お墓での写真撮影は不謹慎?マナーや注意点について徹底解説
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/10
お墓での写真撮影は不謹慎にあたるのだろうかと、ふと考えたり迷ったりしたことはありませんか?そこで今回こちらでは、お墓での写真撮影は不謹慎なことなのかどうかということと、お墓での写真撮影のマナーや注意点について詳しく解説します。
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/10
目次
お墓の写真撮影
お墓の写真を撮影することは、禁止されてはいません。しかし、お墓の前で写真撮影をすると聞いて、抵抗を感じる人とそうではない人がいるでしょうか。抵抗がある人にとっては、お墓はご先祖様や故人が眠る場所と考えると写真を撮影することを不謹慎なことだと感じるのでしょう。
不謹慎という考えだけでなく、お墓で写真を撮影すると「目には見えないものが写る」や「霊が集まってくる」、「縁起が悪い」などと言った考えを持つ人もいるようです。また、写真撮影という行為自体が慶事で行うことで、弔事の場にはそぐわないと考える人もいます。
これらのことからもわかるように、お墓を写真で撮影することは基本的には禁止されていることではありません。つまり、個人の考えや気持ちによって可能かどうかが決まるものだと言えます。
お墓の写真を撮るケース
お墓の写真撮影は禁止されているわけではありませんが、目的のない興味本位でお墓を撮影することは控えるべきです。それでもお墓の写真撮影が必要となるケースがあります。では、どのような場合にお墓の写真を撮るケースがあるのか見てみましょう。
記念として
お墓を建てることは、古くよりおめでたい事とされてきました。生前にお墓を建てることは長寿を招くとされ、吉事とされています。その際には、お墓を建てた方に「建碑祝い」と呼ばれるお祝いを送ったり、お披露目として「建碑式」を行ったりして祝います。
めでたい事とされている為やお墓を建てた記念の為として写真撮影を行うケースもあります。
遠方の人のため
就職や転勤、結婚などを理由に、お墓から遠い場所で暮らしなかなかお墓に足を運べない人へ、お墓の写真を撮影して送る場合があります。この場合、どなたにどのような目的で写真を撮影して送るのかを、写真を撮影する前に墓前で手を合わせて伝えてからにしましょう。
遠方のため、直接お墓に足を運びたくても運べない人にとっては、実際のお墓の写真を見て手を合わせられることを喜んでくれるでしょう。もちろん、突然送られてきたお墓の写真を見て不快に思う人もいるかもしれません。その為、事前に確認を取ってから送るようにしましょう。
自分がお墓を管理する親族にお墓の写真撮影を依頼するケースもあるでしょう。依頼をした際に相手に反対をされたのであれば、決して撮影の無理強いをしないようにしましょう。
修繕依頼
修繕を石材店などに依頼する場合も、まずは現地の状況を写真に撮って、修繕依頼に行く場合があります。また、修繕だけでなくメンテナンスの必要性に関しても、専門家の意見を聞きたい場合には、まずは撮影した写真で確認をしてもらう場合もあります。
例えば、費用の見積もりを取りたい時、写真を添付して概算を出してもらうことも可能です。この場合、工事の状況を詳しく店側が把握するためにも、隣接するお墓の状況や墓地や霊園周辺の状況がわかる写真も必要になる場合があります。
その場合、管理会社に許可を取るなどしてから撮影をしましょう。管理会社の許可が出なかった場合は、オンラインでの見積もりを諦め、実際に現地に担当の方を呼んで見積もりをしてもらいましょう。
作業報告
お墓の持ち主や親族の依頼を受けて、清掃会社がお墓の掃除を担う場合があります。依頼主がお墓に同行するわけではないため、清掃会社は作業前と作業後のお墓やお墓周りの状態を写真に収めて依頼主に作業を報告します。
修繕会社も同じです。修繕作業前と作業後の写真を撮影して依頼主に報告をする場合があります。また、お墓に修繕が必要な箇所があるのかの診断を行う場合も撮影を行い報告する場合があります。
もちろん、これらのお墓にまつわる仕事を行う会社はお墓のプロであるため、失礼な行動をしないように教育を受けて作業にあたっています。気になる場合は、お墓の写真撮影に対する会社の考えを聞いてみると良いでしょう。
フォトコンテスト
ケースとしては少ないですが、お墓を題材としたフォトコンテストが行われる場合があります。フォトコンテストに応募する為にお墓の写真を撮影するのであれば、そのコンテストの目的をしっかりと確認をしましょう。
例えば、オリジナルデザインのお墓のフォトコンテストなどもあります。遺族がこだわって建てたお墓を紹介するためのコンテストです。オリジナルデザインを考える際のエピソードとともにお墓を写真で紹介します。
また、お墓参りは日本の文化であり、お墓参りの本来の意味を次の世代に写真を通して知ってもらい継承する為などであれば、お墓に眠るご先祖様や故人を不快にすることはないでしょう。
お墓の写真の注意点
お墓の写真を撮影する際には、注意点がいくつかあります。お墓に眠っている故人に対してやお墓に同行した人、自分達以外にお墓を訪れている周りの人に対しても、失礼にあたらないようにお墓の写真を撮影する際の注意点をチェックしておきましょう。
撮影マナー
基本的に、お墓の写真撮影は禁止されれいません。しかし、隣接するお墓や他にお墓参りに来ている方への配慮が必要です。つまり、マナーに注意しなければならないということです。当然、お墓を撮影する際には、不謹慎なポーズやお墓に上ることなどは控えましょう。
多くの墓地や霊園では、隣や前後のお墓との距離が近く、写真を撮った際に周りのお墓やお墓参りに来た人が写り込んでしまう場合があります。この場合、その写り込んだお墓の持ち主やお墓参りに来ている人などに対して失礼にあたります。
一緒に写真を撮影する方々にも、きちんと許可を取りましょう。同行している方の中にも、お墓の写真を撮影することに対して抵抗を持っている方がいるかもしれません。1人でも反対をする方がいる場合には、撮影をしないようにしましょう。
SNSへのアップ
カメラを使うことなくスマートフォンで撮影した写真を、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSに簡単にアップロードすることができます。これらのSNSは、世界中の多くの人が利用しています。これらのSNSは、公開設定によっては世界中の人が目にすることができます。
これらのSNSを写真付きの日記のように行動の記録するアイテムとして利用している人も多いものです。そういった人にとっては、写真を撮影することが習慣化しているため、お墓参りの際も習慣のようにお墓参りにに行ったことを記録に残す為に写真を撮影する人もいるでしょう。
しかし、お墓で撮影した写真をSNSにアップロードするのはやめましょう。なぜなら、あなたがアップロードしたお墓の写真を見て不快に思う人も少なからずいるからです。
個人情報の流出
お墓に住所が書かれているわけではありませんが、写り込んだ看板や風景から墓地や霊園の場所が特定できる場合があったり、墓石にはお墓で眠る個人の名前と亡くなった日、享年などが彫られていたりします。
つまり、1枚の写真の中には、みなさんが想像するよりもはるかに多い情報が含まれているということです。位置情報をオンした状態でSNSにアップロードした際は、写真とともに位置も自動的に表示されます。
よほどのことがない限り、故人と親交があった方々にはお墓参りに来ていただきたいと思うものですが、偲ぶ気持ちや供養の気持ちでお墓参りに来てくれる人ばかりではありません。お墓にいたずらなどをされないためにも、個人情報の流出には注意をしましょう。
他のお墓に踏み入らない
墓地や霊園などの場合、お墓とお墓との間隔が狭いことが多く、撮影しようとするお墓全体を写真に収めることに集中をするあまり、足場を確保するために他のお墓の敷地に踏み入ってしまいそうになる場合があるでしょう。しかし、これは絶対にしてはならないことです。
まだお墓が建てられていない敷地だからと言って、足を踏み入れて良いと言うわけではありません。お墓が建っていない敷地は、墓地や霊園の持ち物であり管理下にあります。どうしても足を踏み入れる必要がある場合は、管理会社に許可を取りましょう。
通路はその墓地や霊園を利用する全ての人の共有のスペースです。そこを訪れている他の方の迷惑にならないように、素早くそして短時間で撮影を行わなければなりません。
お墓掃除をして
お墓に眠るご先祖様や故人も、綺麗な状態のお墓を写真に収めてほしいと思うのではないでしょうか。撮影した写真を見た時に、汚れたままのお墓が写っていては悲しい気持ちになってしまいます。
普段からお墓参りに行く際にはお参りをする前にお墓の掃除をすると思います。同じように、お墓を撮影する前に、お墓が土や砂で汚れた状態のままであったり、お花が枯れたままの状態であったりするのであれば、きちんと掃除をして綺麗な状態にしてから撮影をしましょう。
もちろんお墓参りは、撮影をする前に済ませておくべきです。
新しいお墓参りの形
高齢化社会の影響もあり近場のお墓参りならまだしも、遠方のお墓まで足を運ぶことが難しい人が多くなっていることや、感染症予防のために外出が容易ではない時代となりました。しかし、インターネットの普及により、インターネットでのお墓参りという新しい形が誕生しました。
インターネットでのお墓参りには2種類あり、インターネット上にだけ存在するバーチャルのお墓にお参りをする場合と、実際のお墓をインターネットを通してお参りする場合です。この新しい形のお墓参りは、昔の日本の墓文化の「埋め墓」と「参り墓」のような感覚に近いです。
実際のお墓をインターネットを通してお参りをする場合は、実際のお墓の写真を撮影して運営会社のサイトに登録します。このようなサイトに登録をすることで、どこにいてもインターネットの環境さえあればお墓参りが可能な時代となりました。お墓参りも多様化しています。
お墓の撮影をする前に
お墓の写真を撮影する際には、事前にお墓に向かって必ず手を合わせて撮影をさせていただく旨を伝えてから撮影をしましょう。そして最も大切なことは、お墓に眠る故人やお墓に関係する親族の気持ちを考慮し、厳かな気持ちを持って撮影することです。
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