもあまりかからず、比較的簡単にお墓の用意ができるため、自宅埋葬・供養を選ぶ方も少なくありません。

自宅に庭がある場合は、その一角に大切なペットのお墓を建てることができます。他人の敷地内や公共の場に無断でペットを埋葬することは法律で禁じられていますが、自分の所有する土地であれば違法ではありません

 

とはいえ、庭にペットを埋葬する際には、知っておくべきことや埋葬の注意点などがありますので、順に見ていきましょう。

場所

ペットのお墓を建てる時は、なるべく通りからは見えない場所を選ぶのが望ましいと言えます。大切なペットは亡くなっても家族の一員であることに変わりはありません。しかしご近所や通りを行く人は、亡くなったペットに対する思いもないため、庭に建てられたお墓を見て不快に感じたり、衛生面などの心配をする方もいるからです。

 

また常に湿っているような場所ではなく、水はけのよい場所を選ぶことも大切です。

 

モルモットやセキセイインコなどの小動物の場合は十分な深さに掘れば土葬でも構いませんが、犬や猫の場合はサイズが大きいため、火葬をしてからの埋葬が良いでしょう。

 

そうすることで、土に還るまでに時間がかかり異臭などの原因になったり、他の動物に掘り起こされたりするのを防ぐことができます。

墓石

墓石は墓碑とも呼ばれ、「お墓がある」という目じるしになるものです。最近ではホームセンターやネットショップなどでも、ペットの名前の入った墓石やお墓プレートを購入することが可能になり、安いものでは4,500円ぐらいからあります。

 

また墓石を購入しなくても、ペットを埋葬した場所に小さな小石を並べたり、レンガなどで囲ったりすることで、墓石の代わりにすることもできます。

バルコニー

アパートやマンションに住んでいて庭がない方や、庭はあってもお墓を作るスペースがなかったり、他にもペットがいて掘り起こされる心配があるという方もいるでしょう。そういう場合は、ベランダにペットを埋葬する方法もあります。

プランターや鉢を利用

ベランダにはもちろん土がないため、花を植えるプランターや鉢を利用します。方法はいたってシンプルで、プランターに土を入れてペットを埋葬するだけ。万が一引っ越しをするようなことがあっても、ペットも一緒に連れていくことができます。

 

このプランターを利用する埋葬方法は、「プランター葬」と呼ばれ、最近になって選ばれることも多くなってきたペットの埋葬方法ですが、いくつか注意点があります。

 

まずプランターの素材選びですが、プラスチック製のものは経年劣化しやすいため、丈夫で通気性の高いテラコッタなどの素焼きや繊維状のガラスを固めたグラスファイバー製のものがおすすめです。

 

またプランター葬はハムスターや小鳥、リスなどの小動物の埋葬には適していますが、猫や犬の埋葬となると、深さが足りないという問題があります。猫や犬をプランター葬にする場合は、事前に火葬を済ませてからにしましょう。

ペット埋葬専用のプランター

亡くなったペットを身近に感じていたいという想いを受け、ペット埋葬専用のプランター「SOULPET(合同会社カイチ)」なども販売されています。

 

下段の遺骨を入れる層と、上段の植物が植えられるプランター層の2段に分かれていて、見た目もお洒落な上にインテリアに溶け込むデザイン。ベランダだけでなく室内にも置ける、場所を選ばないペットのお墓です。

 

1つ注意しなければならない点は、ペットの土葬は出来ないということ。あくまでも火葬を行ってから遺骨を埋葬する「骨壺」のようなものであることを覚えておきましょう。

 

 

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室内

さらにペットを身近に感じていたいという方は、室内でペットを供養するという方法もありますが、火葬を行って遺骨にするということが大前提です。

インテリアにもなる骨壺

ペットの遺骨を納める骨壺にはさまざまなタイプがあり、ホームセンターのペット用品売り場やペット供養専門店などで購入できるのはもちろん、楽天やアマゾンなどの大手インターネットサイトでも購入できます。

 

動物の形をした陶器の骨壺や、ガラスでできたオブジェのようなもの、ペットの写真彫刻が施されたミニ墓石のような骨壺など、豊富な種類の中から選べ、値段は千円ぐらいから3万円近く。

 

インテリアの一部として室内に溶け込むデザインのものが多いので、来客があるときでも、遺骨があるということに気づかれることもありません。

遺骨アクセサリー

ペットと一緒にいたいという想いを叶える「手元供養」の中でも、一番ペットを身近に感じられるのが遺骨アクセサリー。

 

ペンダントやブレスレット、指輪、ブローチなどタイプやデザインも豊富で、ネジで開閉できるアクセサリー内部に遺骨を納める「遺骨収納アクセサリー」と、遺骨を宝石、ガラス細工、セラミックなどに加工した「遺骨加工アクセサリー」があります。

 

リーズナブルな物は1,000円弱で購入することができますが、素材やデザインが普段使いに合っているのか、防水加工は施されているかなど、事前に確認をしておきましょう。

ペットのお墓を霊園に建てる

ペット霊園は、真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗など、人間と同じように宗教や宗派もさまざまです。

 

ペットが宗教を信仰しているわけではないので、どの宗派を選ぶかは飼い主の意向によりますが、特に宗教を問わないということであれば、どの霊園でも問題はありません。またペットを納骨することでその宗派の檀家にならなければいけないということもないので、安心してペットの遺骨を預けることができます。

 

霊園と一言でいってもお墓の種類や納骨方法にはいろいろありますので、自分が一番安心できるものを選びましょう

個別墓

人間のお墓と同じように、個別に墓石を建てて納骨をします。人間の墓石と比べサイズは小さめでデザインは可愛らしいものが多く、値段は10万円程度が一般的です。

 

人間のお墓と同じぐらいの大きさで墓石を建てることも可能ですが、その場合は数十万円から200万円ほどになることも。どのような墓石を望んでいるのか、事前に霊園に相談することをおすすめします。

納骨堂

ペットの納骨堂も人間と同じように、骨壺のまま遺骨を安置します。扉などがついていない棚式や、扉のあるロッカー式など、タイプにもいろいろあり、通常は年間契約で1~3万円ほどかかります。

 

また仏壇式の納骨堂もありますが、ペット霊園ではまだ数が少なく、値段も数十万円と他の形式に比べて高額です。

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合祀墓(ごうしぼ)

「共同墓」「永代供養墓」などとして知られている合祀墓は、個別墓とは異なり、他のペットと一緒に入るお墓を言います。3千円から1万円ぐらいと費用もリーズナブルで、年に何回か供養祭を行ってくれる霊園もあるため、合祀墓を選ぶ方も多いのが現状です。

 

しかし合祀墓には注意しなければならない点があります。それは後で考えが変わりペットの遺骨を手元に置きたくなっても、遺骨を返してもらうことが出来ないということ。ペットの遺骨は骨壺から出して他のペットと一緒に埋葬されるため、他のペットの遺骨との区別はつかなくなるからです。

 

とはいえ、合祀墓でもしばらくの間は骨壺に入ったままの状態で預かってくれる霊園も多くあります。自宅でペットの遺骨を安置するのが難しい場合や、合祀墓にするか個別墓にするか決めかねている場合などは、とりあえずは預かってもらうという選択も可能です。

人間と一緒のお墓

大好きなペットと同じお墓に入りたいという人も多く、最近は人間とペットが一緒に入れるお墓も少しずつ増えてきました。また一緒のお墓ではなくても、同じ敷地内の人間専用とペット専用のお墓に分かれて入ることができる霊園もあります。

 

しかしその数は決して多いとは言えず、人間とペットは死後の世界が違うため一緒には成仏出来ないことや、宗教上の問題、檀家の反対などが一緒に入れるお墓が少ない理由として考えられます。

 

一緒に入ることができるお墓にも種類があり、墓石を建てる場合はだいたい200万前後、納骨堂の場合はだいたい30万円程度、樹木葬だと70万円程度が相場です。

 

ただし、ペットと一緒のお墓に入ることを家族が反対する場合もあります。お墓のことで家族ともめるようなことになれば、ペットも心配で成仏出来ません。一人で決断せずに家族にも相談をしましょう

ペットを散骨する

ペットの遺骨安置に関する法律は特にないため、いつまでも自宅に置いておくことも可能ですが、現実的にはそうもいきません。飼い主に何かあった時に一緒のお墓に入るのであれば、その時まで自宅安置も出来ますが、そうでなければ飼い主がいつかはきちんと納骨をする必要があります。

 

そんな時によく選ばれる方法が散骨。遺骨をそのままの状態で撒くわけにはいかないので、専門業者に頼んで粉末状にする必要がありますが、撒くという行為自体は法律で禁止されているわけではありません。

 

森や海岸などのお散歩コースや自宅の庭など、ペットが生前に好きだった場所やよく居た場所に散骨すれば、ペットも喜ぶでしょう。またペット霊園などで木と一緒に埋める「樹木葬」や、散骨業者を通して海に撒く「海洋葬」を行うのも選択肢の一つです。

 

どんな方法や場所で散骨を行う場合でも、節度を持って散骨をすることが大切です。周りの人が不快に思うような場所は避けましょう。

 

 

ペットのお墓参り

ペットの遺骨を自宅に安置する場合は別ですが、霊園などに納骨した場合はお墓参りについて考える方もいるでしょう。

 

お墓参りは、ただお墓の掃除などの管理を行うというだけではなく、ペットに近況報告をしたり、生前のペットとの楽しい日々を思い返したりする機会でもあります。それがペットの供養にもなりますので、霊園が管理してくれているお墓でも時々はお墓参りをすることをおすすめします。

 

ペットのお墓参りに「こうしなければならない」というルールはありませんが、いくつか注意点や知っておくべき点があります。

 

 

掃除

納骨堂の場合は屋内にあるため、特に念入りな掃除が必要になるほど汚れることはありません。固く絞った濡れ雑巾などで目立つホコリを拭き取る程度で良いでしょう。

 

墓石を建てている場合は、雨風にさらされて汚れがたまっていることも多いため、しっかり掃除をする必要があります。たいていはお墓の管理スタッフが定期的に掃除をしていますが、それぞれのお墓の細かな部分までは手入れをしてはもらえません。

 

墓石周囲の雑草や落ち葉を片付け、古いお供えや枯れた花がまだ飾られている場合はそれも除きます。墓石の汚れがひどい場合は水で洗い流し、軽く雑巾で拭き取ると良いでしょう。水滴を墓石に残すとカビや劣化の原因にもなりかねないので、出来れば拭き取るのが望ましいです。

 

ペット霊園内には人間の霊園と同様に水場があり、掃除用具や手桶なども用意されているところも多いですが、必ず水場があるというわけではありません。ペットボトル入りの水や、百均で買えるミニほうき・ちりとり、ゴミを入れるビニール袋などを持参するのがおすすめです。

 

また墓石にペットの名前や似顔絵が刻まれている場合は、溝部分にも汚れがたまることがあります。古くなった歯ブラシなどを使って汚れを優しくこすり落としましょう。

 

 

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お供え物

お供え物には、お花やペットが好きだった食べ物などを用意するのがおすすめです。お花は特に仏花にこだわる必要はなく、自宅の庭に咲いている花でもペットは喜びます。

 

ただし納骨堂などの場合には、生花を飾れないこともありますので、必ず霊園に確認をとるようにしましょう。おすすめなのはプリザーブドフラワー。造花よりも色が鮮やかで生花と間違えられるほどのクオリティーが魅力です。

 

またお菓子などのペットの好物もお供えものに最適ですが、基本的にお供えものは全てお墓参りの間だけお供えし、帰る時には一緒に持ち帰ることをおすすめします。そのままにしておくとカラスや他の動物に食べられ、霊園内を汚すことになりかねません。

犬を連れて行く場合

亡くなったペットのほかにも犬を飼っている場合、まずは霊園にペット同伴のお墓参りが可能か確認をとることが大切です。

 

犬を連れて一緒にお墓参りをする際は、事前にペットのトイレは済ませ、必ずリードにつないでください。離しておくと、他のペットのお墓に入ってトイレを済ませたり、お供えを食べてしまったりとトラブルの原因にもなりかねません。

 

安置されているペット達への配慮を忘れずに、マナーのあるお墓参りを心掛けましょう。

ペットを供養する気持ちが大切

ペットのお墓や供養の仕方はさまざまで、「こうしなければペットが成仏できない」ということはありません。また高価なお墓を無理して建てる必要もなく、庭先に家族で建てた手作りのお墓でも、ペットにとっては最高のお墓です。

 

大切なのは亡くなったペットを供養する気持ち。ペットを失った悲しみは癒えるまで時間がかかりますが、ペット供養をすることは心のケアにも繋がります。お墓まで行くことが出来なくても、時々は手を合わせてペットに語りかけてあげましょう